新日常はパステルカラーの病みと共に(Rev.) 作:咲野 皐月
今回は本編……では無く、誕生日回を投稿しようと思います(本編の内容自体は考えてあるので、後は実際に書き起こすだけなのですが)。
それではスタートです。
「ご、ごめんね……? 毎回毎回頼りにしちゃって……」
「良いよこのくらい。今日はちーちゃんがお仕事で不在なんだし、僕で良かったら付き合うよ」
「千聖ちゃん、そんなに忙しいんだね……」
「まぁね。ちーちゃんが来れない分、今日は二人で楽しもうか」
「うん!」
季節も春から夏へと移り変わる手前の、この天気の良い日に……私は颯樹くんと一緒にお出かけをしていました。
本当なら千聖ちゃんも一緒に、と思ったんだけど……彼曰く『お仕事があるから来れない』みたいなので、私と彼の二人で楽しむ事にしました。
「それで、今日はどこに行くの? 颯樹くんについていったらわかるって電話で言ってたけど……」
「ん? 今日は水族館に行こうかと思って。たまには静かな場所で休暇を過ごそうと思って」
「水族館!? 行きたいよ颯樹くん!」
「じゃあ、行こっか」
「うんっ!(えへへ、颯樹くんとの水族館デート♪)」
私は颯樹くんに手を握られて、何駅か先にある水族館へと向かう事にしました。えへへ……颯樹くんとの一日水族館デート、楽しみだなぁ〜♡
そして目的の駅に着き、そこから少し歩いて水族館に着きました。すごく大きいみたいだから回るの楽しみ……♪
「さて、先ずはチケットを買おっか。僕から離れないでね」
「うんっ!(えへへ、颯樹くん……すごく頼もしいなぁ……♪)」
順当にチケットを大人二人分で購入した私たちは、水族館の中へと入って行きました。
「わぁー♪ すっごく綺麗……」
「ここは数ヶ月前まで改装工事をしてて、先月リニューアルオープンをしていたらしいからね。見応えもあると思うよ」
「そうなんだね。早く行こうよ!」
私は颯樹くんの手を引いて……色んなスペースを周りました。入口にあった深海魚から、淡水魚などの展示コーナーを通り、訪れたのは。
「うわぁ〜♪ クラゲがこんなにたくさん……」
「本当に花音はクラゲが好きだよね。ふわふわしてるだけなのに」
「うん♪ クラゲを見ていると、心が落ち着くんだ〜。颯樹くんはクラゲは好き?」
「うーん、好きと言う訳でも嫌いな訳でもないかな。あまり見ないし」
「そうなんだ……でも、今この瞬間は?」
「花音と見てるんだ。嫌いになるわけないよ」
えへへっ、喜んで貰えて良かったぁ♪ さて、次はどこに行こうかな……あ、ここにはペンギンさんは居るのかな? 颯樹くんを連れて行ってみようっと♪
「あっ、花音そんなに一人で行ったら……!(行っちゃったんだけど)」
うーん、ここは何処だろう……ペンギンさんのコーナーに行こうとしたんだけど、迷っちゃった……。しかも、颯樹くんも居ないし……、ふぇぇ……ここからどうしよう……。
「こ、こういう時は颯樹くんのスマホに連絡しないと……あっ、スマホの充電があまりない……」
出来るなら、早く、簡潔に……迅速に事を伝えなきゃ……!
と、とりあえずここから離れた方がいいよね……。来た道を戻ったほうが……。
「うぅ〜ん……でも、その場から動かない方が良いかなぁ……」
一方その頃……。
まったく、目を離した隙にこれだよ。……そういえば、さっき受付の人にスケジュール表みたいなのをもらったな……イルカのショーとか?
「イルカのショーにはまだもう少し時間がある……そう言えば、ペンギンがどうとか言ってたけど、その辺りに居るかどうかは確証が持てない……」
いまいち確信が持てないな……こんな事なら、燐子とか紗夜に聞いておけばよかったな……。仕方が無い。あまりこの手は使いたくなかったが、こうなったら、選り好みしてられないな。
「とりあえずペンギンのところに行ってみるか。もしかしたらいるかもしれないし」
そう決めた僕は、ペンギンが飼育されている展示場所に訪れた……のだが、肝心の花音が見当たらなかった。
「あれりゃ。居ないや」
順路から行けば、確かにここに着くはずだけど……ん? 待てよ、この近くって薄暗くて行き止まりになりそうな所が、確か一箇所だけあったな。
……まさかこの近くに花音がいるのか?
