企画の続きでございます。
ジンベエ誕生日おめでとう!!
でも時期的に仕方ないとはいえ、ジンベエ欠片も出ないのではと作者は訝しんだ。
誰かが言った…とある島にはサルサソースを好み、思わず踊りたくなってしまう様な美味しさのサルサ『サルサルサ』を作り出す猿『サルササル』が居るとか…
誰かが言った…食べると特殊な能力が身に付く悪魔の実があると…その中には食べると体がゴムのようになる『ゴムゴムの実』があると…
誰かが言った…透明な果肉でその姿を隠して海中を揺蕩い、海の栄養を豊富に取り込む事で成長し、果肉に塩が染み込む事でさらに味を引き立てるスイカ、『カイスイカ』があると…
誰かが言った…食べると特殊な能力が身に付く悪魔の実があると…その中には食べると自在に大地に干渉し操れる様になる『ツチツチの実』があると…
世はまさにグルメ時代であり大海賊時代、
日を跨いだ瞬間に緊急令を正式に発令させ、娘であるグレーヌと幹部の一人フィンと共に特製の船で『美食領域』へと向かった。
事前に調べていた通りに『美食領域』へと入り込む入口を観測する事が出来、入るまでは問題は無かった。それが来たのは突入してからメンバーと話してる時だった。
「お父さん…このリストの食材全部集めるつもりなの?」
「島、後幾つ巡る?」
既にリストの一部は回収に成功しており、ペースが良いためにそのまま探索を続けているから全て回収するつもりなのではと疑ってる様だ。
「それはあくまで判明している『美食領域』の食材を纏めた物だ。可能な限り集めたいし、リストにない物も収集はするが、基本的には安全第一にだ。何せ偉大なる航路以上に不思議な海だからな」
そう言って明らかに海水ではない海から一杯のスープと麺を掬って見せる。『美食領域』の食材は特殊調理食材や特殊賞味食材でない限りはそのまま食べられる物が多いと聞くのでそのまま食べてみる。
「これはシャンヌードルか、という事は此処はシャンヌードルの海、『オーシャンヌードル』ってところか」
鶏がらスープにもちっとした米麺が絡み合い、鶏や豚のひき肉を辛めに味付けた具材も味わい深い一品はもう一杯、もう一杯と手を伸ばしたくなる。
「今さら食材の海で驚きはしないけど、中々にバリエーションが豊富なの…これもある程度は回収なの」
「火傷…ない…熱そう…」
品自体はとても美味いし、場所が場所故に特別な料理とも言えるが海になってるだけで基本は変わらないので回収は参考程度で問題ない。
フィンは流石に暖かい麺の海を泳ぐのは火傷こそしなくても熱さに悶える事になりそうだと自分の得意分野を潰す海をじっと見つめている。
「『オーシャンヌードル』はメインじゃないが、麺の海を超えた先に『ゴールデンプン』を含んだ『金色芋』を身に生やすジャガー、『金色ジャガーイモ』の生息する島に着く筈だ」
本来の『ジャガーイモ』に生えるじゃがいもも通常の物とは味の深みが全然違うそうだが、変異種である『金色ジャガーイモ』は段違いだと書に残されている。
中でも『金色芋』を使って作る『コンジキッシュ』は見た目の華やかさはもちろん。輝きに負けない味の煌めきを見せてくれるそうだ。
「それ育てるならそのジャガーの捕獲もきっと必要なの」
「金…硬そう…」
確保した食材から種を生み出したとしても生育に必要な条件がなければ育てるのは難しそうであり、おそらく『金色芋』も『金色ジャガーイモ』ありきに食材だろう。
種を生み出すだけでは確実と言えない事にグレーヌは力不足を少し感じている様だ。フィンは今から捕獲方法を模索している。まぁそれぞれ真摯に今回の作戦に参加している証拠だと思っておこう。
そんな事を考えていると予定通りに『オーシャンヌードル』を超える事が出来たが、海水の海が高い波を作り始めた。
「まずいな…急に海が荒れてきた。一雨くるじゃ済まないかもしれん」
「潜ってくる…」
フィンが水中に潜り海の様子を確認し、近くに居る魚の意思を読み取って先を探る。数十秒経ってから船に戻ったフィンの表情は悪い。
