ONE PIECE プラントオーナー   作:ひよっこ召喚士

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プラントオーナーをお読みの皆さん
あけましておめでとうございま(殴



第44プラント 旅立つ種の海遊記②

 

 エルバフは敵対者以外には寛容な土地だし、今のエルバフを形作っている大人たちは冒険などへの理解が高いからあたしの目的を軽く話したら快く作業をさせてもらえたの。

 

 シャボンコーティングを施すのは小型船なのもあってそこまで時間は掛からなかったの。

 

 まぁジャンプシステムの衝撃噴出孔を除いてコーティングするのは普通の船とは勝手が違って少し手間だったけど海中の航行時間を大幅に短縮出来るから必要不可欠なの。

 

「それじゃ、ありがとうなの〜!!」

 

「おう!!いい冒険してこい!!」 

 

 エルバフ本土近くはこんな船丸ごと呑み込むラトニー姉さんみたいな生き物だらけだから危ないから本土から少し離れた海へと降ろしてもらい潜水を始めるの。

 

 エルバフに来てから思い付いたけどコーティングの傍らにパワーに溢れている戦士の人達に協力してもらって『圧種』の補充も潤沢に出来たの。

 

 むしろパワーの方は有り余るくらいで能力の使い過ぎであたしが先にダウンしちゃうんだから巨人族のパワーは馬鹿に出来ないの。……何個か『最大圧種』でも壊されたし、巨人族だけは敵に回したくないの。

 

 強さや文化の違いもあって巨人族と友好的ではあっても強く求める事は出来ないから仕方ないとは言え、以前にオークションまで行って買い付けた宝樹があれだけあるのに手に入れられないのは中々に歯痒いの。

 

 まぁ、プラントでの研究もあの買い占めもあって大詰めとは聞いてるから後はティア姉に任せておけば、実用化までも数年といった所だから無理はしないに限るの。

 

 さて、どうしようもない事はおいといて、とりあえず楽園を目指す為に必ず通らなくてはいけない魚人島を目指して舵をとらないとなの。

 

 本当なら海流とかに乗っていかないと上手く辿り着けないのが普通なの。種エンジンの推進力なら海流なんて無視できるけど使える空気に限りがある状態で使うのは自殺行為なの。

 

 幾ら植物が多くても流石に光合成で賄えないし、これから進むのは光の届かない海底なの。でもジャンプシステムは種エンジンと違い燃焼反応はないから、水中でも問題なく使えるの。

 

 そして、ちょうど良いことに大量に補充出来た『圧種』があたしの手の中にずらり、さらさらと投入口であるパイプへと流せば後は『開封』なの。

 

「コーティングの摩耗を考えたら魚人島での再コーティングは必要、でも白ひげの縄張りなのが本当に面倒なの……」

 

 魚人島を中心に広がりを見せているファッションの店やプラントから見ても特級品のお菓子、他にも魚人島ならではの物は侮れないの。

 

 七武海ジンベエによって魚人島と正式な国交を結んでいるとは言え、白ひげ海賊団との関係性は変わっていないし、現地ならではの物を見て回ると言うのはあまり推奨出来ないの。

 

 そもそもプラントの成り立ちからして魚人や人魚の一部の層からは嫌われているの。コーティングの待ち時間にふらっと買い物しようにも有名過ぎるこの顔が憎いの。

 

「ついでに何かお土産と言う名の反省文代わりの品でも手に入れば最高なのに…」

 

 流石に不味いことをしている自覚はある。だから焼け石に水だろうか、それとも火に油を注ぐ結果になるかは分からないけど藁でも良いから掴めるものが欲しいの。

 

 能力者である自分が藁を掴んだ所で沈んでいくだけだろうと言うつまらないイメージを蹴飛ばして、舵取りに専念するの。

 


 

 グレーヌがいなくなったプラントは最高幹部からアスカルへの提言もあり、いつもと大きくは変わらない運営が行われていた。

 

 各国や商船との取引、世界中の食材や調理法の調査、現場での食材の捕獲、食品の改良や研究、そしてワールドバイキングの準備。

 

 他にも面倒な事柄を挙げればきりがないが、そんなプラントの仕事の中で現在グレーヌの不在の影響を受けている部署がある。

 

