妖怪学園Y Night Emperor 作:bustered
かなり遅くなってしまっています……すみません。
なので今回は少し短めです。
今回からアニメに沿ってやっていきたいと思います。
ちなみに前までは前編~後編となっていましたが、今回から、その1~にさせてもらいました。(長くなった場合の区切りをよくするため)
それでは本編へ。
シロウがジンペイ達のクラスに入って一週間。
今、シロウのクラスでは古文の授業をやっていた。
「『あり・おり・はべり・いまそかり』は、ラ行変格活用と申しましてね。決してアリを待らせて馬をハンティングしているわけではありませんよ。……」
担当教員である臼見沢が授業を進める中、コマとマタロウとシロウは真面目にノートをとり、ジンペイは気持ちよさそうに寝ていた。
そんなジンペイを見て、三人はちょっと苦笑いを浮かべながら顔を合わせていた。
授業が終わり、臼見沢が教室を出ていったところで、ようやくジンペイが目を覚ました。
「ふわぁ~……」
「やっと起きた?」
「いや~こうあったかいと、なんか眠くなるじゃん?」
「よく寝てたね」
「気持ちはわかるけどねー」
ジンペイの元に三人が集まり、他愛もない話をしていたその時である。
「テメェ、ぶっ殺す!」
という声がしたかと思うと、廊下の央から何かが勢いよく飛んできて、廊下の突き当たりに激突した。
「うわっ!?」
その激突の威力はすさまじく、シロウたちの教室の後扉をふき飛ばすほどであった。
「ケ…ケンカ!?」
「おっ、マジ!?」
コマが驚き、ジンペイが野次馬のようにその場所に向かうと、ジンペイが眠っていた時に枕のように使っていたピンクの塊が動き出した。
もちろん、モモである。
「ウホホッ!モモも行くですねぃ!飛ぶですねぃ!」
モモはジンペイの机から飛びたつと、ジンペイの頭の上に乗っかった。
「うわっ、すっげ!」
ジンペイが、何かが激突して砂塵が舞っている場所を見て驚いていると、廊下の央の方から誰かが歩いてきた。
「今日こそカタをつけるぜ!」
それは殺気を身に纏いながら、両手に小さめの箒を持ったメラだった。
「メラ兄さん!?ってことは……」
シロウがそう言いながら砂塵の方へ顔を向けると、その中から大きめのデッキブラシを槍のように構えた九尾が出てきた。
「1年生の教室にまで迷惑をかけるとは……大人げないゴリラの相手は実に疲れる」
九尾は相変わらず不敵な笑みを浮かべながら、メラを挑発していた。
「女どもの前でヘラヘラと媚びを売る……尻軽男に言われたくねぇなぁ!!」
メラのその言葉を皮切りに、メラと九尾の戦いが再開した。
メラが箒を振ると九尾がブラシで防ぎ、九尾がブラシを振るとメラが箒を交差させて防ぐ。
そんな一進一退の攻防を繰り返しながら、二人はその場から離れていった。
「2人ともすっげぇ!よ~し、俺も混ぜてもらおっと!」
そんな二人に触発されたのか、ジンペイがとても楽しそうに掃除用具の入ったロッカーを開け、その中からメラが持っていた物と同じ大きさの箒とトイレのスッポンを取り出して、二人のケンカに参加することを宣言した。
「ん?おーい!お前らも行こうぜ!面白そうだぞ!」
さらにジンペイはクラスメイトにも呼びかけ、このケンカに誘ったのであった。
普通であればケンカに参加するなど言語道断、絶対に参加なぞしないだろう。
しかしそこはY学園、いやジンペイの影響力かもしれないが、先程のケンカを面白がったクラスメイトはジンペイに触発され、次々とロッカーに群がり、掃除用具をとっていった。
「先に行ってるぞ!」
と、いち早く教室を出ていったジンペイに続いてクラスメイトたちも次々に教室を出ていった。
すでに残っているのは、シロウ、コマ、マタロウ、そして昼寝をしていたバケーラだけであった。
「みんな行っちゃった……」
「行動力の化身……」
コマとシロウがクラスメイトたちの行動力に唖然とする中、
「オデも行く~!ダド♪」
「バケーラも!?」
強いやつが大好きなバケーラがこのケンカを見逃すわけがなく、みんなのあとを追っていってしまった。
戦いへの好奇心はどんどん伝染していき、ジンペイたちのクラスにとどまらず、学園の様々な生徒が掃除道具を持ってケンカに参加し、その勢いは校舎の中に収まりきらず、生徒たちの戦いの舞台は校舎の外へと移った。
「えぇー!なんでこんなことに~!?」
マタロウはとても困惑していたが、それはマタロウだけではなかった。
「ん?あれ?今日は大掃除か!?」
学園長室からこの様子を見ていた学園長もかなり困惑していた。
そんな学園長の隣で、同じくこの様子を見ている一人の少女がいた。
「……ジンペイさん?」
彼女の名前は"
ちなみにエマは今、一羽のうさぎを抱えている。このうさぎは、Y学園で飼われているペットの"ウー助"である。
