ONE PIECE プラントオーナー   作:ひよっこ召喚士

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お久しぶりです。丸々一ヶ月空きましたね。更新遅くて本当に申し訳ございません。待っていてくれた方々に感謝を。

今回は普通にif話の着地地点で少し悩む部分があり、修正してたら遅くなりました。でも、これで終わりまでの流れを作り終えたので後は書く時間を確保するだけです。


ONEPIECE FILM GOLD&EARTH 6

 周囲の黄金から繰り出される攻撃をゾロとサンジが受け流す、ルフィが一気にギアを上げると覇気で硬化させ、炎を纏った腕で攻撃を繰り出す、テゾーロは腕に黄金を纏わせるとルフィの攻撃に合わせてその腕を振り抜く。

 

「『ゴムゴムの火拳銃(レッドホーク)』」

「『黄金爆(ゴオン・ボンバ)』」

 

 攻撃の熱で金を溶かす事が出来たルフィだが、熱伝導を利用し直ぐに熱を逃がして再度金を身に纏うテゾーロ。特定の物を操作すると言う点ではドルドルの実と似ているがそれと比べて熱への耐性がありそうだ。この攻撃だと効率が悪そうだとルフィはなんとなく察する。

 

 テゾーロと言う男は黄金が、力を振るう環境がある限り無敵と言える程の能力である。大規模な攻撃に向かない塔と言う閉鎖空間であるが、その狭さ故に環境の維持はしやすい。そのため、場を崩してどうにかすると言う方法は出来そうにない。

 

 だが、単純に攻撃の威力で金を砕いたところで結果は先ほどまでの戦いと同じになりそうだ。金を貫いた上でテゾーロにまでダメージを与えぬ限り、勝つことは出来そうにない。

 

「このままでは鼬ごっこだな。そしてやはりここは狭いな。特製のステージへ招待してやろう『黄金爆(ゴオン・ボンバ)』」

「うわ!?」

 

 テゾーロが床を崩すと1階から3階までの床が崩れており、オーズほどでは無いがかなり大きい黄金製のテゾーロの像が出来ていた。

 

「『ゴールデンテゾーロ』バベルでの使用の為に少し小さいがな。『黄金の業火(ゴオン・インフェルノ)』!!」

「『ゴムゴムの象銃(エレファント・ガン)』くっ…ぐあぁぁ!?」

「『悪魔風脚(ディアブルジャンブ)牛すね肉(クロッス)ストライク』、ぐっ、重い、がぁ!?」

「『大辰撼(だいしんかん)』チッ、止められ、ぐっ!?」

 

 『ゴールデンテゾーロ』と呼ばれた巨大な像に乗り込んだテゾーロはその腕を強化し、爆発するパンチを放つ。攻撃事態は先ほどまでの『黄金爆』と似ているがその規模と重さが大きく違う。

 

「どうする?無駄にデカくなっただけじゃなさそうだぞ」

「腹ん中に居るんだ丸ごと倒せばいいだけだだろ」

「よし、ギア4で…」

「待てよルフィ、まだ上にも敵が居るんだぞ」

 

 ギア4は強力だが使えば一定時間、正確には10分間覇気が使用不可能になると言う弱点がある。継戦能力の低い、短期決戦型の技なのだ。まだ、敵が残っている状況でそれを使うのはリスクが高いだろうとゾロが止める。

 

「狙う場所が決まってんだ。お前ら合わせろよ?」

「ああぁ!?お前が合わせろクソまりも!!」

「ししし!行くぞ!!」

 

 吹き飛ばされた先からスッと立ち上がり巨大な敵へと駆け出した。吹き飛ばしはした物のダメージが少ないのはテゾーロも理解していたのか直ぐに迎え撃つ体勢をとった。

 

「『黄金の神の火(ゴオン・フォーコ・ディ・ディオ)』」

 

 なんとテゾーロは『ゴールデンテゾーロ』の開いた片目からレーザーを発射して見せた。巨大な像から繰り出されたレーザー攻撃にルフィは目を輝かせていた。

 

「ルフィ、集中しろ!!おいマリモ、俺は上に行く!!」

「たくっ、レーザーだのビームなんて色物はうちの変態だけで間に合ってんだよ。ああ、ルフィ攻撃の準備をしとけ」

 

 迫りくるレーザーをどうにか避けた三人、ルフィは正面から『ゴールデンテゾーロ』を目指し続け、ゾロとサンジは次の攻撃を警戒して迎え撃つ準備に入る。正面からぶつかるのは質量差を考えると不利なため攻撃の妨害を図った。

