前回までに入手した物。
『船溶かし』『落花星』『超味粱』『ストマックバロン』
これまでに手に入れた食関連の物は『船溶かし』『落花星』『超味粱』『ストマックバロン』の4つだ。4つだけでも結構な成果に思えるが、膨大なリストの事を思うとまだ報告するのは早い気がするので、まだまだ収集活動は終わらない。
国土ごと航海している理由の四季の揃った海域も未だに見つからないでいる。特殊性の高い新世界で探すべきか、情報の多い楽園を探すかは結構悩ましい。新世界だと島自体に何かが起こる事もあると聞くし、安定した海域が存在するのかも怪しいので、可能性的にはやはり楽園側かなと思ってる。
っと、そんなことを考えている内に目的地に着いたようだ。最近は更に国土も広がり、移動が速くなってきた。それと中継地点を置いたのも能力の成長に良かったかもしれない。拠点を作ると制御が難しくなるが、要はその状態って能力を最大限に使ってるわけだから修行にはなってる。
拠点は増えてはいるが、ポンポンとでたらめに拠点を作ってる訳では無い。今は
さあて、取り合えず上陸してみたが、この島の情報はあらかた載っていたので心配は無い。弱り切って居ない限りはここ『
にしても石だらけで歩きにくいったらありゃしない。ここは危険は少ないが住むのには向いていない。と言うか定住してる人の居ない無人島である。石だらけではあるが野生動物は普通に生活できている。だが草食動物は総じて背が高く、歯が丈夫な傾向がある。それもそのはずでこの島の植物は多少石化しているのだから。
この島は周期的に成分豊富な霧が噴出される。その霧が触れた部分は段々と石化する。とは言っても動物が動けば簡単に壊れるほどの硬さで、植物もある程度成長していれば砕くことが出来る。しかし、まだ弱い種は石化すれば育つことが出来なくなる。
そのため、この地の植物は種を地面に落とすタイミングをずらしている。この島に発生する霧は一気に吹き上げて、層になって空高くから地面に降ってくる。霧が噴き出したタイミングでまずは少量の種を落とし、次に石化した種を先に落とした物に被せて霧から守るのだ。
発芽してからある程度育つまでの栄養が種には詰まっており、その後は周りの石に根を張り、石を突き破って石化した動植物の栄養で成長していき、霧に負けない強さを手に入れれば、むしろ霧から栄養を吸収して成長する。もちろん、植物らしく光合成も行う。
そして石化した動植物にも特殊な性質があり、オレはそこいら辺に落ちている石から色の濃い物を選んで口に放り込んだ。がりごりと噛んで味わうと、思ってたよりもずっと味が濃くて美味しかった。そう、この島の石は食えるのだ。
そのため、草食動物は石ごと植物を食べるために丈夫な歯に成ったり、石化していない部分を食べるために背を高く進化していった。上から下に石化するなら全体的に石化してると思うだろうが、光合成をするために新しく葉が作られるので、上の方に新しく葉が出来る。むしろ根元の方はこれ以上大きくならないって所まで行くと表面の石が段々厚くなって守られているのだ。
草食動物の中には大量に食べてから、霧の噴出口付近に言って少し強めに石化して眠ると言う種も居る。肉食動物から身を守るための知恵だが、加減を間違えて石を剥がせずにそのまま死んでしまう可哀そうな個体も居る。死ぬ前に運よく仲間に見つけて貰えると助かる事がある。
そう、先ほどから動植物と言ってる様に、わざと石化する動物が居る様に、石化するのは動物も同じである。元気なら動いて石を剝がせるが、病気や怪我で弱ったり、寿命で動けなくなると、徐々に石化して最終的には死んでしまう。さきほどの草食動物の例がある様に石化しても呼吸は出来るらしい。弱って石化した動物の主な死因は餓死である。
生まれたばかりの子供は石化した際に親の力で石を剥がしてもらおうと思うと結構なダメージになり、逆に死んでしまうので石化しないように親の身体の下に隠れて霧を耐える。それでも石化してしまった場合は水につけて、浸食作用で削ろうと試みるが、石化の範囲が広いと削り切る前に衰弱死する。
石化した動植物は周りの石の成分によって変質し、中で発酵熟成され、その後で内部まで石化が進む。生きてる間は石化しないので、餓死するまでの時間が掛かる。そのため、石化してすぐだと中身が残ってると言うか、そこいら辺の霧が固まっただけの石と同じでそこまで美味しくは無い。オレが先ほど色の濃い石を選んで口に入れたのもそれが理由だ。
植物と動物では味が違うようで、色の違いで見分けられると情報があるので、様々な色の石を収集する。動物も草食か肉食、植物も実や種だけでなく、折れた枝や落ち葉が石化した物もある。珍しいのが嵐で打ち上げられた魚などが石化した物である。
