【『刺突』ピアス&『先読み』サイフォVS『暴食』ラトニー】
駆けつけるために現れたラトニーとそれを止めるピアスとサイフォ、その衝突は最初から凄まじく、片や余波だけで国を滅ぼす一撃、片や島を沈める海を研ぎ澄ませた攻撃、そして相手の動きを阻害し続ける銃撃と斬撃の嵐。
「『千鳥足』」
「『クラッシュ・インパクト』」
「『海牢』」
一瞬のぶつかり合いの横をすり抜ける様に進もうとするラトニー、それに気づいていたサイフォはラトニーが次に足を運ぶ場所を吹き飛ばし、その間にピアスが海流で牢を作り出し足を止めさえ、再び相対する形で戦場を維持する。
「先に進ませてくれないね。敵にすると本当にめんどうだよ~」
「ピアスはまだ海水を使えるが、こっちはほぼ無力化しやがるんだからな」
「その海水も弾かれちゃ形無しだけどね。でも、これは弾けないでしょ『海滅』」
ピアスとサイフォを無視してでも進みたいラトニーだがそう簡単にはいかない。だがサイフォの衝撃波は直接ぶつけようものなら瞬時に呑み込まれる。海水が能力者であるラトニーにはとても有効であり、簡単には弾く事の出来ない量をぶつけて呑み込ませることが出来れば一気に弱体化が可能だ。しかし、そんな分かりやすい弱点を持ち続けるほどラトニーは馬鹿ではない。
「『
「あらら、蒸発して塩だけになっちまったか、しかしどうなってんだ?」
呑んだエネルギーを熱に変換して放っただけだが迫りくる大波を一瞬で蒸発させたとなるとその熱量に驚かされる。それでいて別に火や熱に関わる能力者ではないのにラトニー自体に被害が無いのはおかしな話だとピアスはラトニーに視線を送る。だがその仕組みは遠巻きに見ていたサイフォが直ぐに見抜いた。
「熱を外に放ち、自分の身体に当たる前に呑みなおしてるんだ」
「なるほど、あれは攻防一体で厄介だが一瞬だけしか展開出来ないってわけか」
そう認識するとピアスは絶え間なく海水をぶつけようと時間差を設けて海水を飛ばし始める。サイフォもラトニーが呑み込むのを邪魔するべく斬撃や銃撃を放つが、ラトニーはそれらを簡単に防いで見せた。
「自分が抜ける穴を作るくらいなら出来るんだよ」
余裕そうに笑みを浮かべているラトニーだがその内心は焦りが増えていた。このままでは助勢することが出来ずに足止めされ続けるのではないか、間に合わなかったらなんて言う思いが渦を巻く。そして、ラトニーはその目的を駆けつける事ではなく間に合わせる事に変えた。
「『
「放出系最上位の技か……」
「情報通りなら国をかなり吞んでんだ。そりゃストックは十分だろうがよ」
ラトニーの能力は吞み続ける事で行われる永続的な強化を除けば、呑み込む『吸収系』と吐き出す『放出系』の2つに分類される。飲み込む『吸収系』の最上位『
呑み込み方や吐き出し方、範囲などに加えて、何を呑み込むか、何を吐き出すかの指定などゴクゴクの力は単純だからこそ技量が問われる。『暴食道化師』は道化の名にふさわしく、暴食でありながら喰らわず、延々と吐き出し続ける。敵を倒し、主へ笑顔を届けるまで、その身を削ってでも吐き出し続ける狂ったピエロだ。
大量のエネルギーが吐き出されるとそれらが曲芸の様にラトニーの周囲を飛び交ってその数を増やし続ける。増え続けるそれが2人の視界を覆いつくす頃にはラトニーはその頬を少し痩せこけさせていた。それでもまだラトニーは吐き出すのを辞めない。
「死ぬ気か?」
「2人を出し抜くにはこれでも足りないでしょうに……」
そう言うとラトニーは自身の身さえも喰らい、吐き出し、立つのもやっとな風体に成り下がり、微かに声を震わせ、そっと微笑んで見せた。
「私は知恵なき『厄災』、覚えた芸を繰り返す『道化師』……好きにやって、勝手に舞台から降り、後ろで笑い声が聞こえれば十分よ……『
「行くぞ『海槍』!!」
「やるか『予剣』!!」
