【一発ネタ】ラノベ風「八宮って絶対俺の事好きだよな…」【短編】 作:裏図書室
この小説は
・オリ主がBSS的な脳破壊をされる
・チエルアルコおじさん
・めぐる学会とは意見の相違がある可能性
があります。ご留意ください。
傲慢であったのかもしれない。
あんなにも眩く輝く星を、自分だけのものにしたいだなんて。
愚かであったのかもしれない。
星光のように輝く君の笑顔を自分だけに向けてほしいだなんて。
分かっていたことだったろうに。
星に近づけば、蝋のツバサは焼け堕ちてしまうだろうに。
☆ ☆ ☆
八宮めぐるという少女は、初めからアイドルだった。
何の運命か、俺はあいつと中学生が同じで、しかも三年間ずっと同じクラスだった。
だから、他の人間よりは、少しだけあいつの事を知っている。
天真爛漫、明朗快活が人の形をして歩いているような、いるだけでその場を輝かせる魅力を持っている星のようなやつだった。誰にでも気安くて、いつも明るくて、すぐ気が利く。男子の中では学校のアイドル的存在だった。
そして、あいつは今や本物のアイドルになっていた。
「
「おはよ」
それでもあいつは気取る事なく、毎日欠かさず俺に挨拶してくれる。一度ぐらい俺から挨拶しようかと思うのだが、絶対にあいつの方が先に声をかけてくる。いつも元気いっぱいで、俺も笑ってしまうぐらい元気をもらうんだ。
「いいよなお前は。八宮と席が隣とか どんだけ前世で徳を積んだんだよ」
「なんだそりゃ」
八宮が女友達に挨拶しに向こうへ行くと、こっちも友達が茶化すように声をかけてきた。
「そういや聞いたか? サッカー部の
「っ、本当か?」
思わず声を震わせてしまうほどに俺は動揺した。
持杉先輩と言えば、ファッションモデルもやっている学校一のモテ男だ。確か彼女もいたと思ったんだけど、別れたのか? そもそも、何で、よりにもよって八宮に……!
……などと、色々な感情が嵐のように渦巻いて心を乱す。身体の奥底にある何かがじくじくと痛んで悲鳴をあげている。それで、八宮は何て……。
「まぁ、今回もダメだったみたいだけどな。八宮、彼氏とか興味ないんかな」
「……そっか」
誰にも気づかれないように安堵の息をつく。
……八宮、昨日告白されてたのか。そういうのって何日か気にすると思うんだが、そんな風には見えなかったな。
ちら、と教室で女友達と笑顔で話してるあいつを見やる。
胸の痛みが薄れてゆく。そして、代わりに甘い優越感を覚えていた。
八宮はああだから、やっぱり誰もが彼女にしたいって思う。
告白だって珍しい事じゃない。そして、その誰もが撃沈された事も。
馬鹿な奴らだ。お前たちが八宮の何を知ってるんだ。
告白した男子が断られたと聞く度に、甘美な快感が全身を駆け巡る。身の程を知れよ雑魚共が。八宮の表面だけしか見てないくせに調子に乗りやがって。フられたお前たちは、もう二度と八宮に男として見られる事はないんだ。どんな気分だ? ざまぁみろ。
俺はそんな奴らと違う。八宮の事をちゃんと分かってる。
じゃあ八宮は俺の事どう思ってるだろうって、今まで何度か考えた事がある。でも今日、少しその答えに近づいた気がする。
持杉先輩ほどの人に告白されても取り合わない。なのに、俺には毎日欠かさず笑顔を向けてくれている。席が隣になった時も笑顔で喜んでくれたし、他愛ない会話も、多分、男子の中だったら俺が一番してる。
いくら八宮がそういう性格だからって、異性の俺に、意識せずそんな対応するだろうか。
(前から、もしかして、って思ってたけど)
今日やっと気が付いた。八宮はいつもサインを送ってくれていた。それは、つまり、
(八宮って、絶対俺の事好きだよな……)