石の養分が吸われてる可能性が高いので、低めの植物の周りは採取ポイントに向かない。大きな木の周囲か逆に植物の無い場所が狙い目。動物に関してはその動物のテリトリー、住処などが探すべき場所である。川の中には削られて砂状になった物もあり、それも味わいが違う。川底の物と海の近くの物だとこれもまた違うみたいだ。
この石化はここに島がある事で成り立っているので島ごと持って行っても意味が無い。ツチツチの力で真似できないかと試みたが、食べれる石化などと言う都合の良い物は流石に無理だった。ただ、霧を浴びせて石化させる技は完成した。
新しい技として『
と話がずれたが、この石は入手しておく必要があるので、ここに中継地点を設置することにした。持ち主は居ない様なので、石食島を含めて国の領土扱いになる。拠点を通じて食材を運び込んで石化させることで色々な石を創っていく実験を行おう。やるつもりは無いが衰弱した人間がこの島の霧に触れたらやはり石に成るのだろうか?考えていると恐ろしく思えてきたのでその思考は封印した。さて、次の島を目指そう。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
石食島の石の様にその場でしか作れない物だとそこに中継地点を作るか、近くの中継地点からトンネルで繋げる必要があるので面倒だという事が分かった。余分な拠点は無い方が良いので、操作範囲が広がったり、拠点が増えてきたら、拠点の位置関係や数を整理する必要が出てくるな。
正直な事を言うと面倒でしかないが、やっておかないと万が一の時が怖いので自分の能力くらいは万全な状態にしておこう。何が面倒かっていうと、その拠点を置いてる場所に街や国がある場合何だよな。中継地点がある場所は人の出入りが増えて、経済に影響があるらしいから、いきなり移転とかを言われても納得してくれないだろう。
なので人が住んでる島に中継地点を置く場合は他の中継地点との位置関係をよく考えてから置いている。うちの島に来てくれと言う声はあるのだが、応える訳にはいかないのだ。いくらでも置けるのであればオレだって置いてあげたいが、そうもいかないのを分かって欲しい。
さて、次にやってきたのも特殊な島なのだが、この島の情報はそこまでない。何が採れるのかと言う、食材の情報はあるのだが、島については情報が全然ないのだ。という事で調査にと、ホーニィ、モーダスに加えてモルにも来てもらった。小人は基本的に優秀だからね。
「ここでは何が採れるレスか?」
「モルも呼んでるって事は菌が関係してるんレスか?」
「それならあんたらを呼ばないと思うレスが、でも真面目に何で私まで連れ出したレスか?超味粱は見せて貰ったレスが、あれみたいに植物と菌の双方が関連するものなんてそうそうあるとは思えないレスがねぇ」
まず第一に様々な視点から調査したいと言うのがあるんだけど、ここで採れると言われてる食材……と言うより食べ物がどっちも関わっていると言えば関わってそうだからなんだよ。この島と言うかこの『ピクル湿地』で採れると言われてるのは『漬物』だからね。
「「「漬物レスか!?」」」
そう、ここで採れるのは作物ではなくその加工品なのだ。そして、今歩いている地面と言うか湿地の泥を見るにあるとしたらこの下だろう。この湿地に泥は栄養が豊富すぎるからな。どうしてこんな泥が島一体に湿地として広がってるのか、そこいら辺も含めて調査する必要が……
「危ない!!『赭土・盾』」
「ひゃあレス!?」
「何レスか!?」
「でかい
でかいとか言うレベルじゃないだろアレは……調査する内容を伝えているといきなり土の底から飛び出てきたソイツは家なんか簡単に一飲みに出来るサイズのミミズだった。あれだけでかければ巨大な畑でも良い働きをしてくれるのではと思ったが、別にミミズ居なくてもうちの畑には関係なかったな。
ミミズの突進を盾を作って防ぎ、次に備えるが特別何かしてくることはなかった。別に敵対して来たとか、こっちを襲って来たつもりは無かったのだろうか?知らない奴が居たから見に来たとか、いつものルートにオレらが居た感じだったのかもしれない。地中には同じサイズのミミズがそれなりに存在していたが、別にこっちに近づいてきてないので、それらの説が濃厚だ。
とりあえず、気を取り直して探索と行こう。もしかしたら同じように飛び出してくる奴は居るかもしれないので一応注意しておくように小人たちに伝える。さて、漬物自体はこの泥の中に在る様なのでオレの能力で取り出す事が出来る。
問題なのはなんでこのような泥があるのか、泥の性質、勝手に漬物になってるか、漬物の元となっている野菜とかはどこにあるのかだ。とりあえずは野菜の生えている場所を探すとしよう。モーダス、ホーニィ、植物はどっちにある?