次の瞬間にピアスとラトニーに向けて…ではなくその後方の戦いに向けて幾千ものエネルギーを撃ち放った。ピアスとサイフォは死ぬ気は無いが、それらを限界まで迎撃をしていった。技で壊し、その身で弾き、時には自身の身体で受ける事もした。だがそれでも全てを止めることは出来なかった。いくつかのエネルギーが戦いの場に飛んで行ったと同時に3人の元幹部たちは倒れた。
「まったく回収する方の身にもなれってのよ。そっちに送るから適当に治療しなさい。それぐらいでいいでしょ、適当でも治療しとけば死ぬような奴らじゃないでしょ。勝手に戦って共倒れしてる馬鹿達なんじゃない。ただでさえ大人間を運ぶのは面倒なんだから」
【麦わらの一味VS『黄金竜』ファーブニル】
ファーブニルと言う存在は竜と言う形をとってはいるがその本質は大地と黄金そのものだ。それ故に意思があり、感情があろうとその身に感覚は無く、攻撃で怯むことも無く暴れ続ける。動物系の悪魔の実を物に食べさせたのとは違う。自動で動く様に設定した土の塊に黄金の力を与えて独立させた存在で思考はするがロボットに近い存在、それこそパシフィスタと大差はなく、しかも膨大なエネルギーが尽きるまで再生する機能までついている。それ故に相手にするにはただただ厄介な相手である。
「『ミルキーボール』」
相手のブレスはミルキーボールの存在によって防げている。最初の攻撃時にアスカルから命令を出されてないファブニールは攻撃されたことに対する怒りと大地を染め上げる邪魔をさせないために戦い続けている。強大だが複雑な動きはしてこなかったファブニールであったが、次の瞬間に動きを変え、ミルキーボールの上からブレスを吐いたり、周囲を飛びながら吐き出すように動きを変えだした。
⁅グギャァアアアアア⁆
「うおおお、やべぇ!?」
「ブレスの反対側に周り込め!!」
「ナミ!!ミルキーボールをもっと出してくれ!!」
「今やってるわよ!!」
生まれたばかりの怪物である。操られている状態であればその力を際限なく発揮するがそれ以外ではまだ拙いと言える。力に振り回される赤子だがそれでも学習する。何度も繰り返し、何度も失敗し、その末に学び、行動を変える。長期戦になれば不利になるのは目に見えている。
「くせェ息吐いてんじゃねぇ…その口を閉じろ!!」
「バタバタとうるせぇんだよ…その翼を止めろ!!」
『悪魔風脚
『死・獅子歌歌』
ゾロがファブニールの羽を片方ではあるが斬り落とし、再生されるまでのわずかな時間ではあるがファブニールはその身を地面に落とした。サンジが頬に攻撃を加える事でブレスの方向を逸らして見せた。そして二人が攻撃している間にブレスを避けていた面々も準備をしていた。
「まずは中身の確認だ。フランキー」
「おうよ『フランキーラディカルビーム』!!」
ファブニールの巨体の中央に目掛けて放たれたレーザービームは微々たる大きさではあるがその巨体を貫く穴を開けてみせた。もちろんそれによってファブニールがどうなる訳でもなく、その穴もじわじわと塞がって行く。
「『
そこをすかさずファブニールを調べるためにロビンがその穴の中に目を咲かせた。小さい穴の為に目を咲かせてもしっかりと凝らさなければ見えない。念のために確認するために手を一つだけ咲かせて内部に触れる。
「どうだった?」
「ええ、確かに内部には土で出来ている部分があるわね」
「分身体は大地に接続していないとエネルギーを補充出来ない。それなら本質の変わらないファブニールも同じ」
「随分どでかい金メッキだこって」
「って事はさっきは確かめるために墜としたが、大地に降ろしたら回復するって事だよな」
「金の大地の方なら良いのでは?」
「いや、テゾーロの能力を受け継いでんだ。あの質量を操られてみろ」
「そりゃ喰らえば一発でお陀仏だろうが、回復されるよりはマシだろ」
「能力も使えば疲労する。操らせればエネルギー自体は尽きやすくなるんじゃないか?」