「例の品種改良中の種の安定化に遅れが発生しています」

 

 開発研究を担っている室長とティアの部署である。普通の食材であればグレーヌがいなくても種を増やす事は可能だが、今回の改良種はそう簡単にはいかず、改良の過程で不安定な状態が続くと改善までに時間が余計に取られてしまう。

 

 そして、現在開発中の品が特別種の状態で不安定さを発揮してしまう代物だったのも今回の要因の一つと言える。アスカルも報告書に目を通した時点で仕方なしと判断している。

 

「やはりGPフラワーの完成度が高過ぎるか?」

 

「手を加えようと思うと安定性が著しく落ちてる点から見て、あえてそうしているのでは無いかと言うのが一研究者としての見解ですが……根本的な技術力の差は否めません」

 

 プラントでの開発研究を担っている立場としては負けを認めざるをえない状況に悔しさがあるのか、一人と一匹の表情は険しい。

 

「火薬に咲く花であるGPフラワー、その花を食べれる物に変え、最終的には火薬をそのまま食品に変える段階が最終目標ですが、現在まだ口に入れても問題ないレベルが現界です」

 

 それも美味しいかと言われれば頷くことはまず出来ないレベルだ。咲いたものをジャムにしたものでもプラント外の市販品程度にはなるがプラントの商品にはならない。

 

「そうか、花火を食材化出来ればワールドバイキングのオープニングセレモニーにピッタリだと思ったんだが、まぁ次に間に合わなくてもその次もある。焦らずにやってくれ」

 

「はい、メインプロジェクトと並行して進めていきます」

 

 現在の研究のメインは宝樹アダムの再現だが、ある程度の見通しは立ちつつあり、サブプロジェクトと同時進行でも何の問題もない。

 

 何方もワールドバイキングに間に合えば話題性は勿論だが、面白いことになるだろうとアスカルは開かれる二年後を思い浮かべ、笑みを浮かべる。

 

「そういえばグレーヌ様は現在エルバフを訪れているとお聞きしましたが…」

 

「あぁ、最高幹部が持ってるビブルカードの方向を結び合わせて分かった」

 

 方向は分かれば大体何処にいるのか予想がつけれるが、仕事であちこちに散らばっている最高幹部それぞれから見て何方に居るかが分かればピンポイントでどの島か特定できる。

 

「今は少し下を指してるからおそらくコーティングして魚人島へ向かっている所だろう」

 

 下を示すとなると潜水艦でない以上はコーティングでの移動であり、そして移動先は魚人島にほぼ限られている。

 

「あれ、でも確か今朝の情報伝達に…」

 

「あぁ、魚人島付近の直轄管理地で白ひげ海賊団の部隊が観測されている。理由は縄張りの見回りだろう。彼処は荒れているから警戒して隊長格を送り込んでもおかしくはない。それにしても隊長が()()と言うのは過剰だと思うが…」

 

 自分の娘だからだろうか運が悪いというか間が悪いというか、なんて少し頭を悩ませながらも、説得されたとは言え見守る選択肢をとっているアスカルはため息を一つ吐き、ティアは内心で苦笑しつつもそっとお疲れの出ませんようにと頭を下げた。

 


 

 見聞色の覇気が成長したのか分からないけど何処か遠くで失礼な事を考えられた様な気がするの。余計なお世話なのと言いたい気持ちももはや湧いてこないの。

 

「コーティングだけして直ぐに出ていけば良かったの……」

 

 とは言ってもコーティングが終わるまでに見つかっていた可能性も高いの。きちんと顔は隠して移動していたと言うのにまさか王族直々に捜索に出て来るなんて思っても無かったの。

 

「プラントには大恩…それも命の恩がありますからね」

 

 オトヒメ王妃…相変わらず精神方面の見聞色の強さはうちの幹部たちより遥かに上なの。顔を隠しても、路地に隠れても何処までも追いかけて来るのは執念の一言で片付けるにはキャラが強すぎるの。

 

「まず来訪を事前に報せる事なく訪れた事の謝罪をいたします」

 

 見つかって騒ぎになった事で項垂れているあたしの気持ちも聞こえている筈なの。それでもニコニコしている我の強さは正直たちが悪いレベルなの。

 

