妖怪学園Y Night Emperor 作:bustered
今回初めて小説を書かせていただきます。
最初に書かせていただく作品は"妖怪学園Y"です。
前々から書きたいとは思ってはいたものの、中々手がつけられず、やっと今になって書き始めた次第でございます……
それでは本編へ
"妖怪"──この世界で見られる不思議な存在である。
ある人物曰く、
"この世で起きる不可解な出来事は全て妖怪のせいである"
だそうだ。
流石に全ては言い過ぎかもしれないが……
妖怪は人間が存在する時から、あるいはそれよりずっと前からこの世界に存在しており、人々に悪戯をしたり、時には力を貸したり、妖怪は人間たちの暮らしに様々な影響を与えていた。
そしてその妖怪たちが暮らす世界、"妖魔界"
この世界では様々な妖怪が暮らしていた。
おとぎ話や伝記などでよく聞くメジャーな妖怪はもちろん、現代に影響された今時な妖怪、中には妖怪だと思われていなかったものが実は妖怪だった、なんてこともよくあった。
その妖魔界も度々危機に見舞われることがあった。
そんな時、彼らに協力したのが"人間"だった。
人間の中には妖怪と絆を結び、共に戦う者たちがいた。
その者たちの助力もあって、妖魔界は何度も危機を乗り越えてきた。
人間と妖怪、人間界と妖魔界、二つの世界とその住人は互いに支えあいながら平和に暮らしていた。
そう、
「ハァ……ハァ……」
一人の青年が無数の瓦礫の上にボロボロになりながら膝をついていた。
ここは妖怪たちが暮らす世界、"妖魔界"……
そして瓦礫の上で膝をついているこの青年こそ妖魔界を統べる王、"エンマ大王"である。
何故、妖魔界が瓦礫の山となり、妖魔界の王が膝をついてボロボロになっているのか、それは数刻前に遡る──。
妖怪たちが住まう妖魔界の上空に突如として未確認飛行物体──人間界で言う"UFO"が出現した。
そのUFOには煌々と光る"N"の文字が浮かんでいた……
UFO、及びそれの所有者である"異星人"は妖魔界に攻撃をしかけた。突然のことに妖怪たちは対処が遅れ、次々と異星人に倒されてしまった。
また対処ができていた妖怪たちも異星人の圧倒的な力には成す術がなかった。
そんな中で異星人たちに対抗したのがエンマ大王、エンマ大王の側近"ぬらりひょん"、そしてエンマ大王の"長年の友"であった。
エンマ大王たちと異星人の戦いは熾烈を極めた。
そして激闘の末、エンマ大王たちは異星人を撃退することに成功したのだった。
しかし、その代償はあまりにも大きかった。
妖魔界は全てが瓦礫となり、三人を除く全ての妖怪たちが異星人によって倒されてしまった。
それは事実上の敗北と──妖魔界の滅亡を意味していた。
さらに、"異星人を撃退した"と言っても"完全に倒した"という訳ではない。
またいつ、異星人が侵略してくるかは誰にもわからない。
そこで、エンマ大王は
それは、滅ぼされてしまった妖怪たちの魂を人間界へと送ることであった。
これによって、人間界へと辿り着いた妖怪たちの魂は、宿主を見つけて復活するため力を得たり、新たな姿として転生することができるのだ。
そしてエンマ大王は今、三人を除く全ての妖怪たちの魂を人間界へと送ったのであった。
「うっ……くっ……」
「!!」
エンマ大王は近くの瓦礫からの声を聞き、フラフラとよろめきながらも声のした方へ歩いた。
そこにはエンマ大王の側近、ぬらりひょんが倒れていた。
「ぬらり……」
エンマ大王が声をかけるとぬらりひょんはうっすらと目を開け、震えながらもエンマ大王に顔を向けた。
「大王様……」
声を震わせながらぬらりひょんは応えた。
「妖怪たちの……魂は……無事に……人間界へ……行けたでしょうか……」
「……ああ、ちゃんと送り届けた」
エンマ大王はぬらりひょんの問いにしっかりと応えた。
「……そう……ですか」
ぬらりひょんは安堵の表情を見せた。
「大王様……私の魂も……もう……」
しかし、ぬらりひょんの身体は限界を迎えていた。
それはぬらりひょんだけでなく、エンマ大王もエンマの友も満身創痍であった。
「先に……いっています……大王様……必ず……」
「……ああ、必ず、また会おう」
そう言うとぬらりひょんの身体は消滅し、その魂は人間界へと渡っていった。
ぬらりひょんの魂を見送ったエンマ大王はその足で友の元へと向かった。
「……おい、大丈夫か」
その妖怪の身体はとても傷ついていた。
無理もないだろう、この妖怪は三人の中でも誰より異星人の攻撃を受け、誰よりも異星人に抵抗したのだから。
「……大丈夫に見えるか?」
掠れた声でその妖怪は応えた。
「……いや、見えないな」
「フッ……だろうな」
長年の友ともあってか、こんな状況でも二人は冗談混じりに受け答えをしていた。
「……なあ、エンマよ」
「……なんだ」
友がエンマに語りかけた。
「もうすぐ我の魂は……人間界へと渡るのであろう?」
「……そうだな」
「ならばその前に……友として、我の願いを聞いてはくれぬか」
「……いいぞ」
友はエンマに願いを聞かせた。それは願いとしてはとても長く、膨大であった。しかしエンマはそれを聞き入れた。
「……わかった、必ず叶えよう」
「……恩に着る」
友は満足そうに頷いた
「……そろそろ潮時だな」
友は自分の限界に気がついた。
「……必ず、また会おう」
「……ああ、また会おう、我が生涯の友、エンマよ」
友はそう言い残し、力尽きた。
そして友の魂も人間界へと登っていった。
エンマは力を振り絞り、最後の
そのやるべきことを終える頃にはエンマ大王の体も限界に達していた。
「これで……約束は……果たしたぜ……」
こうして、妖魔界の最後の一人、エンマ大王も力尽きた。エンマ大王の身体も消滅し、その魂も人間界へと渡っていった。
そしてそこに残されたのは──瓦礫だらけの廃墟となり静寂に包まれた妖魔界だけだった──。
そして、果てしなく長い年月が過ぎ───
──私立Y学園中等部。
この学園では様々な分野において秀でた才能をもった子どもたちを集める、所謂エリート校であった。
そんなY学園の校門の前に一人の少年が立っていた。
「ここがY学園……俺の新しい学校……!」
少年は薄い藍色と赤いメッシュのかかった髪を揺らしながら、これからの学園生活に胸を躍らせていた。
「おいおい、いくら楽しみだからってあまりハメをはずしすぎるなよ?」
少年の隣にいる青と赤の毛並みの狼──妖怪は少年を冷静に諭した。
「わかってるよ。でも新しい生活なんて、ワクワクするでしょ?」
少年は妖怪の言うことを理解しつつも、妖怪に共感を求めた。
「……まあ、そうだな」
妖怪は少年のはしゃぎ様に呆れつつも、それに共感した。
「さあ、いこう!
そう言って、少年──"
いかがだったでしょうか。
N星人の襲来から妖魔界の崩壊まではアニメで詳しく描写されていなかったのでこんな感じだったんじゃないかなとオリジナルを混ぜつつ想像してみました。
初めて故に至らないところや誤字・脱字などがある可能性があるかもしれませんが、そこはやんわり指摘していただけるとありがたいです。
それでは。