「まぁ、体勢も崩させず、羽を残したまま削り続けるってのは無理でしょうね」
「まずはアイツを金の大地にとばすか」
「規模は違うが能力者だ。最後は海に墜とせばいいが、それまでは」
「どうにかしてアイツのエネルギーを減らす必要がある」
「しかも普通の攻撃が効くわけじゃねぇ」
「基本的にはゾロとサンジが攻撃で俺達がその補助だよな」
「そして最後はウソップ、頼んだぞ」
「おう、速く削り切ってくれよ」
既に体勢を立て直しているファーブニル、羽が回復するや否や既にその身を空に置いている。先ほどまではこれでもかというぐらいにブレスを吐き続けていたが、今度は直ぐには撃ってこない様だ。まだ何か行動を変えたのか警戒しながら行動を開始する。
「おい、アイツ上昇し始めたぞ」
「真上からブレスを放つ気か?」
「それなら『ミルキーボール』『ミルキーボール』そして『トルネード=テンポ』」
真上から金色の吐息を吹きかけるとそれは攻撃地点から拡散するように環状に広がって行く。ナミが着弾地点の周囲にミルキーボールを作り、万が一にブレスが流れてこない様に風も発生させた。
「おいウソップ跳ぶ奴出せ」
「おう、必殺緑星『トランポリア』」
飛んでくるゾロを好機ととらえてブレスを撃ち放つファブニール、視界を遮り、迫る黄金の壁に対してゾロは落ち着いて刀を構える。
「あんときゃ焦り過ぎだ。たかだか息だろ……三刀流『千八十煩悩鳳』」
ブレスを貫く様に斬撃を放ち、その斬撃はファーブニルの口に吸い込まれ喉を切り裂いた。副次的に発生した風と衝撃によって吐息も殆どが霧散している。
「ぶつ切りになれ『黒縄・大龍巻』!!」
空中で発生させた斬撃の渦に呑み込まれたファーブニルはその全身を次々に切り裂かれていく、再生が追いつかずに段々とその体積を小さくさせていくファーブニル。
「遠くまで飛ばせよ」
「誰に物を言ってんだクソマリモ!!『悪魔風脚
再生を続けどうにか渦から逃れようと動いている本体を見据えると素早く蹴りを撃ち放ち、金色に染め上げられた赤い土の大陸へと飛ばした。
「来たようね。とりあえず抑えて見ましょう『
「とりあえずオレもやってみる。ロビンそのまま抑えてて『
鉄のハンマーでも粉砕する威力を持つ怪物強化状態のチョッパー、その力は抑えられているファーブニルを掘削するかのように削っていく。
「頼もしいですね。『
「おう、まだ全然動くからこいつで削ってやる必殺緑星『ドクロ爆発草』!!」
ブルックが飛ぶ斬撃による突きで正確に体の中心部に穴を開けるとすかさずそこにウソップによって強力な爆発性のポップグリーンで狙撃する。次々と身体を削られることに怒ったのか大きく暴れてロビンの拘束から抜け出す。
「もう一度!」
「いや、逃げるならそのままこっちに飛ばせ!!」
「分かったわ。魚人空手『
「へっへっ、良い覚悟で飛んできたな『ジェネラルスープレックス』!!」
もう一度拘束を試みたロビンだがフランキーの言葉に従いそのまま逃げるファーブニルに対して追撃を放ってフランキーの場所へ飛ばすとさらに後方へと投げ飛ばされた。
「よし、だいぶ奥まで飛ばせたな」
「こっからもっと削って行くぞ」
「危ねぇ!?『厄港鳥』」
「金が!?『爆ボックリ』!!」
「『
このまま畳みかけようとしたがゾロがいち早く異変に気付くと迫っていた金による攻撃を切り裂いた。切り裂かれようとも関係ないと言わんばかりに周辺の金がせり上がり攻撃を放ち始めた。
「ヨホホホ、ナミさん水を出して貰えますか?」
「何するのか知らないけど『レイン=テンポ』!!これで良い?」
「ヨホホ十分です。『魂のパラード アイスバーン』」
「うお、凍らせたのか」
「一時的ですがね。それに範囲外から来ますよ」
「きりがねぇな。『将軍ランチャー』!!」
「というかファーブニルは何処に!?」
