“大賢者”と“ガチャ”を得た転生者の冒険譚   作:白の牙

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第35話

 

 

 レジェンドライダーワンダーライドブックの力を借りてかつて巻き込まれてやって来た異世界へと来た飛羽真。知り合いの鍛冶職人の所へと行こうと家を出ようとしたときにかつてパーティーを組み、一緒に暮らしていた少女と再会した。

 

 「久しぶりだなエルザ。美人になると思っていたが、予想以上に美人になったな」

 

 「・・・・・・・」

 

 「ん?エルザ?・・・・固まってやがる」

 

 待っていても返事が返って来ないことに不思議がり、少女“エルザ・ランドール”をよ~~くみると、石のように固まっていた。

 

 「・・・てい」

 

 「っ!?」

 

 正気に戻すために少し強めのデコピンをエルザの額に行う。痛みで正気に戻ったエルザだったが、よほど痛いのか両手で額を抑えながら悶絶する。

 

 「い、痛いです、兄上」

 

 「固まってたお前が悪い・・・・っと言いたいところだが、そんなに痛かったか?ほんの少ししか力は込めてないはずだが?」

 

 『告。成長スキルはこの世界でもステータスに加算されているのでそれのせいだと思われます』

 

 「(サイですか)」

 

 大賢者からの報告を聞いた飛羽真はならエルザが痛がるのも無理はないと納得する。

 

 「元気そうで安心したよ」

 

 「・・・本当に兄上なんですね?」

 

 「おう。正真正銘お前の義理の兄の八神飛羽真だ」

 

 エルザの問いに飛羽真は自信満々な表情で答えた後、

 

 「これを見れば俺が本物だって信じてもらえるか?」

 

 火炎剣烈火が納まった聖剣ソードライバーを取り出して見せる。

 

 「それとも、俺達しか知らないエルザの秘密を言えば分かるか?そうだな~~いつ魔獣が襲って来るかも分からない外で野宿した時の翌朝、怖くておね・・・」

 

 「わぁ~~~~!?信じます!兄上だって信じます!だからその話は!?」

 

 飛羽真が何を言おうとしたのか分かったエルザは大慌てし、飛羽真が本物だと信じた。

 

 「う~~~兄上は相変わらず意地悪です」

 

 「はっ、はっ、はっ、兄の特権ってやつだ」

 

 むくれるエルザに飛羽真がいい笑顔で言うと、エルザが飛羽真に抱き着いた。

 

 「エルザ?」

 

 「また、またお会いすることが出来て嬉しいです兄上」

 

 「・・・ただいま」

 

 嬉し泣きしているエルザの頭を優しくなでながら飛羽真は帰宅の挨拶をした。

 

 

 

 

 

 

 「そうですか」

 

 泣いているエルザを連れて知り合いの武器屋に行くわけにはいかなかった飛羽真は落ち着くまでこの数年でどんなことがあったのかを互いに話し合っていた。

 

 「じゃあ、フェイト姉様やシルヴィア姉様、木乃香姉様も元気なんですね」

 

 「あぁ」

 

 「良かった。ですが、兄上も災難ですね。2度も異世界に召喚されるだなんて」

 

 「まぁな。でも、召喚されてよかったって思ってるぜ。もし違うクラスだったら俺は大切なものを失っていたかもしれなかった」

 

 「兄上」

 

 「少し喋りすぎたな。そろそろおっさんの所に行くか」

 

 「分かりました」

 

 近況報告もほどほどにし、来た目的を果たすべく飛羽真はエルザを連れて何度もお世話になった武器屋へと赴く。

 

 

 

 「らっしゃい・・・って、エルザの嬢ちゃんじゃねぇか。んでもう一人は・・・坊主!?」

 

 扉を開け店の中に入るとヤが就く屈強な男が2人を出迎えた。そして、飛羽真の事を見ると信じられないような表情を浮かべる。

 

 「お前、どうしてここに?住んでいた世界に帰ったんじゃ」

 

