「やっぱり飛び道具は必要だろう。近接だけでやっていけるほど戦いは甘くねぇ」
「いや、それは俺も分かるがいくら何でもミサイルはないだろう、ミサイルは」
旅についてくることとなったシアとフィリスの為に作る武器について互いに案を出し、談話する飛羽真とハジメ。考えた物を作り出せることが出来るようになってからロマン武器の開発に精を出すハジメと実用性を重視する飛羽真。
「そもそも、一度撃ったら使用出来なくなるって機能なんてあっても意味ないだろう」
「あぁ!?ロマンってのは無駄からしか生まれないんだよ!」
「(駄目だ。この世界に来てから一度鳴りを潜めたハジメの厨二病が蘇っちまった。まぁ、見た目からしてもう厨二病なんだが)」
厨二病を再発させたハジメをどうしようかと悩んでいると複数の者達が茂みから飛び出ると飛羽真とハジメの前に片膝をついて着地し、
「「「「「「ただいま戻りました、ボス、師匠」」」」」」」
揃って飛羽真達に頭を下げながら言った。
「ボ、ボス?師、師匠?と、父様?それに皆も何だが口調が・・・というか雰囲気が」
父親と他の皆の言動に戸惑うシアをさらりと無視してカム達は樹海に生息する上位の魔物の牙やら爪やらを取り出し、バラバラと地面に落としていく。
「・・・・俺達は1体でいいと言ったと思うんだが?」
ハジメの問いにカム達は飛羽真が鍛える前に言ったのと同じ不穏な発言をする。飛羽真がなんとか修正したのだが、深いところまで刻み込まれていたようだった。
「「・・・誰?」」
物騒な報告をする、カム達をみてシアとティリスはそれしか言うことが出来なかった。
「ど、どういうことですか!?ハジメさん、飛羽真さん!父様達に一体何が!?」
「ハジメのせいだ。割合で言うなら99,9%」
「ほぼ100%じゃねぇか!」
「間違えた・・・100%だった」
「言い直すな!!」
シアの追及に飛羽真は全てハジメが悪いと言うとハジメが喰ってかかるがその通りのためツッコムことしかできない。
「すぅ~~~はぁ~~~~・・・・別に、大して変わってないだろう?」
「貴方の目は節穴ですか!?見て下さい!一部の人は筋肉隆々になって、素手で大岩を壊しているんですよ!?」
「それは飛羽真のせいだ」
「武人に目覚めただけだろう」
「飛羽真さんも関わってるんじゃないですか!?まぁ、あれはいいでしょう。でも、あの人を見て下さい!さっきからナイフを見つめたままウットリしているじゃないですか!あっ!今、ナイフに“ジュリア”って呼びかけた!?ナイフに名前つけて愛でてますよ!?普通に怖いです~~」
変わり果てた家族を指さしながら凄まじい勢いで事情説明をするようハジメと飛羽真に詰め寄るシア。ハジメはというと、どことなく気まずそうに視線を逸らしながらのらりくらりと尋問を躱し、飛羽真は“我関せず”っといった態度を取っている。フィリスはというと親のあまりの変わりようにショックを受け気絶してしまった。
らちが明かないと判断したシアは矛先をカム達に向ける。
「父様!それに皆も!一体何があったのです!?まるで別人ではないですか!さっきから口を開けば恐ろしい事ばかり・・・正気に戻ってください!」
「何を言っているんだ、シア?私達は正気だ。ただ、この世の真理に目覚めただけさ。ボスのおかげでな」
「し、真理?な、何ですか、それは?」
ギラついた表所を緩め前の温厚そうな表情に戻りながらも訳の分からないことをいうカムに頬を引きつかせながら尋ねたシアにカムは自信に満ちた様子で、
「この世の問題の9割は暴力で解決できる」
そう宣言した。
「やっぱり別人です~~!優しかった父様は、もう死んでしまったんです~!?うわぁ~~ん!!」
ショックのあまりシアは泣きべそを掻きながら踵を返し樹海の中に消えて行こうとするが、霧に紛れる寸前で小さな影とぶつかってしまった。
「はぅう!?」
「・・・気が動転してたとはいえ咄嗟にバランスを整えることも出来ないなんて情けない」
情けない声を上げながら尻もちをついたシアにユエは溜息をつく。シアと違いバランスを整え転倒せず持ちこたえた小さな影は倒れたシアに手を差し出した。
「あ、ありがとうございます」