「向こうから声は聞こえてるレス」
言われた方向に全員で向かうと確かにそこには野菜と穀物が大量に育っていた。オレはその野菜や穀物の生えている姿を見てせわしないと感じた。まさか、うちの国の急速栽培レベルで育つ植物があったとは驚いた。
植物は一気に育ち、実を作り、熟して落ちて、枯れる。それを高速で繰り返している。熟した実は落ちて地面の栄養となり、種からまた育つ、それを永遠と繰り返している。穀物、というか米も同じで、というか他の作物よりも米の方が大量で、この島全体が米ぬかもどきになってる原因は間違いなくあれだろう。
「栄養が多すぎるレス」
「だけど腐って無いレス」
「あの稲の真下が栄養が多くて菌も活性化してるレスよ」
確かに、肥料も水も上げ過ぎはよくないはずなのにこの島の植物は問題なく育っている。あの急速栽培は植物の生存戦略で、根が腐る前に必要な養分を一気に吸って、一気に育つとかじゃないかとオレは考えたが、実際の所は不明である。
育っては熟して枯れてを繰り返す植物によって発生した栄養豊富な泥、それだけだとすぐに腐っていきそうだが、環境を整えているのがあの巨大ミミズだろう。あいつが地面を動き回る事で自然とかき混ぜられて、常に泥が最適な状態で維持されているのだ。
そして、熟して落ちてるのに漬け込まれている作物があるのかと疑問に思っていたが、それもしばらく観察していれば見ることが出来た。急速成長の際に耐え切れず、熟す前に落ちた物が段々と地面に沈んでいく、そして地面の下で動き回るミミズによってさらに下へと運ばれ自然に漬物が出来上がるようだ。
この環境は植物と巨大ミミズによって作られているので、この島ごと持って行っても問題ない。なので、プラントの国土に組み込むようにピクル湿地を回収した。地面の底の方にあった野菜を回収して齧ってみると酸味が強めだが、良い味わいだった。
この泥自体が漬物に最適なようなので泥を回収してうちの国の野菜を漬け込んでみる事にした。後は逆にピクル湿地にうちの国の野菜を適当に沈めて放置した。出来上がりにどれくらいかかるのかの実験もかねてだが、上手くいけば大量に美味しい漬物を作る事が出来るだろう。漬物は保存食では一般的な物であるため良い物が出来ればいい商品になるだろう。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
さて、
きちんと物は買っていくつもりではあるが、珀鉛について調べるために島の地面に能力を発動して探っていく、地面下には確かに見慣れない鉱石があり、感知した感覚ではそれは白いが、これを甘味料にして売り出しているなんて正気だろうか?
それ以前にこんな物を掘り返していれば問題になってもおかしくないと思うのだが、珀鉛を調べたことが無いのだろうか?だとしたら、この国の王は相当な大バカ者である。こんな毒物を掘り起こしているのだから。
商品自体は体に取り込む甘味料を除けば問題は無いだろう。食器も塗料も別に害にはならないだろう。しかし、掘り起こす際に出る粒子が確実に体を蝕んでいくはずだ。……少しばかり、この国について調べる必要がありそうだ。
まず、問題の有無を確認しやすいのは病院だろう。オレは街の中でそれなりに大きい病院に入って、患者を観察したら、思った通りの症状が出ている患者が何人もいた。身体に入り込んだ珀鉛が身体を壊し、表面にまで現れている。
「君は誰だい?お見舞いか、それとも君自体が病気かい?」
医者に見つかってしまったようだ。しかし、むしろ話を聞くいいチャンスかもしれないと思い、話しかけてきた医者の方へ向き直って病気について聞いてみる。
「あれは珀鉛病と呼ばれている。僕は特徴からしてこの国の珀鉛に関係する一種の中毒だと考えてる。今は無理だが必ず珀鉛を除去する方法があるはずだ」
国は珀鉛や珀鉛病について何も言わないのか?
