色々と面倒になりそうだが、緊急性の高い物から優先してかたづける必要がある。最低限の人材を用意する必要性があるのだが、今となってはあまり多くの人数が島に定住してほしくは無い。最低限の人間だけで廻していけるのが理想だ。どうした物かと悩んでいるとウチの島に来る商船の中では珍しい部類でオレに商品を売り込みに来た船がいた。
結論から言うとその商品と言うのは奴隷だった。オレの島、いや国が農業に力を入れていると聞き、植物に精通した者を取りそろえたと紹介してきた。新しく王に成る存在に取り入ろうと考えているのだろう。とりあえず奴隷を見せてもらうとそれらは全て小人族だった。全く他の種族を見たことが無い訳では無いが小人族を見るのは初めてでついマジマジと見てしまった。
「オークションでは70万ベリーからで欲しがるものがいれば500万まで伸びる事もあるんですが」と前置きをしてから「今なら一体につき200万ベリー、いや150万ベリーでお譲りします」とのことだ。そして「それとは別になってしまうのですが2体はどうやら能力持ちのようでして、悪魔の実は基本的に1億ベリーを下る事はまずなく、能力者は時価で取引がされるのですが、そちらも数億単位で取引されています」と頼んでも無いのに続けて説明された。
少し小人たちと話をしてみるとどうやら話がおかしく、彼に旅についてこないかと誘われて着いてきたのだがあまり外を見れてない。でも船に乗せて貰っているので働いて恩を返しているとの事だ。騙されてるぞと伝えると「そんな馬鹿な!?」と言わんばかりの顔で驚いていた。なんとなく気が抜けてしまい、同情と言う訳では無いが金にはかなり余裕があり、人手を欲していたのも事実なので小人族を全て買い上げる事にした。もちろん、味を占めて奴隷を次々に連れてこられても困るので、マニュの指示の下徹底的に二度と来るなとお話しさせてもらった。
小人たちは能力持ち2人を含めて20人いた。彼らに騙されていた事と安全に故郷に送り返してやる事が出来ないという事を伝えて、お前らが良ければウチで働かないか、食事や住居など生活に必要な物は保証するぞと伝えると助けてくれるなんて優しい良い人レスと言われ懐かれた。
特注らしい小人用の首輪は既に外してあるが、全員オレやマニュの仕事を手伝ってくれており、かなり騙されやすい様なのでオレやマニュ以外にあまり姿を見せない事とオレやマニュ以外の指示を聞かないように伝えた。緊急時であっても誰かに伝言することは無いし、指示書を預ける事も無いと伝えておいたが、それでも不安だがとりあえずはそんな感じで話は纏まった。
能力者である2人には能力と出来る事をとりあえず見せてもらった。それぞれの能力は女の方が【
【
花人間
好きに花を咲かせることが出来る
花に関しては絶対的な操作が可能
花と会話が可能
同名の実が存在する
【クサクサの実】
草人間
好きに草を生やすことが出来る
草に関しては大体操作が可能
草と会話が可能
植物の操作だと【モサモサの実】と言うのがあるみたいだがそっちが植物全体に効果があるのに対してこちらは限定的な分、細かく強く操作が出来るそうだ。クサクサの実の『草』と言うのは草の定義通りで能力の効果が及ぶのは主に樹木以外の植物だそうだ。そして会話と言っているが基本的には情報を聞き出せる程度で、多少力を持った植物や賢い植物でないとしっかりとした会話は出来ないそうだ。
どちらもかなりの強能力だった。土壌さえオレがしっかり操作していれば2人の能力である程度の作物は素早く育てることが出来る。ハナハナの実があれば受粉は簡単だし、薬効のある花なども咲かせられるし、普通に珍しい花や綺麗な花であれば売れる。クサクサの実なら作物全体を操れるのでこれまで以上の物を作れる。
2人に頼みたい事を考える前に色々と悪魔の実は面白いなと感じた。2人の能力は樹木自体には効かない。しかしハナハナの実で樹に花を咲かせることは出来、その咲いた花は操れる。そしてクサクサの実で草花であれば咲かせることが出来る。それぞれの能力で出来る事は一部被っているが出来る程度はそれぞれ違う。
まあ、話が逸れたが2人がまだ慣れていないので少しずつではあるが、これまでより良い作物と言う枠組みでは作物の高級品とでも言うべき物の栽培と品種改良を、そしてもう一つの特色としてこれまでより短期間での作物の栽培が可能となった。
植物の交配を操作して種の品質の向上を図るのは勿論の事、作物の養分などの調整を行い時間をかけて特別な作物を作り出すのが結構良かった。果物の様に甘い野菜や砂糖を遥かに超える甘さで決してくどくはない果物、薬効の強い薬草、そして何より全体的に栄養価が高く健康にも良い。そしてそれを加工して作った保存食や酒類などがこれまた非常に高値が付けられた。
そしてもう一つの短期栽培の前にグランドラインの島は春島、夏島、秋島、冬島とあり、そしてそれぞれの島で幅はあるが基本的に春夏秋冬が存在する。しかし、うちの島は多少上下はするが一定の気候が保たれている為、一年を通して作物の栽培が可能である。それだけでも十分でいつでもこの作物ならありますよと言う強みとなっていた。
その栽培を早めてくれるのがクサクサの実の力である。野菜、穀物に限らず草であれば干渉できる能力で栄養の吸収と成長を早める事が出来るのだ。本来であればそんなことをすれば直ぐに土の栄養が枯渇するのだがそれを補うツチツチの実の能力がある。
これまで以上に作物を大量に作れるようになったのと更には地味ではあるが重要なのが熟しているとでもいえば良いのか、作物は収穫しなければ段々駄目になってしまうがその心配が無いのだ。作物のピークとでも言うべき状態で置いとくことが出来るのだ。そしてそれはある程度であれば収穫した後にも効果を及ぼせる。
これにより作物の販路が一気に広がった。本来であれば駄目になってしまうため売ることが出来なかった相手に売れるようになるのだ。そして販路を広げた際の作物の量の心配もクサクサによる早期栽培で解決できる。
纏めに成るが、より良い種の確保、新しい商品と特別な商品、大量の作物、新しい販路、これらの獲得によりうちの国の商売は一気に盛り上がった。元々国家となった際に取引は増えたのだが、それを遥かに越すレベルでの商売の拡大で、革命と称しても良いレベルだ。一応国としてこれからやっていくためには発展は必要不可欠である。この国の産業である農業の新たな可能性にオレは大いに喜んだ。しかし、何かを忘れているような気もするがのだが……とりあえず小人たちの歓迎を先にしてしまおう。嫌な事は後だ。
まだまだ続くよ。