ヤバい大海賊に出会ってしまった北条響さんの話。 作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐
作者の妄想の産物をどうぞご覧ください。
「あァ………?何だお前は?」
「あ、アハハハ………」
これは本来なら交わらない筈の物語。
「じゃ、じゃあ!ここは日本じゃないんですか⁉︎」
「ハハハハ…俺も色んな所を見て回ったが、ニホンなんて国は聞いた事ねェ。少なくとも、世界政府の加盟国・未加盟国共にそんな名前の国は無ェな」
「そ、そんな………!」
少女と話す青年がそう告げると、少女は目に見えて落ち込んだ。
「落ち込むのは勝手だが、今の状況分かってんのか?」
青年の言葉に、少女はハッ!とする。
周りを見渡すと、そこには血を流して倒れる男達。
血溜まりの中に自分がいる事に今更ながらに気付いた少女は足を震わせて、後退る。
「こ、これ………まさか、あなたがやったの?」
「ハハハハ…まあ、そんな所だ。ガキの割には中々度胸があるみてェだな。普通なら泣きだすか、気を失うもんだが」
「ッ!どうして、こんな事ッ!」
惨劇を生み出しておきながら、悪びれもしない青年に少女は激昂する。
元々正義感が強いその性格故に、少女は間違いなく青年に対して怒っていた。
「ハハハハ…そうは言うが、俺がこいつらを殺してなけりゃ、お前は間違いなく殺されてたか良くてヒューマンショップで売り渡されてただろうぜ。それに、俺もそうだがこいつらも海賊だ。いつかはこうなる事も覚悟の上だっただろうよ」
そう言って笑いながら自身の行いを正当化する青年に、少女は視線を逸らす事なく睨み続けていた。
「ハハハハ…!面白いガキだ!俺を前にしてそんな態度をとる奴なんざ、中々いねェ。おいガキ、お前の名前は?」
「………人に名前を聞く時はまず自分から名乗りなさいってパパとママが言ってたよ」
少女がそう言うと、青年は一瞬虚をつかれたような表情をして再び笑いだした。
「ハハハハ!確かにその通りだ。俺の名はロックス。ロックス・D・ジーベックだ。で、お前は?」
「………響。あたしの名前は北条響」
「ハハハハ!良い名前だな………さて」
ニヤリ、と笑みを浮かべて青年…ロックスは少女に、響に近づいていく。
「来ないで!それ以上こっちに来たら………!」
響は近づいてくるロックスに対して床に落ちていた剣を拾い、切っ先を向けた。
「ハハハハ…!まあ落ち着け。別にお前を取って食いやしねェさ…!響、俺についてくる気はねェか⁉︎お前程のガキなら将来は間違いなく大物になれるぜ。お前は、いつか必ずデケェ事を成し遂げる…!俺はこれでも人を見る目には自信があるんだ…!勿論、タダでとは言わねェさ!その様子じゃ、行く宛もねェんだろう?面倒なら見てやるから、俺に力を貸しな!悪いようにはしねェ…!ああ、そうとも!こいつは『儲け話』さ‼︎」
「ッ………!」
響は俯き、唇を噛んで剣の柄を思い切り握り締めた。
ロックスのような悪人に着いていくなど絶対に嫌だが、確かに右も左も分からないこの世界で、今の自分に行き場所はない。
仮に断ったとしても、それこそ殺されるか野垂れ死ぬかのどちらかだろう。
究極の二択を突き付けられた響は不安と恐怖で泣き出しそうになる心を押し殺しながらロックスに顔を向けた。
「分かった。あなたに着いていく」
「ハハハハ…!なら「でも!人を傷付けたり殺したりしたら、その時はあたしがあなたを止める!」…!ハハハハ!言うのは簡単だが、俺はガキにやられる程弱くねェ。そうしてェなら精々力をつけて俺を止められるくらいに強くなるんだな…!」
こうして、響はロックスと暫しの間共にする事になった。
この後、彼女に降りかかる数奇な運命を彼女自身を含めて知る由もなかった。
〜1か月後『海賊島・ハチノス』にて〜
ハチノス島は別名・海賊島と呼ばれている。
文字通り海賊達が寄り集まる島であるためにそう呼ばれているのだが、だからと言って一般人が居ない訳ではない。
海賊相手に商売をする肝の座った商人達や職人が多数住み着いていた。
しかし海賊達は彼等を襲うという行為をしない。
それはやはり、ハチノスの元締めであるロックスの影響が大きいだろう。
ロックスが画策する『儲け話』を実行に移すには、商人や船大工といった職人達が不可欠だ。
カタギには手を出すな、というロックスの言葉に逆らう者は殆どいない。
逆らったが最後、死ぬより恐ろしい目に合わされるのを皆理解しているからだ。
