「ただいま、じーちゃん。」
フェレットを病院へ連れて行くなのは達を見送ったあと、一旦家に帰宅することにした悠は家に入って直ぐに仏壇にある写真に帰宅したこと伝え、そして……
「……どうせならじーちゃんが生きてる時代迄戻してくれたらよかったのにな。」
こう続けた。そう、悠の祖父は彼が戻って来た時代から丁度1年前に亡くなっていたのだ。
悠は生まれて直ぐに両親を亡くしており、祖父は彼にとって唯一の肉親であったため、過去に戻ったならせめて祖父に一目だけでも会わせて欲しいと願う事は当然と言えるだろう。
「そういえばじーちゃんに渡されたネックレス、やっぱり中学生になっても全く役に立つ場面なんてなかったぜ。」
悠は自分の首に下げられた虹色に光る宝石の付いたネックレスにそっと手を添える。
祖父は晩年悠に宝石の付いたネックレスを渡していた。祖父曰くそのネックレスは先祖代々受け継がれて来ている物で、必ず悠の身を守ってくれるので肌身離さず持っていろ、との事である。悠はその話を聞き、こんなしっかりとした作りのネックレスがそんな昔からあるのか?偽物じゃないのか?と思ったが自分を育ててくれた大恩ある祖父にそのような事は言えなかった。
「この世に邪悪が蔓延る時に必ず現れる希望の戦士が身に付けていた、か。やっぱり信じられねぇな。ってもうこんな時間か、夕飯の買い出しに行かねぇと。」
悠は今日知る事となる。その言い伝えが真実であることを……
ーーーー時は少しだけ進み、悠は夕飯の買い出しを終えスーパーから帰宅する最中であった。
「ふぇぇぇ〜〜〜っ‼︎‼︎」
「えー、何これ〜。って言ってる場合じゃなかった。高町!この状況は一体何だ⁈」
何故かクラスメイトの高町なのはが大きな黒い影に追われ、此方に向かって走っていた。悠はそのあまりに現実離れした光景に夢かと思ったが、いち早く正気を取り戻し、状況確認を急いで行うためなのはに質問する。
「ふぇぇぇ〜〜!あっ⁈天海君⁈なんでここに?」
「んなことはどうでもいい!早く今の状況を説明しろ‼︎」
「それは僕が説明します。」
しかし、質問に答えたのはなのはではなかった。
「その声は昼間の……てかネズミがシャベッタァァァァーー⁈」
答えたのはなのはの腕に抱かれた学校から帰宅する途中に発見したネズミ……フェレットであった。
「手短に説明します。あれはジュエルシードの影響を受けた暴走体、魔法による封印を施すまで暴れ続けます。」
「訳わからん単語ばかり並べんなよ‼︎分かるわけねーだろ!とりあえず俺たちはどうすりゃいいんだ⁈大人しく餌になれってのはお断りだぜ⁉︎」
「お二人は僕の念話…昼間助けを呼ぶ声が聞こえたんですよね?だったらどちらでも良いのでこの宝石を持って僕の言葉をなぞって下さい。」
「ふぇぇぇ〜〜そんな事言われても〜〜」
彼等が話している間にも黒い影はどんどん近づき、人一倍運動の苦手な高町なのはは今にも追い付かれる寸前だった。
「どうやらそんな時間は無さそうだな……」
クラスメイトであるなのはの危機に少年天海悠は覚悟を決めた……