「いや~~本当に数日で“気”を習得するとはなぁ~~~」
「教えたお前が驚いてるんじゃねぇよ!」
飛羽真の発言に隣にいたハジメがツッコミを入れた。
「師匠(せんせい)!いかがだったでしょうか」
「うむ、ばっちりだ!だが、お前達は入口に立ったに過ぎない。今後も精進するように」
「「「「「はい!」」」」」」
飛羽真は砕かれた大岩や切り倒された又は折られた木を見て、全員が気を習得し、使いこなせるようになったことに満足し、精進するように言った。
「じゃあ、これから最終試験を始める。内容はこの樹海に存在する上位の魔物を1チーム1体狩ってこい」
「は!行くぞお前達!!」
「「「「「おぉおおおお!!」」」」」
ハジメの指示を受けたカムは雄叫びを上げる同胞と共に森の奥へと消えていった。
「はぁ~~~完全とまでは行かないがなんとか修正することが出来たか」
「飛羽真、その、何だ・・・迷惑かけたな」
「まったくだ。あそこまでするのに俺がどれだけ気を使ったことか・・・こいつは貸しだからな」
「物凄い高い貸しになりそうだな」
「お前は後何個、俺に貸しを作るんだろうな?」
溜息を吐くハジメを飛羽真は悪代官のような笑みを浮かべた。すると、
「ん?」
「戻ってきたみたいだな」
別の場所で特訓を行っていたユエ達が戻ってきた。
「・・・そちらはまだ終わっていないのですか?」
「さっき、最終試験に行ったところだ。10分ぐらいで戻ってくると踏んでいる。そっちは終わったみたいだな?」
「えぇ。それで報告したいことがあるの」
ゼシカがそう言うと一歩横にずれ、シアと一緒に特訓を受けていたハウリア族の少女が1歩前に出る。
「君は確か・・・」
「ティ、ティリス・ハウリアです。えっと、その・・・・」
「「わ、私達も皆さんの旅に連れて行ってください!」
ハウリアの少女“ティリス・ハウリア”とシアは意を決すると頭を下げながら自分達の思いを告げた。
「・・・成程、シュテル達に特訓の相手を頼んだのはこういうことだったってわけか」
ゼシカ達、女性陣に直々に特訓を着けてほしいと頼みこんでいた時点で何かあると思っていた飛羽真は2人の言葉を聞き、このためだったのかと理解した。
「っで?鍛えた本人たちの意見は?」
「そうですね、最初は無謀だと思いましたが、必死に訓練を受ける彼女達を見て本気だと言うことが見て取れましたので、根を上げず最後までやり遂げることと、私達個人から出す最終試験に突破すれば口添えをしてあげると約束しました」
「結果、2人は最後まで根を上げることなく特訓をやり遂げ、私達が出した試験も突破しました」
シュテルとゼストの発言に飛羽真は目を見開く。何故ならシュテルの考えた特訓内容を記したメモをチラ見したからである。
「でも、魔力を直接操ることのできるシアは兎も角、そっちの子は身体能力をいくら上げようと魔法が使えないんじゃ・・・・」
「使えるようになりましたよ」
「・・・・・は?」
シュテルの言葉に飛羽真は間の抜けた声を上げる。
「使えるようになったって、亜人は魔法を使えないんじゃ」
「えぇ。私もそう思っていました。シアのように突然変異でもしない限り。ですが、オルクさんに聞いたところ、彼のかつての仲間の1人である亜人族の女性はシアと同じで魔法が使えていたそうです。その話を聞き、私は1つの仮説を立てました。亜人族が魔法を使えないのは魔力をつかさどる器官、私で言う“リンカーコア”が目覚めていないからではないかと」
シュテルは自分が立てた仮説を飛羽真に説明する。
「もしそうだとしたらどうやって目覚めさせればいいのか?色々とありますが、一番簡単なのは外部から内部へと刺激を与えることです」
「外部から内部に?・・・・まさか?魔法を当て続けたのか?」
「そんなことはしません。魔力を彼女の内部へと流し器官を目覚めさせたのです。勿論、ティリスの合意のもと行いました」
「結果、シュテルの仮説は正しかったってわけか」
「はい。シアのように直接魔力を操作することは出来ませんが、詠唱を行うことで魔法を使うことが出来ます」
「貴方とハジメ、オルクにアーティファクトを作って貰えれば即戦力にはなれるはずよ」
「・・・・・」
ゼシカの言葉を聞き、飛羽真はしばし考えるとシアとティリスに話しかける。
「シア、そして、ティリスって言ったな?2人の覚悟は解った。だが、何で俺達の旅に同行したいんだ?」
飛羽真は何故自分達の旅に同行したいのかを2人に尋ねる。
「「そ、その・・・・・さんの・・・たちたいから?」」
「何だって?」
「「・・・・と、飛羽真さんの役に立ちたいからです!!す、好きになってしまったから/んです!!」
「・・・は?」
2人の告白に飛羽真は鳩が豆鉄砲でも喰らったかのようにポカンとなってしまった。
「飛羽真のことを一目見た際に体に電流が走ったそうよ?」
「いわゆる一目ぼれというものですね」
「え~~~」
まさかの理由に飛羽真は何と言えない表情になる。
「動機がなんであれ、それだけ彼女達が本気だということではないのでしょうか?」
「う~~~ん・・・2人とも俺達の望みは故郷に帰ることともう一つ、とある奴を滅することだ。下手を討てば世界中の奴らに命を狙われることになる危険な旅だ。それでも、一緒に旅をしたいのか?」
「「はい!」」
「・・・はぁ~~~勝手にしろ。シュテル」
「何でしょうか?」
「特訓中に使わせていた武器は何だったんだ?」
「シアはハンマー、フィリスは長物ですね」
「長物・・・・ってことは、槍、薙刀、三節棍辺りか?」
シュテルから特訓中にフ2人が使っていた武器を聞いた飛羽真はどの様な武器を作るか頭の中で案を考えながら歩いていると、ハジメが歩み寄ってきた。
「飛羽真、2人を連れて行くって本気か?」
「本人たちの強い希望でな」
「大丈夫なのかよ?」
「シュテルを含む女性陣全員が大丈夫って言うんだから大丈夫何じゃないか?」
話を聞いていたハジメが信じられないような目で言ってきたが、女性陣が認めたと言って納得させる。
「覚悟を決めた女ってのは強いからな。今は早急に2人の武器を作らないといけない」
「んじゃあ俺は師匠と束さんを連れてくる。2人で考えるより4人で考えたほうが早く済むしな」
シアとティリスの武器について話している2人の後ろではシアとティリスが手を握りあって旅に着いて行けることを嬉しがっていた。だが、2人は知らない自分たち以外の家族が変貌を遂げていることを。そして、変貌した姿を見る時が着々と迫ってきていることを。
亜人族が魔法を使えない理由はあくまでも自分の予想ですのであしからず。
後で出てきたオリキャラについての設定を人物設定に記載します。
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