更新が大変遅れていました。
実に3ヶ月ぶりという事で待っていてくれている方々には申し訳無さと感謝でいっぱいです。
12月は別の作品に忙しく、1月中は活動報告を見ている方は知っていると思いますが正月ボケが中々治らずぐーたらしていたらこんなに空いていました。
こんな感じの作者ですが消えることだけはしないようにしているので何卒本年もよろしくお願いします。
ガープの爺さんからの依頼はあれからもあり、フーシャ村に何度か訪れては赤髪海賊団とも交流を深めていった。
国に戻ってからもルフィとエースの報告を書いたり、東の海におけるプラントの支部での赤髪海賊団への対応に気を付ける様にと通達を送ったりと程々に忙しい。
そんな折にプラントへイスト聖がやってくるのも最早仕方がないと諦めの境地に立っている。大変な物事ほど何かと重なるものだ。
「ふん、子が出来たと聞いたからな。保護している者を祝いに出向くのは天竜人としてはおかしな部類だが筋は通る。計画を明かさなくても良いと利用させて貰った」
まだ生まれていないが子供が出来たことは世界政府や海軍はもちろん。イスト聖、モルガンズ、関わりの強い国や商人、他にもフーシャ村の面々等には前もって報せていた。それがこんな事になるとは思っていなかったが……祝いの言葉は有り難く頂戴しよう。
「本当に悪いねアスカル王。こいつも守る気はあるんだよ……迷惑とかは度外視なだけでさ……アタシも警備は手伝うから許しておくれよ」
基本的にクチーナさんはイスト聖の護衛という形になるだろう。離れる事は出来ないが来賓席の近くは一緒に守るということで頼もしい限りだ。
「船に祝いの品も載せてきた。明後日のパーティで出せば目玉にもなるだろう」
そのパーティが無事に終われるのであれば良いのだが……懐妊を祝い、出産に向けての祈願としてのパーティだというのに嫌な騒がしさになりそうだ。
ただでさえマニュが妊娠してから仕事の引き継ぎで全体的に人手が足りてない状況なのに幹部を警備に回さないといけないのはかなりの痛手だ。
土の分身で単純作業は効率化しているが事が起これば確実に対応に追われることになる。四人組にここ数年で多くの仕事が任せられる様になったのが救いだ。
そろそろ、準幹部くらいの地位は渡しても良いかもしれないな。それよりも今の幹部を最高幹部にして、彼等を幹部に上げるか……そこいらへんの名称なども含めて次の会議からは正式に参加して貰うか。
っと、そんな事を考えている間にまた1人引っかかったか……面倒だが一々能力を使うのが手っ取り早くはある。
何と言ってもサイフォにはプラント全域を見てもらう必要がある。ヤバイなと感じるものにはいち早く動いてもらうが基本的には待機して見ることに集中してもらっている。
グラン・テゾーロはテゾーロに一任している。彼が操る黄金によって彼処で好き勝手する事は出来ない。練度こそ低いが人員も多く割かれているので数だけの有象無象も対処可能だ。
菌に溢れた胞子の森は並大抵の装備では入り込むことは出来ない。そして、モルの感知から逃れる事は出来ない為こちらも心配はいらない。
海はピアスと調教が済んでいる巨大魚によって警備がされており、不審な船などは直ぐに分かる。それが潜水艦等であっても関係ない。
小人の存在も政府には調査の段階で知られているだろうから隠しはしない。一般に知られないように陰から警備に加わっている。
特にモーダスとホーニィは植物を操っての監視が役に立っている。能力の使用時には周囲に気を付けるよう伝えていたため、未だに能力者の詳細は割れていないようだ。それ故に視線を感じさせることなく、自然エリアを中心に見てもらっている。
土に触れる場所はオレの領域、空も今となっては問題はない。それに知られてはいけない事を知った奴には災いが降り掛かるだろう。
万全と言えるかは分からないが出来る限りの準備はしてきた。パーティを台無しにされる訳にはいかないからな。
オレが野暮用を終わらせている間にイスト聖とクチーナさんも準備を終え、共にグラン・テゾーロへとやってきた。