さて、あれから一月の間に響はロックスの元で様々な事を学んだ。
彼女がいた地球とは全く違う世界。
世界政府、海軍、海賊、天竜人etc…。
海王類という巨大な怪物や一度口にすれば超常的な力を得られるという『悪魔の実』。
悪魔の実の能力者に対抗できる『覇気』という概念。
見聞きすること全てが未知の世界だった。
「ハハハハ…!飲み込みが早ェな!やはり俺の目に狂いは無かった…!」
「うーん…でも覇気は難しいな。武装色は意外と簡単に出来たけど、見聞色はまだ少し練習しないとダメみたい」
そう言って笑う響にロックスは内心驚いていた。
覇気の習得というのはそう簡単な物ではない。
海軍ですら、覇気を扱える人間は限られる。
使いたいと思って簡単に使える様になる物ではないのだ。
「(それに僅かだが心を開いてきてるみてェだしな。上手く立ち回った甲斐があったぜ…!)」
ロックスはこの一か月間、響の前で一切殺しをしていなかった。
ハチノスはロックスが元締めとして指揮っているとは言え、喧嘩を売ってこない輩がいない訳ではない。
ロックスが少女を引き連れて帰ってきたという噂はすぐにハチノスに広がり、ロックスが腑抜けたと勘違いした者達が度々襲ってきていた。
非常に面倒ではあったが、響の目がある場所では殺さないように叩きのめした後、後日落とし前として殺すという事を繰り返していた。
そうとは知らない響は、少なくともロックスが殺しをしていない事で、時折話しかける程度には打ち解けていた。
「まあ、これくらいでなきゃ俺の船には乗れねェさ。ハハハハ…」
「何か言った?」
「いいや、何も。それより、明日はいよいよ俺が完璧に作り上げた『儲け話』をする日だ…!明日はお前も一緒に来い!面白い日になるぞ…!」
「………ロックス、何か悪い事考えてる顔してる」
「ハハハハ…!明日を楽しみにしてな!それと…明日からは島を離れる事になるだろう。町で楽しんできな!この島でのんびりできんのも、今日で最後だろうからな…!」
言うだけ言うとロックスはその場から去っていった。
「………確かに最後だって言うなら、何か美味しい物でも買いに行こうかな」
幸い、ロックスから貰った小遣いがある。
食べ物を買うくらいなら訳ないだろう。
そう思いながら、響は歓楽街の方へと足を運ぶ事にした。
〜ハチノス島・歓楽街〜
「おい、アレみろよ…!」
「やめとけ、あのガキには関わらねぇ方がいい!ロックスのお気に入りだって噂だぜ!」
荒くれ者の海賊達が行き交う中で歩く響の姿は色々な意味で注目の的となっていた。
海賊達の大半は、ロックスに関わりのある響に絡みに行こうとしなかったが、全員がそういう訳ではない。
「よォ、お嬢ちゃん。ここはお前みたいなガキの来る所じゃないぜ?気をつけねぇと、こわーいオジサン達に何かされちまうかもなあ…?」
「へへへ…!ガキとは言え中々の上玉じゃねぇか!ちょっと遊んだ後、ヒューマンショップにでも売り渡してやるか!」
下卑た笑みを浮かべながら、響に近寄る二人の海賊。
相手は年端もいかない少女。
故に彼等は失念していた。
あのロックスが目をかける少女が、普通な訳がないのだから。
「へへ、捕まえた…っ⁉︎」
「や、やめて下さいッ!」
響を捕まえようとした海賊の腕がパシッ!と打ち払われる。
「このガキ…!やりやがったな!ぶっ殺してやる!」
「ま、待て!こいつ、僅かにだが武装色の覇気を纏ってやがる!」
一人が怒りのままに剣を抜くが、もう一人がそれを止める。
確かによく見てみると響の両腕は僅かに黒金色に染まっていた。
「ハッ!だから何だってんだ!覇気を使えようが所詮はガキだ!そらッ!」
しかし、剣を抜いた海賊はそんな事は知るかとばかりに一瞬で間合いを詰めると、響の腕を掴み上げた。
「離して下さいッ!離してッ!このッ……!」
「痛ェッ⁉︎こ、このクソガキ…!」
響は一瞬の隙をついて自身を掴み上げている海賊の腹に打撃を加え、自身を掴み上げている腕を振り解く。
「もう頭に来た!死ねェッ!」
剣を振り上げ、二人が響に斬り掛かろうとしたその時だった。
「おい、ハナッタレ共…!くだらねぇ事してんじゃねぇよ…!」
「な………!」
剣を振り上げた海賊の頭を、背後から現れた大男が掴み地面に思い切り叩きつけた。
「ガアアアアッ⁉︎て、テメェは!『白ひげ』⁉︎」
「や、ヤバイ!逃げるぞ!」
突如現れた特徴的な三日月型の白い髭を持つその男…グラグラの実の地震人間である『白ひげ』エドワード・ニューゲート。
