ONE PIECE プラントオーナー   作:ひよっこ召喚士

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第26プラント 生きるオハラの意思、PLANT計画への道

 ふわふわとした感覚と纏わりついてくる様な倦怠感、そして段々と気づいていく身体中にはしる痛みの数々……海水に触れている事によりその痛みはより強く感じる。

 

「……」

 

 意識が覚醒していくと共にフラッシュバックする光景…砲弾が降り注ぐ故郷、炎に包まれる大切な場所、残る事を決めた肉親と過保護な保護者達、そして短い時間だったけど確かな友達……微かな意識がかすれる様に更に薄れようとした時、ふっと身体が浮く感覚を覚えた。

 

「う…あ……」

「無事…とは言えないけど、生きてて良かったと思ってるよ」

 

 そっと海に漂っていた身体を持ち上げると痛みの原因である海水を払い、治癒効果をこれでもかと言うぐらいしみ込ませた包帯を負傷部分に巻き付けた。そして、漂流して弱った身体をいたわるように少しずつ飲み物を流し込んだ。まだ少し耄碌しているロビンに彼女の意識を失う前の行動を順番に語った。

 

「君は船に乗ってからもサウロが心配で『目』を張り巡らせていたから砲撃に気付いたようだけど、あれだけ多くの人がいれば砲弾を防ぐだけの威力でカードをぶつけるのは不可能だった」

「……」

「そう咄嗟に判断して船外に飛び出ようとしたが近くの人が邪魔で一歩遅く、爆風に焼かれながら吹き飛ばされて海に叩きつけられた」

「……」

「子どもの能力者が爆風に焼かれて海に叩きつけられれば普通は死ぬけれど、耐衝撃、耐炎に優れたコートと浮力に優れたカバンのおかげで命からがら漂流していたというわけだ」

「アスカルさん」

「なんだい?」

「せっかく、教えてくれたのに何も出来なかったよ……」

 

 そう言うとロビンの目からはポロポロと零れる様に涙があふれ始めた。子供らしくない賢さ故に直ぐにあれらが夢や幻の類でないと気付いてしまった。受け止めてしまったトラウマに、何も出来なかった不甲斐なさに、ただ打ちひしがれていた。

 

 

 

 オルビアが攫われたあの時、ロビンは急いで後を追いかけようと図書館の方へ走り出そうとした。しかし、ロビンの居た()()から飛び出すようにそれは現れた。

 

「これは?説明書?」

 

 それにはアスカルからプレゼントされた道具、コート、カバン、ペン、本の性能と使い方が事細かに書かれており、いま必要であろうページに付箋まで付けられていた。

 

「これなら!!薬草はそこらにいくらでも生えてる。私なら簡単に見つけられる!!」

 

 言うが早く、目を咲かせ、腕を伸ばし、樹液と混ぜると次々に本にしみ込ませてはページを破っていった。そうして、博士を助け、母を救い、サウロを守れた。しかし、最後には全て失い、自分だけが生き残った。

 

 

 

「助けられると思って、渡した物ではないよ」

「…!?」

「あれはロビンが生き残るために、その手助けとして渡した物だよ。政府が来るのは結構前から分かっていた事だからね。博士たち学者が着いていけない以上は一人で生きるための物は必要だと思った。あの場で逃げる様に言ってもロビンは逃げなかっただろう?だからあのページを見せた」

 

 その言葉はロビンの心を揺らす、裏切られたかのような感覚だが、決してそうでは無いのが分かる。博士たちと変わらない、ロビンの事を考えての事に違いはない。それがロビンが望んだ光景では無いとしても、それは関係が無い。

 

「なんで…私だけ生き残ったんだろう…一緒に居たかっただけなのに」

「それを誰かが望んでいたか?みんなは君になんて言った?ロビン」

「……生きて」

 

 何度も言われた。博士たちには自分だけでも逃げるよう説得され、母には考古学者としての在り方と共に託され、サウロにも母の望みは何だと怒鳴られた。母も博士もサウロも、決してロビンに助けてもらう事を望んだ訳では無い。ロビンに生きて欲しかった。ただそれだけである。母の言葉の意味が分からずとも、残された者は残した者の言葉に従う他は無いと目に少しばかり光が戻った。

 

「目的を果たすために生きるだけが全てではないけれど、ロビンはこれからどうしたい?」

「……私はオハラの子、世界最高、考古学の聖地、オハラが最後の学者、私は過去を受け止める、自身の過去も受け止めて、そして”空白の歴史”を解き明かす!!」

「続ける限り政府からの追跡は免れない。表立って協力することは出来ないけど、応援しているよ。カバンの中の物は餞別だよ。今は少し休むと良い」

 

 そうアスカルが言うとロビンの意識は心地よい暖かさに包まれたままゆっくりと沈んでいった。次に目を覚ました時にはアスカルの姿は無かった。不思議と痛みは無く、自分の身体をみて見ると怪我の殆どが治っていた。

 

「私はやり遂げてみせるよ」

 

 堅い覚悟をその身に宿して、オハラ最後の考古学者の歩みが始まった。

 

 

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「政府から目をつけられる訳にはいかないから、これ以上は本当に手を出せないな」

 

 調べ物の為だけに立ち寄った島で偶然、出会っただけの少女だった。彼女がこれからどうなっていくのか、これから先の人生までは保証できない。当たり前の事だが、世界と戦う少女に手助けが出来ない事実に遺憾を示しながらも次の行動へと移る。

 

「この海での拠点とエネルギー確保の場所の目途は立った。そして今回の補填として政府の情報網を使えるのは本当に大きいな……」

 