「いや、気にしないでくれ、シアの姐御。男として当然のことをしたまでさ」
「あ、姐御?」
呼び方に戸惑うシアを無視して小さな影の正体であるハウリア族の少年はハジメと飛羽真の前まで歩み寄ると、惚れ惚れするような敬礼を行う。
「ボス!師匠!手ぶらで失礼します!報告と上申したいことがあります!発言の許可を!」
「(もう完璧に軍人だな)」
「お、おう?何だ?」
歴戦の軍人もかくやという雰囲気に飛羽真は溜息をつき、やりすぎたかもしれないと若干どもるハジメ。そんな2人の心情などお構いなしに少年は報告を続ける。
「は!課題の魔物を追跡中、完全武装した熊人族の集団を発見しました。場所は大樹へのルート。おそらく我々に対する待ち伏せかと愚考します!」
「・・・やっぱり来たか。俺は即効でくるかと思ってたんだが」
「目的を目の前にして叩き潰そうって腹だな。いい性格してるじゃねぇか」
少年の報告を聞き、やっと来たのかという表所をする飛羽真とハジメ。
「・・・で?」
「は!宜しければ奴等の相手は我らハウリアにお任せ願えませんでしょうか!」
「う~~ん。カムはどうだ?こいつはこう言ってるけど?」
「お任せいただけるのであれば是非。我らの力、奴らに何処まで通じるのか・・・試してみたく思います。な~にそうそう無様な姿は見せやしませんよ」
話を振られたカムは不敵な笑みを浮かべながら頷く。そして、カムの言葉に周囲のハウリア族が全員同じように好戦的な表情を浮かべた。
「・・・・出来るんだな?」
「肯定であります!」
最後の確認をするハジメに報告に来た少年が元気よく返事をした。目を閉じ、深呼吸するハジメを見て嫌な予感がしたのか飛羽真は両手で耳をふさいだ。
「聞け!ハウリア族諸君!勇猛果敢な戦士諸君!今日を以てお前達は糞蛆虫を卒業する!お前達はもう淘汰されるだけの無価値な存在ではない!力を以て理不尽を粉砕し、知恵を以て敵意を捻じ伏せる!最高の戦士だ!私念に駆られ状況判断も出来ない“ピー”な熊共にそれを教えてやれ!奴等はもはや唯の踏み台に過ぎん!唯の“ピー”野郎どもだ!奴等の屍山血河を築き、その上に証を立ててやれ!生誕の証だ!ハウリア族が生まれ変わった事をこの樹海の全てに証明してやれ!」
「「「「「「Sir,yes,sir!!」」」」」」」
「答えろ諸君!最強最高の戦士諸君!お前達の望みは何だ!!」
「「「「「殺せ!殺せ!殺せ!」」」」」」
「お前達の特技は何だ!」
「「「「「殺せ!殺せ!殺せ!」」」」」」
「敵はどうする!」
「「「「「殺せ!殺せ!殺せ!」」」」」
「そうだ!殺せ!お前達にはそれが出来る!自らの手で生存の権利を獲得しろ!」
「「「「「Aye,aye,sir!!」」」」」
「いい気迫だ!ハウリア族諸君!俺からの命令は唯一つ!サーチ&デストロイ!行け!」
「「「「「YAHAAAAAAAAAA!!」」」」」」
「4日に及ぶ俺の努力は何だったんだ?」
「うわぁ~~ん!やっぱり私の家族は皆死んでしまったです~~」
ハジメの号令に凄まじい気迫を以て返し、霧の中に消えていくハウリア族。一瞬で特訓をつける前に戻ってしまった彼らに飛羽真は黄昏、シアは変わり果てた家族を再度目のあたりにし、崩れ落ちた。
「・・・・・」
「飛羽真?どうしたん・・・だ!?」
無言でハジメに近づいた肩を掴んだ飛羽真はおもいっきりハジメの腹部を殴った。
「な、何しやがる!?」
「何しやがるだと?それはこっちのセリフだお前があんなことを言うから元のあいつらに戻っちまったじゃねぇか」
「・・・あ」
何も言わず自分を殴った飛羽真に怒鳴るハジメだったが、飛羽真の話を聞き、自分が何をしたのかを思い出す。
「これからお前をボコボコにするがいいよな?答えは聞いてない!」
「じゃあ、聞くな・・ぎゃぁああああああ!?」
樹海にハジメの悲鳴が響き渡った。尚、ハジメloveなユエは愛しいハジメを殴り続ける飛羽真を止めようとするが、恵理や他の女性陣、オスカーにそれを止められ、泣き続けるシアを慰めることにした。
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