面倒な天竜人対策として多くの物が用意されているここにはプラントが誇る食事処も点在している。その中でもVIP専用エリアにある個室を借り、ようやく一息つける。
「侵入者は今どれくらいだ?」
「100を超えたあたりです。まだ増え続けてます」
席に腰掛けると食前酒をグラスに注ぎながら状況を尋ねられる。答えるとグラスを傾け、満足そうな表情だ。
「CP0は?」
「指示通り泳がせています」
CP0もその中でのレベルには差があるが、それ以外との差は大きい。全て把握できているかは正直怪しいのが心配な所だ。
「アイツラは天竜人直下、それ故に五老星共が出した
安心させるかのように伝えられるがそれがどれだけの効力を発揮してくれるかはその時にならないと分からないだろう。それに……
「実行は他からですか……上手く利用なさいますね」
裏で計画を推し進め、五老星の了解を先にとることでCP0を半無力化するとは……それでいて外に漏れ出ない様に五老星から他には伝わらない。
「理由を知らない以上、余計に下手な事は出来ん。後は他を全て炙り出せば諸共動けなくなる。そうなれば時を待つだけよ」
知っていた知らなかったは関係なく責任を取らされる者には同情するが、抑止力となってもらえればありがたい限りだ。
「計画の公表は?」
「終わりに……と言いたい所だが後日で構わん。世経をお前は使えるだろう?」
モルガンズは何日も前から手土産を持参してプラントに滞在している。面白い話には目がない奴の彼のことだ、間違いなく食いついてくれるだろう。
「あぁ、一つ忘れていたが計画に
イスト聖は忘れていた事を告げるかの様に追加の情報を渡した。興味は薄いようだが予定にはないようでなんとも微妙な表情だ。
「グラン・テゾーロがですか?分かりましたが、それは…?」
「協力側の派閥からだが…横槍だな。プラントに関わり辛くなるのであればこちらもとな」
イスト聖だけに美味しい所を持っていくのは向こうとしては面白くないのだろう。そうした所で直接関われる訳では無いだろうが、それでもイーブンな場所である方が有り難いのか。
「まぁ、元より切り離しは予定されていましたし、立ち位置が少し上になるだけでテゾーロなら卒なくこなすでしょう」
規模が規模であるからな世界政府も扱いに困りそうだが、プラントの一部でなくなった時点で娯楽施設のトップだけじゃいられなくなるそうだ。
「ここも食事場所としての雰囲気は悪くは無いが……施設としては吾の管轄外だ。ある意味、保護としてはむしろ申し分ない筈……故に計画はそのままだ」
「えぇ、イスト聖のままに」
テゾーロに天竜人の相手をさせるのは酷かもしれんが既に客として入り浸ってる連中を上手くあしらっているのだ。あれらの庇護下に入ることに嫌悪は示せど必要なことと割り切る余裕はあるだろう……ふむ!
「…どうかしたのか?」
「……失礼、少々面白い事になりそうです」
「何も出来ていないと言うのかえ?そんな報告をするとはどういう事だえ!!」
部屋の中央でこちらの事なんか気にもせずにただ叫んでいる我々の主、この世界における最高権力者、天竜人の一角。
報告を任せられているあの男には同情するばかりだが、その怒りがいつこちらに向くか分かったものではないのだ。下手に口出ししてもそれはただの自殺行為、傍観する事しか出来ない。
出て行った仲間が任務に動き出した側から確保されている。妨害工作を行うどころか相手の情報を得ることも出来ていない。
元よりこの地の防衛能力の高さは知られていたことだ。しかし、そんな事は雇い主からしてみれば関係のない事だ。
出来なければ我々であっても関係なく処分されるだけだ。大きな事件などがあれば戦力確保の面から手を回して貰える事もあるが比較的安定している昨今の情勢では望みは薄いだろう。
「あの食狂いは賭け好き共を味方に付け始めたんだぇ。ここで止めなければ次世代には派閥の一角として立つんだえ!!」
