ヤバい大海賊に出会ってしまった北条響さんの話。   作:スクランブルエッグ 旧名 卵豆腐

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作者の妄想シリーズ第四弾


ヤバい海賊二人に囲まれる北条響さんと南野奏さんの話

メロディがビッグマムと激戦を繰り広げている頃。

リズムは、自分の家でありスイーツ店でもある『ラッキースプーン』へと辿り着き、全力でプチフールを作っていた。

幸い、今日は休業日だと言う事もあり厨房には誰もいない。

両親は出かけているようだし、大丈夫だろう。

リズムはプリキュアに変身している為、誰かに見られたりすれば面倒な事になりかねない。

変身を解こうにも、それをしてしまえば戦っているメロディの変身まで解けてしまう。

故に解こうにも解けないのだ。

とは言え、それは然程重要な問題ではない。

 

 

今、自分がやるべき事は一刻も早くプチフールを作り、あの巨大な女性と戦っているメロディの元へと持って行く事なのだから。

 

 

 

 

 

「よし!気合いのレシピ、見せてあげるわ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜30分後〜

 

 

 

「うん………完璧ね。これなら大丈夫!後はメロディの所へ持って行くだけ!」

 

良い感じに完成し、焼き上がった10個ほどのプチフールを見てリズムは納得しながらプチフールを箱に詰めていく。

箱に詰め終わり、持って行こうとラッキースプーンを出ると同時に轟音と振動がリズムを襲う。

 

「きゃっ⁉︎な、何今の………?それに今の音が聞こえた方角ってメロディが戦ってる海岸じゃ…!」

 

僅かな不安に駆られながら、リズムはメロディの元へと走るのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何………これ…?」

 

ようやくメロディが戦っている海岸に到着したリズム。

そんな彼女の目に入ってきたのは、咆哮のような叫び声を挙げながら戦う2人の姿。

 

 

 

 

 

 

「「オオアアアアアアッ‼︎」」

 

 

 

 

 

 

ドォン!という音を立てて、メロディとシャーロット・リンリンの拳がぶつかり合う。

その衝撃は凄まじく、ぶつかり合う度に砂煙が巻き起こり地を揺らす程。

殴り合いでは埒が開かないと悟ったのか、2人は距離を取るとリンリンは剣ーーーー『ナポレオン』を、メロディは警棒ーーーー『奏』を構える。

 

 

 

 

「「威国‼︎」」

 

 

 

 

不可視の大地を抉るような斬撃が同時に放たれる。

斬撃はぶつかり合い………メロディの方が押し負けた。

 

 

「ぐっ………う‼︎」

 

 

自分に向かって飛んでくる威国を、覇気を重ね掛けして纏わせた身体で受けとめるメロディ。

本来なら生身で受け切れるものでは無いが、メロディがプリキュアになっている事と、2人の威国がぶつかり合った事で威力が減退していたと言うのもあって、少し吹き飛ばされるだけで済んだ。

 

 

「まだまだ………‼︎」

 

「しつこい奴だね!おれの『威国』とお前の『威国』を一緒にするんじゃねェよ!打ち勝てるとでも思ったかい⁉︎」

 

 

リンリンが怒りの形相をしながらメロディへと歩み寄る。

 

 

「(さて、どうしようか…。『奏天』も『奏』を使っての攻撃じゃ威力不足だったし。『鎚』があればリンリンにも効いたんだろうけど、『向こう』に置いてきちゃったからなあ。その耐久力は反則だって!)」

 

内心で愚痴を漏らして笑いながら、迫りくるリンリンを見つめるメロディ。

その顔は、追い詰められながらも余裕があるように見えた。

 

 

「無いものねだりをしても仕方ないか!さあ、第二ラウンドと行こうじゃないの!」

 

そう言って、メロディはベルティエと『奏』を構えて体勢を取り直す。

 

「ママママ…!いい度胸だ!捻り潰して「そ、そこまでよ!」………あ?」

 

 

彼方から掛けられた声に、リンリンの動きが止まる。

その向けられた視線の先を見ると、そこにはラッキースプーンの箱を手にしたリズムが立っていた。

 

 

「リズム………!持って来てくれたんだ!」

 

