“大賢者”と“ガチャ”を得た転生者の冒険譚   作:白の牙

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第19話

 

 飛羽真達が“反逆者”改め“解放者”オスカー・オルクスの創った住処に辿り着き、留まってから早2ヶ月。この2ヶ月で7人の実力や装備は以前とは比べ物にならないくらいに充実していた。例えば、飛羽真、ハジメ、恵理のステータスは現在こうなっている。

 

 

 八神飛羽真 17歳 男 レベル:100

 天職:剣士、錬成師、召喚師 職業:冒険者 ランク:赤

 筋力:18000 [スキル加算+2020]

 体力:18500 [スキル加算+4320]

 耐性:12500 [スキル加算+408]

 俊敏:17900 [スキル加算+1884]

 魔力:200000

 魔耐:150145

 技能:剣術LV100→剣帝LV100→剣神LV39[+斬撃速度上昇][+抜刀速度上昇]・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+イメージ補強量上昇][+鉱物融合][+圧縮錬成]・召喚・格闘術LV100→武王LV100→武神LV27[+部分強化]・魔力操作[+魔力放出]・闘気[+身体強化][+変換回復][+放出]・縮地[+無拍子]・瞬発力LV100→瞬身LV 100→瞬神LV10・直感LV100→見透LV86・鋭利LV100→斬鉄LV100→断空LV15・火属性適正[+付与]・風属性適正[+付与][+雷属性]・闇属性適正[+付与]・気配感知・言語理解

 

 南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???

 天職:錬成師

 筋力:10950

 体力:13190

 耐性:10670

 俊敏:13450

 魔力:14780

 魔耐:14780

 技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複数錬成][+圧縮錬成]・魔力操作[+魔力放出][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚][+瞬光]・風爪・夜目・遠目・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・恐怖耐性・先読・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・限界突破・生成魔法・言語理解

 

 中村恵理 17歳 女 レベル:???

 天職:降霊術師

 筋力:10830

 体力:13100

 耐性:10670

 俊敏:13430

 魔力:16540

 魔耐:16540

 技能:降霊術[+降霊][+霊視]・火属性適正[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+複数同時発動][+連続発動]・闇属性適正[+発動速度上昇][+効果上昇][+持続時間上昇][+複数同時発動][+連続発動]・魔力操作[+魔力放出][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目・遠目・気配感知[+特定感知]・魔力感知[+特定感知]・熱源感知[+特定感知]・気配遮断[+幻踏]・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・豪腕・威圧・念話・追跡・高速魔力回復・魔力変換[+体力][+治癒力]・生成魔法・言語理解

 

 っと、見ただけで完全なチートな存在になっている。ハジメと恵理のステータスの上昇は魔物の肉の恩恵だ。一方、飛羽真の成長限界は普通なら筋力、体力、俊敏が3000、耐性が2000までなのだが、レベルが100に到達したというのにここまで上がっているのはひとえに転生時に特典で得た“肉体の限界突破”のお陰だ。これにより、飛羽真のステータスは上がり続ける。

 

 たった2ヶ月でここまでステータスを上げることが出来た理由はガチャのお陰だ。“OO年ボタン”という特殊なアイテム。このアイテムの効果は年数を設定した後、ボタンを押すことで特殊な空間に移動し、そこで設定した年数を過ごすことが出来るのだ。そのアイテムのメリットは歳を取らないことと、終わった後、空間内での成果がそのまま反映されるのだが、当然デメリットも存在する。それは精神が崩壊することだ。

 

 だが、飛羽真はそのリスクを承知でそのアイテムを使い、設定した年数を過ごした。何もなく、誰もいない空間で飛羽真は鍛練と修練を積んだ。途中、心が折れ、精神が崩壊しそうになったが根性で耐え、見事、乗り越えたのだった。

 

 「いや~~~あれはきつかった」

 

 「キュル?」

 

 飛羽真は腹部に乗っている小さな竜を撫でながらその時のことを思い出す。感傷にふけていると、遠くから地響きが聞こえてくる。

 