天竜人も珍しいものや面白いものへの興味は大きい。奴隷などでも男ならどれだけ強い存在だったか、女ならどれだけ綺麗か等で自慢が耐えない。
食と言うのも程々に話題になるがイスト聖のこだわり様は天竜人の中でも異常に見えるために密かに利用する者はいても下につく者は居なかった。
それがプラントという強大な存在と繋がった為にひっくり返った。世界政府としてもプラントの存在は大きく、五老星も存在を認めている。
プラントを五老星が認めた事でそれを保護しているイスト聖の影響力も大きく上がった。そこにプラントの一角、今となっては世界最大の娯楽施設とも言われているグラン・テゾーロが出来た事で流れは一気に持っていかれた。
「落ち着くのだ……聖の言いたい事は分かるが上があちら側に立ったのは確かだ」
「だからこそここで潰さなくてはならんえ!!あの食狂いに好き勝手されるなんてごめんだぇ……お前ら今度こそ行ってくるぇ!!やれなければ死んで償うえ!!」
天竜人の派閥争い、いや派閥の形成を止めるために集められた我々だが護衛としてついている
いや、幾つかの情報は向こうが集めてこちらに渡してくれているのだがな。アイツラだけが捕まっていないのが我々とアイツラの格の違いだけで片付けて良いものか。
しかし、命じられた以上は仕方がない。運が悪かったと諦めて部屋を出ようとしたところで待ったがかかった。
「まぁ待て、プラントが食狂いと関わりが深い故に陥った状況なのだ。かくなる上はプラントをこちらにつければ良い」
「どういうことだぇ?」
「プラントがこちらにつけば、アイツが得ようとしているものがそのままこちらのものだ。その為にアイツの信用を落とすのだ。ちょうど良く、明後日はイベントがある。そこで問題が起これば……」
「アイツの信用がなくなるえ!!そうなれば後は全部頂くだけだえ!!よし、それでいくえ、お前ら準備を急ぐえ!!」
新しい指示を出されたが今すぐ強行突破でなくなっただけでどちらにせよ被害は出るだろう。それでも全体的に猶予は出来た。
ご機嫌になって高笑いをしている天竜人は集まっている部屋ではなく自身の部屋に戻ることにしたようで、自分の護衛だけ連れて戻っていった。
「はぁ、状況が悪いな。あれでも手を回すのは早いようだ。ここで下手なことをすれば五老星からの覚えが悪くなるだけだ」
「とはいえ今から向こうにつくのは無理だろう。責を聖に押し付けたとしても流れから外されれば今後に響く」
「プラントの王妃懐妊は事実だったが、このタイミングでわざわざ足を運んだのは罠か……どう動く?」
基本的に我々に命令を出していた天竜人がいなくなった途端に他の方々が話し合いを始めた。耳を塞ぎたい気持ちに襲われるが何を聞いても何も変わらないだろう。
「後の立場がどうなるか分からないが家の関わりで離れるのは不味い。制御がなくなった際に落とし所を用意する役も必要だろう?」
「そうか、頃合いを見て働きかけられる様にはしておく。こちらもどう転ぶか分からんがグラン・テゾーロに顔を出している面々と多少繋ぎがある」
「ふむ、なら私は一か八かになるが向こうに直接働きかけてみるか……」
「それは……先も言ったが厳しくはないだろうか?」
「何を選んでもこうなっては厳しい。なれば試すだけ得というものだろう。おい、そこのCP!!」
……どうやら声をかけられたのは俺の様だ。嫌な予感しかしないが黙って呼ばれた方の前に跪き命令を待つ。
「これを持ってプラントもしくはイスト聖に接触を図れ、忍び込んだ者が帰ってきていないのは十中八九向こうの仕業だ。幾らでもやりようはあるだろう?」
要するに手紙を持たせるから向こうに捕まってこいという事ですか……
「了解いたしました。直ちに向かいます」
そう答えることしか出来ないこの立場に本当に嫌気が差す。やるしかない現状に覚悟を決めて俺はその場を離れた。
なるほど、そういうやり取りがあっての事か……道理で前に捕まったCPと全く同じ場所にやって来た訳だ。そうする事でこちらに気付かせようとしたのは理解できるが少々分が悪い賭けだったのではないか?