メロディが喜色を顔に浮かばせながら、リズムを見て喝采を挙げる。

 

 

「待たせてごめんなさい!ほら、プチフールよ!受け取ってーーーー‼︎」

 

 

 

「プチフ〜ル‼︎」

 

 

 

プチフールの匂いを感じ取ったリンリンが、その巨体を震わせながら一気に駆け出す。

腕を振り、地響きを立てながら迫りくるリンリンにリズムは身構えると、プチフールの入った箱をリンリンの口目掛けて投げ飛ばした。

勢いよく飛んで行くプチフールの箱は見事にリンリンの口に収まり、そしてーーーーーーーー。

 

 

 

 

 

 

「おいし〜〜〜〜い‼︎」

 

 

 

 

 

 

ビッグマム『シャーロット・リンリン』の食いわずらいは、終息を迎えるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「良かった………。リンリンの発作が止まって」

 

大人しくなったリンリンの姿に胸を撫で下ろし変身を解く響と奏。

当のリンリンは余程満足したのか、そのまま寝てしまったようだ。

 

「響ー!今そっちに行くからー!」

 

「あはは…ありがとう奏!助かっ………奏っ、後ろ!」

 

「え?」

 

 

響が血相を変えて自分の方へ駆け寄ってくる奏に向かって叫ぶ。

その声にただならぬ雰囲気を感じ取った奏が振り返ると、其処には自身に向かって拳を振り下ろそうとするネガトーンの姿があった。

 

 

「あ………」

 

 

咄嗟の事に、奏は呆然となってしまう。

 

 

 

リンリンに振り回されて気絶していたネガトーン。

彼はメロディとリンリンの戦いが終わるのを見計らい、戦いが終わって油断した所を襲う腹積りだった。

漁夫の利を狙う姑息な方法かも知れないが、結果としてプリキュアの片割れの少女を仕留める事が出来る。

 

 

「しまった…!奏、頭を下げて!」

 

 

響は奏に向かって叫ぶと、警棒『奏』をネガトーンに向かって投げ飛ばす。

武装色で硬化された『奏』は綺麗な放物線を描きながら飛んで行き、見事にネガトーンのど真ん中へと命中する。

 

 

「ネガッ⁉︎」

 

 

ぶつけられた衝撃でもんどり打って倒れるネガトーン。

しかし、尚も立ち上がろうとして………突然横から迫ってきた地震のような衝撃波を食らって海へと吹き飛ばされた。

 

 

 

 

「グララララ………!久しぶりだな、響!何十年振りだァ?」

 

 

 

 

特徴的な笑い声。

それを聞いた響は2回目の驚きを持って、声の主の方を見る。

 

 

 

「ニューゲート………⁉︎」

 

 

 

其処には、かつてのロックス時代の仲間であり、ロックスを除けば最強と言わしめた仁義を重んじる最強の男………『白ひげ』エドワード・ニューゲートが佇んでいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白ひげの助力もあり、再変身してネガトーンを浄化した響と奏。

響は久しぶりに再会した白ひげに声を掛け、奏は新たに現れた謎の大男の滲み出る強者の威圧感に押されてしまっていた。

 

「ニューゲート!久しぶりー………って言いたいけど、何だかリンリンと一緒で随分歳を取ってる風に見えるね」

 

「開口一番の台詞がそれか。そう言うお前は何で姿形が変わっちゃいねェんだ?お前が食った悪魔の実にそんな力は無かっただろう?」

 

訝しげな顔つきで響に問いかける白ひげに、響も腕を組む仕草をしながら答えた。

 

「うーん………私もこっちに帰って来てから色々考えてたんだけど、どうもこの世界とあの世界じゃ時間の流れが違うみたいなんだよね。………所で、ニューゲート。その威圧感何とかならないの?奏が怖がってるじゃない」

 

奏が白ひげの威圧感に押されているのを見た響が咎めるように言う。

 

「な、何言ってるの響。怖がってなんか無いって、アハハハ………」

 

「んな事言われてもなァ…。覇気は使ってねェし、そもそも怖がらせる気はねェぞ」

 

奏は作り笑いを浮かべながら否定し、白ひげは若干困惑した風に溜め息を吐いた。

 

