遅くなりましたがあけましておめでとうございます!
この話は12月中に投稿する予定の話だったのですが仕事が忙しく投稿が間に合いませんでした。
遅くなったこと本当にお詫び申し上げます。そして、今年1年もよろしくお願いします
迷宮の最奥でミレディと名乗る巨大なゴーレム騎士と遭遇した飛羽真達。胡散臭さはあったもののゴーレム本人?が自分がミレディだと証言したことで一応信じることにした一同だったが、ゴーレムが自分達をさんざんおちょくった人物だと知った飛羽真は、
「1発・・・蹴らせろ!」
『必殺読破!ドラゴン!イーグル!2冊撃!ファ・ファ・ファイヤー!』
高熱を纏った跳び蹴りをミレディへと繰り出した。
「へ?みぎゃああああーーーー!?」
質量、体格ともに数倍の差があるというのに飛羽真の繰り出した跳び蹴りはその差など、関係ないと言わんばかりにミレディの巨体を蹴り飛ばした。蹴り飛ばされたミレディは一定の距離に達すると何故か爆発した。
「(まぁ、当然と言えば当然だな。公式設定のままならライダーのキック力は差はあれどtだからな)つーか、やっぱり怒りは収まってなかったのか」
「・・・恨みや怒りはそう簡単に忘れられないもの。もし魔法が使えたなら私もうやってた」
「確かに」
魔法が使えたのなら飛羽真と同じように動いてたとユエと恵理が言う。
「ふぅ~~~~」
「すっきりしましたか?」
「あぁ。これまでの鬱憤を全部込めて蹴り飛ばした。死んでないのは解ってる、とっとと戻って来いミレディ・ライセン!」
ミレディを蹴り飛ばし溜まっていた鬱憤を解消した飛羽真は2万本のマイクを壊す声量でミレディの名を叫んだ。
「「「「「み、耳がぁ――――!!」」」」」」
ゼシカ、シュテル、ゼスト、束、エルザ、オスカーの6人は飛羽真が大きく息を吸っているのを見て嫌な予感がし、咄嗟に耳を塞いで難を逃れたが、残ったハジメ達は耳をふさぐのが一瞬遅れ、先程のシアと同じ状態となってしまった。
「うるさいな~~~そんな大声で叫ばないで、あれ?何でその子達は地面を転がりまわってるの?」
耳がないのに耳を塞ぐポーズを捕りながら蹴り飛ばされたミレディが戻ってきた。
「無傷って、ちょっと自信なくすわ~~」
「この迷宮にあるゴーレム達には神代魔法の一つ“再生”を生成魔法で付与しているんだ。だから攻撃を喰らっても魔力を流すことで復活するし、損傷も直に治るんだ」
「っお!よく知ってるね~~。その通り、この迷宮にあるゴーレムは私の同士であった稀代の錬成士であるオスカー・オルクスが作ったゴーレム!これはその中でも傑作中の傑作。そう簡単に壊せる何て思わない方がいいよ~~?」
自分の事のように自慢するミレディに嬉しさを感じながらもオスカーはゴーレムの弱点を飛羽真達に教える。
「飛羽真君、ハジメ君、そして、皆。あのゴーレムは僕達人間で言う心臓の位置に動かすのに必要な核がある。その核を破壊するんだ」
「んな!な、何で解ったの!?」
「僕が作った物なんだ、知っていて当たり前だろう?」
「僕が作った?君、さっき私が言ったこと覚えてる?このゴーレムはこのちょ~~ぜつかわいいミレディちゃんの仲間、オーくんことオスカー・オルクスは作った物だって。・・・君みたいな何処の馬の骨だか知らない子が作った物じゃないんだよ」
「確かにそうだろうね。じゃあ、これならどうだい?」
ミレディの話を聞いたオスカーは幻術魔法を解いて、本来の姿に見せる。
「・・・・え?」
「この姿なら信じてもらえるかいミレディ?」
