「ん?何だこのメール?」
家で仕事をしていた青年の元に1通のメール届いた
「差出人不明。迷惑メールか?しょう・・・」
いつも通り迷惑メールをゴミ箱に捨てようとしたが何となく今までの迷惑メールと違うような気がし、メールを開いた
「何々?“おめでとうございます。貴方は神々の抽選により、異世界転生を行う権利を得ました。異世界転生を行う際は添付されたアドレスをクリックしてください。ご迷惑をおかけしますが本メールを消去してください”なんじゃこりゃ?」
書かれていた内容に青年はあっけにとられた
「“異世界転生”。二次小説でよくみるワードだが現実的に考えて出来るわけねぇだろう・・・消去だ消去」
馬鹿馬鹿しい内容に青年は送られてきたメールを消去しようとしたが、手を止め考えてしまった。“もしこの内容が本当で自分が見ているアニメや漫画、ラノベの世界に行き、キャラと話したりすることができるなら”アニメ好きなら一度は考えることである。それは青年も例外ではなく無意識で添付されたアドレスをクリックしてしまった
「やべ!?クリックしちまった!?」
気づいたときには遅く、パソコンの画面が光り輝き、部屋を包み込んだ。そして、光が収まると部屋には誰もいなかった。数日後、このことはテレビや新聞に記載された
「う・・う~~ん。ここ・・は何処だ?」
青年が目を覚ますとゲームなどでよく出てくる神殿にいた
「俺は確か家で仕事をしてて、差出人不明のメールが届いてそれを見て、間違って添付されたアドレスをクリックして、気が付いたらここ・・・・・もしかしてあのメール内容、マジだった?」
迷惑メールだと思っていたメールの内容が本物だったと知り青年は驚く
「っということはもしかして俺・・・あっちじゃ死んだことになってるのか?」
不本意とはいえ死んだことになった青年は嘆くがあまり悲しい気分にはならなかった。両親は幼いころに亡くなり、引き取ってくれた叔母夫婦の下で暮らしていたが高校に入ると同時に自立することを決め1人暮らしを始め、今に至る
「心残りなのは色々とお世話になった叔母さん夫妻に恩を返せなかったことかね~~」
青年が嘆いているとディスプレイが投影された
“ようこそ、八神飛羽真様。メールでも書かせていただきましたが、もう一度お祝いをさせていただきます。おめでとうございます、貴方は神々の抽選により、異世界転生を行う権利を得ました。まず初めに転生特典数を決めるルーレットを行います。お好きなタイミングでディスプレイの停止ボタンを押してください。尚、数分すぎても押されない場合、自動的に止まります”
「特典を決める・・・か。まぁ、異世界転生のお約束だな。ルーレットって完全に運だよりだな。って、もう回り始めてるし!?」
心の準備をする暇なく回り始めたルーレットを見て青年“八神飛羽真”は焦るも、心を落ち着け、ルーレットを見る
「(どうせ貰えるなら多いほうが断然いいよな。・・・・最大特典数は見たところ15か。だとしたら狙うのは10以上。ゲーセンで鍛えたルーレットの腕を見せてやるぜ)」
飛羽真はルーレットをじっと見て、速さに目をならし、タイミングを見計らう。そして、
「(ここだ!)」
停止ボタンを押した。止まった数字は・・・9
「少し早かったか」
“八神飛羽真様の特典数は9に決まりました。では、次に特典を決めます。ルーレットと同じようにボタンを押してください”
「まさかのガチャ!?」
得点を決めるのがソーシャルゲームでおなじみのガチャなのに飛羽真はなお驚いた
「(これ完全に運だよりだな!?)ええ~~い、神様、仏様、どうか、どうか、いい特典が来ますように。・・・・・・チェストォ!!」
飛羽真は祈りを済ませると何処ぞの体育会系ウルトラマンのような掛け声とともにボタンを押す。ガチャが始まり、数秒後9個の特典がディスプレイに表示された
1、肉体の限界突破
2、錬成
3、膨大な魔力
4、豪運
5、武芸がみにつけやすい
6、無制限異世界転生権利
7、岬越寺秋雨作トレーニングマッシーン
8、大賢者(転生したらスライムだった件)
9、ガチャ機能付きスマートフォン
「まじかよ、戦闘に役立ちそうなのが1つもないうえ、この中の一つは拷問機器だよな!?」
特典の内容を見た飛羽真は力なく崩れ落ちた
「もし転生先がバトル系の世界だったら簡単に死ぬぞこれ」
『告、その考えは不適切かと思います』
「へ?」
飛羽真は頭に直接聞こえてきた声に驚き、辺りを見回すも誰もいない
「・・・気のせいか?」
『告、気のせいではありません。私は貴方の頭に直接語りかけているのです』
「俺の頭に直接?つーか、あんた誰よ?」
『告、私は先ほどあなたが特典で手に入れた“大賢者”です』
「大賢者・・ねぇ。じゃあ、大賢者さん。不適切だっていう理由を教えてくれ」
飛羽真は大賢者と名乗る謎の天の声に尋ねる
『解、まず“肉体の限界突破”はその名の通り、生物としての限界を突破する能力です。どれだけ鍛えようにも人間の肉体には限界というものがありますが、この能力のおかげでほぼ無限に鍛えることができます。次に“錬成”は思い描いたものを作製することが出来ます。材料さえあれば、銃なども作ることが可能です』
「ほうほう」
『魔力の説明ははぶきますが、錬成を行う際魔力を消費して行うので重要になるでしょう。豪運は後で説明する物に大いに役立つかと思われます。武芸が身につけやすいは剣術などの戦うすべを身に着けるのが早くなります。トレーニングマシーンは一歩間違えればあれですが効率よく肉体を鍛え上げることが出来ます。そして“大賢者”こと私は思考加速、解析鑑定、並列演算、詠唱破棄、森羅万象、編集の6つの能力がありサポートに特化しております。そして、最後のガチャはポイント等を使用して様々な物、能力を得ることが出来ます』
「能力を得る?」
『解、例えば入手したガチャに“ウルトラマンゼロに変身できる能力”があればその名の通りゼロになることが可能です』
「なんですと!?なら仮面ライダーになることも夢じゃないってことか!?」
『解、その通りです。そして、ここで運アップの特典が役立ちます。ガチャの当たりは運と連動しており、運が良ければいいガチャが当たる確率が高くなります』
「ガチャの当たり次第では無限に強くなれるという訳か」
希望が出てきたことに飛羽真は喜ぶ
「大賢者、ガチャをするにはどうすればいいんだ?」
『解、入手したスマートフォンを起動してください』
「これか」
飛羽真はいつの間にかポケットの中に入っていた最新型のスマホを取り出し電源を入れる
「電源を入れたぞ。これからどうすればいいんだ?」
『解、画面に映っているガチャと書かれたアプリを起動してください』
「これか」
大賢者に言われた通り画面に表示されているガチャとと書かれたアプリをタップするとアプリが起動すると“異世界転生先ガチャ”が表示された
「これを押せばいいんだな。では、新たな人生へGO」
ユエをどちらのヒロインに入れるか?
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ハジメ
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飛羽真