 「・・・ピナ、危ないから飛んでろ」

 

 「キュルル~~」

 

 だんだんと大きくなってくる地響きに飛羽真は腹部に乗っていた竜“ピナ”に飛ぶよういうと、ピナは渋々と翼を広げて空に飛び上がった。そして、

 

 「と~~~~く~~ん!!」

 

 頭にうさ耳型のカチューシャを身に着け、不思議の国のアリスのような服を着た女性が何処ぞの世界的大泥棒のように飛羽真めがけてダイブする。

 

 「はりゃ?」

 

 「いつも言っていますが束様、その飛び込みは危ないので止めてください」

 

 すると、何処からともなく現われた2本の砂の腕がその女性を掴み取った。

 

 「ぶ~~~これは束さんなりの愛情表現何だよ?」

 

 「限度というものを知ってください」

 

 ゼストが魔法で操作し作り出した砂の腕に体を拘束され、ぶ~~~たれる女性。彼女の名は“篠ノ之束”。飛羽真が人物召喚で呼び出した自称天才(災)科学者だ。

 

 「キュルル~~」

 

 空に避難していたピナが飛羽真の頭部に乗る。まずはピナから紹介しよう。ピナは前に飛羽真がガチャで手に入れた幻獣の卵から孵った竜だ。ドタバタしていたためその場では孵すことが出来なかったが、一息ついたためボックスから取り出し、孵したのだ。孵ってから2ヶ月ちょっとなので戦闘力は低いと思われがちだが、本当のオルクス迷宮の魔物にも引けを取らない強さを持っている。常に飛羽真と一緒におり、飛んでいないときは飛羽真の頭に乗っている。

 

 次に篠ノ之束。インフィニット・ストラトス、通称ISと呼ばれるマルチフォーム・スーツを一人で開発した天才科学者。宇宙での活動用に作られたISだったが、高性能なことから軍事転用が始まった。

 

 「俺はそのISを使って空を飛んだり、宇宙に行ってみたいな。世界の果てならぬ、宇宙の果てってやつを一緒に見てみたい」

 

 「俺はパワードスーツって所がいいなロボットもそうだが、そういうのは男の夢だからな」

 

 束の話を聞いた飛羽真とハジメは頭の自分の夢をけなした学者と同じように笑ったが、その笑みはISのあり方、開発技術を素直に褒めてでた笑顔だったのだ。宇宙という言葉とあまり接点がないゼシカとユエは首を傾げたが、魔法等といった超常現象を使わずに人が空を飛ぶことが出来ると知ると感心し、恵理、シュテル、ゼストも束の開発技術を褒める。そのことから束は7人を気に入り、特に飛羽真には抱き着く程に気に入っている。

 

 「む~~~~~ふん!」

 

 砂の腕を飛羽真の動きを見、理論等を教えてもらって覚えた変幻無双流で解くと、束は飛羽真に抱き着く。

 

 「3日ぶりのと~~くんの体温と匂いだ~」

 

 「束さんは3日間眠りっぱなしでしたもんね」

 

 「細胞までオーバースペックなこの束さんでもあの魔物との戦いはきつかったからね」

 

 今から11日前、束は生成魔法を受け取る資格を得るために飛羽真とピナと共にオルクス大迷宮の攻略を行った。これは束の専用機“群咲(むらさき)”と開発した装備の試運転も兼ねていたのだ。2回目の攻略と新装備のおかげ、何の滞りもなく進むことが出来たが、やはり最後のヒュドラは別格で、チートな存在となった飛羽真がいたというのに苦戦を強いられた。

 

 最終的に変身した飛羽真と試作品の武器で倒すことに成功したが、精魂尽きたのか束は死んだように3日間眠り続けていたのだ。

 

 「それで神代魔法は?」

 

 「さっき覚えてきたところだよ。付き合ってくれてありがとうねとーくん」

 