「たぶん金の中だ!!」
「ナミ!!エターナルポースを出せ!!」
次々と襲い来る金の攻撃をナミに出してもらった水を凍らせることで一時的に封じる。がりがりと氷を削る音が聞こえ、氷の範囲外からの攻撃も始まるがどうにか足場を確保する。そして姿が見えないファーブニルを探すためにナミは受け取っていた【カムリィ】のエターナルポースの針を読む。
「うん、針は下をさして……でも段々上がって!?飛び出して来る!!」
「なっ逃げろ!!うお!?」
「馬鹿間に合わねえよ!!『悪魔風脚
「出てきた所を斬る『煉獄鬼斬り』!!」
ファーブニルが飛び出そうとする影響か金の大地が波打つように揺れて足元を取られる。全員を逃がしてる時間が無いと判断したゾロとサンジがファーブニルが頭を出した瞬間に攻撃を繰り出し、勢いを止める。無理やり地面の下に戻す事でどうにかなったが厄介な攻撃に変わりはない。
「金の操作はテゾーロの方が厄介だったが」
「面倒くささはこっちの方が上だな」
「ウソップ、削り具合は足りそうか?」
「いやまだだ。けどあと少しなんだ!!」
「よし、アイツを叩きだすぞ。後は落ちながらだ」
「ナミ!!どこから来るか読めるか?」
「うん、指針を読み取るなら任せて……右、右、下がった、上、下、これはたぶんフェイク、大きく外れて旋回、上昇……来るサンジ君の斜め前!!」
「しくじるなよ……九山八海一世界、千集まって"小千世界"、三乗結んで斬れぬ物なし、三刀流奥義『一大・三千・大千・世界』!!」
「『悪魔風脚
飛び出してくるであろうファーブニルを大きな黄金の大地から切り離すように周囲の黄金事切り分けて見せると、その巨大な山一つ分の金塊を蹴り飛ばした。落下していく金塊から慌てたように飛び出そうとするファーブニル。
「飛ばせねえよ『
「行け!!ウソップ!!」
「おうよ。必殺『種星』!!」
吹き飛び落ちていくファーブニルに開いた穴にポップグリーンではなく、グレーヌからもらった種を撃ち込んだ。その瞬間、ファーブニルからエネルギーを吸い取り急成長する。内部でエネルギーを吸い、黄金を突き破って成長する植物にファーブニルは絡み取られ、そのまま動くエネルギーもなくなり海へと沈んだ。
「終わったのか?」
「出てこねぇ様子を見るにそうだろ」
「さっき撃ったのはグレーヌの?」
「グレーヌが作ったらしいが、なんでもプラントで使われる予定だった特殊な種で既存の植物ではないんだとさ。貴重だから外さないでって1個渡されたんだ」
「おかげでどうにか封じ込めれたな」
「元が生物じゃないから生きてはいるのか?」
「さぁな。エネルギー全部吸い取られれば死ぬんじゃないか」
「くっちゃべってないでルフィの方に行くぞ」
静かに黄金の輝きを反射させている海面。その下には成長し続ける植物に押し潰れたファーブニル、そして枝の先に黄金色の果実が海底で海流に揺らいでいた。
【ルフィ&グレーヌVS『大地の王』アスカル】
二対一でどうにか成り立っていると言える戦況は悪いと言うしかないだろう。むしろアスカルの攻勢に対して対処することしか出来ていない事に少なからず焦りを覚えてしまうぐらいだ。
【甘い覇気だな。それでもあのガープの孫か?】
「じーちゃんは関係ないだろうがっ!!」
【っと、見聞色は敗けてるか……だがぬるい!!】
「危ないのルフィ『
「いってぇ!?形が変わったのか」
「お父さんの武器は途中でも形は変えれるの、だから気を付けて」
斬り裂くような形状に違いは無いが鎌の形から大きく変わり、三画の刃を持つ鍬に似た形状をとった。マルンと呼ばれる農具を基にした武器で豪快に振り下ろすその一撃は簡単に大地を砕く。アダマスの鎌と比べて取り回しは遅くなるが破壊力に関して言えば一番大きい形状だ。
