前回の続きになります。
サブタイもちょっと変えてみました。
それではどうぞ。
「うう……スキーは難しいですね……足元が安定しなくて……ぬわああ~! 両足の板が離れて……!」
上手く滑れるように練習する麻弥。
しかしまたこけてしまい、なかなか上手くいかず苦戦していた。
「はぁ……」
「…………あの、麻弥さん!」
「はい?」
溜息を吐いてると、はぐみが声をかけてきた。
「こう……グッとしてみて!」
「グッ……?」
「えっとえっと……こう、腰を下げて膝を曲げて……グッ……」
「……? あ! 重心を下げるって事でしょうか」
ここで麻弥、はぐみの言いたい事がなんとなく分かり訊き返す。
「うん! たぶんそう!」
「なるほど……やってみます。……おお、ちょっと安定しました!」
試しにやってみると、さっきまで不安定だったのが、ちょっとだけ安定した。
「おーわわわわ!! でも、今度は勝手に滑って行っちゃいます!」
「止まる時は、膝をこうやってギューってするといいよ!」
膝を内側に向けてギューって感じでと伝えるはぐみ。
「ギュー……おおお! 止まりましたよ、北沢さん!」
するとどうだろうか?
止まるのにも苦労してた麻弥だが、自然と止まったのだ。
「凄い凄い! まやさん、滑れてるよ!」
「ほんとだ。自然な感じで止まれてたよね? つっきー」
「そっすね~、はぐみちゃんが一生懸命、麻弥ちゃんに教えようとしてるのが伝わるっす」
滑れてる麻弥を見て、あこ、悠里、月灯がそれぞれ言う。
「はぐみが……ちゃんと言葉でスキーの滑り方を伝えようとしてる……」
その光景を見て、美咲はかなり驚いていた。
「北沢さん、曲がる時はどうしたらいいんでしょうか!!」
「足元じゃなくて、前を見るといいんだよ!」
「前!?」
「前! えっと……うーんと……」
曲がる時はどうすればいいかを聞かれ、前を見るといいと言うはぐみ。
しかしどう言えば麻弥に伝わるか困ってるはぐみを見て……
「麻弥ちゃん、自分の進む先を見ればいいんす。はぐみちゃんが言いたい事はそれだと思うんで」
「あ、はい。分かりました。やってみます!」
月灯が分かりやすく助け舟を出した。
なるほど、そういう事かと納得した麻弥が教えてもらった通りに進み先を見ながらやってみると……
「凄い……曲がれてる」
美咲がそう言った。
「なるほど……進む先を見ておくと、体がその方向を向くから、結果的に曲がっていくって事なんですね」
「そういう事っす。だからスキーで曲がる時の教え方は、はぐみちゃんの例えが初心者でも分かりやすい例えなんすよ。これ以上の分かりやすい例えはないと思うっす」
「確かに……冷静になって考えたらそうですね」
言われてみれば……と思う麻弥。
理論的な説明をされるより、今みたいに、はぐみの例えが分かりやすい気がした。
いい感じに麻弥が滑れたところで、一行はリフトがある下まで滑って行く事になった……
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「「麻弥ちゃーん、こっちこっち!」」
「は、はいー!」
汐里と日菜がいる場所を目指して滑る麻弥。
「ギューってするんだけど、体はゆるーっとリラックス!」
「無理に力を入れないで、脱力する感じっす」
「ゆる~……」
「そうそうっ! いい感じ!」
「麻弥ちゃん、呑み込みが早いっすね」
麻弥の横で、はぐみと月灯が教えながら。
さっきとは打って変わって、確実に上達していた……
「はい、ゴールっ!」
「麻弥ちゃん、お疲れ様っす!」
「ふぅ~~~」
無事にみんながいるところまでゴールできた麻弥。
「お疲れ様! おめでとう、まやさん!」
「お疲れ様」
「大和さん、後半はほとんど転ばずに滑れてましたよ」
あこ、悠里、美咲が麻弥に労いの言葉をかける。
「はい! 北沢さんと月灯さんのお陰です!」
「はぐみは何もしてないよ!」
「いやいや、ジブンは何もしてないっすよ」
はぐみと月灯は揃って、麻弥が自分で滑ったんだと言った。
「いえ、北沢さんと月灯さんが丁寧に教えてくれたお陰で、滑り方が分かったんです。本当にありがとうございます!」
「それ、本当……!? えへ、ちゃんと伝わってよかった!」
「……」
その言葉を聞いて、喜ぶはぐみ。月灯も微笑んでいた。
「麻弥ちゃん、どうする? この調子で、もう一滑りする?」
「ジブンは、今のコースを転ばずに滑りたいです!」
「おお、麻弥さんやる気だねっ!」
「はい! 今日はとことん滑りますよ~!」
日菜の言葉に自信が少しついたのか、やる気な麻弥。
「あこもあこも!」
「じゃあ次は競争でもする? 負けた人は、罰ゲームね!」
「わー♪ なんかそれおもしろそー♪」
唐突に罰ゲームを提案した日菜。それを聞いて汐里はノリノリである。
「日菜ちゃん、自分が負けた時の事を考えてないな……」
「あー、確かにそれは有り得ますね……」
悠里の言葉を聞いて、そうですねと頷く美咲。
「麻弥ちゃん、なんか今から競争をやる流れみたいっすけど……」
「ええっ! 競争はまだ無理ですよ~」
慌てた表情をする麻弥を見て……
「大丈夫っすよ。いざとなったらジブンが代わりに罰ゲームを受けるんで。麻弥ちゃんみたいな
「っ!? か、か、か、可愛い!?」
苦笑いしながら月灯はそう言った。
突然、可愛いと言われて顔を真っ赤にする麻弥。
「? なんか顔が赤いっすけど、大丈夫っすか?」
「い、いえ、気のせいです! 気のせいですよ!?」
「麻弥ちゃん、ちょっと失礼するっす……」
「へ?」
そう言うと、月灯は麻弥のおでこに片方の手を当て、もう片方の手を自分のおでこに手を当てる。
「うーん、熱はないみたいっすね……って、麻弥ちゃん?」
「……」
「おーい、麻弥ちゃんー? 聞こえるっすか?」
「きゅ~……」
「麻弥ちゃん!?」
反応がなかったと思ったら、突然ゆっくりと倒れだした麻弥。
「大変っす! 麻弥ちゃんが倒れちゃったっす!?」
「え、ちょっ、大和さん!?」
「わわわ、麻弥さん!?」
「うわっ!? まやさんがなんだか分からないけど、う、嬉しそう……?な表情しながら気絶してる! なんで!?」
あこの言う通り、何故か嬉しそうにも見えなくもない表情をしながら気絶している麻弥が居た。
「うわー……麻弥ちゃん、あたしでも見た事ない表情をしてる……」
「日菜ちゃん見てー、麻弥ちゃんを中心に雪が溶けてるよー?」
日菜と汐里が気絶している麻弥を見て言う。
「…つっきー、麻弥ちゃんが起きるまで介抱してあげなよ?」
「……はいっす」
親友にそう言ったのはいいが、寧ろ悪化させるだけなのでは?と一瞬考えた悠里だったが、その時はフォローしとくかと思うのであった。
読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。