 「いいっすよ。俺もこれの試し斬りと鬼徹にちゃんと魔法が付与できるかの確認もしたかったですし」

 

 「・・・・よくそんな危ないオーラだだ漏れの刀なんか使おうなんて思うね?」

 

 量子ボックスから取り出した2代鬼鉄を少し怯えた表情で見る束

 

 「俺以外使える奴はいないですからね。本当は幼馴染に渡そうと思ったんですけどさすがに妖刀を持たせるわけにはいきませんから」

 

 「それで自分が使ってるってわけ?呪いに殺されるかもしれないんだよ?」

 

 「じゃあ、試してみますか?俺の運とこいつの呪い。どっちが強いのかを?」

 

 「ふぇ?」

 

 飛羽真は鬼徹を抜くと、真上に放り投げ、横に腕を伸ばすと刀が落ちてくるのをじっと待つ。束もゼストも目を見開き、止めようとするが何故か足が動かず、見守ることしかできなかった。放り投げられた刀は回転しながら落ちてくる。鋭利な刃が飛羽真の腕を捉えるとこの場にいる誰もが思ったが、刀は不可思議な軌道で腕を避けるようにすり抜け、地面に深々と突き刺さった。

 

 「・・・俺の勝ち・・・だな」

 

 不敵な笑みを浮かべる飛羽真。一方、束とゼストは力が抜け地面にぺたりと座り込む。

 

 「腰・・・抜けちゃった」

 

 「・・・私もです」

 

 「これで分かってくれたか束さん。こいつ(鬼徹)は俺を主として認めているんだよ」

 

 突き刺さった鬼徹を引き抜き、鞘に納め飛羽真は鬼徹が自分を認めてくれている事を語るが、束もゼストも放心していたため、聞こえていなかった。その後、正気に戻った2人からしこたま説教を受けた飛羽真であった。

 

 

 

 

 

 

 

 「ハジメ、入るぞ」

 

 飛羽真はノックをした後、工房内に入る。中に入ると、机の上でハジメが作った装備の最終チェックを行っていた。

 

 「おう、飛羽真。何でそんなに疲れてるんだ?」

 

 「ちょっと、やんちゃをしちまってな。さっきまで束さんとゼストの説教を受けていたんだ。それより、調子はどうなんだ?」

 

 「あぁ。部分展開も含めて随分とスムーズに出来るようになった」

 

 飛羽真の問いにハジメは体全身に機械で出来た鎧を装着することで答えた。

 

 「束さんが開発したISを元に開発したパワードスーツ。宇宙での活動を前提としたISと違って完全な戦闘用のスーツ。まんまアイアンマンだな」

 

 「それを模して作ったからな。束さんのお陰で夢にまで見たパワードスーツを作って動かすことが出来て俺は大満足だ」

 

 「じゃあ、バルカンに変身するためのツールはもう必要ないな?・・・冗談だ。だからレーザーを撃とうとするのは止めろ」

 

 飛羽真に手を向け、掌の中央にはめ込まれた球体にエネルギーが集約されているのを見て、飛羽真は両手を上げ、冗談だという。

 

 「・・・それより、八重樫に渡す予定の新しい刀の使い勝手はどうだったんだ?」

 

 「硬度、切れ味、生成魔法で付与した魔法の数々。雫なら使いこなせるはずだ」

 

 飛羽真は量子ボックスから全てが白で作られた刀を取り出し、使った感想を言う。この刀は大迷宮で手に入れた鉱物と飛羽真がガチャで手に入れた鉱物等を使って飛羽真が作成、ハジメが持っている技能で使えそうなものをスキルで付与して出来上がった合同作なのである。

 

 「刀身には50階層のサソリの外殻に使われていたシュタル鉱石。鉱石には俺の魔力をふんだんに込め、この世界で最高の硬度の鉱石と言われている“アザンチウム鉱石”をも超える硬度にし、ガチャで手に入れたダマスカス鋼と融合させ、錆びないようにした後、鉱石を圧縮して作った」

