ライセンス大渓谷にある大迷宮の捜索を行っていたハジメ一行から大迷宮の入口を見つけたと連絡を受けた飛羽真達は翌日の早朝、泊まっていた宿をチェックアウトすると大型車に乗って大渓谷へと向かい、ハジメが設置したであろうビーコンの辿って大迷宮の入口まで辿り着いた。着いたのだが、
“おいでませ!ミレディ・ライセンのドキワク大迷宮へ♪”
「何だこれは?」
「はぁ~~~~」
壁を直接削って作ったであろう装飾が施された長方形型の看板を見て飛羽真達は信じられないような表情でそれを見、オスカーは溜息を吐いた。
「取り合えず、入るか」
ツッコミたいところは色々とあるが中に入らないことには何も始まらないと思い、岩壁に手を添え、押すと、壁が回転ドアの用に動く。壁の向こう側に送られた飛羽真。
「・・・取り合えず灯りが必要だな」
灯りがなくては動くことが出来ないと思った飛羽真は量子ボックスから懐中電灯を取り出そうとした瞬間、無数の風切り音が響いた。
「武技“領域”」
自身に向かって何かが飛んでくると察した飛羽真は自身の中心に3メートル先まで円状の空間を展開する。そして、自分に向かって飛来する何かが展開した空間内に入ったの察知すると、取り出した三節棍を素早く振るって領域内に入った何かを次々と叩き落としていく。攻防は飛来する何かの残弾が尽きるまで続いた。
「・・・これまた随分過激な挨拶だな」
感覚を研ぎ澄まし、もう飛んでこないことを確認した飛羽真は今度こそ懐中電灯を取り出し、周りを明るくすると叩き落とした物を見て苦笑いする。
「全部が黒で統一されて作られた矢・・・か。光を反射しないから奇襲、不意打ちにはもってこいだな」
金属から削りだしたような艶のない黒い矢を拾い上げようとすると、周囲の壁が淡く光だし、辺りを照らし出した。
「ここが第2の大迷宮の中ですか」
「周りに矢が散らばってるけど何かあったの?」
そして、丁度いいタイミングでシュテル達が大迷宮内に入ってきた。
「大迷宮に入ったら急に撃たれたんだ。まぁ、見ての通り全部叩き落した」
「ん~~~~はっくん達はいないみたいだね?先に迷宮を回ってるのかな?」
「飛羽真様、部屋の中央にある石板に文字のようなものが掘られています」
「文字?」
ゼストに言われ石板に近づき、掘られている文字を見た飛羽真達は、
“ビビった?ねぇ、ビビっちゃった?ちびったりして、ニヤニヤ”
“それとも怪我した?もしかして誰か死んじゃった?・・・ぶふっ”
「「「「「・・・・・・・」」」」」
「はぁ~~~~」
掘られた文字を見て飛羽真達は額に青筋を浮かべ、オスカーは大きなため息を吐いた。
「オルクさん。このミレディっていうのは昔からこうだったんですか?」
「あぁ。結構な年月も経っているからあのうざったい性格もなくなっていると期待していたんだけど」
「・・・取り合えず、このうざったい石板は粉々に砕いておくか」
そう言うと飛羽真は三節棍を振るって砕いた。だが、
“ざんね~~ん♪この石板は一定時間経つと自動修復するよぉ~~~プークスクス!!””
砕けた石板跡、地面の部分にそう文字が掘られていた。
「・・・・幽霊って殴ることできたっけ?」
怒りによって身体を震わせながら飛羽真が静かに呟いた。一度、飛羽真の怒ったところを見たことのある面々はその時のキレっぷりを思い出し、少し離れる。飛羽真の怒りが収まるまでゼシカ達は装備の確認や大迷宮についての検証等をして待つことにした。
「ふぅ~~~~。取り合えず進むか」
怒りが納まった飛羽真はこの場でじっとしていても埒が明かないと思い、攻略を解するため動きだそうとゼシカ達に声をかけたとき、地震でも起きたかのように部屋全体が揺れ始めた。
「地震!?」
「壁の破片が落ちてくるかもしれない。魔法を主に使う面々は気を付けろ」
揺れは40秒ほどで収まった。
「何だったの?今の揺れは?」
「地震ではないようでしたが」
すると、扉の開く音が空間内に響く。
「魔獣かもしれない総員戦闘態勢」
飛羽真の指示を聞き、いつでも戦えるよう武器を構えるゼシカ達。そして、扉が完全に開き、中から出てきたのは、
「・・・・何か見覚えないか?この部屋?」
「・・・・物凄くある。けど、石板がない」
「確か、一定時間経過すると修復されるって書かれてなかったっけ?」
ハジメ、恵理、ユエ、シアの4人だった。
「ハジメ?」
「飛羽真?」
扉の奥から出てきたのが知り合いだったため、飛羽真達は警戒を解き、近づこうとすると、
“ねぇ、今、どんな気持ち?”
“苦労して進んだのに、行き着いた先がスタート地点と知った時って、どんな気持ち?”
“ねぇ、ねぇ、どんな気持ち?どんな気持ちなの?ねぇ、ねぇ?”
部屋の床に文字が浮き出た。その文字を読んだ先行組4人の顔から表情が抜け落ち、微動だにせず無言でその文字を見つめる。そして、追い打ちをかけるように、
“あっ、言い忘れてたけど、この迷宮は一定時間ごとに変化します”
“いつでも新鮮な気持ちで迷宮を楽しんで貰おうというミレディちゃん心遣いです”
“嬉しい?嬉しいよね?お礼なんていいよぉ!好きでやってるだけだから”
“ち・な・みに常に変化するのでマッピングは無駄です”
“ひょっとして作っちゃった?苦労しちゃった?残・念!プギャー”
「は、ははは」
「「フフフフ」」
「フヒ、フヒヒヒヒ」
「ハ、ハジメ?」
「「「「ふっざけるな――――!?」」」」
壊れたような笑い声をあげる4人に飛羽真が声をかけると迷宮全体に届けと言わんばかりの絶叫を上げた後、最初の通路に駆け込むと、ミレディの言葉通り大幅に変わった階段や回廊の位置、構造に怨嵯の声を上げたのだった。
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