「今の所かかっているのが年よりばかりだからか、それとももっと根深い所で何かがあるのか……国に訴えても何も変わらなかったよ。だから私は私に出来る事をやって行くのさ」
そうか、と呟き邪魔をして悪かったと謝罪をして病院を後にした。大地に存在する鉱石なのでオレの範囲内ではあるが、流石に体内に入り込んでいる物をどうにかする方法に検討は無い。とりあえずは延命になるかも微妙だが、大地から舞う粒子を少しでも抑えておこう。
現在舞っている物も地面を操作して出来る限り集めたが、それでも限界はある。主導しているこの国の王にコンタクトを取ってみるか、まずは把握しているのかどうかだな。こうなっては甘味料はいらないし、食器だけを買っていくつもりだから時間に余裕はある。
電伝虫を通して、世界政府経由でアポイントを取るとプラントの名はここまで届いていた。まあ、レヴェリーの内容は加盟国には送られるから当たり前と言えば当たり前か。
「アスカル王、我が国にようこそ!!自慢の白い町の景観はいかがでしたか?もっと事前に連絡していただければ、歓待の用意も出来ましたのに」
いえ、国とは関係ない私用でやってきましたので、むしろ突然邪魔してしまい申し訳ない。今回はこの国の特産品である珀鉛についてお聞きしたいのですが?
「珀鉛についてですか?アレはうちの国でしか採れない特殊な鉱石でして、全てお話しすることはかないませんが?」
それで結構です。私が能力者である事はご存じでしょうが、私は大地を司る存在です。その私が見た限り、あの珀鉛には微量ですが毒が含まれているようですが、ご存じでしょうか?
「ええ、知っております。ですがアスカル王も言われた通り微量な物、商品を使って害はありません。よければアスカル王もいかがですか?」
しかし、国民は少しずつ毒を貯めこみ中毒を起こしているようですが?そして珀鉛から作られる甘味料、あれは流石に害があると思いますが、同じく食に関わる国としてあれには納得が出来ません。それと世界政府はこのことをご存じで?
「ははは、国民の犠牲で我が国は世界でも上位に立てるだけの金と知名度を手に入れた。世界政府もビジネスに関わる事で利益を上げています。これは必要な犠牲ですよ。甘味料についても買うのは何も知らない連中だけです。ご心配はいりませんよ」
……そうですか、お聞かせいただきありがとうございます。もし、国王様方もご存じなければ危険と思い、出過ぎた真似をしてしまいました。良ければ食器を買って帰ろうと思うのですがよろしいですか?
「ええ、あのプラントの国王が買ってくれたとなれば良い宣伝になります。では楽しい商談といたしましょう」
その後、簡易的ではあるが接待を受けながら、食事を共にして国から食器を多めに購入した。国がこれで、政府もたぶん認めているとなると、下手に関わるべきでは無いか。やるせない思いを残し、ノースブルーの拠点へと還り、報告書と食器を本国に送った。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
4つの海へ送った分身から様々な情報や物資が送られてきている。まだ、それぞれトンネルを作って、拠点の基礎は作ってるが、中継地点自体は各海に1つしか作れていないので、進捗は遅めだ。今の所はオハラに言ってる分身からの情報が一番成果としては大きい。
異常な環境の多いグランドラインの情報も結構入ってきているため本当にありがたい。今回やってきた海域も詳しい情報が無くて参っていたが、送られた情報の中に詳細があったので手を出すことが出来た。
今、プラントの国土の周りにあるのは海水ではなく溶けた塩と塩の大地である。そして、それらが海水の代わりに動き続けている。ここは『渦塩』と言い、海水が無く塩が渦を巻き続ける灼熱の海域だ。
昔はかなりの高温の海水が渦を巻いていると言うそこそこ危険な海域だったが、地の底で何か異常でもあったのか、高温の発生源がこれまで以上の熱を発するようになったのだ。
高温に耐えられず海水が蒸発して塩が残り、高温の海水が多くの塩を含んで渦を巻く、それをずっと繰り返していたが、遂に塩の発生量が水に溶ける限界量、溶解度を超えた。渦を巻く海水が飽和水溶液と化したのだ。