「最悪この身がどうなろうと構いませんので、多少の疑問を抱かせることが出来ればそれでと」
天竜人の考えそうな事だな。裏取りも必要だがこちらとしても被害は少ないほうが良い。今後の問題も減るのであればオレとしては万々歳だ。この手紙はイスト聖に渡しておこう。そっから先をどうするかはオレは関与しないがな。
「分かりました。ありがとうございます」
イスト聖からの指示があるまではこの場で待機していてくれ。対応次第ではあるが隠すにも誘い込みに利用するにも決定してからになる。
「接触後はイスト聖に従うようにと指示されています。いかようにもお使いくださいと」
準備に追われてばかりであったがなんとか間に合い、予定通りとはいかないが無事に開催することが出来た。パーティには繋がりの強い王族も多く出席し、華やかな姿がみられる。
「この度は目立たい場に…」
「王妃様に置かれては…」
代わる代わる多くの者が挨拶にやってくる。オレも慣れたもんだ。島で一人で暮らしてた頃のオレが見たらどう思うんだろうか?そんな事を考えてしまうくらいには自身の変化を感じている。
「よう、おめでとうと言っておこうか若いの!!」
「お前は…この場にあった言い方があるだろう?」
会場内に響きそうな声で近寄って来た大男とそれを嗜める落ち着いた男、もちろんこの二人も王族であり、かなり名のしれた人物だ。
「はっはっはっ、こいつはそんなの気にしねぇよ!!なぁ、アスカル?」
「まぁ別に構いませんが…レヴェリー以来ですかね?変わらず仲が良いようで何よりです。リク・ドルド三世、エリザベロー二世」
「おう!!」
「騒々しくしてすまないな。アスカル」
非戦争派のトップと言っても良いような戦争否定派であるリク・ドルド三世も戦う王の異名を持つ強さを誇るエリザベロー二世もわざわざ祝いに来てくれるとは嬉しい限りだ。
真逆の様に思えるがエリザベロー二世も戦いを好いても戦争を好くような人間ではなく恩義あるリク・ドルド三世との仲がとても良い。
二人とも在り方に差はあれど良き王の見本だ。リク・ドルド三世とは少しばかり縁があるのでわざわざプラントに来てくれたこの時に話したい事もあるがそれはまた後回しだ。
「ところでアスカルよ。少しばかり祝いの場に相応しくない空気があるがこれはなんだ?」
オレの側に近寄って声を潜めるなどエリザベロー二世らしくないと思ったが流石だな。戦う王の名は伊達じゃない。
「少々
「なるほど、お前も苦労するな…手を貸すか?中庭でも借りればメインまでには間に合うぞ」
戦う王の異名の元となるエリザベロー二世のキングパンチ……一時間の精神集中とウォーミングアップが必要だが放たれる一撃は要塞を粉砕し、四皇にも届く程だと言う。
身内と判断した相手には中々に人が良いこの王の事だ。頼めば快く受けてくれるだろう。今からでもメインイベントまでには確かに時間はある。それでも…
「オレなら大丈夫ですよ。あんたが心配なら中庭は貸しても良いけどな」
「はっはっはっ、ぬかしおる!!ならば適当にパーティを楽しませてもらおう!!リク王、さっそく行くぞ!!」
「おい、待て!ったく、お前もアイツも豪快が過ぎる。それと……妖精に注意しておけ、自然に顔を見せに来たからな」
エリザベロー二世はあんな性格なので整えはすれど基本的に素のままに王をやってるオレと気は合う。信頼に応える為にもしっかりと終わらせなければな。
そして小人たち、ドレスローザにはいつか訪れて交流をと思っていたがまさか顔を出したか。リク・ドルド三世もなんとも言えない表情だった。
まぁ、これで話はしやすくはなった。そう思うことにしておこう。小人達の中ではリク・ドルド三世は特別なんだろう。リク王の一族の話は彼らからかなり聞いたしな。それはともかくとして否定しない程度に注意はしておくか。
天竜人は好き勝手やっており会場にすら来ていないのが殆どだ。国の王と言っても天竜人からすれば下々の者、そこに差はなくある意味平等に扱われる。
そんな中でこの場に顔を出しているのはどのような意図があるかは別だが全員が見物人だ。見据えるのはこの国か、それども天竜人か、はたまた仕掛ける道化をか。
「…アスカル国王、そろそろメインイベントですが大丈夫でしょうか?」
挨拶にかなり時間を使っていた様で気付けば既に予定に決めていた時間になったようだ。
「問題ない。既に準備は出来ている」
さて、まずは正式な挨拶とスピーチからだな。人前に出るのには慣れたが不得意なのに変わりはない。幸い、イスト聖からの贈り物が目立つのでそこまで苦ではないだろう。そう思いながら体調を考慮して控えていたマニュの所へ足を進めた。
来客が全てVIPと言っても良い状態の為に華やかであり、話もあちこちで盛り上がりを見せている。そんな中で今日の主役とも言えるオレとマニュが現れた事で視線が集まる。