「行ってみよう。もしかしたら、居るかもしれない」
僕は薄暗い通路を進み、手探りで行き止まりになりそうなところを探し始めた。そうして探していると……?
「花音!」
「ふぇっ……? さ、颯樹くん……?!」
「良かった……! 一人で駆け出すから、本当に心配したんだぞ!」
「ご、ごめんね……クラゲとかペンギンさんが可愛くて……」
僕からの叱責を受けた花音は、今にも泣き出してしまいそうな程に涙を溜めていた。……うぅ、これが後に知られるとちーちゃんから何かヤラれるしなぁ……仕方ない。
そう思った僕は、彼女の水色の髪を右手で撫でて……空いた左手で抱き寄せた。
「ぁぅ……は、恥ずかしいよこんなところで……」
「花音の事が心配だったんだよ。それくらいさせて」
「う、うん(颯樹くんの手、大きくて暖かい)……」
「さ。時間はどんどん過ぎて行くし、移動しよっか」
「うんっ!(今度は逸れないようにしないと……)」
僕は花音の手を再び握って、水族館の中を探索する事にした。その際、先程彼女が行きたがっていたペンギンの展示場所に向かい、何羽かと触れ合う事ができた。
そして時間もちょうど良い頃まで差し掛かった。
「次は……イルカショーかな。それを見たら、粗方周った事になるかな?」
「そうだね。私一人でそこそこ回っちゃったから……」
「なら、イルカショーを見た後は何処か場所を移して昼食にしようか。タイミングを考えても、その方が良いと思う」
「そうだね、少しお腹がすいてきたかも……。どんなショーなのかな?」
「ま、行ってみようか。……あ、ポンチョもついでに買っておこうよ。もしかしたら、ずぶ濡れ……とは言わない迄も、水飛沫が飛んで来るかも」
私たちは水族館内にある防水グッズのお店に向かいました。合羽やポンチョなど、たくさんのグッズが売ってありました。よく見てみると、そこにはクラゲをモチーフにしたポンチョが売られていて……数は二つだけの様で、他のと同じ様に減っていました。
「颯樹くん……私、普通のポンチョよりこっちのクラゲのポンチョがいいな?」
「お? クラゲのポンチョか。これが欲しいの?」
「うん……。颯樹くんとお揃いにしたくて……」
「良いよ、それじゃあ買おっか」
そう言って颯樹くんはクラゲのポンチョを二着持ってレジに向かいました。私も少しは出した方が良かったんだけど、颯樹くんは優しいから、私に気を使ってくれたのかな……。
そしてイルカショーの行なわれるステージへと行くと、既に人がたくさん座っていました。
「ふぇぇ……すごく人が多いね……。私たちが座るところはあるかな……?」
「あ、あるみたいだよ。ちょうど真ん中のこの辺」
「よかった……さっきまで歩いてて歩き疲れたから、立ちっぱなしだと疲れるから……」
私たちは空いてる席へと座り、クラゲのポンチョを被ってスタンバイを終えました。するとステージの裏からイルカのトレーナーさんが出てきました。どんなのだろう……?
その後に見たのは、アシカさんの芸を何個かと……イルカのジャンプなどでした。着水する時の勢いが強くて、私と颯樹くんは水飛沫を貰ってしまいました……が、ポンチョのおかげで事無きを得られました。
「すごいね颯樹くん。イルカさんがあんなにジャンプするなんて……」
「そうだね。こころなら、真っ先にこれを取り入れた演出を考えるんだろうが」
「ふぇぇ……それは無理だよぉ……」
「まー、それを言い出したら結局止めるのは美咲とか僕くらいになるんだろうけどね」
「颯樹くんは、誰かを止める事に関してはいつもすごいからね……本当に助かってるよ♪」
私が颯樹くんにそう言うと、彼は少し顔を赤らめて謙遜する言葉を言って返答しました。……ふふっ、本当にカッコイイなぁ♪
そんなこんなでイルカショーも終わって、私たちは水族館の建物内へと戻って来ました。
「あっ、ちょっと待っててね颯樹くん。ちょっとトイレに行ってくるから……」
「ん、OK。この近くのお土産売り場に居るから、終わったらそこに来てくれる?」
「うん、わかったよ。また後でね」
私は彼にそう伝えて、お手洗いへと向かいました。その場所自体は直ぐに見つかり、私は用を済ませる事が出来ました。
「おまたせ、颯樹くん。待ったかな?」
「んや、待ってないよ。行こっか」
「えへへ、よかった♪(こころちゃん達へのお土産、どれにしようかな……?)」
そう思って訪れたお土産売り場では、ハロハピとパスパレメンバーへのお土産を購入しました。薫さんに買う物に関しては、颯樹くんに任せたけど……。
「ち、ちょっと重いね……買いすぎちゃったかな……」
「そうだね……でも、トレーニングの代わりだと思えば……」
「そ、それだったら自分でなんとかするよ……」
そう言われて私は袋を持ちましたが、かなり重いよ……ふぇぇ、耐え切れるかなぁ……え?