 

 「それに俺が得た技能“風爪”を生成魔法で付与。同じ製法で作った鞘には“纏雷”を付与。特注の帯刀ベルトには“身体強化”を付与。サービスしすぎじゃねぇか?」

 

 「心配をかけさせちまってるからな。そのわびも兼ねてるんだよ」

 

 「ふ~~ん。名前はもう決めてるのか?」

 

 「そうだな・・・・和道一文字とでも名づけるか」

 

 「おい。それって思いっ切り著作権の侵害なんじゃ・・」

 

 「空想上にしか存在しない物に侵害何てねぇだろう」

 

 「・・・確かに」

 

 飛羽真の言葉にハジメは納得してしまった。

 

 「そうだ、ガチャの券、溜まってるだろうし引いておくか」

 

 「っお!ガチャを引くのか?」

 

 「あぁ。出発前の景気づけに1回、回しておこうと思ってな」

 

 スマホを取り出した飛羽真を見てガチャをするのだと分かったハジメは興味津々で画面を見る。

 

 「さてさてさ~~て、何が当たるかな~~?」

 

 飛羽真はドキドキしながらガチャのボタンを押す。数秒後、ガチャの景品が表示される。

 

 ‐闇黒剣月闇+ワンダーライドブック“ジャアクドラゴン”

 ‐破壊神ビルスの力(1日2時間のみ使用可能)

 ‐ワンダーライドブック“ジャオウドラゴン”

 ‐魔法カード死者蘇生(1回のみ使用可能)×2枚

 ‐ジュエルミート

 ‐ワンダーライドブック“ディケイド世界旅行記”

 ‐iPS再生槽の設計図

 ‐ウルム=マナダイト

 ‐プログライズキー“ライトニングホーネット”

 ‐ポケモンの卵

 

 「「・・・・・・・」」

 

 「・・飛羽真、これは」

 

 「言うな。俺もどんな反応をすればいいか困ってるんだ」

 

 とんでもない内容の景品の数々に飛羽真はどんな反応をすればいいか困り果てる。

 

 「とりあえず、このプログライズキーは中村に渡して、この再生槽の設計図とやらとウルム・マナダイトは束さんに、肉はゼストに渡して、出立前の晩餐にでも出して食べるとして」

 

 「卵はどうするんだ?」

 

 「俺が育てる。闇黒剣と本は俺が持つとして問題は死者蘇生のカードと破壊神とやらの力だが」

 

 「回数制限と時間制限があるがどっちもやばいな」

 

 「だが、この破壊神の力は神々を滅するのに役に立つだろうから覚えておくか」

 

 得た景品を捌き、能力を得た後、3回目になるヒュドラで得た能力を試したところ、白頭が亡くなった他の頭を再生させようとしたが、再生することが出来ず、口をあんぐりとしていたのが印象的だったと飛羽真は語った。

 

 

 

 そして、それから10日後。準備を整えた終えた飛羽真達はいよいよ地上へと出る。3階の魔方陣を起動させながら呟く。

 

 「皆、分かってるとは思うが俺達に武器や力は地上では異端だ。教会や国が黙ってるということはないだろう」

 

 「だろうな」

 

 「兵器類やアーティファクトを要求されたり、戦争参加を強制される可能性も極めて大きい」

 

 「うん」

 

 「教会や国だけならまだしも、神を自称する狂人共も敵対するかもしれない」

 

 「望むところだよ」

 

 「世界を敵に回すかもしれない旅になる。命がいくつあっても足りないぐらい」

 

 「「「「「「「「今さら」」」」」」」」

 

 7人?の言葉に苦笑いする飛羽真。

 

 「んじゃあ、行きますか。神殺しを兼ねた地球へ帰るための手段を探す旅に」

 

 旅の目的を語った後、飛羽真達は魔方陣が放つ光に包まれた。




 次話からとあるキャラが参戦します。
 ヒントは蘇生

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