前回の続きになります。
それではどうぞ。
目的地のゲレンデに着いた一行。
「ついたー!」
「すっご~い! 見て見て、周りが真っ白!」
「めっっちゃきれいだねー!」
「うわあ……ジブン、雪なんて本当に久しぶりに見ました」
周りは一面真っ白な雪。正直この景色だけでも楽しめそうである。
「……地味に寒い」
「確かに……ちょっと空気は冷たいけど」
ポツリと呟く悠里に確かにそうですねと言う美咲。
「ねえねえ! 早く雪遊び広場に行こうよ!」
「あこちゃんは元気だねぇ……じゃあ行こうっか……って、あれ? 汐里は?」
キョロキョロと見渡しながら、いつの間にかいなくなってる双子の弟を捜す悠里。
「悠里、汐里ならあそこにいるっすよ?」
「?」
月灯に言われた方を向くと、そこには鶏の着ぐるみを着た汐里が居座っていた。
「……何してんの汐里」
「わっ!? 見つかった!? えっとね、ゲレンデに鶏が居たら誰も気付かないと思ったから本当か試してたんだー」
「…というか、その着ぐるみ持って来てたんだね……」
「そもそもゲレンデに鶏が居たら、シュールっす……」
「ぷっ、あははははっ! 汐里くん何その格好! 面白ーい♪」
溜息を吐く悠里と月灯に対して、日菜だけはお腹を抱えながら大笑い。
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「ここが雪遊び広場ですか……あ、道具も色々貸してもらえるんですね」
「結構ちゃんとしてますね。スコップにバケツに……一通り揃っているんだ」
雪遊び広場に着いた一行。
借りれる道具も一通り揃っていた。
「雪だるま作るんだよねっ! どんなのにするっ?」
「すごいヤツにしない? 自動で動くヤツとか!」
「じゃあ二足歩行で歩く雪だるまとか!」
あこがどんな雪だるまを作るか一同に訊くと、日菜と汐里がとんでもない事を言い出した。
「それはいくらなんでも無茶ですよ……」
「あ、じゃあミッシェルは!? ミッシェル作りたい!」
「ちょっと現実的になったけど……それでも難しくない?」
先程のとは別に、はぐみが現実的な案を出すが、それでもちょっと難しくないかと美咲は言うと……
「いえ、できるかもしれません。ミッシェルさんって丸みを帯びたパーツが多いので、雪だるまに向いていると思いますし……」
「え、そうなんですか?」
意外にも、麻弥ができるかもしれないと言った。
「あの悠里、ミッシェルってなんすか?」
「ちょっと待ってて。はい、これがミッシェル……」
ミッシェルを知らない月灯に、悠里はスマホでミッシェルの写真を彼に見せる。
「あー……なるほどなるほど。確かにこれなら、いくつかのパーツに分けて作れば確実に作れるっすよ」
写真を見て、頷きながら麻弥と同じく作れると言った月灯。
「やってみようよ~っ! つっきー先輩、はぐみは何をすればいいのー?」
「はぐみちゃんは、あこちゃんと一緒に大きな雪玉とそれより小さい雪玉を作ってほしいっす。胴体と頭の部分っすね」
「「はーい!」」
元気な返事をしながら、月灯に言われた通りに作り始めるはぐみとあこ。
「麻弥ちゃーん、あたしはー?」
「日菜さんはバケツと水を使って円柱をお願いしますー。それを腕にしましょう!」
「腕かー……爪とかあったっけ?」
そう聞かれたので、細かい装飾とかは後でも大丈夫ですからと苦笑い気味に日菜に言う麻弥。
「ま、とりあえずやってみよっかな!」
とりあえず日菜も作る事にした。
「……片瀬さんと大和さん、すごいですね。あの3人にこんなに的確な指示を出せるなんて」
「ええ!? ジブンは特別な事は何も……」
「そんなに凄いっすかね?」
そう言う2人に、あたしから見たら凄いですよと美咲は言った。
「あ、それであたしは何をしたらいいんですか?」
「奥沢さんは、ミッシェルさんの造形に詳しいと思いますから、装飾とかをやってもらえると嬉しいです」
「え……いや、すみません。あたし、ミッシェルの外見とかそこまで細かく知ってるわけじゃないんですよね」
なにせ、いつも中から見てるんでと美咲が答える。