「嵐…くる…避けれない…」
「嫌な予想ばかりが当たるものなの……避けれないなりに舵のとり方はどうするお父さん?」
「他の島への航路が分からないからな。目的地を目指し真っ直ぐ進むしかないだろう」
船をそれぞれ能力を用いて補強し、嵐に少しでも耐えれるように力を注いで荒れた海を進んでいく、気候帯が変わったのか途中から嵐の様相が変わる。
「これただの雨じゃないの…ラッシーなの?!」
「ラッシーの嵐…『アラッシー』…?!」
「飲んでる暇はないな。回収も考えなくて良い、とりあえずこの場を……ちょっとまずそうだ」
「あはは…竜巻なの……」
「…海流…寄ってる…船…避けれない…」
船への損傷は今のところ見られずこのままなら沈没する事なく進めると思っていたが、遠くに見えるあれは耐えれそうにない。
「ただの竜巻でもなさそうだ。竜巻の根本を見えるか?」
「あれは甲羅なの?」
「大きい…」
竜巻の根本を見ると高速で回転をし続けている甲羅らしき物が遠くからでもはっきりと捉えられる。あれには見覚えがある。
「『タートルネード』、甲羅に籠もり回転することで巨大なトルネードを生み出して身を守る亀だ。硬い甲羅とトルネード、二つの鎧に守られている身は絶品らしいが……突き破って攻撃する程の土は無いな」
小難しく考えてる時間はないため、端的に出来ることを考えるが大技を使える程の土は持ってこれていない。甲羅の破壊だけなら土が無くても可能だが流石に身一つで竜巻の中に入り込むのは厳しい。
「『タネタネの実』の力でも打開策は思いつけそうにないの…」
「…甲羅…無理…」
グレーヌはお手上げ状態で、フィンは内部に入り込めても甲羅を突き破って倒すのは自分では厳しいと答える。
「各自回収済みの食材を持って脱出する。オレは生きたままの食材の保護の為に船をコーティングしてなんとか耐える。フィンは泳いで海域を脱出、グレーヌは種に籠もれ、集合は誰かの
「了解…!!」
「了解なの!!」
言うが早くそれぞれ『収納種』に詰められた食材を身体に括り付けると、フィンは海に飛び込み、グレーヌは自らを種に封じる。
「『船体土ーピング』」
なけなしの土を船を完全に覆うようにすると、全力で覇気を流し込み衝撃に備える。大きな揺れに 問答無用でシェイクされ、どれ程続いたか分からないが大きく跳ね上がったのを確認すると共にオレは意識を失った。
食料調達をする為にサウザンド・サニー号を降りたルフィ、ナミ、サンジ、チョッパーの四人は暑さに耐えながら島を歩いていた。
「みな~みの~島は~あち~あ~」
「はぁ…はぁ…」
「メシ~メシは~どこだぁ~…」
適当な歌も元気がなく、毛皮があり暑さに弱いチョッパーも息も絶え絶えな様子だ。
「町で買い出しショッピングって思ったけど、あたしがバカだったわ。町どころか人っ子1人いないなんて」
「どうやら無人島のようだな。ナミさん、何が出るか分からないから、オレから離れないように」
「えー!何か出るのかー?やっぱりゾロやウソップ達と、サニー号に残ってれば良かったんだな…」
思った通りにいかないことをナミが嘆き、サンジがナミの護衛を買って出ると、怖がりのチョッパーは着いてきたことを嘆いた。
「うおおーーー!!」
「ルフィ?」
「に…肉だあぁぁーーー!!」
ルフィの目の前には、巨大な肉の実をつけた木があり、腹ペコのルフィは駆け出して行った。
「ん…うめー!本物の肉みてーだ!」
「随分と肉食系な植物ね」
疑うことなく食べ始めるルフィ、ナミは普通は見ることのないその木を不思議そうに見る。するとチョッパーも何かを見つけた。
「見ろよ!このキノコ綿あめだぞ!うまーい!」
「えええ?」
大好物の綿あめで出来ているきのこを見つけたチョッパーも嬉しそうに食べ始める。辺りを気にし始めたサンジも近くの草を見てしゃがむ。
「この草は…絶妙な湯で加減のアルデンテのパスタだ」
「何なのこの島は…」
「まぁ食材の確保には事欠かないみたいだが…」