そのため、段々と渦に塩の塊が発生するようになり、その割合を増やしていった。そして段々と海水よりも塩の方が多くなり、熱で溶けてどろどろとなった塩が渦を巻くようになった。塩は熱を受け止めながら回り続け、周囲の海水を蒸発させて塩の範囲を広げていった。
しかし、渦の中心から離れれば温度は下がっていくため、海水によって塩が冷やされて固まる部分が生まれ、それより先まで塩が広がる事はないが、ある程度固まった塩の大地が渦の一番外側に形成されている。
外周部の塩は海水を蒸発させただけの物で、渦を巻き続ける中央部の塩は高温で完全に変質している。どちらも食材というか調味料としてはそこまで適していない。回収する必要があるのは、その真ん中くらい、さらに言えば海中で固まってる部分だ。
外周部でなくても渦は円錐状になっており、海水に触れてる部分が固まっている。その部分を削って取ると海の成分が浸み込んだ最高の塩が採れるのだ。
だが、この海は塩の部分以外もかなりの温度で触れようものなら火傷は必須だ。海面より上は外周以外は固まっていないので上から攻める事は出来ない。塩を回収しようと思えば、渦の塩が割れて、外側に弾かれるのを待たないといけないのだが、オレにはツチツチの力がある。
土を伸ばして渦の真ん中の塩を剥がして回収していく、大渦であるため結構な量が採れた。次に採りに来るのは塩が形成されて成分が溶け込んでからだから、まあまあ先になるだろう。ここにわざわざ拠点は作らなくて良いだろう。
塩を味わえると言うか塩の味を活かせるような料理という事で、
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
さて、渦潮の際に魚を結構味わっていたが、どうせなら美味しい魚を食べたいと思い、次に向かう進路を『
目の前に広がる光景はシャボンディ諸島に類似しているが、けっこう違う。宙に浮く泡の中には水で満たされており、最低でも一回り大きく成長している魚たちが自由に泳ぎ回っている。
ヤルキマン・マングローブに近い塩生植物の
また、バブルは海中で作られ、生み出される時の周囲の海流をそのまま維持する性質があり、バブルの生成時に周囲が渦巻いて居れば、バブルの中も渦をまく。ジシンマン・マングローブは広く群体で生息し、空中に浮く様々なバブルには多くの魚が住んでいる。
宙に浮くバブルの中で一種の生態系も出来上がっている。バブルはシャボンより割れにくく、変形した形の物やバブル同士でくっついてる物もある。枯れ葉や死んだ魚などが積み重なり中央には大地が出来ており、山や川も出来ている。さらには長い年月をかけて、鹹水魚から淡水魚に変わった種もおり、川がバブル化した物もある。淡水と海水では性質が違うのかバブル同士がくっつくことは無い。
そして、何故魚が巨大化するのかと言うとバブルに含まれる成分が少しずつ内部の水に溶け込んでいき、それらが魚に作用しているそうだ。魚以外は巨大化することは無く、バブルに貝や海獣をいれても大きくはならない。そのため魚と海獣をバブルに入れると1ヶ月くらいでパワーバランスが逆転する。
ちなみにここには拠点を置き、中継地点とする予定だ。まずは、バブルに含まれる成分をプラントの生け簀に利用できないかと言う研究がしたいのと、研究が完成するまで大きな魚を確保するためにこの地は確保して置く。
例えばだけど魚人や人魚をこのバブルに入れたらどうなるんだろうか?魚の様に巨大化するとしたら結構な危険物になるが、まあ、流石にありえないだろう。ピアスに入ってもらうかとも思ったが、万が一にこれ以上でかくなったら居場所がなくなってしまうので止めといた。馬鹿な事を考えていないで次の場所へ向かおう。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
その日は海賊側用の港に多くの船が止まっている日だった。海賊同士の争いもプラントにいる間は禁止としているため、問題が起こる事はまずないのだが、その日は別だった。
「俺の船の金を盗んだのは誰だ!」
「ウチの船から宝が消えてんだぞ。おかしいだろ」
「誰の仕業だ。落とし前付けてやる!」
