ONE PIECE プラントオーナー   作:ひよっこ召喚士

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第43プラント 旅立つ種の海遊記①


 

 騙し討ちと言うか、留守を狙ったと言うか、間違いでは無いのは確かだけど、家族相手に使うには少しおかしな言い回しにも思えるの。

 

 それでもなんて言えば良いのか分からないなりに身内の犯行を華麗に実行して、やらかしの自覚があるまま故郷を飛び出して海の上で船を進めているの。

 

 捕まらないのは大前提として、特殊な移動(フェアリーサークルや海底通路)を除いたプラントの移動方法より余りにも遅い到着も論外なの。

 

 となると目立つの承知でも速さをとった方が良いと思うの。だからこそ種に入れて持ってきたあたしの専用船。

 

 あたし専用とあり、公式な船では無いけれど王族として相応しい様にと見た目は豪華にあしらわれた小型船、その実は能力を前提に作った特別船なの。

 

 ポップグリーンを要所に組み込む事で緊急時に手を使わなくても船を動かせる操作機構や種を注げば自動で精製して、そこから採れる油を利用する種エンジン。

 

 そして何より特別なのが『圧種(アッシュ)』に溜め込んだ衝撃をそのまま推進力に変えて船ごと跳び跳ねるジャンプシステムなの。

 

 事前に衝撃を溜め込まないといけない『圧種』は無駄遣いは出来ないけど、種エンジンを稼働させながらジャンプを連続で使用する事でこの船は海を跳び跳ねる様に進んでいけるの。

 

 小型船の軽さとジャンプの威力、そこに上手く風がかみ合えば滑空するかの様に距離を稼げるし、他にもジャンプの方向を調整すればほぼ真上に飛んで危険を避ける緊急回避も出来る優れものなの。

 

 とりあえず今はとにかくプラントの海域から離れる為に大盤振る舞いなの。取り出した衝撃の込められた種をコロコロと専用のパイプへと放り込んで、種がセットされたのを確認したら、準備オーケーなの。

 

開封(オープン)なの!!」

 

 エンジンである程度の速度は元から出ていたが、それが何だと言わんばかりに先程まで居た位置が既に遥か後方に見えるの。

 

 海とほぼ平行に跳ぶことで、気象条件によって変動するけど飛距離は大体500メートル前後なの。そして着水して勢いが弱まる前に進路を確認してもう次の種をセットして開封なの。

 

 海面に着くか着かないかギリギリを攻めての滑空、これを繰り返す事で波や風をある程度は無視しながら目的地へ真っ直ぐと進む事が出来るの。

 

 とは言え基本的にプラントが置かれているのは新世界なのに対してあたしの目指している国があるのは同じ偉大なる航路ではあっても赤い土の大陸を挟んだ楽園側なの。

 

 たとえジャンプに『最大圧種(マキシマムアッシュ)』を使ったとしても赤い土の大陸を飛び越えるなんて事は出来ないの。

 

 とれる手段は二つなの。何処かで船をコーティングして魚人島を経由するか、赤い土の大陸に近い空島から滑空して飛び越すかなの。

 

 現存する空島の7割は確認済みとは言え、貴重な分布図を持ち出すのは叶わなかったの…記憶を頼りに探すには空は海よりも広過ぎるの。

 

 となると必然的に海底をゆく航路が確定して、何処かでコーティングをする必要が出てくるの。新世界はシャボンの文化がある場所も多いから候補は幾つも思い浮かぶの。

 

 そしてその中でプラントと友好的だけどプラントの影響力があまり関係ないと言う候補の中でもかなりピッタリな場所を目的地に定める。

 

「いざゆかん、エルバフなの!!」

 


 

 包丁の雨から逃げるようにソリで城を離れ、船出を見送る世にも見事な桜吹雪を背に、新たな仲間である船医トニートニー・チョッパーの歓迎の宴が夜を賑やかさで満たしている。

 

「倒れた時はどうなる事かと自分の事ながら思ったけど、医者の居る島に辿り着けるとは私の運も捨てたもんじゃないわね」

 

 捨てるものなんて何一つ無いだろう強欲だろうに、そんな事を言って、まだ完治してないのに宴の中で共に酒をあおっている。

 

「そんな軽く言って…プラントの管理地がなくなっていたのを聞いた時は最終手段とは言え焦ったのよ」

 

 立場をはっきりさせる必要かある為に本当に最終手段ではあったが、その手段があるかないかでは全く話が違うというものだ。

 

「あぁ、昔はドラムにもプラントの管理地があったのよね」

 

「えぇ、アスカル王は医療を重視してて建国初期に、確かアラバスタと同時に国交を正式に結んでいたのよ」

 

 ドラムには医療技術を、アラバスタには余っている土地を求めて結ばれたのが始まりだが、付き合いが長く世界政府と言う繋がりがなくとも友好な関係が築かれていた。

 

「プラントがどんな国かなんて今どき子供でも多少は知ってるというのに、その国交を断つなんてやっぱりアイツは馬鹿だったのね」

 

 思い浮かべたのはルフィが遥か彼方へと吹き飛ばしたカバの様な王様ワポル、医者の追放も馬鹿げているが、あのプラントとの関係を一方的に断ち切ったと言う事実は稀代の馬鹿である。

 

 プラントの管理地が無いために安く補給することも出来なかったから余計に腹が立つと言った面もあるのだろう。少しイライラした表情が見える。

 

 だが、それ以上にイライラしていた者もいる。今は仲間の加入を祝う宴を楽しむ事に追われ、すっかり忘れているが、プラントについてワポルが語ったのを聞いてルフィが珍しく考えを巡らしていたのだ。

 

『まっはっはっは!!医者の追放もそうだが、忌々しいプラントとの断絶も上手くいっていた!!アイツラが消えて本当にこの国は俺様の支配下となった!!おれ様のものを好き勝手させてたまるか!!』

 

『忌々しいって、 アスカルが何をしたっていうんだ!!』

 

 心底プラントを嫌っているかのように語るワポルに対して聞き返すと、興が乗ったのかスラスラと語りだす。

 

『ふん、交流と言えば聞こえは良いが結局はおれ様の国の技術を持っていくだけの盗人とかわりない。ただ、国交を断つと告げた後の対応だけは見所があったがな』

 

『なんだと!!』

 

『管理地の完全な撤退が終わるまでの間に国民が勝手にプラントへ関係の継続やおれ様の国への干渉を願った。まぁ、外患誘致の罪でそいつらは処刑したがな』

 

 人の命を何とも思ってないかの様な言い草に聞いてる者たちに表情に嫌悪が宿る。

 

『その話を聞いたプラントの答えは「国が決めた事に部外者が口を挟む気はない」だったか?盗っ人とは言え王の在り方をよく分かっている点だけは褒めてやれるな。まっはっはっは』

 

 ビビもその返答や対応については思うところが無い訳ではないが、国としての立場を考えれば内政干渉は出来ないのは確かであり、プラントの対応は仕方ないと分かる。

 

 ワポルとアスカルではその在り方が全く違う。それを理解していても、ただ自由を追い求めるルフィにとっては力を持っているのに理由があるからと動かないその姿に何処か思うところがあったのだろう。

 




短いけれど久しぶりの投稿。どうするか悩んではいるけどとりあえずチマチマとは進めていく予定です。

それとやる気アップの為にそろそろエイプリルフール企画も考えとこうかな。とは言っても細かく設定を決める程の余裕も無いので今回は三択の簡単なアンケートだけ置いときます。

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。

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  • 海軍だったら
  • 賞金稼ぎだったら
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