「まあいいや。それはともかく、何でニューゲートが此処にいるの?」

 

「俺が知りたいくらいだ。マリンフォードで、海軍と息子とは呼べねェバカ相手に戦って死んだ筈だが、気付いたらこの世界で倒れてた。其処を偶々、音吉って奴に拾われて今は『調べの館』って場所にいる」

 

 

響の疑問に答える白ひげ。

しかし、響にとって『白ひげ』が死んだという事実が信じられなかったのか、目を丸くして問いかける。

 

 

「え、ちょっと待って。貴方死んだの?何でマリンフォードで?彼処って海軍の本部でしょ?戦争仕掛けに行くなんて、まるでロックスみたいじゃない」

 

「その名前、久々に聞いたなァ。奴と一緒にするんじゃねェよ。そういうので殴り込みに行った訳じゃねェんだ」

 

 

ロックスと同じ括りにされたのが嫌だったのか、白ひげは露骨に顔を歪めた。

確かに、白ひげは海軍相手に積極的に喧嘩を売りに行くような男ではない。

寧ろ、ロックス時代を含めて珍しく穏健派な海賊である。

そんな彼をそうさせてしまうだけの何かがあったのだろう。

響はそう結論付けると、それ以上は聞かない事にした。

 

 

「それもそうだね。悔いはなかったの?」

 

「無ェな。『向こう』でやるべき事は、伝えるべき事は全部伝えてやってきた。後はアイツらが新たな時代を作り、成し遂げて行くだけさ………グララララ…!」

 

「その様子じゃ、『夢』は叶えられたんだね。良かったじゃない」

 

 

白ひげらしい答えに、響は満足そうな顔をして微笑む。

 

 

「そう言うお前はどうなんだ。やりてェ事は見つかったのか?」

 

「まだ………かな。自分探し中っていった所。それも含めて、話は取り敢えず明日にしない?立ち話もアレだからさ」

 

「構わねェ。それより、リンリンはどうすんだ?」

 

そう言って、白ひげは地面に横たわり寝ているリンリンを指差しながら、面倒臭そうな顔をする。

 

「そうだねー…私の家は無理だし、奏も当然駄目だし。消去法で、ここはニューゲートが責任を持って『調べの館』に連れ帰ってよ」

 

「あァ⁉︎お断りだァ!リンリンなんて面倒事、背負い込みたくねェぞ!大体、音吉にどう説明すりゃいいんだァ!」

 

「いいじゃない、同じ元ロックス仲間なんだしさ!昔、立ち寄った島で持ち合わせがなかった貴方にお酒飲むお金貸してあげたでしょ?そのお返しって事で‼︎そんじゃ、後は任せたから!奏、帰ろう!バイバーイ‼︎」

 

「え、ちょ響ぃ⁉︎置いてかないでよ‼︎」

 

 

白ひげの全力の抗議を、とても良い笑顔でスルーしながら走り去っていく響。

それを追う奏。

その姿を見送って居た白ひげは、思わず地面を殴り付けながら「ふざけんじゃねェぞ、響ィ!このアホンダラァ‼︎」と叫ぶのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜翌日〜

 

加音町でも美味しいと評判のスイーツ店『ラッキースプーン』。

看板商品のカップケーキを始めとする様々な種類のスイーツを売りにしているその店は毎日人が絶えない。

 

しかし、今日この日だけは違っていた。

本来なら賑わう筈の店内は静まり返り、テイクアウトで買いに来た客もそそくさと帰っていく。

 

 

それは何故か?ラッキースプーンでケーキを食べている3人が原因であるからだ。

 

 

 

 

 

「ハ〜ハハハママママ!とっても甘くて美味しいケーキだねェ!もっと持って来な!」

 

 

 

 

ラッキースプーンの屋外テラスで、机の上に並べられたカップケーキを貪るように食べる巨大な老婆。

 

 

 

 

 

『ビッグマム』シャーロット・リンリン

 

 

 

懸賞金額43億8800万ベリー

 

 

 

 

 

「相変わらずの菓子狂いだな。見てるだけで胸焼けになりそうだ」

 

 

 

 

 

 

 