途中までアダマスの鎌の形状であった為に素早く振り下ろされた刃を避け切れず咄嗟にグレーヌが出した種のおかげで腕が千切れる事は無かったがルフィの腕には赤い線が出来ていた。体勢を崩された処に攻撃を入れられたらたまらないとルフィたちは避けた動きのまま少し距離を取る。
「『種機関銃』!!」
【遅い、石霧】
追撃を避けるためにグレーヌが撃ちだした種たちはアスカルが生み出した霧の壁を通り抜けると段々とその体積を増し、地面に落ちて行った。アスカルは石化した種を踏みつぶしゆっくりと確実にルフィたちの方に詰めていく。
「なんだこれ灰色の霧か?」
「吸っちゃダメなの!!これは敵を石にする霧なの」
「そうか、分かった。あれを吹き飛ばす『ゴムゴムの」
【それには及ばないさ『ネビル』!!】
「あれどんな技だグレーヌ」
「あれは私も知らないの、でも気を付けた方が良さそうなの、だいぶ圧縮されてるの」
周囲に広がりつつある霧をルフィが吹き飛ばそうと息を大きく吸い込んでいるのをアスカルは静かに止めるとマルンを持っている手と反対側の手にその霧を集め出した。渦を巻く様に一点に集まっていく霧はゆっくりと一つの球体を生み出していた。
その球体はアスカルが腕を突き出すと同時にルフィとグレーヌ目掛けて飛んでいった。慌てて種で壁を作り出したグレーヌだがネビルと呼ばれた球体はその形を一度霧散させて壁を通り抜けるとそのままルフィ達を追い続けた。通り抜けた部分は石化し、削れ、ボロボロの風体に変わっていた。
「あぶねぇ!」
「消耗が激しいけど仕方ないの。武装硬化『空種』!!」
グレーヌが空種を撃ちだしてアスカルの攻撃であるネビルを吸い込もうとしたが触れた瞬間に表面を少し削っただけでそのままネビルはルフィとグレーヌに迫って行った。
「『ゴムゴムの鷹回転弾』!!ぐっ、重てぇ、うおぉ!!!」
「ルフィ!?武装硬化『空種乱れ撃ち』!!」
【そっちにばかり集中してるとその首がなくなるぞ『ハーベスト・リーパー』】
いつの間にかまた武器の形状をアダマスの鎌に変えていたアスカルが必死にネビルに対処している二人の背後に近づいていた。並んでいる二人の首を刈り取るように鎌を薙ぎ払った。
「ギア4『タンクマン』!!ぐぅああ!?」
【防御特化か、硬さで大地と競おうってのは無謀だぞ】
ルフィが咄嗟に防御を行ったために二人の首は無事繋がっているが大きく体を斬られ、そのままの勢いで弾き飛ばされた。飛ばされてすぐにギア4を解除したが覇気をだいぶ使用してしまっている。ルフィの動きも少し鈍い様な部分もある。
「ルフィ、無茶はしないの」
「平気だ。まだいける。合わせろグレーヌ『ゴムゴムの
「『種明かし・針々草』」
ルフィは武装色で硬化した巨大な両腕で掌底を放ち、グレーヌは素早く種を操作すると先ほど石化されて踏み砕かれた種、その種の中に隠してた種の更に中に入っていた物を吐き出させた。その中身はインペルダウンで使われてる針々草だったが、モーダスが品種改良して作った鋭く、身体を切り裂く代物だ。
【挟撃か『
前後からの攻撃にアスカルは落ち着いて自身の立っている地面をずらし、攻撃を避けて見せた。そしてそのまま大地を揺らし相手の足を奪うと姿の見えないのを利用し大地の下を通って一気に近づいた。
【『マカナ』『大・黒・点』】
「ぐっ、がぁ!?あっちぃ!?けど捕まえたぞ『ゴムゴムの
「くっ!?『種子島』なの!!」
【むっ、自爆覚悟か。くっ!?】
振動を発生させ一気に熱を宿させた武器を振るいやすい短いこん棒型のマカナと言う武器に作り変えるとそのまま熱と衝撃をルフィとグレーヌに流すように振るった。だが攻撃を受けながらルフィはアスカルを捕まえ、二人で同時に攻撃を放つとようやくダメージらしいダメージを与える事に成功した。
【ははは、いいぞ。良い覚悟だが、ここまでだ】
「……」
【遊びは終わりだ。厭離穢土も極楽浄土も叶う事はない。ましてや落ちる必要などない。ここがお前らにとって地獄だからな『