懸賞金額10億4600万ベリー。
二人の海賊達は戦意を失い脱兎の如く逃げ出そうとして………その内の一人が、空から前触れなく降ってきた瓦礫に押し潰された。
「ギャアアアッ⁉︎お、おい!待て、俺を置いてくんじゃねぇ!」
「し、知るか!」
瓦礫の下敷きになった海賊は助けを求めるも、無情にも見捨てられる。
「ジハハハハ…!哀れなもんだなあ、オイ!このハチノスはお前らみたいな根性なしの三下が来る場所じゃねェんだよ!」
笑いながら上空から舞い降りるのは長い金髪の男。
彼の名は『金獅子のシキ』。
フワフワの実の浮遊人間であり、白ひげと同じく名の知れ渡った海賊の一人である。
懸賞金額7億4900万ベリー。
「シキ…お前も来ていたとはな。奴の…ロックスの儲け話とやらに釣られて来たのか?」
「ジハハハハ!まあそんな所だ!そう言うお前もだろ、ニューゲート!それよりも………」
そう言って笑うシキは、呆然とした表情で自身とニューゲートを見ている響に向きなおる。
「ガキの癖に、武装色を使えるとは中々見どころがあるじゃねぇか。未熟な覇気だが悪くねぇ!」
「えっと…その助けて頂いてありがとうございます」
響が頭を下げるとシキはジハハ!と笑う。
「礼には及ばねぇさ、ベイビーちゃん。それに助けた訳じゃねぇ。あの程度の実力で粋がってる馬鹿共が気に入らなかったから潰しただけだ。ところで、ベイビーちゃんはロックスのお気に入りなんだろう?奴の儲け話の件で、何か知ってる事はあるか?」
うって変わって獰猛な獅子のような目付きで響に問いかけるシキ。
反射的に身体が緊張し、どうしようと響が思っていると、その状況を見兼ねたのか白ひげが割って入った。
「シキ、ガキ相手に大人気ねェぞ。その辺にしとけ。お前もあのハナッタレみたいに地面に沈められてェか?」
「ジハハハハ!大人気ねぇと言うが、こいつは歴とした情報収集だ。お前にどうこう言われる筋合いはねぇ。お前こそ沈められてぇのか?」
ピリピリとした空気がその場に広がる。
互いの視線が交差し、今まさにぶつかろうとしたその時。
「ちょ、ちょっと!喧嘩しないで!」
そう言って響が二人の間に入る。
二人は一瞬、驚いたように響を見ながら溜め息を吐いた。
「喧嘩はするなってか?ジハハハハ!そんな台詞をこの島で聞く事になるとは思わなかった!興が醒めちまったぜ」
「………ったく。俺ァ帰るぞ。それと小娘。お前もこんな所でウロウロせずに家に帰れ。ここはお前がいるような場所じゃねェんだからな」
シキは楽しげに笑いながら、白ひげは若干疲れたような顔をしながらその場から去っていく。
「はあ…何だか一気に疲れた。こういうとき、奏のケーキでも食べれば元気が出るんだけどなあ………」
溜め息まじりに、かつての親友の名を口にする響。
とある過去が原因で仲違いしてしまっている親友の顔を一瞬思い浮かべ、感傷に浸るのだった。
「俺は世界の王になる!さあ、俺について来な!お前らの欲望を俺が叶えてやるよ!ハハハハハ!」
世界征服を始めようとするかのように(実際その通りなのだが)、集まった海賊達に演説をするロックス。
その姿を傍らで見ていた響は呆れたように溜め息を吐いていた。
「世界の王って……流石にどうかと思うんだけど。それに、何の関係もない人達を巻き込むの?」
「ハハハハハ…!いいか、響。この世界に生きている時点で、関係ない奴なんざいねェのさ!誰しもが、何らかの関わりを持ってこの世に生きている!それに、この流れは!時代は!誰にも止められねェ!ハハハハハ!」
響の問い掛けに、笑いながら答えるロックス。
滅茶苦茶な論理だが、これがロックスという男。
夢という甘美な匂いを振り撒き、人々を魅了し闘争と悪意に駆り立てる非道にして外道。
『海の魔物』ロックス・D・ジーベック
懸賞金額25億6900万ベリー。
海賊という存在を体現するこの恐るべき人間に、響は今更ながらに恐れを抱いた。
ロックスを船長とするロックス海賊団。
ハチノスにて結成され、後に世界の禁忌に触れすぎたが為に歴史から抹消される運命を背負う恐るべき海賊団が、不思議な縁によって迷い込んだ一人の少女を乗せて船出するのであった。
徐々に離れていく海賊島ハチノス。
それを響は、ロックスの私室の一角にある窓から眺めていた。
「ハハハハハ…!浮かない顔だな、響。だが、もう運命の羅針盤は動いちまったんだ…!覚悟を決めな。でねェと………」
死んじまうぜ?