『白ひげ』エドワード・ニューゲート

 

 

 

 

懸賞金額50億4600万ベリー

 

 

 

 

 

「『食いわずらい』の事も綺麗さっぱり忘れてるし。まあ、リンリンらしいっちゃらしいんだけどさ」

 

 

 

 

 

 

ロックス海賊団・元船員(クルー)

 

 

『音奏』北条響

 

 

 

懸賞金額26億1190万ベリー

 

 

 

ロックス時代の頃から何も変わっていない(強いて言えば容姿ぐらいか)リンリンの姿に、白ひげと響は思わず溜め息を吐く。

 

 

「ん〜?何か言ったかい、お前達?」

 

「「いいや、何も」」

 

「ならいいさ。ハ〜ハハハママママ‼︎」

 

 

 

一方、ラッキースプーンの厨房は戦場と化していた。

 

 

 

「姉ちゃん、カップケーキの追加注文だよ!プラス100個だって‼︎あのデカイ婆さん、どれだけ食べるんだよ⁉︎」

 

「こら、奏太!お客さん相手にそんな言い方しないの!聞こえたらどうするのよ!」

 

「だって、しょーがねぇじゃん!どう見てもアレはおかしいって!人間が食べる量じゃないよ!」

 

南野奏の弟である奏太は、リンリンの食べっぷりに思わず呆れを交えた愚痴を漏らす。

奏はそんな奏太を軽く叱りながらも、奏太同様リンリンの口に入っていくケーキの量を見てドン引きしていた。

 

「奏ー!こっちのケーキは出来上がったぞー!持って行ってくれ!」

 

「こっちも準備OKよー!」

 

奥でケーキを作っている奏の両親が出来上がった数え切れない程のカップケーキが乗った盆を渡してくる。

奏はそれを受け取ると、今もケーキを食べ続けるリンリンに急いで運んで行くのであった。

 

 

 

 

 

 

「それにしても、中々異様な光景だよこれ。私が言うのも何だけどね」

 

カップケーキが山と積まれた机を囲み、大男と大女と少女が談笑している。

確かに、これ程珍妙な景色は中々お目にかかれないだろう。

 

「そう言えば昨日の事何だけどさ。結局2人とも『調べの館』で住んでるの?」

 

「まあな。昨日リンリンを連れて帰ったら、流石の音吉も『どうしたもんかのう…』って頭を悩ませてたぞ」

 

「そりゃそうだろうねアハハハハハ!」

 

ケラケラと笑う響。

それに対して、白ひげは眉間に皺を寄せながら溜め息を吐く。

 

「笑い事じゃねェんだぞ、ったく。そもそも、昨日お前が無茶振りして来たんだろうがァ!」

 

白ひげの抗議に、ごめんごめんと謝る響。

 

 

「リンリンとニューゲートも来てるなら、シキとかカイドウも来るのかな?あの2人も来れば、ちょっとした同窓会出来そうじゃない?」

 

「笑えねェ冗談は寄せ。あの時みたいな集まりはもう懲り懲りだ」

 

「マ〜ハハハハ!面白いじゃないか!もし全員集まったらお茶会をしよう!『地獄のお茶会』をねェ!」

 

 

響の半分冗談のような提案に白ひげは嫌そうな顔をして、リンリンは何やら不穏なワードを出して豪快に笑う。

そんな会話をしていると、奏が大量に積み上げられたカップケーキをお盆の上に乗せて持って来た。

 

「お、お待たせしました。カップケーキ100人前です(お、重い…!)」

 

「ハ〜ハハハママママ‼︎このケーキ達も美味しそうだねェ!おれは最高の気分だよ。気に入った!お前の名前を教えな!」

 

すっかり気を良くしたリンリンが奏に名前を聞く。

リンリンの鋭い眼光と巨体から滲み出る風格に、少し瞬ぎながらも奏は答えた。

 

「わ、私の名前は南野奏です!」

 

「ん〜?その名前どっかで聞いた事があるね…!たしか、響がよくケーキの話題になる度に名前を挙げてた娘だね!成る程、お前が奏か………ママママ!」

 

 

ニヤリ、と笑うとリンリンは驚きの二の句を放つ。

 

 

 