戦いは終わるどころかさらに激しさを増している。さらに、この戦いに拍車をかける者がいた。
「チョイヤッサー!体をぶつけ合い、飛び散る汗!それが青春だ!!」
「「「「Y!!」」」」
応援団部の部員と、その団長の"
彼等は上半身裸であったが、とても熱血であり、戦いに参加する者たちを鼓舞していた。
しかし、この戦いを鼓舞しているのは彼等だけではない。
「咲き誇るのよ、感性と情熱の赴くままに!」
「「「「Y!!」」」」
彼女たちはチアリーディング部と、その部長の"
彼女たちはその可憐で秀麗な応援で、彼等に応戦した。
「なんで応援合戦!?」
マタロウがツッコミを入れる中、戦いはさらに激しさを増していく。
そんな中、シロウは先程からこの展開に全くついていけず、
「……なぁにこれぇ?」
と、どこぞの王の器の少年のようなセリフを呟いていた。
「皆さーん!ケンカはいけませんよー!!」
コマがケンカを止めようと大きな声で呼びかけたが、みんなは相当エキサイトしているようで、全く効果がなかった。
「ダメだ……全然聞こえてない……」
「シロウ!コマ君!マタロウ君!……何の騒ぎ?」
騒ぎを聞きつけて、3人の元にフブキがやってきた。
「すごいことになってるわね……」
「こうなったら!……」
コマは何かを決心したようで、大きく深呼吸した。
「コマ君、何を言う気?ここは慎重に……」
「マタロウ君……ごめん!!」
「えっ?」
コマはマタロウにそう言うと───マタロウのズボンをずり下げた。
そうなると必然的に──マタロウのパンツが丸見えになるのである。
細かく言ってしまうと──マタロウのパンツは白のブリーフにカエルのキャラクターがプリントされたものであった。
これにはマタロウ本人だけでなく、ケンカをしていた人たちや応援していた人たちも固まってしまった。
そんな中コマは、固まってしまったマタロウを腹話術のように動かしながら、高らかに宣言した。
「パンツ将軍に、敬礼!!」
……パンツ将軍が何かはよくわからないが、その一言は凄まじい影響力を発揮した。
「プッ……ワハハハ!パンツ丸出しだ!」
「かわいい~」
まず最初に2人の応援団長が笑い出した。
それにつられてジンペイも笑い出した。
「しかもケロピパンツって!」
「ウブいですねぃ!」
ついでにモモも。
戦いへの好奇心が伝染するのであれば、笑いも伝染する。
数人の笑いがどんどん広がっていき、あっという間にみんなが笑っている。お日様も笑っている。
「ふぅ……」
コマは一息つきながらやりきった顔をしているが、それに納得していない……いやちょっぴり怒っている人物がいた。
「コーマーくーん!!」
まあ当然ながら、マタロウである。流石のコマもマタロウの剣幕に少し驚いたものの、宥めようと別の方へと話題を変えた。
「でもほら、ケンカ止まったよ」
コマの言う通り、ケンカの発端であるメラと九尾でさえ戦いをやめて笑っていた。
ということは、今この場でケンカをしている人は誰もいないのだった。
「他に方法なかったの?」
「まあそのおかげで落ち着いたんだし……いいんじゃない?」
フブキが、コマの少し強引な解決方法に呆れていたが、シロウは結果的にはよかったとフォローしていた。
「なんだよもう!こんなに面白いことやるなら、俺も混ぜてくんなきゃ!」
ジンペイはそう言うと、コマ、マタロウ、シロウと一緒に笑いながら肩を組んだ。
そんな中、マタロウが、バケーラとモモが一点をずっと見つめていることに気が付いた。
不思議に思ったマタロウがその視線の先を追ってみると──
「え~!?ななな……何これ~!?」
そこにいたのは、スーツを着た初老の男性だった。
それだけなら驚く要素はどこにもないが、この男性の一番の特徴は──
これにはYSP能力者とフブキ、マタロウ以外の生徒は驚き、一目散に校舎の中へ逃げていった。
「な……何だ!?」
メラも逃げはしなかったものの、流石に驚いていた。
そんな中、ジンペイがその男性に対して言った。
「おい、巨大なオッサン!学園の平和を乱すものは何人たりとも許しておけない!」
そんなジンペイをマタロウは尊敬の眼差しで見ていた。
「いくぜバケーラ!変身だ!」
「ダドッ!」
そうしてジンペイがウォッチを構えて変身する──と思いきや、巨大な男性はジンペイに驚いたのか、先程の生徒のように一目散に逃げていった。
「逃げやがった……」
「意外と怖がりなのかな……?」
メラとシロウが男性の行動に困惑する中、
「何度来ても、俺が相手になってやるぜ!」
ジンペイは自信満々にそう言うのだった。
そして、ここから始まる。
シロウがYSPクラブに入り、様々な事件を解決していくことになる第一歩が──。
今回はアニメ2話のOP前のところまでとさせてもらいます。
アニメ2話はできるだけその2で終わらせようとしています。
それでは。