「リョウ先輩!」
大和は思わず、リョウに抱き付く。
「うわっ、キメェ」
リョウは履いていた便所サンダルで大和の頭を叩く。
「痛いっ!?」
「おおっ、リョウ先輩帰って来たのか!つーか、その背中のはもしかして」
キャップはそう言いながらリョウの背中にある物に注目する。
「ア?カジキに決まってんだろ」
そう、リョウが背負っているのは海の王者カジキマグロ(4m)である。因みに素潜りで捕まえた。
「いやいや、どう考えてもおかしいでしょ!?」
「諦めろ、モロ。リョウ先輩は化け物なんだよ」
モロのツッコミに対しガクトは諭す。
「その登場の仕方ナイス」
京はそう言いながら10と書かれた札を上げる。
「ところでリョウ先輩、その魚どうするの?」
ワン子は目を輝かせながら聞いてくる。
「アァ、コレはお前等、2-Fの熊飼に調理して貰おうと思ってな」
「そうなのか!自分も食べたいぞ!」
「おう、イイぜ。まゆっちも来いよ」
「えっ、いいんですか!」
「流石はリョウ先輩!オラ達の事も忘れてないとはクールだぜ」
リョウは一通りに話し掛けその場を去ろうとする。が、しかし
「リョウゥゥゥゥウウウ!」
百代がリョウに飛び掛かる。
「うおっ、危ねっ!秘義ガクト代りの術!」
リョウは自分とガクトの立ち位置を一瞬で変えた。
「おおっ、モモ先輩が俺様の所に飛び込んで──」
「死ね」
「──ウギャァァアアア!?」
百代はガクトをぶん殴り、ガクトは吹き飛ぶ。
「今の内に──」
「リョウ、捕まえーた!」
「うげっ!秘義脱皮の術!」
リョウは服を脱ぎ捨て、再度脱出を試みる。……パンツ一丁になって。
「ふっふふ、そうなるのは分かっていたぞ!」
百代は獲物が自分の思い通りになった事に笑う。
「なっ!?おまっ、ちょっと待てって!パンツから手を離せ!マジで!」
「だったら、暫く抱き付かせろ」
百代は有無を言わせない雰囲気を放つ。
「分かった、分かった!」
リョウはそう言い、脱いだ服を一瞬で着る。
「ったく、面倒臭いぜ。全く。イイか、大和。無駄に女が強いとすんごい面倒だぞ」
「見れば分かります。京はそこまで強くないし、基本強引には襲ってこないので助かってます」
「大和に褒められた!大和、愛してる結婚して」
「お友達で」
「うーん、惜しい」
「そういえば、リョウ先輩はなんで戻って来たんだ?」
クリスはどんな返答を返ってくるか、分かっているが念の為に聞いた。
「なんか、面白そうな匂いがしたからな。急いで戻って来たぜ」
「おおう、相変わらず意味不明な事言うぜ。この化け物先輩は」
「こらっ、松風!」
「ハッハー、おい、まゆっち。その馬のストラップ寄越せ。遠くにぶん投げるから」
「はぅわ!」
「オラを投げるっていうんですかい、このスットコドッコイは!オラ、九十九神、つまりオラにそんな事をしたら祟られちまうぜ!
ていうか、すいませんでしたー!」
「つーかさ、リョウ先輩は今回は何処にいたんだよ?」
「海のド真ん中」
「うわっ、マジかよ!イイなぁ、俺も行きてぇけど、俺は夏休みとか、連休中じゃないと国外には行けねぇしなぁ」
何故か、知らないがのほほんとする七人+九十九神。
「てゆうか、リョウ先輩の所為でガクトが!」
モロは吹き飛ばされたガクトの事を心配する。
「アァ、それなら…ほら、連れて来たぞ」
リョウはそう言い、己の腕にいつの間にか担いでいたガクトをモロに投げる。
「えっ、ちょっとなん…ぐわぁ!」
モロはガクトと共に倒れる。
「頑張れ、モロ。お前の事は忘れない!」
「いや、キャップ!それ、カッコ良く言ってるけど、ただ置いて行くって事だよね!」
「なぁ、百代。今日はなんのイベントがあるんだ?」
「ん〜?今日は天神館との喧嘩だぞ〜」
「へぇ、なかなか面白そうじゃねぇか」
「いや、既に置いてかれてる!?」
「んじゃ、風間ファミリー学校に登校だー!」
「いや、だから待ってー!」
師岡卓也。彼は不憫な男である。
「あれ、俺様は誰?イケメン?」