「こっちの船もだ。どうなってんだよ!!」
「お前らが奪ったんじゃねえだろうな」
「こっちも困ってんのが見えねえのか?手前の眼は節穴か?」
「盗まれたふりしてる可能性はあるよな」
「そのままその言葉を返してやるよ」
「やんのか」
「やってやろうじゃねえか」
一色触発の空気に流石に無視は出来ず、事情を訊くことになった。すると、全員が船の積み荷を奪われたと証言している。そして、全員が他の船の奴を疑っているのだ。外でやってくれと港から追い出しても良いが取引先の船が襲われた場合が少し問題なので強制調査となった。
それぞれの船を見せてもらったが確かに金目の物が一切無い様だった。隠されてる事も考えて調べた。船自体に仕掛けが無いかとかも能力で調べたが、何も見つからなかった。とりあえずは港で騒ぎを起こされても嫌なので、戦いは無しで、待ってもらう。
その間の飲食などはプラントから提供させてもらった。変にケチる事はせず、接待向けの物を提供したので現状は文句は出てない。とは言え長く留まってくれるとは思えない。だが、抜け駆けして出ていくようなことが無いように海賊たちで相互監視が成されている。
オレは世間に公表されていない人材である小人たちに見つからないようにそれぞれの船の監視について貰った。さらに、モーダス、ホーニィ、モルの3名には能力も使ってもらっている。小人も能力者もそれぞれ交替で見張りをしているので24時間、死角は無いはずだった。
しかし、次の日に倉庫の物資と取引所に置かれている分の金銭が盗まれた。どうやって侵入し、盗んだのか分からないが、プラントに留まっているのが海賊たちだけなので、犯人がこの中にいるのが分かったとも言える。そして手口から考えるに能力者だろう。
「この中に犯人がいるのが分かってよかった」
「そうだな。後は見つけて吊るし上げるだけだ」
「侵入方法も隠蔽も分かってねえのが問題だな」
「どうするんだ、国王様よぉ?」
これが物語であるなら証拠を掴んで、推理で追いつめると言った展開が望ましいのだろうが、こっちとしては国の業務は滞るし、国にも被害が出てるから、素早い解決が望ましい。犯人を捜そうと思うのであれば、手っ取り早い方法があるじゃないか。
『皆さん、海に飛び込んでください。溺れたのが犯人です。元々泳げないと言う人は海楼石を貸し出します』
海賊でカナヅチだと言う人は滅多にいないし、生まれつきカナヅチだと主張する人には海楼石に触れても力が抜けないかで判断してもらえばいい。危険が無いように海にはピアスが待機している。この状況で飛び込まない理由があるとすれば能力を隠している犯人だけだ。
説明を聞いて理解したのか次々と飛び込んでいく海賊、泳げないと言う人は居なかったようで海楼石の出番は無かった。そして、最終的に1人だけがその場に残った。煽る気は無く、念のため飛び込まないんですかと声をかけるとこちらに一気に迫って攻撃をしてきた。
「あー、上手くいってたのになぁ。余計な事をしてくれたもんだぜ」
飛び込めないという事は能力者なんだろうが、腑に落ちない点があるため強めに警戒しておく、海に飛び込んでくれた海賊の皆さんはピアスが引き揚げ作業を行っている。目の前の男が犯人だと知り、加勢しようと来ているが能力が分からないので止まって貰ってる。話を聞いてくれる海賊ばかりで良かったと思っておこう。さて、貴方は何者で?
「海賊だけど、盗みを重視してんだ。まあ、弱い島は襲ってるけどな。それなりに売れてるから顔と船を犠牲してまで入ったのに、ばれちまうんだからやってられないぜ」
そう言いながら男は手元に何かを作り出してそれを投げつけてきた。能力に由来する物なのか見た目より威力はあるが、覇気は纏っていないので簡単に防げる。この板状の攻撃は何なんですか?と訊きながら
覇気を纏った土の銃弾は真っすぐ男に飛んで行ったが男の目の前に展開している板に触れた瞬間に方向を180度変えて反って来た。少し驚きながら操作して攻撃を解除する。
「板は板でもこいつは反射板、こいつは攻撃を反射して綺麗に反すんだ。遠距離攻撃は無駄だぜ」
板と言う発言から考えるに悪魔の実の名前は『イタイタの実』と言ったところか?