「うーん、一番は実物があるといいんすけどね……」
「奥沢様、こちらを」
「「「え?」」」
月灯が呟くと、黒服の女性達が現れた。
突然の事に驚く3人。
「こ、これって……!」
「ミッシェルだ……しかもちょっと冬っぽい服着てる」
黒服の女性達が持って来たのは、冬っぽい服を着たミッシェルだった。
「お嬢様が、ミッシェルと雪遊びをしたいとご所望でしたので、その時の為に作成致しました。耐寒、耐水仕様のプロトタイプですので、そのテストを奥沢様にお願いできればと」
「……あ、はい。分かりました」
「ご理解早く、助かります」
そう言うと、黒服達はどこかに行ってしまった。
「……じゃあ、ちょっと着替えてきますね片瀬さん、大和さん」
「あ……はい、なんだか突然で驚きましたけど、全然動じないんですね奥沢さん……凄いです」
「美咲ちゃん、こういうのに慣れちゃったんすか?」
「はい、なんかもう慣れました。それもどうなのかなって思いますけど」
そして着替えに行く美咲であった。
「つっきー先ー輩! 麻弥さーん! 雪玉できたよー!」
そして入れ替わる形で、はぐみとあこが月灯と麻弥の方に来た。
「あ、それではその大きい方に小さい方の雪玉を乗っけて、境目を雪で埋めましょう!」
「お、重たくて無理だよ~」
そう答えるあこに麻弥と月灯も手伝う事に。
「麻弥ちゃーん、腕できたー! これでいーい?」
「ああ、はい! そのままくっつけて雪で固定しましょう!」
ちょうどそこに日菜もやってきて、そのまま固定しようと言った。
「おっけー! うりゃあー!」
作った雪を思い切り投げる日菜。
「うわっ! ミッシェルっぽい形になってきた! すっごいすっごーい!!!」
「でも、顔とかはどうするの?」
「どうもー」
あこがそう言うと、ミッシェル(美咲)がやって来た。
「わあーっ!! ミッシェルだー!!!」
「なんでここにミッシェルがいるのっ!?」
「ミッシェルの雪だるまを作ってくれてるって聞いたから、手伝いに来たんだよー」
そう答えるミッシェル。
「それじゃあ日菜さん、このミッシェルさんを見ながら、目や装飾を作っていきましょうか」
「あーそれだったら、汐里にも手伝ってもらった方がいいっすね。汐里ー、ちょっといいっすかー?」
「んー? なあにー?」
月灯に呼ばれ、やって来た汐里。
……先程の鶏の着ぐるみは既に脱いでおり、マフラーに私服という状態だった。
それだけで寒くないのだろうかと美咲は内心思った。
「という訳っすよ。頼めるっすか?」
「うん、いいよー♪」
汐里はそう答えると、ミッシェルを数秒見た後、日菜に話しかけ……
「えっと……目はこんな感じでー……♪」
「帽子はこうでー……服はこう♪」
「(はやっ! っていうかうまっ! 汐里さんと日菜さんって何者!?)」
もの凄い速さで工程を仕上げる汐里と日菜。それを見て驚く美咲。
「「できたー♪」」
「おおっ! ミッシェルが2人いるみたいだよ~!」
はぐみの言葉に美咲は、この2人、実は凄いんじゃ……と思っていた。
「自撮りしてりんりんに送っていい!?」
「あっ! それなら、みんなで撮ろうよっ!」
「それなら悠里も呼んだ方がいいっすね。汐里、悠里はどこっすか?」
「んー? おにーちゃん? おにーちゃんなら、あそこで雪だるまを作ってるよ」
汐里が指を差した方を一同が見ると……
「……」
一心不乱になりながら、猫と犬の雪だるまを作っている悠里が居た。
「悠里、なんすかそれ?」
「…愛猫のメルと愛犬のメラル。可愛いでしょ?」
「知ってたっすけど……逆にリアル過ぎて怖いっす……」
真顔で答える悠里に苦笑い気味に言う月灯。
壊すのもなんなので、とりあえずミッシェルの雪だるまの両脇に置き、そのままみんなで写真を撮る。
「(なんだろ、この……カオスな写真。ミッシェルの雪だるまに水無月先輩の愛猫と愛犬のリアル過ぎ雪だるま……別の意味で怖っ!)」
写真を撮り終わった後、美咲はそう思うのであった……
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