ヘパイスに転生してTSアフロディと仲良くなった   作:あっかーまん

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もうすこし書き溜めてます
今回はカオルと戒が中心です。


準決勝目前

天ノ使FCは2回戦でエリュシオンSCを破り、勢いそのままに3回戦へと進んだ。

次なる相手は「ブルーオーシャンズ」。その名の通り、流れるようなパスワークと統率されたチームプレーが特徴のチームだった。

 

試合は序盤からブルーオーシャンズのペースで進み、天ノ使FCは何度もゴールを脅かされた。

 

しかし、中盤で愛音が巧妙なインターセプトを決め、そこから箕田が相手ディフェンスを振り切って先制点を挙げる。後半に入るとカオルが得意のスピードを活かして追加点を決め、最終的には2-0で勝利。

 

4回戦では、「ドラゴンズネスト」というチームとの対戦となった。

こちらは強力なフィジカルを武器に、相手選手を圧倒するタフなチームだ。天ノ使FCは序盤こそ苦戦したものの、青蓮が空中戦で圧倒的な強さを見せ、DFラインを安定させる。

 

終盤にはカオルの「ディバインアロー」が炸裂し、3-1で勝利を収めた。

 

こうして、天ノ使FCは見事にベスト4入りを果たす。

次は準決勝。ここでの勝利が、全国制覇へと繋がる重要な一戦だ。

 

しかし、このタイミングでチームに暗い影が落ちた。

 

---

 

 

準決勝を目前に控えたある日の練習中、カオルの動きにいつものキレがないことに気づいた。

 

「カオル、どうしたの?なんか動きが鈍いけど」

戒がストレートに問いかけると、カオルは曖昧に笑って首を振った。

 

「ごめん、ちょっと考え事してただけだよ」

 

しかし、練習試合でのパフォーマンスも冴えず、シュートはことごとくゴールを外れた。

カオルが試合で得点を決められないのは、天ノ使FCにとって重大な問題だ。キャプテンとしての責任感もあるのか、カオルはどんどん自分を追い詰めていった。

 

 

 

ある日の放課後、カオルは1人でグラウンドに残り、黙々とシュート練習を続けていた。しかし、どれも満足のいく結果にはならない。

 

「僕は…キャプテン失格なのかな」

誰にも聞こえないように呟く。その声はかすかに震えていた。

 

キャプテンという立場が、いつの間にかカオルの心を縛っていたのだ。

チームメイトを引っ張らなければいけない、負けられない。そんなプレッシャーが、彼のプレーを重くしていた。

 

「何やってんのよ、こんなところで」

 

突然、戒の声が背後から響いた。カオルが振り向くと、彼女が腕を組んで立っていた。

 

「戒…」

 

「練習時間、もう終わってるわよ。そんな顔してシュート練習なんかやっても、上手くいくわけないでしょ」

 

彼女の厳しい言葉に、カオルは思わず目を伏せた。

 

「でも…僕がゴールを決められなかったら、チームは勝てないかもしれない」

 

「だからって、なんで1人で抱え込むのよ!」

戒が怒ったように声を荒げる。だが、その目には心配そうな色も浮かんでいた。

 

「私たちはチームなんだから。アンタがキャプテンだからって、全部背負う必要なんかないのよ」

 

「でも…キャプテンなのに、僕が点を決められないなんて…」

カオルの声は震えていた。彼の背中には、キャプテンとしての重圧がのしかかっている。

 

戒は深く息を吸い込むと、少しだけ声を柔らかくした。

 

「カオル、アンタのシュートが凄いのは、皆が知ってる。今だってスランプかもしれないけど、それはずっと続くわけじゃない。信じてるから」

 

その言葉に、カオルはハッと顔を上げた。

 

「信じてる、って…」

 

「そうよ。アンタは天ノ使FCのキャプテンで、みんなの支えなんだから。私たちだって、アンタのこと支えるんだから」

 

厳しいながらも優しい戒の励ましに、カオルは胸の奥がじんわりと温かくなるのを感じた。

 

「ありがとう、戒。少しだけ…気が楽になったかも」

 

「少しだけじゃなくて、もっと楽になりなさいよね」

戒は軽く笑うと、ボールをカオルに向かって蹴り返した。

 

「ほら、付き合ってあげるわ。アンタのシュート練習に」

 

---

 

 

 

戒と2人で練習を続けるうちに、カオルの動きは少しずつ戻り始めた。ディバインアローも完全ではないものの、確実に精度を取り戻している。

 

「ほら、いい感じじゃない」

戒が少し得意げに言うと、カオルも笑みを浮かべた。

 

「うん。ありがとう、戒。君のおかげで…もう少し頑張れそうだ」

 

「まったく、甘えすぎないでよね」

戒はそっぽを向きながらも、どこか満足そうだった。

 

その日、カオルは久しぶりに晴れやかな気持ちで家に帰った。そして決意する。

 

(僕はキャプテンだ。みんなと一緒に、絶対に全国制覇を達成する)

 

スランプを乗り越えたカオルは、さらに強い信念を胸に次の試合へと挑む準備を進めていった。

 

---

 

 

準決勝を前に、天ノ使FCのメンバー全員が練習に熱を入れている。カオルもいつものように笑顔で指示を出し、チームを引っ張っている。

 

戒はその姿を見て、少しだけホッとしたような表情を浮かべた。

 

(ようやくいつものカオルに戻ったわね…)

 

次の試合がどれだけ厳しいものになっても、このチームならきっと乗り越えられる。戒はそう信じていた。

 

そしてついに迎える準決勝――天ノ使FCはさらなる進化を遂げ、全国制覇に向けて突き進む。




ありがとうございました!
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