 

「『黄金の業火(ゴオン・インフェルノ)』」

「九山八海斬れぬ物なし『(さん)(ぜん)()(かい)』!!」

 

 回り込むように動いていたゾロは腕の根元を切り落としパンチを止めた。黄金製の腕は直ぐに再生が始まったがすぐに攻撃に使えないだろう。

 

「『黄金の神の火(ゴオン・フォーコ・ディ・ディオ)』」

「でかいだけあって蹴りがいがありそうだ『悪魔風脚(ディアブルジャンブ)首肉(コリエ)ストライク』!!」

 

 重たい身体だが頭部への攻撃でバランスを崩し、少しだけ身体を傾けた『ゴールデンテゾーロ』、その影響で放たれたレーザーは見当違いの方向へ放たれた。

 

「『黄金の神の裁き(ゴオン・リーラ・ディ・ディオ)』」

 

 無理に『ゴールデンテゾーロ』を維持するよりはと直しかけだった腕ともう片方の腕を巨大な触手に変えて叩き潰すように攻撃を繰り出してきた。

 

「オラ行ってこい『空軍(アルメ・ド・レール)パワーシュート』」

「三刀流”奥義”『六道(ろくどう)(つじ)』」

 

 迫り切る黄金の触手を6つに斬り分け、攻撃を止め、更には再生を遅らせる。両腕から繰り出された攻撃は止められ、レーザーで真下を瞬時に狙う事は出来そうにない。攻撃を避けるのを諦め、テゾーロは既に役立たずの『ゴールデンテゾーロ』から黄金をかき集め、自分の居る場所を守った。

 

「ギア3、武装硬化『ゴムゴムの』」

「『三刀流』」

「『悪魔風(ディアブル)焼鉄鍋(ポアル・ア・フリール)』」

「『スペクトル千八十煩悩(せんはちじゅうポンド)攻城砲(キャノン)』!!」

 

 ただ一か所を目指して同時に放たれた技は全ての障害を破壊してその威力をテゾーロに届けた。その衝撃は『ゴールデンテゾーロ』にも響き渡り、黄金の像も砕けて周囲に崩れながら散らばった。その瓦礫の中央の黄金に避けられたかのように空いた空間にテゾーロは満身創痍で倒れていた。

 

「はぁ、はっはっはっはっ……おれの負けか。」

 

 未だに意識があるテゾーロに気を緩めず睨みつける3人だが、テゾーロはその視線を受けても何ともないようで、それどころかどこか満足そうに笑い声をあげた。

 

「安心しな。もう戦闘は出来んさ。ここでおれの出番は終わりだ。だがまだ終幕では無い。築き上げた物を捨てての復讐、世界さえも顧みない行為、これでも部下には悪いことをしたと思っている。だが、これがおれの望みである事も確かでな……復讐に狂った者同士の契約、おれが最後に送るエンターテイメンツ、題材は【堕ちる神】なんて…洒落がきいてるだろう?()()()()()最後のステージへ向かうと言い」

 

 もう始まるぞ、とぽつり零した言葉と共に塔が大きな揺れを起こし始めた。何処か嫌な予感がする3人は先に行った仲間を思い、ボロボロで辛うじて形を保っている階段を急いで4階分登り始めた。既に何もする気の無いテゾーロは先へ進もうとする3人を見ることも無く、崩れてボロボロの塔の中心で無駄に輝く瓦礫を睨みつけていた。

 

「黄金に何が出来る……こんな物で世界になど挑めやしない……賭けるのは『この命(俺自身)だ』」

 

 その手で一矢を報いる事が厳しいのであれば、せめてこの身があの害虫を亡ぼす事を信じるばかりだ。もし、我儘が叶うなら、馬鹿を止めようとした部下に救いを……

 

 

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 死の外科医の力を借りて塔の中に入り込んだ参謀総長、なにやら内側からの姿を見渡すとおもむろに壁や床を叩きながら歩きまわり始めた。一度綺麗に壊されたのか、一階部分に結構広めの更地を見つけちょうど良いと自身も攻撃を放って壊す。ガラガラと音を立てて崩れた床とその修復されていく様子を見てから何やら思案する顔になった。微かにしたから感じる気配とは別に大きな流れを感じる。

 

「この塔の”核”は上じゃない。そもそもここじゃないのか……『竜の息吹』!!」

 

 もう一度今度は崩れていく床と共に落ちていく、堕ちた先には突然崩れた天井に驚きの表情を浮かべる者達を見つけ、微かな気配の正体を把握する。こちらを見てくる視線を無視して更に深く、塔の真下を打ち砕く様に一撃を放つ。