「奏ェ…お前、ビッグマム海賊団(ウチ)に来いよ!これからは、おれの為だけにカップケーキを作りな!何、タダでとは言わねェ!おれの息子を旦那にやろうじゃないか!そろそろカタクリにも身を固めさせなきゃなんねェと思ってた所だし、丁度良いだろう!お前は見た目も良いし、アイツも嫌とは言わねェだろうさ!ハ〜ハハハママママ‼︎」

 

 

「え、ええええええええええええええええええっ⁉︎」

 

 

リンリンの予想だにしない言葉に、奏は思わず絶叫した。

 

「ちょっと、リンリン。奏には王子先輩っていう意中の人がいるんだからやめなよ」

 

「ママママ!こいつはおれと奏の間の話なんだ。部外者のお前が口を挟むんじゃねェよ」

 

響か奏を庇うが、リンリンはお前には関係ないだろうと一蹴する。

そして、奏を見下ろしながら更に問い掛けた。

 

 

「当然、この話は受けるよなァ………!答えを聞かせて貰おうか!」

 

「………!」

 

言外に断るという選択肢は無いという事を態度で示すリンリン。

リンリンから発せられる重圧に呑まれそうになる奏。

すると、突然横から伸びて来た手が奏の手を握る。

伸ばして来た手の主は響だった。

落ち着いて、大丈夫だからという風に響は奏を見つめる。

 

「(響………)」

 

ありがとう、と奏は心の中で呟きリンリンの顔をしっかりと見据えた。

 

「ごめんなさい。お気持ちは嬉しいですけど、お断りします」

 

「ヘェ………?おれの頼みを断ろうってのかい?いい度胸だ、ママママ…!」

 

リンリンの目が剣呑さを帯び、先程まで笑顔でお菓子を食べていた老婆から、四皇・ビッグマムの顔付きへと変わる。

並の人間なら恐怖に駆られるそれを、奏は耐え凌いで見せた。

 

 

「おい、リンリン。その辺にしときな。海賊として、ここで何か仕出かそうってんなら………俺も海賊『白ひげ』として接するぞ」

 

 

奏とリンリンのやり取りを黙って静観していた白ひげが、そう言ってリンリンを牽制する。

 

「マ〜マママハハハ………まァ構わねェさ。本来なら許しはしねェが、このおれに盾つくだけの度胸と、お前が響の友人だという事と、カップケーキの旨さの3つに免じて今回だけは手を引いてやるよ」

 

 

奏は知る由もないが、シャーロット・リンリンという海賊は面子にも拘る事で有名だ。

自分の誘いを断る者には、四皇の顔に泥を塗り恥をかかせたとして、身内の誰かを殺して首を送りつける等といった恐るべき報復を強いる。

今回は白ひげと響という2人が居た故に、奏が難を逃れたというのは間違いない。

 

 

「それと白ひげ!テメェも、いつまでも最強気取ってんじゃねェぞ?『あの頃』とは違うんだからなァ………!」

 

「文句があるならいつでも来い。俺ァ、『白ひげ』だ………‼︎」

 

 

殺気を交えたリンリンの凄みも、白ひげはどこ吹く風とばかりに受け流す。

ピリピリとした空気が立ち込める中、響は白ひげとリンリンの間に割って入る。

 

「はいはい、もうそこまで!今日は折角ケーキを食べに来たんだから、それを楽しまないと。奏も一緒に食べよう?」

 

「う、うん。じゃあ、響の隣に座るわね?」

 

響に促され、奏はその隣に座る。

ぶっちゃけた話、響の隣以外は圧がヤバいので座るのが怖いというのが奏の本音だった。

 

 

「そういや昨日は聞きそびれたが、あの妙な格好といい、変な生き物といい何だったんだァ?」

 

白ひげが思い出したように響へと問い掛ける。

十中八九プリキュアの事だろうなと察した響は、近くで様子を伺っているハミィとフェアリートーン達を呼び集め、隠す事なく全てを話す事にした。

 

 

因みにリンリンは、ハミィとフェアリートーンを見て「人の言葉を話す白猫と妖精?珍しいねェ!この場にモンドールがいたら、本に入れて飾ってやったのに。残念だよ、ハ〜ハハハママママ!」と笑っていた。