「オー・・・君?う・・そ、だって」
「死んだはずだろう?まぁ、色々あって生き返ったのさ」
「で、でも」
「信じられないかい?まぁ、普通ならそうだろうね」
「・・・もし君が本当に本物のオークンなら一番の天敵が誰なのか知ってる?」
「それはあの狂った神以外でって事かい?もしそうなら一番の天敵はヴァンドゥル・シュネーだね。実力は認めるけどあのマフラーはどうかと思っている」
「オ、オ、オ、オーーーーくーーーん!!」
今の時代の人間は絶対に知らないであろう発言に彼が本物のオスカーなのだと知ったミレディは飛びつく。
「“聖絶”」
「あいたぁ!?」
が、オスカーが張った障壁によって阻まれてしまった。
「ちょ、何で防御結界を張るさ!?」
「今の君と僕の体格差を考えたのなら張るに決まっているだろう!」
「・・・・・あ!」
オスカーに言われ、ミレディは思い出したように手を叩いた。
「感動の再開のところ悪いんだが、話を進めてもいいか?」
「ん?あぁ、そうだったね。君達の質問に答えた代わりに私の質問にも答えてくれるかな?」
「内容にもよるが・・・いいぜ」
ミレディの雰囲気が真剣なものへと変ったことに気づいた飛羽真はミレディの問いを聞き、答えることにした。
「君達は何の為に神代魔法を求めているのかな?」
嘘偽りは許さないという意思が込められた声色で、ふざけた雰囲気など微塵もなく問いかけてくるミレディ。この世界に生きる全ての人々の為に神に挑んだ者。託す魔法で何を為すのかを知る権利がミレディにはある。
聴覚麻痺から回復し、いつの間にか隣に立っていたハジメが飛羽真の肩を叩く。“お前が代表して答えろ”と受け取った飛羽真は嘘偽りなく自分達の目的を話す。
「俺、いや、俺達の第一目的は故郷に帰ることだ。あんた達のいう狂った神に無理矢理この世界に連れてこられたんだ。世界を超えて転移できる神代魔法を探している」
「第一ってことは第二もあるんだよね?それも教えてくれないかな?」
「・・・第二の目的は俺個人のものなんだが、あんた達のいう狂った神を討とうと思ってる。理由は命を何とも思っていない神が気にいらないから。もう一つは、ガラじゃないが俺達の住む世界を守ることだ」
飛羽真はミレディを真っ直ぐと見返しながら嘘偽りない言葉を返した。飛羽真の話を聞いたミレディはオスカーを見る。ミレディの視線に気づいたオスカーは嘘は言っていないと頷いて答える。
「ん~~そっか、そっか。成程ねぇ~~別の世界からねぇ~~。うんうん、それは大変だよねぇ~~。よし、ならば戦争だ!見事、この私を打ち破って、神代魔法を手にするがいい!」
「・・じゃあ、遠慮なく」
ミレディの言葉を聞くと素早くミレディ・ゴーレムの胸部まで移動する。
「は、はや・・・」
「無の呼吸 炎の型 気炎万象」
飛羽真の動きの速さに驚くミレディを無視し、飛羽真は烈火を猛炎の如く振り降ろしゴーレム騎士の片腕を斬り落とす。
「無の呼吸 日の型 円舞」
そして、その場で一回りし、回転の勢いも加えた一閃をミレディ・ゴーレムの胸部に繰り出した。だが、斬撃跡を刻むことしかできなかった
「(ライダーキックを叩き込んだ時も感じたが、異様に硬いな。さらに傷を付けても瞬時に回復、厄介極まりないな)」
「飛羽真!」
ハジメの声を聞くと背中の翼を広げて飛ぶ飛羽真。その数秒後、ハジメが撃った弾が飛羽真が斬り傷を付けた個所に当たるが更に奥へと進むことはなかった。
「っち!」