 

「……降りてきたのか?」

「何を……わざわざこの牢屋まで」

「あ、彼の顔、あれは…革命軍の!?」

「『竜の息吹』!!」

「何を!?」

「そんなことをすればマグマが!?」

「……上がって来てない?それどころか熱の欠片も感じられない」

 

 ここを拠点としたのにも意味はあったのだろう。その一つに囮と言う意味があり、その割合が大きい事がこれで確定した。エンドポイントの強力なマグマをこの場所まで力を届けるコードにしていたのだろうが、そのマグマがきれいさっぱり消え去っている。

 

「この塔は既に張りぼてか……俺はこの塔をぶっ壊すつもりだが、お前らはどうする?」

「……逃げる手段はあるのか?」

「ああ」

「戦う気も、邪魔になる気もないが、生き埋めになって死ぬ気は無い」

 

 牢屋に居た面々はお互いの顔を見合って参謀総長の提案に頷いた。天竜人だけが残ろうとしていたが、その部下らしき女に引きづって連れてこられていた。

 

「さて、勝手に人数を増やしちまったが行けるか?」

 

 

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 目的を果たすため、海に出た以上は命のやり取りなどとっくに覚悟しているが、これほどまでに死を間近で感じる戦闘も無いであろうと死の外科医は疲労の見える身体を誤魔化しながら動き続けていたがもう限界が近いと感じていた。

 

「はぁ、はぁ、くっ!『room』『シャンブルズ』」

「最初はボクに呑ませる事も出来てたのに、段々と後手後手に回ってきて、疲労が溜まってる証拠だね~」

 

 初めのうちはまだ良かった目論見通り、多量なエネルギーで逆に傷を治せないでいる所に避け切れない攻撃を呑ませて疲弊を進めさせた。しかし、途中からラトニーは雑な攻撃を更に雑な物にして無理やり攻撃を凌ぎ始めた。

 

「エネルギーを吐き出しまくった時には強化が少し足らなくて何度か更に攻撃は喰らったけど、結局は胃の修復が間に合っちゃったからねぇ。『呑み直し』すれば四皇は無理でも七武海クラスであればどうとでもなるんだなぁ、これが」

 

 『吞み直し』読んで字の如く吐き出したエネルギーを再吸収する技である。ラトニーは身体強化以外にも放出系の攻撃を多く使っていたが、それに乗じて一部のエネルギーを戦場の上空へと逃がし、蓄えていた。

 

「傷は無い、エネルギーは心もとないけどちゃんとある。満身創痍の君と万全なボクでは勝負するまでも無いとおもうけど…よくまあ粘るもんだね~『一鬼(いっき)』」

「がっ、ぐ、がぁ!?」

 

 素早く全身を駆け巡る一撃、衝撃を相手に呑ませるかのように伝えるこの技をもろに受けた死の外科医は地面を転がり身体を打ち付ける。先ほどまで展開していた『room』もこの時点で見えなくなっている。

 

「さてと、命乞いでもする?それとも何か遺言でもあれば聞いてあげても良いよ~?」

「……」

「あれれ~もしかしてもう喋れなくなってる?面倒な奴だったけど終わってみれば詰まらなかったな」

 

 ラトニーは目の前の存在をもう敵とは認識していない。勝利を確信し、油断しきっていたその表情は塔から聞こえてきた轟音と目の前に横たわる存在から微かに聞こえる掠れた声で塗り替えられた。

 

「……『シャンブルズ』」

「『竜の息吹』」

「なっ!?がはっ!?」

 

 いきなり目の前に現れて大技を放ってきたその存在、目くらましの後に消え失せた参謀総長の姿が吹き飛ぶ直前に見えた。そして、その傍らに他の人間の姿、それは地下牢にいたはずのテゾーロの部下に天竜人とその付き人であった。

 

「人数が増えた分、ここからじゃ届かねぇ。既に体力はギリギリだ。海岸まで俺を運べ……」

「ああ、それぐらいは任せてくれ。それと協定通り、塔の破壊についてはそっちで報告してくれ」

 

 視認できないほどに『room』を広げ、更には疲労している所を人数を増やして戻ってきてくれた所為でこの場所から脱出するのは難しくなった。海岸まで行けば一瞬だけ『room』を広げて全員を飛ばす事も出来るだろうと伝え、参謀総長がそれに応え、死の外科医を担ぐと一気に駆け出した。ラトニーがそれを追いかける事は無く、足手まといになりかねない者達も含め無事に戦場から消えた。

 

