今から十数年前の川神市
そこには五人の少年達と対面する二人の少年と少女がいた。
「コイツをやったのはテメェ等か?」
一人の少年が五人の少年達に聞く。
少年のコイツとは少女を指している言葉ではない。今、少年の目に見えている"右目をナイフによって傷付けられた猫"の事だ。
「あぁん?この猫の事か?」
少年と少女は頷く。
「そうだぜぇ~。いやぁ、おれ達悪だからよぉ。なぁ、お前等!」
五人の少年達のリーダーがそう言うと他の者も笑い始めた。
「アァ、糞つまんねぇ」
少年はそう呟く。
「あぁん?なんだってぇ~?ビビって声もでねぇのかよ!」
『ギャハハハハ!』
悪な少年達のリーダーはそれが聞こえず馬鹿にし、周りの者が馬鹿にしたように笑う。
「リョウ、私はもう我慢できない。
──アイツ等、殺してもいいか?」
「アイツ等は任せるが、殺すのは無しだ百代。それにアイツ等には軽くだが地獄見せてやるよ」
普通ならば、少女…百代の言葉は馬鹿に思える。何故なら、一人の少女が五人の少年達に敵う筈がない。だが、生憎と少女は普通と違う。
少年…リョウはそれを知っているので少年達の相手を百代に任せた。
知らない者達はというと、
「あぁん?そこの女一人で何ができんだよ」
悪な少年達のリーダーは不愉快さを隠さず聞いてくる。
「そうだな。──こう出来るっ!!」
百代がそう言うと少年達のリーダーの顔面を殴った。
「カッちゃん!くそっ、この女強いぞ!やっちまえ!」
リョウは百代と少年達の喧嘩を片目に、もう息をしていない猫に近寄る。
「悪い、遅くなって」
リョウはそう言い、猫を抱く。
「おい、リョウ。終わったぞ」
百代はそう言い、此方にくる。そして、少年達は地面に横たわり、呻いていた。
「そうか。そういや、百代。お前、ロープ持ってたよな?」
百代は頷き、リョウにロープを渡す。
「んじゃ、軽い地獄見せてやるよ」
そう言い、リョウは少年達に歩み寄った。
「な、なにするつもりだよ、テメェ!」
リョウから感じる恐怖に少年達は怯える。
「黙れ」
リョウはそう言い、少年達の手足を折る。
「ぎゃぁぁぁあ!い、いてぇ、いてぇよ」
少年達はあまりの痛さに身を悶える。
リョウはそんな事を気にせずに持っているロープで少年達の手足を縛る。手足が折れた状態でロープで縛るとさらに痛みが走る。
「コレでいいか」
リョウは手の汚れをパンパンと払う。
そして、少年達を川に投げ込んだ。
「え?え?」
少年達は慌てる。踠く事すら出来ない状態に。
「何すんだ!テメェ、俺等の事殺す気かよ!?」
少年の一人が叫ぶ。
「知るかよ、クズ」
しかし、リョウはその言葉をバッサリと両断する。
「なっ!?ふざけんな!」
少年達は叫ぶが、川に流されてしまい、やがて声は聞こえなくなる。
「…リョウ」
百代は死んでしまった猫を抱きながら、リョウの元へと近づく。
リョウは百代に抱かれている猫を撫でる。
「悪い、死なせちまって。だがお前を一人にはしねぇよ」
リョウはそう言うと、少年達が落としたナイフを拾う。そして、
「なっ、リョウ!?」
リョウは自分の顔の右目をナイフで斬った。
「俺はこの傷をつける事によってお前を忘れはしねぇ。だから、死んでも一人じゃねぇ。安心して成仏しろよ」
リョウは涙を流す事はしなかった。だが、傷付けた右目に伝う血は涙を流しているように見えた。
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そして、現在。
「…ファァ、あーよく寝た。あれ、ここ何処?」
高校生三年生になったリョウは海のド真ん中にいた。
リョウの現在の姿。
・制服にジーパン生地のエプロン
・黒い便所サンダル
・ボサボサの緑髪
・顔の右目に傷あり
・イケメン+高身長(192)