「先制攻撃とはやってくれるね~~。だけど、この程度の攻撃じゃ私は倒せないよ~~」
「片腕を斬り落とされたっていうの余裕だな」
「まぁそこの彼の速さや腕を斬り落とされたことには驚いたけど」
そう言うとミレディ・ゴーレムは近くを通ったブロックを引き寄せ、砕き、その欠片を材料にして斬り落とされた片腕を再構築した。
「材料さえあれば簡単に直すことが出来るんだよねぇ~~」
「なら、材料となるブロックや浮いているゴーレム達を全部壊せばいいだけの話だ」
「うん、うん、目の付け所はいいと思うけど。この空間内でのその行動は悪手だね~~」
ハジメの考えを駄目だと言いながらミレディ・ゴーレムは何処からか取り出したモーニングスターを飛羽真達めがけて射出する。
飛羽真達は散開することでモーニングスターを躱す。
「ハジメ君、ここはセオリー通り、コアの破壊を最優先にするんだ」
「ちょ、オーくんは私の味方じゃないの!?」
「今の僕は彼等と行動を共にしている。彼らに手を貸すのは当然の事だろう?それに」
「それに?」
「君が仕掛けたあのうざいトラップには僕も頭に来ていてね。そのゴーレムでこの怒りを発散させてもらうよ」
「(オーくんの目、マジだ)こ、このゴーレムはオーくんの傑作の1つなんだよ!?それを壊すっていうの!?」
声色と目でオスカーがキレていることを知ったミレディは説得を試みるも、
「ハジメ君が言っていたよ、“創造は破壊からしか生まれない”と。新しいゴーレムを作るためには古い物を破壊しないとね」
「さすがはお師匠様だ」
「君を弟子に取った覚えはないよ」
言葉ではそう言いつつもハジメの師匠呼びにまんざらでもない様子でオスカーは答えた。
「む~~~ミレディちゃんは激しくジェラシーになったので難易度マックス!本気で潰すことにしました~。カモン、予備のゴーレムちゃん達!」
そう言うや否、ゴーレムの数が50から総数80体へと増えた。
「さぁ、総数80体の無限に再生する騎士達とこの私を同時に捌けるかなぁ~~?」
嫌味ったらしい口調で、ミレディ・ゴーレムがハジメに向けモーニングスターを射出する。ハジメはその場を動かずにショットライザーではなく錬成で作った銃“ドンナー”をモーニングスターに向けると発砲する。
部屋内に響き渡る1発の銃声音、されど放たれた弾丸は6発。早撃ちによって放たれた弾丸は狙い違わずに豪速で迫るモーニングスターに直撃、軌道がハジメから大きく逸れた。
同時に、ミレディ・ゴーレムの背後へと移動していたブロックに乗っていたシアが跳躍、ミレディの頭上を取り、ハンマーを勢いよくハンマーを振り下ろす。
「見え透いてるよぉ~」
だが、予測していたのかミレディ・ゴーレムは急激な勢いで横へと移動した。
「この!」
目測を狂わされたシアは、歯噛みしながら持ち手に取り付けれた引き金を引きハンマーの打撃面を爆発させた。薬莢が排出されるのを横目に、爆発で生まれた反動で軌道を修正すると、3回転しながら遠心力をたっぷりと乗せた一撃をミレディ・ゴーレムへと叩き込んだ。
凄まじい衝撃音と共にガードしたミレディ・ゴーレムの左腕が大きくひしゃげる。しかし、ミレディ・ゴーレムはそれがどうしたと言わんばかりに、そのまま左腕を振るって、シアを吹っ飛ばした。
「きゃあああ!?」
「シア!」
悲鳴を上げならぶっ飛ぶシア。そんなシアを助けようと翼を広げ飛ぼとした飛羽真だったが、シアはハンマーの引き金を引き、さっきのように打撃面を爆発させ、体勢を整え、更に反動を利用して近くのブロックへと不時着する。
