月女神の眷属譚   作:graphite

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タイトルでご察しの通りです。色々とストーリーを漁ったけど滅茶苦茶刺さりました。今回はその話の中のものを参考にしています。自分にこんな素晴らしいキャラを紹介してくださりありがとうございますw


聖女

 

 

「出来ません」

 

とある薬舗に凛とした声で拒絶の意を告げる銀髪の彼女は................

 

都市最高の治療師(ヒーラー)と名高いアミッド・テアサナーレ

 

二つ名を《戦場の聖女(デア・セイント)》――

 

 

**********

 

(厄介な手合いが来てしまいましたね..............)

 

アミッドは今眼前で値切り交渉する男の冒険者を見てそう感想を抱く

 

ガラの悪い男は金欠だからと、特別大きな怪我や毒に侵されているわけでもなくそのような〝どうしようもない〟理由でしつこく交渉する。そんな相手に彼女は辟易していた

 

「なぁ、いつもここで買ってるだろ?だったら少しくらいまけてくれても罰は当たらねぇよな?」

 

「お客様がいらしたのは今回で三度目と記憶しております。以前の二回もお買い上げになられませんでしたが?」

 

彼女は一度来た客の顔だけに限らず、手に取った薬やその者状態などを覚えることを必須として考えている。そんな彼女の仕事に対する姿勢や麗しい容姿を含め彼女ほどに〝聖女〟と呼ばれるにふさわしいものはそういないだろう

 

「ぐっ..........!」

 

男は値切るための適当な言葉であるため正論で返され言葉に窮する

 

だが、こういう手合いの本当に厄介な点は..............

 

〝ガシャアァァァン!〟

 

「ッ..............!」

 

彼女の顔のすぐ横に店内に並べられた薬瓶が投げつけられ、彼女の後ろにあった薬瓶も数本割れてしまう

 

「あ~あ...........あんたがあんまりにも強情だから折角の商品が壊れちまったなぁ?」

 

「.............」

 

「お、なんだその目は.........やるってのか?」

 

アミッドは下賤な行いをした男を鋭く睨みつけると男もまた喧嘩腰でアミッドを睨みつける

 

「.........貴方がダメにしたこの薬で、数人の命が繋げたかもしれません。その自覚はおありですか?」

 

「あぁん?知るかそんなもん!」

 

彼女にとって癒すと言事に対する責任感はこの都市の治療師の中でも一番であり、またその行為に対する想いも同じだ。その彼女が男の軽率な行動に怒りを覚えることは当然だった

 

「そうですか..............ではお引き取りを」

 

彼女は毅然とした態度で男に告げる

 

「なん......だと?......テメェはさっさと薬をよこせばいいんだ!迷惑料ってことで納めてやるからよぉ!」

 

激昂する男に彼女は冷静に.....淡々と言葉を紡ぐ

 

「私どもの商品や、調合師達に価値を感じない方と取引をするつもりはありません。例え、貴方が二倍、三倍の値を付けたとしても貴方との取引が有益とは思えません。早急にお引き取りを」

 

彼女は男にそう告げる。

 

これで男が諦め、店を出ていけばよかったのだが、頭に血が上った男はついに..........

 

「黙って聞いてればこのアマがッ........!」

 

男は振りかぶりアミッドめがけて拳を振り下ろそうとする

 

(ッ.........!)

 

アミッドはレベル2ではあるが戦闘能力は通常のレベル2冒険者と比べやや劣る。そのため彼女は男の拳を防ぐことは難しい

 

殴られる............アミッドはそう思い、せめて目だけは逸らさまいとしてると新たな客が来客する

 

 

そして..............

 

パッシン!

 

新たな客が拳を受け止めた乾いた音が店内に響くとその本人はまるで何もなかったかのように彼女に尋ねる

 

「すいません。おススメのポーションってどれですか?」

 

アミッドにはそんな彼の顔に思い当たる節があった

 

中堅派閥であるファミリア相手にたった一人で戦争遊戯(ウォーゲーム)で下した当時レベル4.......現レベル5(第一級冒険者)

 

(彼は確か月女神の煌剣(プレアデス)...........ノクス・リータス)

 

オラリオでも有名な第一級冒険者の登場に彼女は内心とても驚いていた

 

***********

 

 

ノクスはダンジョンに行く前に数が減ってきたポーションの補給をしようと考え街を歩いていた

 

(ん?あそこは確かディアンケヒト・ファミリアの薬舗.............よし、これも何かの縁ってことで少し高価だけど試してみるか)

 

ノクス自身オラリオでも大手の医療系ファミリアのポーションがどんなものかは以前から気になってはいたが、スキルの影響もあり特にこだわりもなかった。ただ、折角の事なので物は試しだろうと薬舗に足を向けると...........