食料不足に陥っていたルフィ達にはうってつけの島だが、不思議な品々にナミは頭を抱える。
「ん、あれは…稲折り草だ!!煎じて飲むと、どんな胃痛も治っちまうって言う…オレ見るの初めてだ…え?」
チョッパーから見ると大きな草の中から突然腕が飛び出してきてチョッパーの身体をガシリと掴んだ。
「ほほう…」
チョッパーを掴んだのは、青髪の大男で掴んだチョッパーの事をじっと見つめている。
「トリコさーん!もう置いてかないで下さいよー!」
「鍛える…推奨…弱い…」
そこへもう大男と比べると小柄な黒髪の青年と三叉の銛を持って青年を守りながら進むフィン、そして大きな狼がやって来た。
ぎこちない動きの小松に辛辣だがアドバイスを呟くが進むのに必死で聞こえてない様だ。どうやら彼らは知り合いの様で捕まえたチョッパーを二人へと見せる。
「見ろよ小松にフィン!!珍しい動物だぞ?」
「さすがハングリラ島!変わったのがいますねー!」
「…たしか…見覚え…あ…麦わらの…」
大男がトリコと呼ばれ、もう一人の小松と呼ばれている男はこの島の名前らしき物を言いながらチョッパーを見ている。
一方でフィンと呼ばれた男はチョッパーを見た事があり、思い出しているとアスカルが話していた為によく聞いていたルフィが目に入った。しかし呟きは拾われずトリコは自由に行動する。
「え?」
「こいつうめーのかなー?」
「ええ?」
「食ってみるか?」
「ええええーーー!?」
どうしたら良いのか分からないまま固まっていたチョッパーは眼の前で自分を食べた際の事を語り出したトリコに恐怖を覚える。
「チョッパーを放せー!」
仲間の危機に黙ってないルフィはチョッパーを取り戻そうと腕を伸ばした。いきなりな事に小松は対応出来て居なかったが狼に助けられている。フィンはとっくに範囲から抜けていた。
「うわっ?!腕が伸びたー?!」
「何だ、こいつ?」
「…ゴムゴム…狙いは良い…」
小松もトリコもルフィの腕が伸びた事に驚いており、トリコはそのままルフィの連続パンチに応戦すし、フィンはその様子をじっと観察している。
「えい!!」
「フン!!」
「ルフィ!!」
続けて繰り出したルフィの蹴りを難なく受け止めるトリコ。その様子を見ていたナミが相手の強さに驚き、防がれたルフィを心配して叫ぶ。
「チョッパーをどうするつもりだ!!」
「あ?…いいか?こいつはオレが捕まえたんだ。だからオレの獲物だ!」
「え?獲物って、本当にオレを食うのか?」
「おお」
「なぁなぁおい、オレ美味しくないぞ?ビックリするほど不味いぞ!」
「何?お前不味いのか?不味いなら食ってもしょうがないなー。いや待て、もしかしてって…喋ったぁ?!」
「えええーーー!?」
食べられたくないチョッパーは慌てて自分はマズイぞと伝えるとチョッパーが喋れる事に気付き驚きを見せる。
「…能力者食べる…泳げなくなる…非推奨…」
フィンはフィンで方向性の違う指摘をぼそっと呟いている。そして「いや…踊り食い…の場合か…」と自分で訂正している。
「あ?」
「な、何でこいつ喋るんだ?!」
「チョッパーは、オレ達の仲間なんだから、勝手に食うな!!」
「ふぅ…やれやれ…」
「何で喋るか聞いてんだよ!!」
喋れるチョッパーについてルフィに訊ねるも捕まったままのチョッパーを心配するルフィと話が噛み合わずに怒鳴るトリコ。
「え?」
「な、何?」
そんな騒動の中にいるルフィとトリコ達の前に大きな食材が顔を出し、小松とナミが何事かと声を漏らす。
「こいつは?」
「旨そうな匂い…何だ、こいつら?」
「いつの間にか縄張りに入っちまったようだな…『マルヤキブタ』のな…!!」
身体が焼かれており、肉の焼ける香ばしい香りが辺りに漂うとても大きな豚が姿を次々に現した。
「スゲェ!!ブタの丸焼きが歩いてるー!!」
「『マルヤキブタ』自分の縄張りを犯した者には、容赦なく焼きを入れる凶暴なブタ」
『マルヤキブタ』その生態をトリコが語り、ルフィは始めて見る歩く丸焼き豚に目を輝かせる。