「ワォ、さっきの動きといい、今の動きといい咄嗟の判断とは思えない動きだな」
「どんな状況でも冷静になって対処するようにと教えたので」
「教えたって・・・あれは教えたっていうより叩きこんっだっていう方が妥当だと思うんだが?」
シュテルの言葉に飛羽真は偶々見た修行光景を思い出し、シュテルに言うも、
「短時間で覚えさせるにはあれが一番効果的だったんです」
「まぁ、実際に教えられた通りに出来てるから結果オーライでいいか」
教えられたことをしっかりと実演出来ていたことから飛羽真はこれ以上何も言わなかった。
「さて、問題はミレディよりもこいつらだな。普段ならボスごと叩き切ってやるって言えるんだが無限に再生にするとなるとなぁ~~(いっそのこと破壊神の力で破壊するか?・・・いや、もしミレディにかすりでもすれば宿ってるであろう魂ごと消滅しかねない。何か手は・・・・・ん?破壊?)」
眼前を覆いつくすっとまではいかないが至る所にいる騎士ゴーレムにさすがの飛羽真もうんざりしながらも対策を考え、あることを思い出す。
「余所見はいけないよ~~?」
警戒をおろそかにしたと思ったミレディ・ゴーレムがモーニングスターを飛羽真に向け射出する。
「無の呼吸 雷の型“稲魂”」
振り返ると共に烈火に炎を灯した飛羽真は烈火を高速で5回振るい射出された鉄球を切り裂いた。
「何で魔法が使えないこの迷宮で魔法が使えるの!?」
「この炎が魔法で生まれた物じゃないからだ」
律儀にミレディの質問に答えた跡、飛羽真は黄緑色のライドブックを取り出すと、
『3匹の子豚!ふむふむ・・』
『習得一閃!』
その本を烈火に接触させ本の力を烈火に宿らせ、トリガーを引き宿らせた本の力を解き放つと、飛羽真が3人に増えた。
『ディケイド!ふむふむ・・』
『ディケイド!ふむふむ・・』
『ディケイド!ふむふむ・・』
自身の数を増やした後、飛羽真は別のライドブックを取り出し、烈火に読み込ませた後、分身に本を渡し、分身も本体と同じように烈火に本の力を宿らせる。
『『『習得一閃』』』
3人の飛羽真は翼を広げ飛び上がり宙で直列に並び、トリガーを引き烈火に宿した本の力を解放させると、烈火からマゼンタ色のエネルギーが溢れだす。
「「「はぁ!」」」
飛羽真達はエネルギーを宿した烈火を横1回転しながら振るい、宙に浮く全ての騎士ゴーレムを切り裂いた。
「いきなり3人に増えたことには驚いたけど、ゴーレムは破壊されてもすぐになお・・・ってあれ?」
破壊されたゴーレムが戻ってこないことにミレディは気づく。
「な、何で破壊されたゴーレムが元に戻らないの!?」
「今のマゼンタ色のエネルギーに触れたからさ」
驚くミレディに飛羽真はさっき読み込ませたライドブックを見せながら言う。
「この本は世界を破壊することが出来る人物の力を宿している。その力を宿した剣でなら無限に再生するゴーレムを本当の意味で破壊できるんじゃねぇかって思いついたんだが・・・正解だったみたいだな」
「ゴーレムを破壊したぐらいでいい気にならないでよね~~。まだ私にはこの巨大ゴーレムがあるんだから」
「その割には気が気じゃないんじゃないか?何せ自慢の無限に復活するゴーレムを壊されたんだからな」
「な、何を根拠にそんなこと言ってるのかな?」
「根拠は・・・」
「・・・俺がここまで近づいたことにすら気づかなかったことだ」
「っへ?っんな!?いつの間に」