「誓いにならい王族以下、この場を祝いに来てくれた全ての者に感謝を」
天竜人は崇められるのが当然であり、下々の者を祝いに来た気など微塵もない。面白そうだから立ち寄っただけであり、正式な来日出ない限りは下手に触れないのがベストだ。
ましてやここは後見人としてイスト聖がいるので紹介するとしたら聖だけで十分だ。そして今回は伝えるのは贈り物だけで良いと言われている。
こういった挨拶の場においては訪れる王族相手にはどれだけ国力に差があっても平等に扱う。虚の玉座の誓いに倣うことで主催者も含めて対等であるする。
こうすることで面倒事をなくして話を進める。レヴェリー等では水面下に争いが移るだけだが祝いの場で騒ごうと思うのは少数派の為これで問題ない。
「………となる。挨拶は以上だ。清聴に感謝を」
形式ばった物言いは本当に面倒だ。この場にいるのはそういうのに慣れているだろうが嫌にならないのか聞いてみたいぐらいだ。
『続きまして、プラントの後見人であられます。イスト聖からの贈り物を紹介させて頂きます』
その姿は会場で見られるが誰も視線を向ける様な真似はしない。だが天竜人からの贈り物と言う事で少なからずざわめきは発生する。
そしてそのざわめきさえも一瞬で呑み込む轟音が会場へと響き渡り、運び込まれていた贈り物と主催者目掛けて影が走る。
「何事だ?!」
「護衛!!こっちへ来て俺を守れ!!」
「これはテロか?!」
「警備は何をしているんだ!!」
大抵の者はその影を見ることも出来ず、混乱の中で何が起きてるのか把握しようと試み、またある者は護衛を近くに寄せたり、警備の責任にしたりと様々な方法で自身を安心させようとした。
「始まったか…」
「通りで多いと思ったが、これでは文句は言えんな」
「おいおい、また特大スクープか?!」
事情を知っている者、事態の予想がつく者、何が起きようと関係ない者、彼らはこの会場内でも比較的落ち着いた様子で事態を見守っている。
「捕らえよ!!」
『『はっ!!』』
この場においてオレが動く必要はない。そもそも脅威ですらない相手だ。会場の警備をしている特製の鎧を着たプラントの兵士とでも言うべき者に指示を出す。
命令を出すと重たく丈夫な鎧を着込んでいるとは思えない速度で影に近付き攻撃を開始する。まだ、技までは教えられてない筈だが持ち前の力で動きをカバー出来ている様だ。
「……『獣憑き』の表面化に一役買ってくれ」
表に出すことが出来ない部隊だが完全に隠すことは出来ない。それこそ尻尾を掴まれれば誤魔化しがきかなくなる。ならば隠したまま見せれば良い。
今回の会場の警備に当たってるのは鎧で姿を完全に隠した『獣憑き』の人員だ。元より訓練はしているし下手なことはしないだろうがこれは試験でもある。天竜人がいる場で感情を制御して任務に当たれるかのな。
幸いな事に問題を起こした者は居なかったが、まだまだプラントにおいては新参者。事情があるとは言え、安全に運用するには段階が必要だ。そんな事を考えている間に既に捕縛は終わっており、会場は静けさを取り戻しつつあった。
『制圧完了しました』
「ご苦労、受け渡しを済ませ指定の位置に戻れ」
捕縛した襲撃者達を連れて裏へと持って行くのを横目に少しばかり崩れた会場へと身体を戻し、電伝虫を手に取る。
「招かれざる客が居た様だがプラントの力を見せる事で良いリクリエーションになってくれた。
これだけ強調して言えば気付かない者は殆ど居ないだろう。下手に文句を言う事は出来ない為に多少はフラストレーションがたまるだろう。この場の客は普段の取引における上客ばかりだしなんとかフォローしないとな。
「気を取り直して、イスト聖からの贈り物の紹介をさせて頂こう」
一部で協力してくれる者がいるおかげで会場の雰囲気は少しずつ戻り、滞りなく進める事が出来そうだ。そして、贈り物に視線が集まっている間にそっとサイフォが姿を表した。
「……襲撃者の確保は済んだな。
「……そうか、居ないと思うが裏で警護は続けてくれ」
ふぅ、これで本当に問題は片付いたと思って良いだろう。後の処理はイスト聖がきちんとやってくれる事に期待するしかない。ようやく一息つけるなと思っていると横から飲み物が差し出された。
「主役なのにあまり構えなくて悪かったな」
「ふふ、動き回ってたのは知ってるから良いわよ。お疲れ様」
労いの言葉と共にそっと乾杯をするとグラスを傾けて飲み干した。仕方ないと一言で終わらせず埋め合わせはしっかり考えておくか。それにしても面倒事はこれっきりになってくれると嬉しいんだけどな。
