“大賢者”と“ガチャ”を得た転生者の冒険譚   作:白の牙

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投稿が遅くなり申し訳ありません。
新たにゲットするスキルを決めるために色々なラノベを見て考えてたらこんなに時間がかかってしまいました。




第48話

 

 

 

 北の山脈の調査に向かった冒険者の探索のため、山脈に比較的近い町“ウル”に辿り着いた日の夜、ベッドに寝っ転がった飛羽真はデビットを成敗した時に獲得した“スペシャルガチャ”について調べていた。

 

 「へぇ~~~スペシャルが付くだけあっていい券だな。これ一枚で好きなスキル、武器、召喚石と交換できる・・・のはいいんだが、多すぎないかこれ?」

 

 投影される無数のスキル、武器、召喚石の数々に眩暈を覚える飛羽真。

 

 「・・・いっそのこと直感に身をゆだねてみるか?」

 

 『告。部の悪すぎる賭けになるかと』

 

 「普通はそうだろうな。だが、俺は俺の運と直感に賭ける」

 

 そう言うと飛羽真は投影ディスプレイを操作してルーレット版を出現させる。すると、ホログラムでできたダーツが飛羽真の現れ、ルーレットが回り始めた。

 

 「・・・・・・・・っ!ここだ!!」

 

 両眼を閉じ、神経を研ぎ澄ました飛羽真は直感が示したタイミングでダーツを投げる。ダーツがルーレット版に刺さると、回っていたルーレットの回る速さが遅くなっていき、数秒後に完全に停止した。

 

 「さてさてさ~~て、何が当たったかな~~?」

 

 何が当たったのかを飛羽真が確認すると、そこには[恋人(ラバース)]というスキルが表示されていた。

 

 「何々~~~?スキル[恋人]は親しい女性の数に応じてステータスが加算される。魅了無効、大切な存在を守る為の戦闘時、ステータスが超上昇、親愛となった女性に魅了無効とステータス上昇効果を与える。・・・・とんでもねぇスキルが来ちまったな」

 

 スキルの効果説明を読んだ飛羽真はあまりの効果に頬を引きつらせる。すると同時に通知音が鳴る。スマホの電源を入れると新しいアプリがインストールされたと表示されており、どんなアプリか気になった飛羽真はそのアプリを起動させる。

 

 「好感度チェック?」

 

 アプリを起動するとアプリの名が表示され、その後に、フェイトやシルヴィア、木乃香といった女性陣の名前が表示され、現在の好感度レベルが表示される。どれだけの女性がいるのかを見ていると、

 

 「何で、ラフタリアにフィーロ、メルティの名前まであるんだ?しかもレベル5で最大値になってるし」

 

 共に戦った、戦友である女性陣の名前が登録されていた。

 

 『解。愛にも色々とあるからだと思われます。彼女たちの場合友愛ではないかと思われます』

 

 「友愛・・か。ならレベル5が最大なのも納得がいくな」

 

 大賢者の解説に納得する飛羽真だったが、あることに気づく。

 

 「このスキル、女性と親しくなればなるほど強くなっていくってことだろう?チートじゃね?」

 

 『告。チートを通り越してバグだと思います。ですが、神と戦うのであれば大きな力になるかと』

 

 「確かに、相手の力は未知数。強化は必然・・・か。取り合えず、このスキルのことは秘密にしておくか」

 

 [恋人]の事は自分の胸の内にしまっておくことを決めた飛羽真。だが後日、とある者達は全ステータスが異様に上がっていることに気づき困惑するのであった。

 

 

 

 そして翌日の早朝、北の山脈の調査に赴き、行方不明となった冒険者達とウィルの捜索をするため準備を整え“水妖精の宿”から出る飛羽真達一行。その手には移動しながら食べられるようにと握り飯が入った包みを持っている。

 

 「極めて早い時間だっていうのに嫌な顔一つせずに用意してくれるなんて。さすが高級宿」

 

 「飛羽真の包みは私達のと違って少し大きいわね」

 

 「オーナーのフォスさんが『昨日召し上がっれなかったので他の皆さまより大きめにお作りいたしました』だとさ」

 

 飛羽真の包みだけ大きかったことに気づいたゼシカが飛羽真に尋ねると、飛羽真はその理由を教えた。

 

 「・・・何となく想像はつくが、一応聞いておこう。・・・何してるんですか?」

 

 北の山脈へと通じる北門までやって来た飛羽真達は北門の傍でたむろっていた愛子達に気づく。そして、ため息を吐きながらハジメが愛子に尋ねた。

 

 「私達も一緒に行きます。行方不明者の捜索ですよね?人数は多いほうがいいです」

 

 「「却下」」

 

 愛子の言葉にハジメと恵理が声を揃えて答えた。

 

 「行きたきゃ勝手に行けばいい。が、一緒は断る」

 

 「な、何故ですか!?」

 

 「単純に足の速さが違うからだよ。先生達に合わせて進んでなんていられないので」

 

 「(人数分の馬がいるが、乗馬できんのか?)」

 

 愛子達の後ろにある人数分の馬を見て、飛羽真は疑問を覚えた。

 

 「ちょ、ちょっと。そんな言い方しなくてもいいじゃない。南雲や中村が私達の事よく思ってないからって、愛ちゃん先生にまで当たらないでよ」

 

 ハジメと恵理の言葉にカチンときたのか優香が食ってかかる。

 