予想外に近くから聞こえてきた声がかかって来たことに素っ頓狂な声を上げ、声のした方向に視線を向けると、いつの間にか懐に潜り込み、アンカーと甲冑の隙間に足を入れる事で身体を固定していたハジメがいたからだ。
「この距離での攻撃ならご自慢の装甲も壊せるかもな」
ハジメは宝物庫からロケット&ミサイルランチャーを取り出し、心臓部に突きつける。
「こ、この」
「させません」
「させないです」
ハジメを叩き落とそうとミレディ・ゴーレムが両手を動かそうとしたがそれよりも早くエルザが片刃剣で右腕を斬り落とし、シアの極限まで強化した身体能力を以て繰り出した一撃が左腕をひしゃげさせた。
「「これはおまけだよ」」
そして、駄目押しといわんばかりに恵理と束がミレディ・ゴーレムの眼に目掛けて弾丸を撃ち込んだ。
「ミレディちゃんのキュートな目が~~~~!?」
「吹き飛べ」
意味不明なことを叫ぶミレディを無視してハジメは引き金を引き、ゼロ距離でミサイルをミレディ・ゴーレムに撃ち込んだ。
「ぐぅ」
ゼロ距離でミサイルを撃ったため、かなりの衝撃と爆風がハジメを襲う。そんなハジメをオスカーがハンド付きのチェーンで救助した。
「「ハジメ/君!」」
オスカーに助けられ、ブロックまで引き寄せられたハジメに恵理とユエが近寄り、安否を確かめる。
「俺はてっきりアレを使うのかとばかり思ってたんだが、ミサイルって馬鹿かお前は?」
「飛羽真君の言う通りだ。無茶にもほどがある」
「だけど、手ごたえはあったぜ」
飛羽真とオスカーに呆れられるも確かな手ごたえを感じたハジメが笑みを浮かべながら言う。だが、
「いや~~ちょっとヒヤッとしたよ。でも、足りないねぇ」
シアによってひしゃげられた左手でブロックの端を掴み、爆風の中から現われたミレディがそう呟く。ハジメの一撃は確かにミレディの胸部装甲を破壊した。だが、破壊したのは表面の装甲のみでその奥にあった漆黒の装甲には傷一つついていなかった。
「・・・アザンチウム鉱石か」
「道理でぶった斬れない訳だ。この世界で最高の硬度を誇る鉱石も使っていただなんてよ」
「さっすが自称オーくんの弟子とオーくんの迷宮攻略者。知ってて当然だよね~。それじゃあ・・・第2ラウンド行ってみよっか!」
ミレディ・ゴーレムの目が淡く光ると浮いているブロックが上下左右、あらゆる方向から襲い掛かってきた。
「いや~~~ゴーレムを全部壊されたときは流石に焦ったけど、よくよく考えれてみればゴーレムを壊されても私にはこのブロックがあったんだよね~~。しかも、ゴーレムと違ってただ動かすだけだから楽ちん楽ちん♪」
ミレディ・ゴーレムはブロックをモーニングスターを大きく振りかぶり、
「君には感謝しかないよっと」
飛羽真に向け振り下ろすと同時に射出。振り下ろした勢いも加えた鉄球が頭上から迫る。
「ハジメ!ゼシカ!」
「おう!変身!」
『ショットライズ!パンチングコング!』
「任せて!バイキルト!バイキルト!」
飛羽真に呼ばれ近くまで来るとハジメはバルカンへと変身しゼシカは2人に膂力を含めた身体能力を上昇させる呪文を2人にかけた。
「「おらぁ」」
飛羽真とハジメはライダーの膂力+呪文による能力上昇を加えた拳を鉄球へと叩き込み、鉄球をミレディ・ゴーレムへと打ち返した。
「うっそぉ!?」
まさか打ち返されるとは思っていなかったのかミレディは魔法で鉄球の動きを止めようとしたが、
「まだです!」