パーティも終わり、客も一部を除いて帰路についた。プラント全体は未だにお祭り騒ぎなのに対して部屋の中は嫌に静けさに包まれている。その原因は縛られて身動きがとれない中で顔を青くして唸っている連中だろう。
「小奴らが下手人か……ふん、見るものが見れば何処の系列か分かるだろう。襲撃すら出来なかった上に捕まるなどその程度が知れる」
語気は強めであり、手を引いているであろう者への怒りは感じられるがそれでいて上機嫌なのはプラントが上手いことやれたからだろう。お気にめして貰えたのであればまぁ良かったと思っておこう。
彼らは何も知らされずにただ命令に従っただけだが狙われた側としてはいい気分ではないので同情する事はない。
そして縛られた者とは違い、その場に控えて黙っている者へとイスト聖の視線が移った。彼らは会場の襲撃をしたメンバーだ。
「襲撃者よりも先に襲撃を仕掛ける事で敵を炙り出すとはな。とはいえそう簡単に受け入れられるとは思うなよ」
そう、彼らは事前にこちら側と内通していたCPの男とその仲間だ。裏を取りけれていないのに使うのはどうかとも考えたがこうも上手くいくとは。
これからイスト聖は敵対派閥への対処に、派閥を変えようもしている者への対応、それと今回使われたCPと使ったCPの裏取りと他にも色々とやることがあるだろう。
大変になるのが分かってるからこそ面倒事を増やすような真似をすればどうなることやら……もし入り込んだ者が居たとしてもこうもギチギチに釘を刺されては下手に動けまい。
「吾は帰るが警戒は続けておけ、馬鹿は何をするか分からんからな。それと計画は遅くとも二月以内に報せろ」
そう言うとイスト聖は部屋を出ていき、それに従う面々が縛られた者たちを運んでいった。
それからプラントも変わらず忙しなく動くことになった。警戒は続ける必要があるし、パーティの後片付けに遅らせざるを得なかった取り引きの再開。そして、イスト聖の指示に合わせて準備を終わらせた。
「クワハハハ、最高だ!!なんたるビックニュース!!これを扱わせてくれるとはこの感情をどう表現すりゃ良いのか分からないくらいだ!!」
パーティの際にも独占取材でかなりの盛り上がりを見せていたが今回ばかりは規模が規模だ。その愉しそうな表情に少し心配になるくらいだ。
「クワハハハ、安心してくれ!!正式な通達でありながらこれほど世界を震わせる情報……下手な事にならないよう厳重に取り扱うと約束する!!」
万が一が起きてプラントとの関わりがなくなるのはモルガンズにとって不利益でしかない筈だ。こいつが言うところのビッグニュースへの期待がある限り、裏切る事はないだろう。
そして、モルガンズが急いで本社へと帰ると何度もこちらとやり取りを重ねながらその新聞は作り上げられ世界へとばら撒かれた。
「さて、これから一気に騒がしくなるな」
【運営の完全独立化を世界政府が認定?!】
【プラント&グラン・テゾーロ独立国家化!!】
建国から以前世界を賑わし続けている機動国家であり、世界最大の食料生産国であるプラント。そしてそのプラントの娯楽施設であったグラン・テゾーロが独立国家として世界政府に認定!!この背景にはプラントの後見人であるイスト聖の働きがあると予想されて……
【プラントからグラン・テゾーロが分断?!】
プラントに存在する世界最大の娯楽施設グラン・テゾーロが独立化!!気になるその航路も世界経済新聞に記載が決定!!グラン・テゾーロ自体も1国家として認められる模様?!詳しくは見出しのプラント及びグラン・テゾーロの情報………
はい、という事で前書きでも言いましたがお久しぶりでございます。
プラントとグラン・テゾーロの在り方が大きく変わりましたがこの章はもう少し続きます。後もう少し原作開始までに拾っておきたい要素を書いたら次の章に入る予定です。
そして、4月1日のIF話企画用のアンケートを行いますので参加してもらえると嬉しいです。
去年の続きはロジャー海賊団だったらです。ロジャー海賊団としての航海を追加で書くかは分からない、どちらかというとロジャー海賊団だったアスカルが原作キャラと絡む感じを予定。
ルフィの仲間になったらは出会いと全員との絡み。出会いはグランドライン前半の何処かにぶちこむ予定、絡みの方はIFなので時系列とか無視して全員とのやり取りを少しずつを予定。
オリジナル海賊団は結成と航海少しにシャボンディでルフィ達と絡むかな?結成理由を決めてないから新世界での動き方は書けるか分かんない。
海軍になったらは内容決めてないです。海軍キャラとの絡みにするか、海軍としてルフィ達と戦うかのどっちかにはなると思う。去年のアンケは忘れてください。去年は去年、今年は今年。
それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。