 見聞色の覇気でロビンを捜索したり、オハラから持ちだせた資料の情報を纏めたりしている間に本体は五老星とのやり取りで手に入れた権利を既に使用していたようだ。

 

「PLANT計画の段階を進める事が出来そうだね」

 

 安定度といった面では不安があるが、四季が独立して存在する海域の情報と政府とは別口で入手したとある天候を研究している島の情報が計画に役立ちそうだ。

 

「四季の海域は新世界担当に任せるとして、これは情報網の確立を急がないとな」

 

 送られた情報に記されたのは『ウェザリア』と言う”天候を科学する”と言う世界中を漂う空島についての情報だった。

 

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 新世界と言うのは大海賊時代だとか以前に屈強な海賊たちが蔓延る危険地帯だ。力を持つ海賊の縄張りとなっている島が無数に存在するこの海で自身の領域を広げるというのはまず難しい。

 

「流通の強化の恩恵を受けれるんだから十分でしょう。事実、以前に受け取った縄張りからの菓子類の品質は上がっているでしょう?」

『確かに利も多い話だが、そればかりでママを納得はさせられないんだ。こちらの事情も少し汲んではくれないか?』

「まあ、付き合いもありますし、こちらが取り扱う食材の優先権と次回からの取引を少し勉強しますよ。それと具体的な物が必要なら菓子類で質が良い物はいくつか手に入れてるので贈りましょう」

『すまない、助かる』

「ええ、では今後とも取引はもちろん、縄張りに関する情報交換なども含めてお願いします」

 

 ビックマムと言う大海賊と取引があるプラントならではの方法はある。まずはビックマムの縄張りの近い、ビックマムの影響力がある海域の島を手にしたり、ビックマムの縄張りで優先度の低い場所を多少の対価で譲って貰ったり、ビックマムの顰蹙を買って滅んだ島を貰ったりとそれこそ色々と出来る。

 

「拠点の数は確保できてるがそれでも範囲が狭いか」

 

 だがどうしてもビックマムの影響が及ぶ範囲にかたまりがちで前半の海や他の4つの海に比べて広がりが悪い。これでは新世界独自の品々の回収は進められないし、そう言った国の利益はもちろん趣味でもある植物の採集もままならない。

 

 新世界の一部海域にて四季の恩恵を安定して受けれる場所があるとこの前の政府からの情報提供で手に入れたがその場所がどうにも面倒な位置にあり、戦略的な拠点としての価値が高く、四皇の縄張りに含まれていないが各陣営から睨まれている場所だ。

 

 今の段階でプラントがそこをとった場合はビックマムとの取引がある現状他の四皇から危険視される可能性がある。そのため必要になってくるのは段階的にビックマムの勢力を削る事で取引中のプラントを危険視する目を減らす事とプラントとしての新世界での勢力の確立だ。

 

 それを続ける事でプラントの立場を新世界においても確かな物にして他の四皇や新世界における有力者との取引につなげていけばプラントの価値はどんどん高まっていく。そして政府も手出しできない存在と成れれば、いやそれはまだ考えるには早すぎるか。

 

「年単位で進めていくしかないか……だが情報網だけでもどうにか確立したいな。経路を繋げると流石にバレるが、切り離した分身を放てば多少は情報も手に入るか?」

 

 新世界における情勢は大事であり、ビックマム海賊団や世界経済新聞からの情報だけではまだ不安はある。自分の目や耳で手に入れた情報かどうかと言うのは大事なポイントだ。

 

「抑止力となれるのが本体以外に居ない現状、幹部クラスを本国から大きく離れさせるわけにはいかないし、サイフォの力は借りれないし、前途多難だな」

 

 ウェザリアは世界中の天候を記録していると言う、新世界の非常識な天候は何かしらの要因で崩れる事があり、大きな変動も稀とは言いにくい、ウェザリアが何を目的としているのかは分からないがグランドラインでも後半の方が発見する可能性は高いのではないかと考えられる。

 

「あの特殊な火山地帯を抑えられればエネルギーの多くは賄えそうなんだが、アレに関われば政府が黙って無いしな……地道な作業が強いられそうだな」

 

 グランドライン後半、新世界担当の分身は先の見えない仕事に頭を悩ませながら、少しずつプラントの影響を広げるべく淡々と行動していく、それが計画への唯一の道なのだ。

 




ロビンについては現状はこんな感じ、直ぐに指名手配はされないし、オハラの考古学者とはばれてないから、政府からの徹底的な追跡などは無い。しかし、研究を続けていればどこかで足は付くでしょう。そうなればある程度の逃亡生活は変わらないし、後は原作に近い形で進んでいく予定。

ウェザリアを見つけたいけど全世界を回っているので、世界中で独自の情報網を形成して、しらみつぶしに探していくという脳筋戦法。

大海賊同士の縄張りってあるじゃないですか、縄張り同士が重なる、もしくは触れ合う部分は絶対的に出てくるわけで、そう言った場所を少しずつ手に入れて新世界でのプラントの居場所を確保する。そしてそのうえで四季のある海域を重要な拠点として整えていく。しかし、実力集団を複数も敵に回すのは不可能、なので探りながら地道に勢力拡大を狙う。緩衝材になるので政府や海軍的にも悪くないのでは?

さて、そろそろオリジナルの島の話とかも書いて行くかな。そして、少し時間を飛ばしてウェザリア発見につなげるか、他の四皇との接触か、最後のオリキャラの追加か……どこから進めていくべきかねぇ。一段落ついたらテゾーロとか追加でプラントに入った人員の閑話も書きたいな。(そして、いい加減IF話を終わらせないとな……)

とまあ、こんな所でいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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