「はぁ~やってられないねぇ。結局エネルギーはすっからかんか。完全に騙されたけど、役目はこれで本当に終わりか……まっ、どうするかは起きてから決めようかな」

 

 そう言うと一番初めに待機していた食料置き場と化している土地に沈み込むかのように倒れてラトニーはいびきをかいて寝始めた。彼女が守っていたはずの塔は崩れさり、そこにはもう何も残って居ない。

 

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 一足先に塔の最上階へと辿り着いたグレーヌ達はその部屋を警戒しながら覗き込んでいたが、その景色をぐるりと見渡したグレーヌはゆっくりと前へと歩いて行った。

 

「ここ…プラントをモデルにしてるの……」

「その通り…生まれ育った空気なら分かって当然か?」

 

 その声に全員がハッとしてそちらを向く、グレーヌは咄嗟に種に手を伸ばし、ロビンたちも一人進んだグレーヌを守る様にその隣に立って武器を構えている。

 

「父さん…?」

「繋がりの無い分身だがな。いや、だからこんな部屋にしてしまったんだろうな」

 

 そこに居たのはアスカル…の分身体であった。その話し声には微塵も敵意が感じられず、敵前だと言うのに気が抜けてしまう、謎の安心感が漂っていた。だが、それ以上に感じられる物悲しい雰囲気に言葉が出ない。

 

「ここ『バベル』は既に役目を終えている。俺、いや俺の本体も既にここにはいない。だからその手の中にある『種』に意味は無い……いや、目の前にあいつが居たとしても狂ったアスカルに届くとは思えないな」

「そんなの、やってみないと分からないの!!」

「分かるさ…俺もアスカル()に変わりはない。繋がりが完全に消え、ただ知識があるだけだから俺は狂っていないが、本体が狂う気持ちは理解している」

 

 分身体であるアスカルは優しい表情のままその手を固く握りしめている。土で出来た身体は痛みも無ければ血を流す事も無いが、どこか痛々しく見えてしまう。

 

「貴方はそれで満足なの、アスカル?」

「ロビンか……久しぶりだなとでも言ってお菓子でも渡せればよかったんだが、ここには何も残っていない。そして俺にはもう何もない」

 

 不退転の覚悟と言うほどの気迫は感じられない。ただ、事実を確認しているだけの作業の様な口調に説得は不可能だと感じさせられた。

 

「さて、お喋りはここまでだ。ここは『バベル』の最上階、お前らにとって敵地だ。何も無しでは互いに終われないだろう……『産土神』『マカナ』」

「腕が武器に!?」

「おいおい、なんだそれ!?」

「俺は分身だと伝えたはずだ。この身は手足であり、武器でもある。戦闘用の『土人形』の中でも最上品である『産土神』としてお前たちを倒させてもらう『黒点』」

「『殻々(ラフ・シード)』」

 

 そう言って構えた分身体は気持ちを落ち着かせる暇も許してくれそうにない。先ほどまでの空気と打って変わってしまったその場、いち早く迎え撃つ準備が出来たのはその動きを知っていたグレーヌだった。覇気で黒く染まった腕から繰り出された攻撃は何重にも重ねられた分厚い種の殻によって防がれた。しかし、その衝撃を直接では無いとはいえ受け止めたグレーヌからは苦悶の声が上がる。

 

「ぐぅ、重い……」

「攻撃の熱を防ぐための殻か……選択としては間違ってないな。だが、分厚い盾は視界が遮られやすいぞ『土師器』!!」

「まずいの……ここなの『空種』!!えっ、もう一つ!?きゃっ!?」

「グレーヌ!?」

「私達も攻撃を」

「おう!!」

 

 重ねた殻によって重たい攻撃を受け止められるが、殻の一枚一枚は特別丈夫という訳でもない。面での攻撃には強いが点での攻撃には比較的弱い。それでもよほど貫通性の高い攻撃で無いと同じ場所を正確に狙い続ける必要が出てくるのだが、そこは相手の技量が高かった。

 

 盾に穴が開いた瞬間にその穴を埋める様に種を生み出したグレーヌの技量も高かった。しかし、それすら読んでいたアスカルはもう一か所別の場所に素早く穴を開けて攻撃を通らせた。盾を突き破ってきた事で多少速度が落ちていた事もあり、覇気での防御が間にあった。

 

 慌ててフォローしようと動き始めた面々だが、覇気が使える者同士の戦いに割って入れる余裕は無かった。土で出来た体に関節技が効くわけもなく、天気や狙撃もそれほど有効とはいえなかった。

 

