「ん?聞き間違えた?なんか今捕まれって言われた気がするんだけど……」
「ははは、とぼけないでよ。一回捕まろっかって言ったよ?」
「聞き間違えじゃなかったちくしょう!!」
おもわず叫んでしまう上条。ただの高校生には収監という言葉はものすごく重い。理由も分からないので、ただただ混乱するしかなかった。
「嫌だ!なんでこの歳で前科者にならないといけないんだよ!」
「ああ、警察にって意味じゃなくてね?呪術界での話。当麻の立場が危ないからとりあえず敵意が無いことを上層部にアピールしないといけないんだよ」
それを聞いて上条はさらに混乱する。この世界に来てからろくなことをしていないのにどうして立場が危うくなるのだろうか?少し考え、ある結論にたどり着く。
「この右手か?」
上条の返答に五条は満足げにうなずく。
「半分は正解だね。当麻の説明が正しいなら、その右手は呪力に無差別に作用するんだろう?そんな力、上層部が黙って見ているはずがない。当麻が身を隠してもいつかは見つけ出して尋問するだろうね。もしかしたら解剖されるかも」
「な……!」
想像以上の過激さに上条の背筋が凍る。これまでも色々な危険に直面してきたが、それは異世界に来ても変わらないらしい。
戦慄する上条をよそに、五条は話を続ける。
「もう半分は、当麻自身だ」
「俺?」
自身を指差す上条に、五条はうなずいて、
「当麻って国籍は日本?魔術は知らないけど少なくとも学園都市って日本には存在しないよ?」
上条の核心をついてきた。
(……まずい)
上条はまだ自分が異世界から来たことを話していない。いきなりそんなことを話すと頭のおかしいやつと判断されると思い、魔術と学園都市が存在するか聞いただけなのだ。結果、どちらも存在しないことがわかったのは収穫だが、代わりに正体を疑われることになってしまった。
(どうする?しらを切り通すか?でも現状は五条さんを頼らないとどうしようもない!)
しばしの逡巡。その中で腹を決めた上条は、五条にここに来た経緯を話すことを決心した。
「実は——」
「ははははははは!!異世界転移!?まさかそう来るとは!」
「ああもうやっぱりこうなった!頼むから信じてくれよ!」
話を聞くなり大爆笑した五条に顔を真っ赤にして上条は言い返す。ただ、上条には五条しか居ないのだ。ここを信じてもらえないとどうしようもない。
「うーん、まあ信じるかどうかはグレーゾーンかな。辻褄は合うし」
と、笑いから復帰した五条が割と簡単に信用した。あまりの呆気なさに逆に不安になった上条が恐るおそる問いかける。
「なあ、俺が言うのも何だけどそんなにあっさり認めていいのか?明らかに怪しいだろ俺……」
「こっちにも事情があるんだよ。そっちは僕という強力な後ろ盾がついたことを素直に喜びな」
そう答える五条だったが、ある程度の判断基準はあった。
(あの右手、僕の六眼でも解読不能だったし、呪術とは違う力が働いているのは間違い無いから異世界の能力って言われた方が納得できるんだよねー)
そうとは知らない上条はほっと胸を撫で下ろす。そんな上条に五条はこう言った。
「とりあえずこっちから上に掛け合ってみるから大人しく捕まっといてよ。大丈夫、身の安全は保証するから」
やけに自信ありげだな、と上条は思う。そんなに立場が上なのだろうか?
「そういや五条さんって偉い人なの?さっきから交渉成立する前提で話してるけど」
そう聞いた上条に、五条はニヤリと笑った。
「うん。僕、最強だから」
だから眠っときな。そう上条が聞いたのとほぼ同時に五条が上条の額を軽くつつく。それだけで上条の意識が混濁し、五条に支えられる。
「さあ、大人の時間だ」
上条を丸太のように担いだ五条はそうひとりごちた。
本当に話が進まなくてごめんなさい。出来る限り2日に1本は出そうと思っています。
文章を書くのに慣れてきたらもっと話を進められるようになると思いますのでしばしお待ちを……