 

「テメェはさっさと薬をよこせばいいんだ!迷惑料ってことで納めてやるからよぉ!」

 

突然店舗内から男の大声が聞こえたため何かのトラブルが起こってることを察する

 

(無視するのが賢いんだろうが...........そんなダサい真似したくないし止めに行くか)

 

冒険者同士のトラブルなどロクなことがないため関わらないほうがいいのが通説だ。ただ、だからと言って見逃すというのは後味が悪い。そう思い扉を開け入ると..............

 

(あれは《戦場の聖女(デア・セイント)》.......って拙い!)

 

ノクスが戸を開けて入ると聖女と有名なアミッド・テアサナーレが店番をしておりガラの悪い男に殴られそうになっていた

 

ノクスは静かに一瞬で移動すると彼女を守るためにガラの悪い男の拳を余裕を持って受け止めるのであった

 

 

 

*************

 

 

 

「お勧めのポーション..........ですか?」

 

アミッドは目視すらできない一瞬で間合いを詰めたことに流石は第一級冒険者だと考えつつ、突然のことに困惑しながらもノクスに確認を取る

 

「はい。あっ、自分状態異常無効化のスキルを持ってるので解毒ポーション以外でお願いできますか?」

 

ノクスは敢えて今拳を受け止めてる男のことを無視してアミッドに話しかける。それは十分に男を刺激し、狙い通りアミッドに向けられていた害意を自身に向けさせる

 

「おいテメェはすっこんでろ!俺はそこの生意気な女と...........」

 

男はどうやら頭に血が上っており、オラリオ内でも何かと顔が知られているノクスに気づかずに喧嘩腰に今にも掴みかからんとするが...........

 

「黙れよ」

 

ノクスが短くそう言って濃密な殺気を男に正面からぶつける。その圧は凄まじく男へ向けられた殺気の一部僅かに漏れ出し、そのわずかな圧だけでアミッドにはこの場の温度がいくらか下がったようにに錯覚する

 

そして直接それをぶつけられている男は..........

 

「あぁぁ......ぁ............ぁ..........」

 

顔を真っ青にしてガクガクと膝を笑わしている。今にも跪きそうな男の拳をノクスは離すと突き放すように言う

 

「早くここから去れ..........目障りだ」

 

「ひっ........ひぃぃぃ............!!」

 

完全に怯え切った男は一目散にその場から逃げ出して外へ出ていってしまった

 

そんな光景にアミッドは呆然としているとノクスは謝罪の言葉を口にする

 

「ご迷惑をかけてすいません。それに御見苦しい姿を見せてしまいました」

 

ノクスが殺気を納めるとすぐにアミッドに頭を下げて謝罪をする

 

「!い、いえ........私もあのお客様には困っていたので助かりました。それに殴られそうなところを助けていただき感謝しています」

 

「助けられたならよかった..............って、アミッドさん頬少し切れてるじゃないですか!?」

 

「え?」

 

ノクスの指摘を受けアミッドは自身の頬を手で触れると血が手に付着した。恐らく破片が飛んで切れてしまったのだろう

 

「ちょと待ってくださいね」

 

ノクスはそう言うとバックパックに入っていたポーションを取り出すと太陰道を使い吸収する。そんな様子をアミッドは初めて見ることもあり食い入るように見ていると..........

 

「よし.........付呪(エンチャント)生命力譲渡(トランスファーヒール)

 

ノクスはアミッドに右手をかざし魔法を使うと優しい黄色い輝きがアミッドの頬の傷口に集まる。そのアミッドはその輝きが生んだ優しい温かさを心地よく感じる

 

僅かな時間が過ぎるとノクスは右手を下ろした

 

「今のは.............回復魔法ですか?」

 

アミッドは傷があった場所を触れる傷がなくなったことを確認するとノクスにそう問いかける

 

「ちょっと違いますね............自分の魔法はあくまで付加魔法なんです。つまりは何かを付与するのが本質なんです。細かい説明を省くと自分の生命力を付与して傷をなかったことにしたんですよ」

 

ポーションを吸収することで得た付加魔法は自身の生命力を付与することで他者の傷を癒すものだったのだ。自分自身には使えないのが難点だがもとよりノクスのスキルがある以上傷の直りはいい為さほど問題ない

 

「生命力の付与.........そんな魔法を私に使ったんですか?それは相当危険なのではないですか?」

 

アミッドはノクスを見て特に不調な様子は見られないが不安を感じてそう尋ねる

 

「初めて使ったので何とも言えませんけど相当な大けがとかでもなければそう問題はないと思いますよ。現に今は特に何も感じませんし」

 

「そうですか........それならいいのですが初めて使うにしては躊躇いがなさすぎではないですか?治してもらっておいてこういうのは違うかもしれませんが、もう少し慎重になったほうがいいと思いますよ」

 

アミッドからすればノクスの行動に感謝は当然あるものの治療師(ヒーラー)として少し命を軽視してるのではと思い忠告するようにノクスに伝える

 

すると全く予想外の返答が帰ってきた

 

「でも、アミッドさんみたいな綺麗な女性の顔に傷が残るのは何よりも問題じゃないですか?自分としても目の前で女性が傷ついてたら放ってなんていられないですし」

 

(今彼はなんと?.............私が綺麗?)