「花音に辛い想いはさせられない。僕が代わるよ」
「で、でも私だっていつまでも颯樹くんに頼ってばかりじゃダメだから……」
「……ごめん、花音にこんな辛い思いさせてたら、これを知ったちーちゃんが何を言うか……想像着くでしょ?」
「そ、そうだけど……でも……」
私だって、颯樹くんに頼ってばかりじゃ……居られないよ……!
「……わかった。でもさすがにこの量を持たせるのもあれだし半分くらいにしようか」
「……うん! でも、お昼ご飯を食べる場所、何処にするの?」
「とりあえず、食事するところの近くにロッカーがあったからそこにお土産を入れて向かおうか。花音を探してる時に見つけたんだ」
「そうだね!」
私たちは……少し歩いた所にあるロッカールームの中に入って、先程買ったお土産を入れてから、食事する所へと向かいました。
そして数十分後……食事を済ませ、預けた荷物を持って水族館を後にしました。
「今日は楽しかったよ颯樹くん。水族館に連れて行ってくれてありがとう」
「そんな、別にお礼を言われる様な事でも無いよ」
「でも珍しいよね、颯樹くんから誘ってくるのって……何かあったの?」
……そう、本来であれば颯樹くんもお仕事があったはずなのに、今日は私を誘ってお出かけしてくれたので、かなり珍しい事なんです。
今までも彩ちゃん達の上目遣い等に負けて、デートをする事は多々ありましたが、今回に限ってはあまり無い例でした。
「まあね。というか花音自身が今日は何の日かわかってると思ったけど」
「……ふぇ?」
「……その様子だとわかってないみたいだね。今日は花音の誕生日でしょ?」
颯樹くんに言われたその言葉で、私は全ての事を察しました。彼の取ってくれた行動の一つ一つが、私を気遣いながら起こしていた物だと言う事に。
私の誕生日……覚えてて、くれたんだ……♪
「こころたちは手が離せないって連絡が来たからね。この後はハロハピのみんなと誕生日パーティだって」
「すごい……!」
「さて、後は帰るだけだけど……ん? ちーちゃんから電話だね。……はい」
彼は私にそう言った後、突如掛かってきた通話へ応答しました。話している風景を予想すると……颯樹くんが電話をしている相手は、今日は《お仕事で一日不在》と言っていた千聖ちゃんかな?
『ダーリン、そっちは上手くいったのかしら?』
「上手く行ったよ。予定通り」
『そう。かおちゃんたちも準備が終わったそうだから早い内に連れてくるようにって言ってたから早くこころちゃんたちのところに連れて行ってあげて』
「了解」
そんな会話をした後、通話状態を終えて……颯樹くんが戻って来ました。……聞くなら今、かな?
「さっきの電話って、もしかして……千聖ちゃんからだよね? どうしたの?」
私は颯樹君に先ほどの通話の内容を聴こうとしました。……ですが、私の質問が出る前に彼に手を握られた為、私の口からは驚きしか出ませんでした。
「……♪(颯樹くんの手、暖かい……)」
「行くよ。みんなが待ってる」
「う、うん……♪」
そう言われて、私は颯樹くんに連れられてパーティーを行う会場へと向かいました。……その後どうなったのかと言えば、ハロハピのみんなや、千聖ちゃんに颯樹くんからのお祝いを受けて、楽しい誕生日会になったと言う事です。
こんなにたくさんのお友達にお祝いして貰えるなんて……私は、とても幸せだよ♪
今回はここまでです。如何でしたか?
次回の更新は未定なのですが……なるべくこの作家業から失踪しない様に、自分のペースで頑張りたいと思いますので、どうかよろしくお願い致します。
それでは次回に……待て、しかして希望せよ!
今回も感想をお待ちしております。