ルフィとグレーヌに止めを刺すかのように凝縮した大地を撃ち放った。そのサイズは決して急いで走ったとしても逃げきれるような大きさでは無かった。そして消耗した二人にどうにか出来るものでもなかった。
「今なのルフィ
「おう!!ギア4『
【なに!?】
「うおおおお『ゴムゴムの
【『
「武装硬化『空種乱れ撃ち』!!」
「うおおおおお!!」
【ぐっ、がっぁああああ!!なめるなぁ!!】
急激なルフィとグレーヌの強化、いや回復に驚くアスカル。咄嗟に壁を張ったがそれすらも種によって削られルフィの一撃がアスカルに届いた。しかし攻撃が通っても変わらぬ勢いで周りの地面を全てを盛り上げ自身を巻き込んだ大地の大波を放った。
圧死されてはたまらないとルフィとグレーヌは波を避けるために飛びのいた。大地を構成する砂一粒一粒にまで巡らされた覇気に脅威を感じたが先ほどまでの余裕は無くなり、攻撃に荒々しさが出ていた。作戦を上手く使い隙を見事について見せた。
【今のは?】
「種に力を込めておいただけなの」
そう仕組みは単純だ。事前に体力や覇気などを込めて置くだけ、それを噛み砕けばその力が戻る。自分で力を込めないといけないなどと少ない制約はあるが余裕がある時に込めて置けばすぐに回復できる優れものだ。
【なるほど、消耗する覇気や体力を即座に回復されるなど厄介極まりない。だが効率はどうかな。果たしてその種は何個あるのか】
「関係ねぇ。このままお前を倒すだけだ『ゴムゴムの
【ぐっ、ファーブニルの反応も途絶えたか、ならばこうするまで『産土神』『堕地・神杖』】
「でかくなったならおれもだ。『ゴムゴムの
海底に横たわったファーブニルから産土を回収し身に纏うとそのまま鋭く形状を変化させるとルフィ達に向けてその腕を振り抜く。ルフィもそれを迎え撃つように両腕を巨大化させ連続で拳を放つ。ガリガリと削れていく産土、そのまま拳をアスカルに見舞おうとした瞬間、光球がそれを邪魔するかのように降り注いだ。
「なんだコレは!?」
【まだ着いて来る気かアイツは……だが付き従う馬鹿が居るんだ。王としての一撃を見せてやろう『大地接続』『地殺し』】
アスカルの周囲の土壌が瞬時に枯れ果てたかのようにボロボロになって行く。地盤まで全て壊れているのか静かに大地が沈んでいっている。揺れが酷く、周囲には砂煙が絶えず舞っている。大地を殺し、そのエネルギーを身に纏いアスカルは腕を振りかぶった。
【『
「『ゴムゴムの
「『
三者の攻撃がぶつかり合い、押し合っていたルフィとアスカルの攻撃の隙間からグレーヌの種の一撃がアスカルに刺さると一気にその力を減衰させていった。そのままルフィの拳がアスカルの身体に入り、アスカルはその場に静かに沈んだ。
【……負けたか、やはりオレは戦闘には向いてないみたいだな】
「お父さん」
【ふっ、なんだ?じきにここも崩れるぞ】
「プラントの王位をもらうの。そして世界を直す、それがあたしの役目なの」
【そうか……なら持って行くと良い】
そう言うとアスカルは自分の身体から生えていた蔓の先に実った果実とファーブニルを引き寄せた際に回収したもう一つの果実をグレーヌに投げ渡した。グレーヌは危なげもなく受け取ると万が一にも失わない様に種の中に仕舞った。
【知ってるだろうが不味いぞ。お前の相手にでも食わせると良い……じゃあな】
「『空種』……余計なお世話なの」
物となったアスカルを種に仕舞いこむとそれを大事に握りしめ、一筋の涙を流した。仲間と合流後、プラントに戻るとその種を中庭の一角に植えられた。偉大なる建国者、大地の王ここに眠ると書き記された石は隣の墓と並んで静かに佇んでいた。
最後、ちょっと駆け足過ぎた気もする。まぁ、終わらせないとって言う思いはあったけど、時間がある時にもしかしたら手直しするかも。
この後20時にエピローグ的なのが投稿されます。
何時もの挨拶はそちらで行います。