 「とある物で勇者にしかできない事を出来るようになったんだよ。それより今日はおっちゃんに頼みがあってな」

 

 「た、頼み?」

 

 「おう。この生地とこれらの素材で俺の新しい服とフェイト達に作って貰った服を7着ばかり作って貰いたいんだ」

 

 状況が理解できず混乱してる店主を無視して飛羽真は量子ボックスからコットン生地と大迷宮で手に入れた数々の素材を取り出して頼む。

 

 「待て、待て、待て!最初から全部説明しろ!」

 

 自分を無視して話を続ける飛羽真に店主は待ったをかけ、説明するよう求めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「成程、盾のあんちゃんや他の勇者も出鱈目だったが、坊主はもっと出鱈目だったってわけか」

 

 「人をびっくり箱のように言わないで欲しいな」

 

 「いや、事実だろうが」

 

 飛羽真の話を聞いた武器屋の店主“エルハルト”は盛大な溜息を吐きながら話を飲み込み、思ったことを正直に伝えた。

 

 「んで?新しい服を作ってくれって言っていたが。今着ているその服じゃダメなのか?」

 

 エルハルトは餞別に渡した服を着ている飛羽真を見て尋ねる。

 

 「いや、この服もいいと言えばいいんだが、な~~んかしっくりこないんだよな」

 

 「ふむ。まぁ、俺達職人は頼まれたことをやるだけだ。こうして欲しいというリクエストはあるか?」

 

 「そうだな~~~」

 

 エルハルトに尋ねられ飛羽真はどんな服がいいのかを考える。そして、考えること数分、

 

 「こういう風な服がいいな」

 

 思い浮かべた服を紙に書いて、見せた。

 

 「成程、剣主体で戦う坊主には合ってそうな服だな」

 

 「んで、どれくらいかかりそうだ?」

 

 「そうだな量が量だから・・・・5日って所だ」

 

 「5日・・か」

 

 エルハルトから完成までの日数を聞いた飛羽真は少し考え込む。

 

 「(いつでも世界を渡れ、来れるようになったとしてもこの世界とトータスの時間の流れが同じとは限らない。っとなると)一度戻って説明してからまた戻ってきてこっちで5日過ごしたほうが確実だな」

 

 「どうしたんですか兄上?」

 

 「何、服が完成する間、ここにいようって思ったのさ」

 

 「え!?ほ、本当ですか!?」

 

 「あぁ。仲間達に説明するために1度あっちに戻るが、説明を終えたら戻ってくる。んで、今日の夕飯はなにがいい?」

 

 「兄上が作ってくれるのですか!?」

 

 「おう。再会を祝って豪華な物を作ってやるぞ?」

 

 「じゃ、じゃあ、兎肉のシチューが食べたいです」

 

 「それは構わないが、兎の肉はあるのか?」

 

 「今から狩ってきます」

 

 そう言うとエルザは兎を狩るため駆け足で店から出て行った。

 

 「んじゃあ、いったん俺も戻るか。じゃあ、おっちゃん服の事頼んだぜ」

 

 「任せておけ。今着ているのよりも最高の物を作ってやる」

 

 エルハルトの言葉を聞いた飛羽真は店から出ると“ディケイド異世界旅行記”の力でトータスへと戻ると、説明をするべく全員を呼んだが、ハジメ一行は大迷宮の入り口を探すべくライセンス大渓谷へと旅経ってしまっていた為、集まったメンバーのみに事情を説明し、本の力を使って再び世界を渡った。

 

 それから5日間、飛羽真は妹分のエルザに稽古を付けたり、狩りに行ったりしながら生活した。

 

 

 

 

 

 

 そして5日後、

 

 「どうだ坊主?」

 

 「最高です」

 

 エルハルトから渡された服を着た飛羽真はその出来に大変満足していた。

 

 「前のと同じように体格に合うよう自動的に調整されるようにしてある。さらに、防汚、防臭といった処置も施されている。防御力の方も坊主が持ってきてくれた素材のおかげで格段に上がっている。後、頼まれた分の服と予備の服だ」

 