 

ノクスの突然のその発言に戸惑うアミッド。別に、アミッド自身自慢ではないがそう言われることは今までも何度もあった。だが、こうも正面からまっすぐにそう伝えられることはなく言葉にできない何かを感じ困惑する

 

「あれ?もしかして自分変なこと言いましたか?それかもしかして他に怪我をしていたりするんじゃ....................」

 

突然黙り込んだアミッドにノクスは心配そうに問いかける。そんなノクスの本気で心配している素振りでようやくアミッドは我を取り戻す

 

「い、いえ.........問題ありません。お気遣いありがとうございます。」

 

「それならよかったです..........何かあったら言ってください。もう一度同じ魔法を使うので」

 

「..........ノクスさん。知ってると思いますが私は治療師(ヒーラー)ですよ?それと先も言いましたがあまりご自身のことを軽視してはいけません。貴方の他者への思いやりは美点でもありますが同時に弱点でもあると私は思います。まず、第一に貴方の命を大事にしてください。貴方が思いやる相手も貴方自身が身を削るような行いをすれば悲しませてしまいますよ」

 

アミッドは言っていてそれはまさしく自分自身の事なのではと頭のどこかで考えていた。まるで身を削るのが当然のようなノクスの行動を悲しんでるのではと..........

 

「あはははは..........似たようなこと知り合いに言われました。そうですね.........どこか癖みたいになってるみたいです。でも普通に見ていて気分がいいものではないですよね。忠告してくださりありがとうございます」

 

いつかリューに言われた言葉を思い出しながらノクスは苦笑を浮かべ指摘してくれたことに対し感謝を述べる

 

「いえ、私はただ治療師(ヒーラー)としての視点からの意見を述べただけです。ですが、問題があると感じているのであればそうしないように努めてください」

 

アミッドはちゃんと伝わっているとこを見て安堵の微笑みをこぼす

 

(アミッドさんの笑顔綺麗だなぁ.............」

 

そっと静かに儚く微笑む彼女を見てノクスは確かにこれは聖女と言われるわけだと一人で勝手に納得していると..........

 

「............コホン!口に出ていますよ?不快ではないですがそう言った発言は控えることをお勧めします」

 

「えっ!......す、すいません!つい本心が..........」

 

ノクスが不意にこぼした呟きを拾われてしまいすぐに焦って謝罪する

 

(何と言いますか優しい人ではあるのですが......少し天然ですね。それに彼に褒められるのはどうしてか嬉しくも感じます..........きっと彼は人たらしなのでしょう)

 

アミッドはノクスのことは冒険者の資料や噂程度でしか知らなかった。その為もありノクスのことを凶暴な人と言うイメージすらあった。だが、今日直接のノクスと会い、その人物像が真逆であることを知ってそんなノクスに興味を持ちつつあるのであった

 

***********

 

「お買い上げありがとうございました。それに割れ物の片づけまで手伝ってもらいありがとうございます」

 

ノクスはアミッドに勧められた物の説明を聞き、吟味した結果すべて購入することになった。そのためいささか出費は重いがそれでも満足できる買い物だろう

 

「こちらもいい買い物ができました。それとそんなに気にしなくていいですよ?自分がしたくてしてることなので。ただ、割れ物かたずけは必ず箒を使ってくださいよ?アミッドさんは女性なんですからもう少し自分のことを気にしたほうがいいですよ」

 

アミッドは箒などを使わずに割れ物を素手で片付けようとするので手が傷ついたら拙いと思いノクスは自ら名乗り出て片づけを手伝ったのだ。ノクスはアミッドが仕事熱心すぎるがゆえにそう言う事に無頓着のだろうと予想していた

 

「お気遣いありがとうございます。ですがご心配は無用です。切り傷なら簡単に癒せるので」

 

「それでもですよ。アミッドさんが言ってたように身を削るようなことは誰かが悲しむんですよ?俺はアミッドさんが怪我したら悲しいですよ?」

 

「!...........これは一本取られましたね。わかりました。これからは気を付けますね」

 

アミッドはまさか自分が言ったことを言い返されるとは思わず少し驚く。だが、ノクスがそう言ってくれることが嬉しくもあった。そのため彼女の顔には笑みが浮かんでいた

 

(ホント綺麗な笑顔するよな........なんか見てると照れるかも)

 

そんなことをぼんやり考えていると新たな来客が来たようだった

 

それはノクスがよく知る者たちだった...........