「『種油(たねあぶら)』『火種(ひだね)』!!」

「『地獣(ちじゅう)』喰らいつくせ」

「甘いの!!『弾種(ポップシード)』」

「それははお前だ。『沼地(スワンプ)』そして『地盤沈下(グランド・サブサイデンス)』」

「種が跳ね返らない!?それに足が……」

 

 油を生み出し、火を点けて飛ばしたが端からどんどん土で出来た獣に食われて鎮火された。だが、火は布石でしかなく、熱で弾ける種を火の中に放り投げて散弾銃の様に攻撃する。それを自身の身体と部屋の壁や床、天井を沼状にする事で防ぎ、更にはそのまま緩くなった地面を丸ごと下げて動きを阻害し、そのまま沼に落とした。

 

「今度こそ終わりだな。少し眠ってろ『黒点』」

「足をどうにか……『空種』で……吸い切れない!?」

「「「グレーヌ!?」」」

 

 足の止まったグレーヌを止めるために最初に繰り出した思い一撃を再度放った分身体、だがグレーヌに衝撃は届かず、その目の前にはテゾーロを倒してやってきた3人の姿があった。

 

「熱いし、硬ぇぞ」

「けっこう重い一撃だな」

「レディに武器を向けるんじゃねぇ」

「俺の攻撃程度で根を上げているようならアスカルには勝てねえぞ」

 

 その時、塔に衝撃が走り、下の方からピシピシと亀裂が入り、塔全体が崩れ始めた。目の前の分身の仕業かとルフィたちは思ったが分身は首を横に振っている。

 

「繋がりが切れ、黄金の支えも消えたこの塔に一撃いれた奴が居たみたいだな。丁度いい、さっきまでの戦いでここもボロボロだ。場を移すとしよう」

 

 そう言うと分身体は崩落していく塔に逆らわずそのまま落ちて行った。ルフィたちは完全に崩れ落ちる前に塔からの脱出を図る。ボロボロの壁を壊して外に出ると、船の準備をしていたフランキー達が事情を聴こうと近寄ってきた。

 

「おいおい、何があったんだ。急いで船を収納しなおしたからどうにかなったが、アスカルって奴を倒したのか?」

「いや、まだだ」

「それどころか、今相手にしてるのは本体じゃねぇ」

 

【だが、俺を倒せなければ、アスカルを倒す事も出来ないだろう?】

 

 周囲一帯に響き渡る重い声に全員がハッと音の発生源を向く、すると崩れ去った塔から分身体が現れた。しかし、その分身体は崩れた塔を少しずつ身に纏わせる事で身体を大きくしており、本体とうり二つの姿から形だけを真似た巨大な土人形に見た目が変わっていた。

 

【『産土神』を含め『土人形』は本体の操作下にあればほぼ無敵……だが繋がりが消えた今はエネルギーを使い切ればただの土塊に戻る。さて、限りあるとはいえ偉大なる大地の力、存分に味わえ『堕地』!!】

 

 ただ巨大な身体から放たれる一撃だが、その質量は並大抵のものではない。各々が被害を少しでも減らすために、攻撃範囲から逃げるために行動を開始する。

 

「『ギア4 弾む男(バウンドマン)』『ゴムゴムの大猿王(キングコング)銃乱打(ガトリング)』」

「『一大(いちだい)三千(さんぜん)大千(だいせん)世界(せかい)』」

「『悪魔風脚(ディアブルジャンブ) 牛すね肉(クロッス)ストライク』」

「『怪物(モンスター)ポイント』『刻蹄(こくてい)椰子(パルメ)』」

「『緑星 蛇花火(へびはなび)』」

「『ミルキーボール』」

「『千紫万紅(ミル・フルール)巨大樹(ヒガンテスコ・マーノ) スパンク』」

「『フランキーラディカルビーム』」

「『魂の(ソウル)パラード』」

「『武装硬化 空種一点狙い撃ち』」

 

 相手の攻撃をどうにか防ぎ、一部の攻撃は『産土神』にまで届き、その体を吹き飛ばすに至るが、壊れた体は巻き戻されるように回復していく、そしてまた腕を振り上げて攻撃を落としてくる。大声を出せば会話は成り立つぐらいであるが、最初に攻撃を回避した際に互いに距離を取って居るので全員が一度に狙われる事は無くなった。

 

「本当に限界があるのかよ」

「限りの無い力など存在しないの。あれはわざと纏う覇気を減らしたり、エネルギー消費を抑えてるからそう見えるだけ、だからこそ削り切ろうと思ったら時間が掛かり過ぎるの……土を補給できないようにすれば…流石に島ごと吹き飛ばすのは無理だから島の外までアレを吹き飛ばして身体を削り切れば……」