「ああ、俺はイタイタの実を食べたパネル人間、様々なパネルで自在に戦うぜ。さっきのも反射パネルってのが正式名称だぜ」
そう言いながら鋭い板をいくつも投げつけてくる。板自体を攻撃してみたが、反射されることは無く壊すことが出来た。その様子から考えるに反射板だけが特別なんだろうか、それとも条件があるのか……先ほどの発現から考えるに防げるのは飛び道具だけか?そう考えて一気に近づいてアダマスの鎌で
「危ねえな。防御用のパネルを重ねたってのに結構割れちまったぜ」
なるほど、攻撃、防御、反射と役割の違うパネルがそれぞれ存在する様だ。だが、近接攻撃を反射することは出来そうにないのが確実となったので次は本気で斬りかかればいいだけだ。そう思って、パネルを避けて向かっているといきなり背後に気配を感じた。だが、心配はいらない。
「『
「悪いがパーティは中止だな。『
うちの国のメンバーは全員優秀でね。奇襲とかの対応は得意らしいので頼んだが、いきなり現れた武器や銃弾の数々を全て斬り伏せるとはね。『先読み』の名は伊達じゃないなサイフォ。今は勝ってるけど将来的には見聞色の覇気は敗けそうだな。最高のタイミングで攻撃できたと相手は思っていたのに邪魔されてご立腹の用だ。
「ペラァ!!俺様の奇襲を防ぐんじゃねえよ。『スリーディー・バッドエンド』質量の前に潰れろ」
大きな紙から飛び出したのは崩壊し、所々燃えている家屋の塊。破壊されて滅んだ村か。それは確かにバッドエンドと言うにふさわしい光景だ。小さな村が燃えながら丸ごと降ってきてるが、サイフォは問題は無いと言わんばかりに次の攻撃の準備をしている。
「『大海槍』」
ピアスの山を吹き飛ばす特大の海の槍でバッドエンドは掻き消えた。そして、敵が唖然としている間にサイフォは相手の懐に入っていた。武器である一本の刀は鞘に納まったままである。
「『
「ペラァァァァ!!」
「ボスの命令で峰打ちだってのに大げさだな」
死んだときに能力がどうなるか分からないので殺さないように伝えておいた。そのため、サイフォはもう一つの得意武器である2丁拳銃も使っていない。だが、敵は衝撃をもろに喰らって気絶しているようだ。
「船長!?」
あっちが船長だったのか。能力の発動中は見聞色で探れないので厄介だったが、何処かに潜んでいる事は分かっていた。犯行が起こった日に目の前のパネル人間は動いていなかったと小人から報告を受けていたから、どこかにもう一人能力者がいると確信していた。それと、目の前の男の能力で盗んだ物を隠す事が出来そうにないと言うのもある。
「ちくしょう、『立体パネル・ドリル』」
さて、部下が仕事を終わらせてんだからオレも目の前の奴を倒すとしよう。敵はパネルを組み合わせて形を作って攻撃して来た。それに合わせるように今度は全力でアダマスの鎌を振るわんと構える。
「『ハーベスト・リーパー』」
「ぐほぉぉぉぉぉ!!」
命まで刈り取ってしまわないように気を付けたが、治療しなければ死んでしまうであろう切り傷を負いながら敵はパネル事ぶっ飛んだ。その様子を見ていた被害者海賊たちは「うおぉぉぉ!!」と声を上げていた。
船長とやらの能力は『ペラペラの実』の平面化人間、自身と物体を平面化できると言う能力だった。それを用いて壁や床から倉庫や金庫に侵入し、盗んだ物を平面化して隠し持っていたらしい。平面化した物は平面に依存するらしく、平面が壊れれば平面化は崩れる様だ。
それぞれが自身の持ち物が描かれた紙を破り捨てて盗品を取り戻した。うちの国の金や作物もきちんと回収出来た。他にも色々とため込んでいたらしく、財宝や金があったが海賊たちはそろって迷惑料として受け取ってくれと言われたのでプラントで貰った。海賊たちは口々に礼を言ってプラントを後にした。
そして、問題の海賊は逃げれないように海楼石で拘束してから知り合いの海兵、と言うかガープ中将に連絡を入れた。すると、直ぐに出てくれたので要件と経緯、海賊の特徴を伝えた。
『そいつらは能力から考えるにDAEDAL・DEAD海賊団、通称2D海賊団だな。2人だけの小さい海賊だが、それなりに実力がある上に奇襲などを好み、島を襲う悪質な海賊でな。能力を使っての逃走も上手いから中々捕まらなかったのだが、まあお主なら捕まえられるだろうな。人を送るから渡してくれ、それじゃな』
言うだけ言って切りやがった。DAEDAL・DEADねぇ、多彩な死の海賊団と言う意味になるが、殺す気満々の命名だな。後日に引き渡した事で懸賞金も入った。生け捕りの為丸々入ったのでそこそこの金額だ。業務は滞ったが儲けは出てるから良しとしよう。
