“大賢者”と“ガチャ”を得た転生者の冒険譚   作:白の牙

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第50話

 

 

 

 

 「まぁ、こんなもんかね」

 

 そんなに長い間いるわけではないが拠点はあったほうがいいと思った飛羽真は量子ボックスに閉まっているワンタッチ式のテントを取り出し、設置していた。

 

 「飛羽真、薪を拾ってきたわ」

 

 「食べれそうな山菜も採ってきました」

 

 「ご苦労さん、んじゃあ、火を起こしますか」

 

 テントの設置が終ったタイミングで、薪を拾いに行っていたゼシカとシュテルが戻って来た。飛羽真は2人から薪を受け取ると組み立て、火をつけた。

 

 「飛羽真様、これを」

 

 「おう」

 

 いい感じに火が起こり始めると、ゼストが研いだ米をライスクッカーに入れて持ってきた。それを受け取った飛羽真は、火の中心にライスクッカーを置き、炊き始める。

 

 「後は汁物でも作るか。ゼスト、野菜を渡すから切っておいてくれ」

 

 「畏まりました」

 

 飛羽真は量子ボックス内から取り出した野菜をゼストに渡すと、コンロを取り出しその上に鍋を置いて小川から汲んできた水をいれる。ゼストが切った野菜と出汁もいれ、火をつけ煮始める。

 

 「お魚を捕ってきました!」

 

 「・・・ん。大量」

 

 「ふっふ~~ん!私達にかかれば朝飯前だよ~~」

 

 魚を捕りに行っていたシア、恵理、ユエ、ミレディが戻ってきた。言葉通り、大量の魚が浮いている。

 

 「随分捕ってきたな。所で、何でシアはずぶ濡れなんだ?」

 

 恵理、ユエ、ミレディの3人が濡れていないのに対し、シアは全身ずぶ濡れだった。

 

 「あはは~~私は恵理さん達と違って魔法が使えないのでドリュッケンで水面を叩いて、水を打ち上げて捕まえていたんです」

 

 「天気がいいとはいえ山の中で何やってんだ。ゼストからタオル貰って身体を拭いたら、焚き火で身体を温めろ」

 

 「はい。へっくち」

 

 「言わんこっちゃない。ゼスト」

 

 「はい。シア様、こちらに」

 

 飛羽真に言われ、ゼストはシアを連れてテントの中に入っていった。

 

 「まったく。だけど、こんなにあってもな~。取り合えず、人数分を焼いて、残りは内臓を取り出した後、冷凍するか」

 

 「や、八神、手伝うわ」

 

 「悪いな園部。じゃあ、人数分の魚を串にさしてくれるか」

 

 「えぇ」

 

 魚の串さしを優花に任せた飛羽真は残りの魚を次々と捌き、内臓を取り出す。

 

 「ふぅ~~こんなもんか。んじゃあ、お2人さん、頼んだ」

 

 「・・・ん」

 

 「は~~い」

 

 捌いた魚はユエとミレディの氷魔法で冷凍され、量子ボックス内へと収納された。

 

 「それにしても先生達遅いな。息を整えるのにどれだけかかってるんだ?」

 

 未だに来ない愛子達に様子を見に行こうとした飛羽真だったが、その数秒後、オスカーと共にやって来た。

 

 「何で一緒?」

 

 「ん?薪や食べれそうな山菜を探して近くを通ったら、護衛に残してきた騎士達と睨みあいをしていたんだ」

 

 「・・・プラカードでも持たせておけばよかったか?」

 

 「シュールな光景だね」

 

 飛羽真の案を聞いたオスカーは苦笑いを浮かべた。すると、

 

 「八神君!南雲君!中村さん!動けない私達を置いて行くなんて、良心というものはないんですか!?」

 

 「ここに来る前に言いましたよね。着いてこれないようなら容赦なく置いて行くって。それを実行したまでです。それと、良心が無いのかって言ってましたが、護衛と案内役を兼ねた騎士型のゴーレムも置いてきたんですよ?」

 

 「で、ですが」

 

 「はぁ~~~・・・先生。これ以上、ぎゃあぎゃあ騒ぐなら強制的に町に戻しますよ」

 

 ぎゃあぎゃあ言ってくる愛子が煩わしくなったのか飛羽真は有無を言わせぬ表情で言うと、1冊のライドブックを取り出し、起動させる。

 

 『ブックゲート』

 

 本が起動すると、飛羽真達の目の前に人並みの大きな本が現われ、ひとりでに開く。

 

 「この本は今、ウルの町の正面門と繋がってます。この本に先生を放り込めばウルの町に逆戻り。清水を探せなくなる、それが嫌ならぎゃあぎゃあ、喚くな」

 

 「は、はい」

 

 飛羽真の迫力に愛子はそう答えることしかできなかった。愛子の言葉を聞いた飛羽真はライドブックを解除し、ハジメと束の元へと向かう。

 

 「何か手掛かりになりそうな物は見つかったか?」

 

 「いや」

 

 「こっちは大きな足跡を見つけたくらいかな~~」

 

 「足跡?」

 

 「うん。これだよ~~」

 

 飛羽真は束に近づき、衛星で見つけた足跡を見せる。

 

 「これは随分でかいな」

 

 映し出された足跡は大きく、象、以上の大きさだった。

 

 「多分これがあのギルドマスターが言ってた謎の魔物じゃないかな~~」

 

 「ありえそうだな」

 

 「この足跡、博物館で見た恐竜の足跡並みにでかいな」

 

 「つまり恐竜並みにでかい魔物がいるってことか」

 

 「どうするんだ飛羽真?」

 

 「ハジメ、負担がかかるのは分かってるが、偵察機を動かせるだけ動かして手がかりを探してくれ」

 

 「分かった。流石の俺も恐竜クラスの魔物とは戦いたくないからな」

 

 飛羽真の指示に従い、ハジメは今、操作できる分の無人偵察機を飛ばそうとすると、

 

 「皆さま、軽食の準備が整いました」

 

 「・・・取り合えず、飯食ってからでいいか?」

 

 「構わん」

 

 タイミングよく軽食が出来上がったので、先に腹ごしらえをすることにした。

 

 

 

 

 

 

 「んじゃあ、シュテル、ゼスト、ベル行くぞ」

 

 「「はい」」

 

 「はいは~~い」

 

 軽食を食べ終えた飛羽真達は本腰を言えれて行方不明者達の捜索を始める。束が発見した巨大な足跡の魔物との遭遇を考え、隊を2つに別けることにした。単独での飛行が可能な飛羽真、シュテル、ゼスト、ミレディの4人が飛んで七合目まで行き、そこから戻る形で捜索、ハジメは無人偵察機を操作して引き続き川辺の捜索、束もハジメと同じように衛星からの捜索に加え、飛羽真達4人のサポートも行う。残った面々は動けないハジメと束の護衛だ。

 

 飛羽真の出した案に愛子は納得のいかない表情をしたが、着いてくる条件を思い出し、渋々納得した。

 

 そして、いくつかの取り決めを決めた後、飛羽真、シュテル、ゼスト、ミレディの4人は飛んで七合目まで行く。

 

 「ゼスト」

 

 「承知しました」

 

 飛羽真のめいにゼストは頷くと、片手を地面につけ、魔法で数体のゴーレムを作ると、森の中へと放った。

 

 「どんな些細な事でもいい。発見したら教えてくれ」

 

 「分かりました」

 

 「そんじゃあ捜索を始めるぞ」

 

 飛羽真達4人はそれぞれの方法で行方不明者達の捜索を始めるのだった。

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