「あの巨体を丸ごと吹き飛ばせってのか!?」

「ほぉ、面白そうじゃねぇか、オーズとの戦いを思い出すな」

「吹き飛ばすなら出来る限り削っとくか、順番が前後しても問題ないだろ?」

 

 吹き飛ばすのは確定として、まず再生を潰すために地面から浮かす必要もある。そして海上から海底まで土を届かせないように出来る限り体を削っておく必要もあったので吹き飛ばす前に削ると言う案はむしろ正しい選択であった。やるとなったら迷う事はしない彼らは既にそれぞれの役割に合わせて配置に着いている。

 

「まずは浮かせるぞ。ゆっくり準備してる暇はねえんだ時間との勝負だからなウソップ、グレーヌ」

「緊張するから止めてくれフランキー……準備は出来てる。やってくれ」

「はいなの、『海種(シーシード)開封(オープン)』『収納種(ストレージシード)開封(オープン)』なの!!」

 

 グレーヌが放った種からどんどん海水が湧き出ていき、島の一角に規模は小さいが海が出来上がった。そこに更に閉まっていたサニー号を取り出すとフランキーとウソップが飛び乗った。

 

「コーラのセットは既に出来てる」

「ああ、船の角度を少し右に!!そこで大丈夫だ!!」

「よし、タイミングを合わせろよ」

【何をする気か知らないが、その船を壊してくれる】

 

 手を振り上げて船へと狙いを定めた分身体、水の発生が止まって水の流れに合わせて船が進んでいく、だがその程度はあの巨体の攻撃からは誤差にもならないだろう。拳が迫って船に当たる数秒前に船が急速に前に飛び出た。

 

「『風来砲(クー・ド・ヴァン)』」

「照準、良し『ガオン砲』!!」

 

 クー・ド・バーストではなくフランキーの腕から放たれた風来砲により短い急加速で分身体の間近まで迫った船はコーラ樽3つ分の衝撃波を放つサニー号の最終兵器をブチ当てた。発射によってその場にとどまった船は再度『空種』に収納された。

 

 衝撃波を間近で受けた分身体は本の少しだけその体を浮かせた。しかし、このままではすぐにでも地面に足が着くだろう。だが、その足を斬り落とさんと既に刀を構えているゾロの姿があった。

 

【させん!!『流星群(メテオシャワー)』】

「マリモの手助けは癪だが、グレーヌちゃんのためだ。『悪魔風脚(ディアブルジャンブ)焼鉄鍋(ポアル・ア・フリール)スペクトル』!!」

 

 放たれた無数の巨大な岩石を素早く空中を蹴って走り、全て打ち返していく。撃ち返されたのは岩石であるため問題なく再吸収された。分身体は身体の形状を変化させて次の攻撃を避けようとしたが、既に先手が打たれている。

 

【氷にこれは草の根か……】

「『レイン=テンポ』」

「『魂の(ソウル)パラード アイスバーン』沼化させませんよ凍ってください」

「必殺『種星』グレーヌからのもらい物だ。枯れさせてもその根は残るぞ」

 

 根は呑み込んで磨り潰す事で少しずつ消していくしかないだろう。腕を無理やり動かして氷だけでも剥がそうとしたが体の動きを止める様に巨大な腕が巨体を押さえつけていた。

 

「『千紫万紅(ミル・フルール)』『巨大樹(ヒガンテスコ・マーノ)』」

 

 足元までたどり着いたゾロ、そして分身体の身体を削るべく怪物化したチョッパーもその腕を振り上げていた。身動きが取れなくなった巨体はそれぞれの攻撃をもろに受けた。

 

「『一大(いちだい)三千(さんぜん)大千(だいせん)世界(せかい)』」

「『刻蹄(こくてい)椰子(パルメ)』」

 

 ゾロの攻撃により足が斬り落とされ完全に宙に浮いた状態となった分身体、そして鉄のハンマーをも打ち砕くチョッパーの平手打ちによって片腕と胴の中ほどまでが吹き飛んだ。だが、まだその巨体には結構な量の土が残っている。

 

「武装硬化『空種乱れ撃ち』!!」

 

 覇気を纏わせた空種を撃ち放ち、強制的に土の身体を削って行くグレーヌ、空種の使用上込めた分の覇気以上の量は収納できないが、的確に関節を狙った事で体に残った土は一気に減った。

 

「吹き飛べ!!『ゴムゴムの獅子王(レオ・レックス)バズーカ』!!」

 