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
変に足止めをされたが目的地にたどり着くことが出来た。島の情報はあるので調査の必要は無いが、色々と回収するために降り立つ。地面に足を着けると少しべトッとした感触がするが、ここはそう言う場所である。『デザートデザート』と言い、島全体が甘い砂漠である。そのため砂とかも水も甘いが少しべたべたとしているのだ。
この島は、植物が草食動物に狙われないようにと考えて進化した結果、動物が食べたがらないくらい、動物の歯が悪くなるくらい甘く、柔らかく進化したのだ。普通なら食べにくくしたり、不味い、もしくは毒を持つように進化するが、その島の植物はあえて大量に栄養を貯めこみ、それを甘味に変換してるのだ。
しかし、動物に食べられなくなったのは良いが、脆く進化してしまったので天候の前に敗北し、島はかつての姿を失い砂漠と化した。今では細々と残った植物とオアシスによって環境が保たれてる。水分が少ないため、カサカサとしたお菓子っぽくなってる。
枯れ木の様にも見えるカサカサの木を折って口に入れる。食感や味はウエハースのようだがかなり甘い、珍しい食材ではあるが、いささか甘すぎる気がする。珈琲とかが無ければ少しきついかもしれないくらいだ。
植物によって作られた土地なので、植物の管理さえ出来れば島ごと持って行っても問題ない場所である。品種改良などを行って、少しずつ種類を増やしたりして良ければお菓子を簡単に用意できるようになるかもしれない。とりあえず、最初に行うのはもう少し甘さ控えめに改造しよう。
島の水は濃いめの砂糖水って感じだ。砂はもうほぼ砂糖と言っても過言ではない。動物は居なくなってるが、虫は生き残ってるらしく、生息している虫たちも食べると飴細工の様な味だと情報には載ってる。まあ、虫には抵抗は無いので口にしてみると、他の食材よりましな甘さだった。
とりあえず回収した物を子供たちにプレゼントしてみたが、流石に甘すぎるようで途中でギブアップしていた。島ごと回収はするが当分は使えない土地に成りそうだ。むしろ、普通の虫が集りそうなので対策をしておく必要が出来た。仕事を終えたと言うよりは仕事が増えただけな気がするが、愚痴を言っても状況は変わらないので次の島を目指す事にした。……小人たちに後は任せよう。
今回はあえて植物要素が少なめ、という別の要素が強い物を纏めてみました。タイトルの方もちゃんと新しいのを考えることが出来た。
しかし、意外と食材の設定を考えるのに時間が掛かる。投稿が遅くなり申し訳ないですね。(他に就職の準備で忙しいのも遅くなった理由なので許してください)
前書きにしばらくは入手した物を書いていく予定です。前回までに、とある様にどんどん足していく予定です。
以前感想で土を食べる料理があると聞き、色々調べている内に食べれる石があるとか聞いたので、ならこういったのがあっても良いかなと思って作った『石食島』。
生産面での強みはあるので、いっそのこと加工面で強みを用意しようと漬物特化の島、『ピクル湿地』、ピクルは漬けると言う意味です。
そして、分身が良くノースブルーの旅。
行先はフレバンスでお送りしました。
これも事件が起こるまでは何もない予定。
そして、渦巻く塩と言う、海といって良いのか微妙な海域。特殊な塩って言ううとアニメオリジナルのウォーターセブンを思い出します。
そして、『
そして戦闘回。オリジナルの敵の登場ですが、覇気が使えるので楽に勝てる。能力の特殊性が強いので、少し手間はかかったくらいですね。
因みに現在覇気が使えてるのはアスカル、サイフォの2人です。将来的にはピアス、モーダス、ホーニィ、モルも使えるようになる予定。
アスカルは武装色と見聞色が使える。覇王色は要練習といった段階。
サイフォは今使えるのは見聞色だけです。武装色は練習中。
ピアスはもうすぐ武装色を覚える。ぎりぎりサイフォより先に覚えられそうな感じ。
モーダス、ホーニィ、モルはまだまだ練習期間。
そして、今までは多少は役に立つ島や食材ばかりでしたが現状では何の役にも立たない島として登場『デザートデザート』です。元々はトリコのサンドガーデンみたいに食べれる砂漠を創る予定だったが、途中でハングリラ島のイメージも混ざって、よく分からない島が出来上がり、その結果がただただ甘いだけの島。命名は砂漠のデザートと食後のデザートです。
次は飲み物系を予定しています。
後はトリノ王国でも書くかな。
とまあ、この辺でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。