「元より魚人島は通過地点として余程の者を除いて解放されているんじゃもん。その程度は気にしなくて良いんじゃもん。それに妻の命に加えて、あの件は国の不穏分子の特定にも繋がった。プラントへの恩は計りしれんのじゃもん」

 

 オトヒメ王妃の暗殺未遂は私が生まれて少し経ったくらい、初めてのワールドバイキング開催と同じ時期だったと聞いた事があるの。

 

 その際のあれこれで国内で知らずに溜まった不満の数々が正面化し、一命を取り留めたとは言え生死の境にあったオトヒメ王妃の事もあり、第一回のワールドバイキングに出席も出来なかったとも聞いたの。

 

 それから色々とプラントへの思いがあるのは何となく分かるけど有無を言わさずに竜宮城まで連れてこられるとはなの。ネプチューン王も乗り気で宴の準備を進めないで欲しいの。

 

「お久しぶりでございますグレーヌ様!!」

 

「お久しぶりです。シラホシ姫、ご健勝の様子で何よりです」

 

 相変わらず大きい姫様なの。あたしより4つ上のお姉さんの筈なのに何故かあたしの方が懐かれて頼られてるのは何でなのか不思議でしょうがないの。

 

 妹に譲って声を掛けてないんだろうけど、フカボシ様、リュウボシ様、マンボシ様の三人の王子もニコニコで後ろに立っているの。

 

 そしてそこまでならまだ良かったの。国の式典とか外交で他国の王族との関わり方は勉強しているからヘマをしない程度には出来る自信があるの。

 

 でも、なんで()()()()()()()()()()()()も魚人島を訪れていて、なんであたしとの面会を希望しているの?!

 

「プラントなら情報を掴んで居そうだから敢えて言うが、少々内輪の問題もあって各方面を警戒していてな」

 

 そう説明するのは新世界、鎖国国家であり、四皇カイドウの縄張りであるワノ国特有の衣装を身に纏う美丈夫、16番隊隊長イゾウなの。

 

「おれは故郷であるここ魚人島を見にだな。イゾウも故郷の方を見に行くんだが、波が荒いらしく手早くコーティングする為に同行していた」

 

 補足を加えたのは分かりやすく8の刺青を顔に刻んだ鮫の魚人、8番隊隊長のナミュールなの。

 

 どれだけベテランであっても魚人島へ安全に行くには魚人か人魚の帯同があるのが望ましいから一緒に行動しているのは納得なの。

 

 でも白ひげ海賊団の隊長二人がここに居る理由は分かっても、なんであたしと顔をあわせたかったのかが全くもって分からないし、分かりたくなかったの。

 

「オトヒメ王妃の恩人であるプラントの人間には一度あってみたかった」

 

「それと、現状でうちの縄張りである魚人島に秘密裏にプラントが接触している理由をきかせて貰いたくてネプチューン王には無理を言った」

 

 理由、理由ねぇ。そんなものこっちには全くないの…なんなら通過するだけで会うつもりも無かったの…いや、それを言ったらシラホシ姫が泣きそうだから言い辛いの…と言うよりあたしはこの面子を前にして家出の事を赤裸々に話さないといけないの…?

 

「黒歴史確定なの…弁護士を呼んでほしいの…」

 

 数分後には微笑ましいものを見るような目であたしの事を全員が見つめてきたの…いっそ殺して欲しかったの…あ、まだ未遂とは言え内政干渉の件はどうか、どうか内密になの…

 





亀更新にもほどがあるスタートですが、今年中になるべく進めていく予定ですのでなにとぞよろしくお願いします。

エイプリルフール企画のIFは今回で締め切りとさせていただきます。アスカルが海賊の設定で何かしら書くのでお楽しみに。

「リュウグウ王国にも話はしていたが今はそういう空気にはなれないだろう」と以前に書いてましたが、オトヒメ王妃はギリギリ生きてました。

とは言え王妃が死にかけて、一部とは言え国内に多くの不満が溜まっていると知り、対処に追われている中で招待に応じられなかったリュウグウ王国。

そして順調に家出中だったグレーヌ、まさかの足止めと出会いに振り回されています。はたして無事にアラバスタに辿り着けるのか…なんてね。

それではいつもの挨拶でさようなら。
読んでくれている方々に多大なる感謝を。

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