ゼストによって投げられたシアがハンマーで鉄球を強打し、さらに加速。倍の速度になった鉄球の棘部分がミレディ・ゴーレムの胸部装甲に突き刺さった。突き刺さった鉄球を引き抜こうとするミレディだったが、
「させません」
シアを投げ飛ばした後、ミレディの背後に移動していたゼストが腕を振るうと隣で浮いていた巨大なアームが腕と連動するように動きミレディ・ゴーレムを殴り飛ばした。
「・・・これは駄目押し」
殴り飛ばされブロックと衝突したミレディ・ゴーレムにユエが持っていた武器の中に入っている水をミレディ・ゴーレム全体に浴びせる。
「水?私に水をかぶせて・・・」
「「凍って・・・“凍柩”」」
何で水を被せたのか分からないでいたミレディだったが、ユエとゼシカがミレディ・ゴーレムに手を添え、魔法の名を告げると、ミレディ・ゴーレムがみるみる凍っていく。
「嘘!?どうしてこの迷宮で上級魔法が使えるのさ!?」
「水を浴びせたおかげ」
「これなら水を凍らせるだけで済むもの。・・・それでも、ほぼすべての魔力を消費しちゃうけど」
「・・・ん」
魔力の消費が激しかったのか肩で息をするゼシカとユエ。
「おつかれさんゼシカ」
「ユエもよくやったぞ」
「このぐらい何でもないわ」
「・・ん。頑張った」
「・・・・妙だね」
2人の頑張りを褒める飛羽真とハジメとは裏腹にオスカーが呟く。
「妙って、何が妙なのオーくん?」
「ゴーレムの力を考えればこの程度の氷破るなんて簡単だ。それをしないなんて。何をしようとしてるんだいミレディ?」
「皆さん!“未来”が視えました・・・降ってきます!!」
動かず、何も言わないでいるミレディを不審がったオスカーがミレディに尋ねたとき、物凄く慌てた声で天井を指さしながらシアが叫んだ。
「(降ってくる?・・・・)まさか!?」
「ふふふ、とっておきのお返しだよ。今からこの部屋の天井全てを君達の頭上へ“落とす”」
シアの言動で何かを察した飛羽真が慌てて天井を見ると、低い地鳴りのような音と共に天井から破片が落ちてくる。
「さぁ!見事これを凌いでみせてよ」
そんなミレディの言葉と共に天井に敷き詰められた数多のブロックが落下してきた。
「まじかよ!?っちぃ」
『ヘッジホッグ!ヘッジホッグ!ヘッジホッグ!』
『なるほどなるほど』
『習得3閃!』
落ちてきたブロックを見て飛羽真は舌打ちをしながら蛍光イエローのライドブックを取り出し烈火に読み込ませ、振るうと雷を帯びた無数の針がブロックへと放たれ、ブロックを壊していくが、
「(数が多すぎる!)」
全てのブロックを壊すことは無理だった。
「飛べる奴は飛べない奴を掴んで飛べ!」
「変身!」
『ショットライズ!ライトニングホーネット!Piercing needle with incredible force.』
飛羽真の指示にハジメは変身を解除してパワードスーツを身に纏い、ユエを抱えて飛び、恵理はバルキリー・ライトニングホーネットに変身、背中から翅を展開して飛ぶ。ゼストはシュテル、ゼシカを回収して飛び、束もISを展開しエルザを抱えて空を飛び、飛羽真はオスカーを回収しようとしたが彼の乗っていたブロックだけいつの間に落下圏外の位置にまで移動させられていた。
遠くでオスカーがミレディに向かって何かを言っているのが聞こえてくるが今の飛羽真達にはそれを聞き取る余裕などなく生き残るために時に避け、時に壊し等して行く。
「ふぅ~~~終ったかな?」
そんな飛羽真達の様子を凍った状態で観察していたミレディ。氷を力づくで破り損傷した頭部や装甲を散らばった破片を使って修復すると、ブロックの山を見る。