 反発力を溜め、筋肉を膨らませた量で殻放たれた掌底は残っていた土の巨体を丸々吹き飛ばし、それは島の中心から海の上まで届かせるには十分だった。しかし、それだけでは足りないとルフィは宙を蹴り飛び、追いかけ、吹き飛んだ巨体の下側に回り込んだ。

 

【残ったこの身を捧げよう『堕地・神杖』!!】

「『ゴムゴムの大猿王(キングコング)銃乱打(ガトリング)』うおおおおおおおお!!」

 

 残った身体の全てを杖の様に長く鋭く汲み変えて重力を味方にして攻撃を繰り出した分身体、それを砕くために腕の筋肉に空気を送り込み巨大化させた腕で連続的に殴り続ける。落下速度を落とさせ、覇気と土を削るような連打、拳に突き刺さるように一点を狙った攻撃。

 

 先に覇気が尽きたのは元より限界の近かった分身体だった。分身体の覇気を上回り始めたルフィの拳が鉛筆を削るかのように土の杖を削り切って、最後はその拳で巨大な杖を突き破った。削られ、折られた土は崩れ落ち、海の中に溶けて消えた。

 

「はぁ、はぁ、やべっ!?覇気が切れる。戻らねえと!!」

 

 海の真上で力尽きてしまえば溺れ死んでしまうとルフィは余韻に浸る余裕もなくピリオ島に戻って行った。そこでルフィの戦いを観測していた仲間に迎えられた。

 

「よっしゃ―、ルフィ!!」

「やったな」

「ルフィ、手大丈夫か、怪我が無いか見せろよ」

 

 全員で挑んでようやく倒した分身体、厄介な能力とはいえ本体でない相手に苦戦させられた事を考えている者もいるが、ここバベルでの戦いに勝ったこと自体を祝い、その場は明るい雰囲気であった。

 

【分身を倒すか……流石は最悪の世代とうたわれるだけの事は在る様だな。海賊、麦わらのルフィ】

「!?」

 

 先ほどの分身と同じ声だが、伝わってくる威圧感のレベルがまるで違った。地の底から聞こえてくるかの様に低く響いた声はその通りバベルの跡地、その下から伝わってきているようだ。

 

【だが時は満ちた。計画は最終段階へと進む。テゾーロ】

「……分かっている。もう動けそうにない。この身体好きにしろ」

「何をする気だ!?」

 

 バベルあった底に巨大な穴が開いている。土によって動かされたテゾーロの身体はそのまま穴の上空へと吊り下げられた。そして、穴の中から飛び出してきた巨大な触手に貫かれたかと思うとそのまま獣が獲物を貪るようにその身は地の底に沈んでいった。

 

「な、何を仲間じゃねえのか!?」

【計画に必要な事だ。こうなる事をテゾーロも同意している。あいつの身は喰われ、これで『ゴルゴル』の力は受け継がれる。形作るのに時間が掛かったが、生まれてこい憤怒の獣よ。黄金を抱えたその身にこの名を】

 

 地面が揺れ動き、辺り一面に亀裂が入り始めた。ルフィたちは直感的にヤバいと感じてサニー号を取り出すと急いでコーラをセットし直してクー・ド・バーストで海へと逃げた。そして、次の瞬間にはピリオ島があった場所から分身体すらも小さく見える大きな影が飛び出した。ピリオ島は跡形もなく、開いた穴に流れ込む海水に飲まれないように船を動かしながら確認したその姿は伝説でよく耳にするドラゴンの物だった。

 

 

【『ファーブニル』】

 

 

「ば、化け物だ!?」

「金を操ってる!?」

「テゾーロって奴から能力を継承させたのか!?一体どうやって」

「……能力の伝達は物に食べさせる技術とかで確立されてたの、特殊な能力を利用した例外は知ってたけど……」

 

【悪魔の力が宿る悪魔の実、その力を宿した能力者は生きた悪魔の実と言っても過言では無い。後は必要な手順を踏めば別の存在に能力を移す事は可能だ。それをエンドポイントのマグマ、大地を流れる龍脈の力を練り込んで作った産土神の最終形態に喰らわせただけだ】

 

 物に悪魔の実を喰わせる技術を使い、ツチツチの能力で作り出した疑似生命体とでも言うような存在にゴルゴルの力を与えた。それにより、部分的ではあるがツチツチの力とゴルゴルの2つの能力を使える兵器を生み出した。

 

【お前たちの妨害もここまでだ。ファーブニル、やれ】

 