 

 

ハミィとフェアリートーン達は、その台詞を聞いた時、若干悪寒が走ったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響達がラッキースプーンで談笑?している頃。

 

 

マイナーランドの歌姫であるセイレーンは、何となくやる気なさげな様子で公園に設置されているベンチに座り込んでいた。

 

「ハァ…ここ最近、ロクな目にしか会わないわね。それもこれも、あのキュアメロディの所為よ!音符集めだって捗らないし、どうにかしてプリキュア共をギャフンと言わせる方法はないものかしら………」

 

愚痴を呟いていると、急に自分の前に影が射す。

誰かしら?と思いながら顔を上げると、其処にはつい最近急に現れ、自分達に協力している男が佇んでいた。

 

 

「フン、何だアンタか。マイナーランドに居たんじゃなかったの?」

 

 

「何だとは酷ェ言い草だな。あんな陰気臭い場所に居るのも退屈だから、こっちに来てやったのさ。それに、そろそろ俺の手助けが必要なんじゃねェのか?ここは一つ、俺の策に乗ってみるのはどうだ?」

 

 

 

葉巻を口に咥え、野心溢れる瞳を携えた男………『金獅子のシキ』はそう言ってジハハハハ!と笑うのだった。

 

 

 

 

 

 

 




北条響………『食いわずらい』のリンリンと激闘。奏の助力もあり、リンリンを止める事に成功する。『威国』の打ち合いでは分が悪かったのか、押し負けてしまった。前話で使用した『奏天』もあまり効いてはなかった模様。台詞から察するに、技を使うのに必要な『鎚』と呼ばれる何かが足りない模様。多分後半くらいに登場予定。
懸賞金額はゴッドバレー事件後の額。
ゴッドバレー直前では11億と少しくらいだった。
懸賞金が上がった理由としては、海賊団結成時からロックスと行動を共にしていたという事と、ロックスの楽しい遺跡巡りに付き合わされた事で世界政府から「禁忌に触れすぎだよ、お前」と判定されて爆上がりしました。
事件後は、ゴッドバレー島の4分の一を能力で消し飛ばした所為で更に額が激増。
因みに、ロックスを含む白ひげやリンリン達も、ゴッドバレー時点で懸賞金額は響よりも高くなってます。
取り敢えずマイナーランドは頑張れ。
作者ですら、どうやったらこんな超強化響ちゃんを苦戦させられる描写が描けるのか悩んでるんだからさ。

南野奏………今回の被害者枠その1。
食いわずらいを止める為にプチフールを作ったり、リンリンに『息子やるからウチに来いよ!断るなら死刑な!(意訳)』と恐怖の宣告を受けるなど気苦労が絶えない。響に勇気付けられ、リンリンの要求を跳ねつけた。よく頑張った。それでこそプリキュアだ。
また、リンリンとメロディの戦いを見て『ひょっとして自分は足手纏いになっているのでは…?』と少し悩んでいる。

ラッキースプーン………南野奏の実家。カップケーキ店。後に四皇達の溜まり場になる。被害者枠その2。

ビッグマム………世界最強のババア。食いわずらいの事はすっかり忘れている様子。原作見る限り四皇で1番頭がヤバいのは、カイドウよりもコイツじゃないのかと作者は思ってる。
今回は奏に要求という名の脅しを掛けるが、断られて失敗に終わる。
イラッとしたが、白ひげと響を敵に回すのは面倒だと思い、今回は手を引いた。
奏には、さり気なく覇王色の覇気を浴びせていたが耐えきった事に内心ほんのちょっぴり感心している。
カップケーキは美味かった。
ラッキースプーンでリンリンが食べた分の会計は音吉さんに請求が行く。

泣くなよ、音吉さん。


白ひげ………世界最強の男。頂上戦争で死ぬが、気がついたらスイプリ世界にいた。『調べの館』で倒れていた所を音吉さんに拾われて、今は其処で住んでいる。
初めてアコちゃんと出会った際は、少し怖がられたので割と傷ついた。


金獅子のシキ………変眉。終わり。
「おい、作者ァ!テメェ、ふざけんな‼︎」






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