 「サンキューおっちゃん」

 

 飛羽真はエルハルトから予備の服と女性陣に渡す服を受け取ったのだが、渡す分と予備の分を合わせても頼んだ分よりも多かったのだ。

 

 「おっちゃん、3着分多くないか?」

 

 「そいつは坊主の故郷で待っている嬢ちゃん達の分だ」

 

 「フェイト達の?」

 

 「あぁ。生地も素材も山のようにあったからな。問題なく作れた」

 

 「使うことになるかは別として・・・・サンキュー、おっちゃん」

 

 「いいってことよ」

 

 受け取った服を量子ボックスへとしまい、店の外に出ると村に住んでいる者達が並んでいた。その中には勿論、この世界を救った盾の勇者と呼ばれる岩谷尚文の姿もあった。

 

 「行くのか飛羽真?」

 

 「はい。ここでの用事も済みましたからね。あっちの世界に戻って俺のするべきことをします」

 

 「そうか。何かあったら遠慮なく呼べ。弟分の手助けぐらいはしてやる」

 

 「尚文さん。はい!もしもの時はお願いします」

 

 兄貴分である尚文の言葉を聞き、飛羽真は頭を下げて言った。

 

 「そう言えばエルザは?」

 

 「そういえばいませんね」

 

 「エルザお姉ちゃん、何処に行ったんだろう?」

 

 この場にエルザがいないことに気づいた飛羽真が辺りを見渡すと、自分を尚文の剣という女性“ラフタリア”と背中に翼を生やした少女“フィーロ”が飛羽真と同じように周りを見回すもエルザは何処にもいなかった。

 

 「寂しいのよきっと。何せもう二度とあえないと思っていた人に会えたのだもの」

 

 「そう・・かもしれませんね」

 

 尚文の妻の一人である亜人のサディナがエルザの気持ちを伝える。因みに尚文の第一夫人はラフタリアである。

 

 その後、飛羽真は村に住んでいる者達から薬や食材等を貰い、別れの挨拶を言い、トータスへ戻ろうとしようとしたとき、

 

 「兄上!」

 

 探していたエルザの声を聞き、振り返る。そこにいたのは真新しい服を着たエルザが立っていた。エルザはそのまま飛羽真の前まで歩いて行くと、

 

 「兄上、私も一緒に連れて行ってください!」

 

 頭を下げて飛羽真にお願いをした。

 

 「本気・・・みたいだな」

 

 「はい!ここにいない姉様達の分まで私が兄上を支えます」

 

 エルザの表情と語調から本気なのだと話を聞いていた住民は理解する。

 

 「エルザ、世界を渡るとレベルは1となり最初から鍛えなおさないといけなくなる。今の強さになるまでには相当時間がかかるぞ?それでもいいのか?」

 

 「勿論です」

 

 飛羽真の言葉に迷いなく答えるエルザ。

 

 「エルザ、何かをすると決断した時、俺がよく言っていたことを覚えているか?」

 

 

 「は、はい」

 

 「覚えているならそれを俺と一緒に言うんだ。行くぞ」

 

 「「思い立ったら吉日、その日以降は全て凶日」」

 

 「つまりそういうことだ」

 

 「っ!」

 

 願いに対する返事を答えながら飛羽真はエルザの頭を撫でる。答えの意味を知ったエルザは目を輝かせ、笑顔になった。そんなエルザの頭をぽんぽんと叩いた後、飛羽真は本を取り出す。

 

 [ディケイド異世界旅行記]

 

 本に内包された力を起動し、オーロラカーテンを出現させる。

 

 「それじゃあ、尚文さん、皆、お元気で!今度はフェイト達と一緒に来ます」

 

 「皆、行ってきます!」

 

 村の皆に見送られ、飛羽真とエルザはオーロラを潜ってトータスへと戻て行った。





 設定にフィリスとエルザの設定を追加しました。

続編を書くとしたらどの世界がいいですか? 期限は5月16日まで

  • 異世界はスマートフォンとともに
  • 転生したらスライムだった件
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