 アスカルの声と共に大地から力を吸い上げ、それを大きく息を吸うかのような動作と共に口の中にため込んだ。ファーブニルの身体が黄金色に輝いたと思うとその輝きが船を呑み込むように周囲の海を巻き込んで降り注いだ。

 

⁅グギャァァァァァァァァァァ⁆

 

 黄金と化した海は攻撃の範囲外の部分から海水に触れ、徐々に元に戻って行くが範囲が範囲なのでそれなりに時間が掛かるだろう。そして船の上で喰らった者達は黄金の彫刻となって固まっていた。彼らが海水に触れて自由になる事は叶いそうにない。

 

 それをファーブニルの目を通して確認したアスカルは次の命令を出し、それに従いファーブニルは進んでいった。その日のうちにマリージョアは壊滅し、天竜人と言う存在はこの世から消え去った。そして世界政府は機能を崩壊させた。




映画とかの敵って最終的にルフィだけでボスに挑むんですよね。他に幹部とかがいてそっちは仲間に任せてと言うのがお決まりのパターン。そしてルフィだけで倒せるのであれば、仲間、特にゾロやサンジと一緒に戦えば結構楽に倒せるんじゃないかなぁと私はよく考えてます。

普通のストーリーでも強敵はルフィが一人で倒す事が多いんですよね。だけど、オーズ戦は皆で戦ってる感が強くて好きなんですよね。まあ、あれも最終的にはモリアをルフィが一人で最後は倒してましたけどね。

ちなみにテゾーロへのとどめに使った

【「ギア3、武装硬化『ゴムゴムの』」
「『三刀流』」
「『悪魔風焼鉄鍋』」
「『スペクトル千八十煩悩攻城砲』!!」】

はシャボンディ諸島でパシフィスタに使った合体技の強化版です。


七武海としての立場を必要としていたロー、しかし、ドフラミンゴと出会う訳にはいかない。そして、ここで戦力を消耗することも良しとしない。その結果、協定を結んだのがサボ。

サボはバベルの調査とアスカルを止める事が任務だったが、バベルが囮である事に気付き、このまま挑むべきでは無いと判断し、牢屋に掴まっていた面々を引き連れて脱出。報告に戻るために海域より脱出。

サボの目的は半分は達成されたし、ローの方も政府に報告するだけの仕事は出来たし、五体満足だけど、政府が潰れて結局七武海も何もないと言う状態なのでどっちかと言うと損をしている。まあ、しょうがないね。


『ファーブニル』

大地を流れるマグマや龍脈の力をそのまま身に宿し、意思を持ち、自ら判断して動く事が出来る産土神の最終形態。テゾーロを喰らい『ゴルゴル』の力も手に入れている。

大きな島すら踏みつぶす、大陸に匹敵する黄金のドラゴン。
大地の力を操り、大地の力を黄金に変換して振るう。
必殺技は辺り一帯を黄金化させる『ゴールデンブレス』だ。

権力、天竜人への意趣返し、そして怒りを表すという事もあって龍、ドラゴンなどを以前から考えていた。そして『ゴルゴル』の力、黄金の力をも抱擁している事から名前は選んだ。

ビッグマムや黒ひげの話、政府が見つけた悪魔の実の力の伝達方法とかを考えるに不可能ではないだろうと思った。ツチツチの力で意思を持った生き物を創る。ツチツチの力を多少宿しているが能力者では無いので、もう一つくらい能力を詰め込んでも大丈夫だろうと判断。

龍にしようと決めたのは少し前ですが、元からテゾーロを犠牲に巨大な敵を作り出す予定はありました。そして、ルフィたちの敗北とマリージョアの崩壊も決めていた。

「ルフィが勝ったら恨みも張らせずに世界政府に奴隷のように働かせられるだけだろう」…などと言った感想がありましたが、勝敗の前に天竜人と今の世界政府は滅ぼす予定でした。

色々言われてたけど、「大丈夫です世界政府は滅ぼす予定なので」ってネタバレする訳にはいかないのがもどかしかった。まあ、私がとっとと次の話を投稿していればいい話だったんですけどね。

さあて、ルフィたちはどうなったのか、世界政府は滅んだが海軍や戦ってた七武海は、疲労しているとはいえまだ存在する幹部、そしてアスカルとファーブニルの次の目的は!?

ようやく、本当に終わりが見えてきたのが嬉しい。あー、思い付きでif話なんてもうやりたくない。いや、短編なら良いけど、今回みたいな長編はやりたくない。if書くなら1話で終わる奴にします。ええ、これ絶対。

それでは久しぶりにいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。
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