 「はぁ~~~~~」

 

 的外れな物言いにハジメは呆れた表情で溜息を吐くと無言で“宝物庫”から魔導駆動二輪を取り出した。

 

 『っ!?』

 

 何の前触れもなく大型バイクが出現したことに愛子達は驚く。

 

 「理解したか?お前等の事は昨日も言ったが心底どうでもいい。だから、八つ当たりをする理由もない。そのままの意味で、移動速度が違うと言っているんだ」

 

 「こ、このバイク。南雲が作ったのか?」

 

 「まぁな。飛羽真、行こうぜ」

 

 「あぁ」

 

 ハジメの言葉に飛羽真は量子ボックス内からトレーラーハウスを取り出す。ハジメが出した大型バイクと同じようにいきなり車が出てきたことに愛子達(優香除く)は目を見開く。

 

 「ま、待ってください!」

 

 唖然としている愛子達を無視して出発しようとする飛羽真達。すると、正気に戻った愛子がハジメの腕にしがみついた待ったをかける。

 

 「いい加減にしてくれないか先生。行方不明者の捜索は先生達には関係ないはずだ。何でそんなに一緒に着いて行こうとする?」

 

 しがみ付く愛子をはがすことなど今のハジメには造作もないことだ。だが、それをしないのは体裁が悪いのと残っている少しの優しさからだ。

 

 「じ、実は・・・」

 

 話を聞いてくれると知った愛子は飛羽真達に着いて行きたい理由を話す。その理由は現在、行方不明になっている清水幸利の事だ。八方手を尽くして情報を集めているが、近隣の村や町でもそれらしい人物を見かけたという情報が上がってきていない。しかし、そもそも人がいない北の山脈地帯に関しては、まだ碌な情報収集をしていなかったと思い当たったのだ。事件にしろ自発的失踪にしろ、まさか北の山脈地帯に行くとは考えられなかったので当然ではある。なので、これを機に自ら赴いて、ハジメ達の捜索対象を探しながら清水の手がかりもないかを調べようと思ったのである。

 

 「・・・清水が」

 

 知る名前が出てきたことにハジメの心が揺らぐ。飛羽真、恵理、幸利。この3人はハジメにとって大切な友人だからだ。

 

 「南雲君、先生は先生として、どうしても南雲君達からもっと詳しい話を聞かなければなりません。だから、きちんと話す時間を貰えるまでは離れませんし、逃げれば追いかけます。皆さんにとって、それは面倒なことではないですか? 移動時間とか捜索の合間の時間で構いませんから、時間を貰えませんか? そうすれば、皆さんの言う通り、この町でお別れできますよ・・・・一先ずは」

 

 愛子はハジメに身を寄せると小声で決意を伝える。ハジメは、話の内容が内容だけに他に聞かれないよう顔を寄せた愛子の顔を見る。よ~~~く見ると化粧で隠してはいるが色濃い隈があることに気がついた。きっと、ハジメの話を聞いてからほとんど眠れなかったのだろう。

 

 そして、愛子の瞳が決意に光り輝いているのを見て、昨夜の最後の言葉は失敗だったかと少し後悔した。愛子の行動力(空回りが多いが)は理解している。誤魔化したり、逃げたりすれば、それこそ護衛騎士達も使って大々的に捜索するかもしれない。

 

 「先生の行動力を見くびっていた俺達の負けだハジメ」

 

 「飛羽真。はぁ~~~分かったよ。先生達の同行を許す。っと言っても話せることなんて殆どないけどな」

 

 「構いません。ちゃんと南雲君達の口から聞いておきたいだけですから」

 

 「はぁ~全く、先生はブレないな。どこでも何があっても先生か」

 

 「当然です!」

 

 ハジメが折れたことに喜色を浮かべ、胸を張る愛子、だったが、

 

 「どうせならこの世界に来た時もその力を発揮して欲しかったもんだがな」

 

 「はぅ!?」

 

 飛羽真の言葉に撃沈してしまった。

 

 「・・・・連れて行くの?」

 

 「ああ、この人は、どこまでも〝教師〟なんでな。生徒の事に関しては妥協しねぇだろ。放置しておく方が、後で絶対面倒になる」

 

 「だね」

 

 「ほぇ~、生徒さん想いのいい先生なのですねぇ~」

 

 ハジメ達が折れた事に、ユエとシアが驚く。そして、ハジメの苦笑い混じりの言葉と、それに同意する恵理の言葉に愛子を見る目が少し変わり、若干の敬意が含まれたようだ。飛羽真達も、ブレずに自分達の〝先生〟であろうとする愛子の姿勢を悪く思っていなかった。例え、既に生徒やクラスメイトというカテゴリーに何の価値も見出していなかったとしても、数少ない敬意を払うべき貴重な大人の一人であるとは思っているのだ。

 

 「ハジメ、先生と他を乗せるのは頼んだぞ」

 

 「あぁ?ちょっと待・・」

 

 「待たない~~」

 

 愛子のことをハジメに丸投げし、飛羽真は車に乗ろうとすると、

 

 「飛羽真、さすがにこの人数は乗せられねぇ」

 

 「しょうがねぇな。じゃあ、誰か1人、こっちに乗れ」

 

 「「じゃ、じゃあ、俺が」」

 

 飛羽真の言葉にすかさず、男子2人が立候補する。あわよくばゼシカ達女性陣にお近づきになれたらいいと下心まるだしなのは明らかであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





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