「焼きを入れるって、自分らのボディが既に焼かれてんじゃない!!」
「怖えええ…」
焼かれているブタ自体がか、それとも『マルヤキブタ』の凶暴さがか、チョッパーは震えている。
「ええ、高草やお化けトリフをエサにしていてそのまま食べても味は絶品、でも捕獲レベルは1」
「捕獲レベル?」
「はい。国際グルメ機関IGOが定めた獲物を仕留める難しさの度合いです。捕獲レベル1は猟銃を持ったプロのハンターが10人がかりでやっと仕留められる難しさ。トリコさんにとってはそんなに高い捕獲レベルじゃないんですけど…これだけの数になるとヤバいですよ!!」
「でもないみたいだけど?」
「「旨そー!!」」
「念の為…回収…」
ナミが視線を向けた先ではと二人で仲良く涎を流しているルフィとトリコの姿があった。フィンも銛を持って並んでいる。
「『マルヤキブタ』だ?そのまま食えるなんて料理人泣かせだ。許せねぇ!」
「ツッコむとこそこー?」
サンジも料理人として許せない物があるらしくいつもよりやる気を漲らせて『マルヤキブタ』へと向かっていった。
「ん?」
「いただきます!!」
「にひひ!!」
そんな中でトリコはそっと手を合わせ、それに気付いて不思議そうに見つめるルフィ。動作を終えると『マルヤキブタ』へトリコは駆け出し、ルフィも続きます。
「とりゃ!!」
サンジも奮闘し蹴りを叩き込んだがその瞬間に異様な匂いが漂い思わず鼻を覆った。
「何だこの匂い?!」
「焦げ臭ぇ!!」
「奴らを怒らせるな!!怒ると熱くなってせっかくの匂いが焼け焦げちまう!!一瞬で方をつけろ!!」
「よし!!」
「『突浸』!!」
殴って向かってくる『マルヤキブタ』を倒していくルフィとトリコ、サンジも一撃で仕留められる様に蹴りの威力を強め、フィンも鋭い一撃で食材の損耗が無いように倒す。
そんな四人の戦いを見ていたチョッパーが感心した様にトリコに対する感想を零す。
「あいつ動物の生態に詳しいんだな」
「動物と言うか食材に詳しいんです。トリコさんは美食屋ですから!!」
「美食屋って何だ?」
「美食屋って言うのは…未知なる味を求めまだ知られていない食材を捜して食べる食の探究者です。トリコさんは世界中で約30万種の食材の内2%…およそ6000種を発見した美食屋のカリスマなんです!!」
「あいつ凄いんだなー!!」
次々と『マルヤキブタ』を倒していく中でルフィが伸ばしていた腕を元に戻す様子を見ていたトリコが不思議そうに訊ねる。
「さっきから気になってたんだが…お前の体まるでゴムみたいだな!!」
「ああ『ゴムゴムの実』を食べたからな」
「『ゴムゴムの実』だと?!それってどんな味だ?旨いのか?」
「いや、めちゃくちゃ不味かった!!」
「なんだ不味いのか…」
「ああ、よっ!!」
「んじゃ、しょーがねーな!!」
「ああ!!」
一方でトリコは自身が聞いたことのない食材の名前に目を輝かせるがルフィの答えを聞いて落胆する。
「いや、そこは味どうでもいいんじゃねーの?」
「食関係者…味大事…悪魔の実…全てマズイ…」
サンジのツッコミもそれに対するフィンの呟きも二人の耳には届かず最後の『マルヤキブタ』を倒して戦闘は終わりを迎えた。一方その頃、サニー号では…
「腹…減った…ルフィはまだか?」
「随分遅いわね」
「道にでも迷ってんじゃねーか?しょーがねーな。探しに行ってやるか…」
「ゾロぉ…お前は行くな?!余計ややこしくなる!!」
「い…?!」
そして同時期ハングリラ島の西岸にて目を覚ました男が辺りの散策を行っていた。
「だいぶやられたが、船も食材も大事な所は無事で済んだな…しかし、なんだこの島は?操れる大地が異様に少ない…っと、二人共今のところ問題なさそうだな…」
ボロボロになった船を最低限整え、島について多少探り、最後に起きて直ぐに一度確かめたが、もう一度部下と娘の命の紙が無事な事を改めて確認する。
「動き方からしてフィンは近そうだが、帰り道能力で保たせるのもキツイからとりあえず船を直してからだな」