その姿を後ろで見ていたロックスが笑いながら、そう言って部屋を後にする。
部屋から出ていくロックスに対して振り返る事もなく、響はただ黙って拳を握り締めた。
本心で言うと、響にとって当然ながら今の生活は納得のいくものではない。
元の世界に帰りたいし、両親や友達に会いたい。
だが帰る方法が分からない以上、じたばたした所で何も変わらない。
だからこそ、ここで踏ん張らなきゃ女がすたる‼︎
「絶対に、絶対に元の世界に帰るから…!必ず帰ってパパとママに会って、そして、そして…………!」
「奏と………仲直りするんだ!」
かつての親友を思いながら、北条響は決意したのだった。
ロックス・D・ジーベック………ONE PIECE世界に迷い込んだ北条響を成り行きで勧誘したヤバい大海賊。世界の王を目指している。
ゴッドバレー事件でガープとロジャーに敗れるが、その時謎の空間に引き摺り込まれてスイプリ世界に転移。
その後、スイプリ本編のラスボスとの戦いに割り込む形で乱入し、世界を支配する事を響達スイートプリキュアに対して宣言。
真・頂上戦争を始めるんじゃないかな。
北条響………学校帰りに変な空間に引き摺り込まれて、気が付いたら異世界。しかもロックスというヤバい海賊に目を付けられて大変。なんだかんだで海賊団結成からゴッドバレー事件まで付き添う事になる。
最後は現実世界に帰れる。御都合主義で、多分。
帰ってきたら時間が1か月くらいしか進んでなくて戸惑う。
行方不明になってたのは間違いないので、皆から滅茶苦茶心配されてた。
何やかんやで本編時間軸に突入し、プリキュアになった後は覇気とかを使って戦うんじゃないかな。
プリキュアに変身すれば身体能力上がるから、ビッグマムの威国とかも見様見真似で使えるようになるかも。
ロックス海賊団の経験を経ても、善の心は失ってはいない。
ただし、ロックスの影響で敵に対して容赦をしなくなっている。
トリオザマイナー死ななければいいんだが。
南野奏………今回名前だけ登場した北条響の親友。過去にある事がきっかけで喧嘩状態になっている。未だ仲直りはしていない。
響が行方不明になった時は滅茶苦茶動揺した。
でも1か月後、再会できた時はガン泣きした。
再会した後、少し雰囲気が変わってる響に若干戸惑うも、その後何やかんやで本編時間軸に突入し響と一緒にプリキュアになる。
覇気とかを当たり前みたいに使ったり敵を容赦なくボコボコにする響に⁉︎ってなる。
白ひげ………ロックス海賊団のメンバー。後の四皇。スイプリ本編の中盤くらいに何故か現れる。理由は頂上戦争で死んだ後、気が付いたらスイプリ世界にいたみたいな感じ。北条響とはロックス時代に面識あり。
何やかんやでスイートプリキュアの味方につく事になる。
ノイズ(スイプリのラスボス)は死ぬ。
ビッグマム………ロックス海賊団のメンバー。後の四皇。スイプリ本編の中盤くらいに白ひげが現れた少し後くらいに現れる。
北条響とは面識あり。
理由はホールケーキアイランド編で、城が崩壊した時に落下中に謎の空間に引き摺り込まれてスイプリ世界に飛ばされたとかそんな感じ。
何やかんやで南野奏の作ったケーキの旨さに満足して、白ひげとスイートプリキュアの味方になる。
当然ノイズ(スイプリのラスボス)は死ぬ。
カイドウ………ロックス海賊団の見習い。後の四皇。スイプリ本編の中盤くらいに日課の自殺をしていたら謎の空間に引き摺り込まれてスイプリ世界に転移。
北条響とはロックス時代に面識あり。
何やかんやで白ひげとビッグマムと一緒にスイートプリキュアの味方になる。
理由はノイズとやらがどれだけ強いのか確かめる為。
勿論ノイズ(スイプリのラスボス)は死ぬ。