「う~~~ん、流石にちょっとやりすぎちゃったかなぁ~~?」
「ミレディ」
「ん?な~~~にオーくん?」
「何で僕の乗っていたブロックを移動させた?」
「何でって、生き返ったオーくんを殺したくなかったのと、オーくんにはあの試練は必要ないって思ったからだよ?オーくんの実力は私が1番知ってるからね~~」
オスカーだけ落下圏外に移動させた理由をミレディが教える。
「・・そうか。そうそうミレディ」
「今度はな~~に?」
「彼らをあまり甘く見ない方がいい」
オスカーのその言葉と共に、破砕音と共にブロックが吹き飛び、更に
『ジャキーン!』
という音声と共にブロックが斬り裂かれ、砂塵が舞う。
『増冊!アーサー王!烈火2冊!荒ぶる空の翼竜が獄炎を纏い、あらゆるものを焼き尽くす!』
砂塵が晴れるとそこには全長2メートル半程の縦長の大筒を装備したハジメと左手に空色の大剣を装備した飛羽真が悠然と瓦礫となったブロックの上に立っていた。
「へぇ~~~生きてたの?それで今度はそのおもちゃで挑むつもり?」
「「・・・・」」
ミレディの問いに答えずに大筒、烈火と大剣を構えるハジと飛羽真。
「何度来ても無駄だよ」
赤熱化させた右拳を飛羽真達に向かって突き出す。
『必殺読破!キングスラッシュ!』
左手に持った大剣のトリガーを5回引くと、飛羽真は赤熱化した拳に向かって跳び、大剣を振り下ろした。振り切られた大剣は赤熱した拳ごと、ミレディ・ゴーレムの右腕を両断する。
「なぁ!?」
ぶつかり合うことなく右腕を斬り落とされたことに驚くミレディ。
そこへ飛羽真の肩を踏み台にしてハジメがミレディに組みつき、装備した大筒を胸部装甲に押し当て、魔力を流し込むと紅いスパークが放たれ始める。すると、大筒の中に装填されていた漆黒の杭が大筒の中で猛烈と回転を始める。
高速回転が奏でる旋律が部屋中に響き渡る。
「存分に喰らって逝け」
悪人のような笑みを浮かべながらハジメは吸血鬼に白木の杭を打ち込むが如く、ミレディ・ゴーレムの核目掛けて漆黒の杭を打ち放つ。
凄まじい衝撃音と共に漆黒の杭がミレディ・ゴーレムに打ち込まれた。胸部のアザンチウム装甲に一瞬で罅が入り、杭はその先端を容赦なく埋めていく。
「ぐぬうううう・・・ふん!」
杭が打ち込まれる衝撃に耐えながら拳を握ったミレディは両拳を大筒に叩き込んだ。拳を叩き込まれたことにより大筒は破壊され、杭の進行も停止された。
「ハハハ・・・ざんね~~ん!あと1歩だったのにねぇ~~」
「なに勝ち誇ってやがる」
頼みの切札を壊したことで勝利を確信したミレディだったが、攻撃は終わりではなかった。
「行くぞシア!」
「はいです!」
飛羽真の掛け声に答えるようシアは杭目掛けて全力でハンマーを打ち下ろした。更に、
「コイツも喰らっとけ!」
『必殺読破!ドラゴン!イーグル!アーサー王!3冊撃!ファ・ファ・ファ・ファイヤー!』
炎を纏った飛羽真の跳び蹴りがハンマーの反対面に叩き込まれ、速度、威力が倍となって杭を押し出す。
「な、何ぃいいいいい!?」
押し出された杭は核を粉々に砕いた。核が砕かれたことによってミレディ・ゴーレムの目から光が消えた。
七大迷宮が1つ、ライセン大迷宮の最後の試練が確かに攻略された瞬間だった。
続編アンケ―ト 第2弾 期限は1月31日まで
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