 

「おや?ノクスじゃないか」

 

「こんにちわフィンさん。見た感じこれからダンジョンですか?」

 

新たな客はロキ・ファミリア団長フィン・ディムナ。槍を持っていることからこれからダンジョンに行くのだろう。そんなことをノクスは思い問いかける

 

「あぁ、たまには気ままに散策をしようと思ってね。ノクスこそこれからダンジョンに行くんだろ?」

 

「はい。行く前に補給をしに来たところです」

 

彼もまたノクス同様にノクスが双剣を装備していることと背中にバックパックを背負っていることから同じような理由だと理解する。

 

そして、彼の後ろには..............

 

「やっほ~月女神の煌剣(プレアデス)君」

「この間ぶりね、ノクス」

「こんにちわノクス」

 

ティオネ、ティオナ、レフィーヤに........

 

「久しぶりノクス」

「久しいなノクス」

 

アイズにリヴェリアさんとロキ・ファミリア主力陣勢ぞろいだった

 

「皆さんこんにちわ」

 

ノクスはこうして主力メンバーの面々が集まると壮観だなと考えていると補充を開始した彼女らの裏でフィンがノクスにある提案をする

 

「ノクス、折角の機会だ。君さえよければ僕らと一緒に行かないか?」

 

「特に予定はないのでいいですけどどれくらいの間籠りますか?」

 

「そうだね........僕らは一週間程度ダンジョンにこもろうと思ってるんだ。勿論、一週間付き合えとは言わない。今日だけでも構わないよ」

 

(一週間か..........俺はまだ大丈夫かもだけどアルテミスが不安だな...........)

 

アルテミスは今でもあの時のことで悪夢を見ることがある。頻度こそ今ではかなり減ったが一人で一週間残すのは忍びない。だが..............

 

(だけどいつまでもこのままと言ううわけにもいかないしいい機会かもな)

 

「期間についてはアルテミスに確認とってからでいいですか?今日は夕方頃帰ると伝えてあるので」

 

「それもそうだね..........そうだ、僕もそれについていっても構わないかい?」

 

「特に問題ないですけど........アルテミスに何か用ですか?」

 

「正確にはアルテミス様と君にだけどね。詳しいことは君のホームでいいかな?少し話が長くなるかもしれないからお店に迷惑になるしね」

 

「わかりました」

 

ノクスはどんな話か全く見当がつかないがフィンのことは信用しているので特に問題ないだろうと考え承諾した。するとちょうど補給も済んだようで出発する模様だった。

 

「リヴェリア。僕は少しノクスとアルテミス様に用があるから彼女たちを連れて広場の方で待ってもらっていいかな?」

 

「...........それは構わないがあの話を持ち掛けるつもりなのか?」

 

(〝あの話〟?)

 

「あぁ、そのつもりだよ。頼めるかい?」

 

「わかった。広場で待っていればいいんだな?」

 

「ありがとうリヴェリア」

 

リヴェリアはフィンの指示を受けるとアイズらを連れ店を出ていった

 

それをノクスとフィンは見送り、自分たちも店を出ようとすると..........

 

「ノクスさん少しお待ちください」

 

するとアミッドが薬瓶を片手に窓口から出て歩いてくる

 

「えっと、どうかしましたか?」

 

「助けていただいたお礼の品を渡しそびれていたので..........これをどうぞ」

 

「えっとこれは.......」

 

ノクスは手に取り何の薬瓶か尋ねると...........

 

「我がファミリア最高級の万能薬(エリクサー)です」

 

「えっ!?流石にそれはもらえませんって!」

 

万能薬(エリクサー)の値段はなんと50万ヴァリスでありとてもそうやすやすと受け取れるほどの代物ではないのだ。その上ディアンケヒト・ファミリアの最高級ものとなればなおさらだ

 

「私が貴方に受け取って欲しいんです。ですのでどうか受け取ってください」

 

真剣な表情でそう言われては流石に断ることはできない

 

「.......分かりました。なら、有難く受け取らせてもらいます。その代わり......というのは変ですが、これからもここを贔屓にします。それと依頼(クエスト)なんかも受けるので遠慮なく言ってください」

 

「そうですか.........分かりました。これからもよろしくお願いします。それと今からダンジョンに行かれるんですよね?」

 

「はい..........もしかして早速依頼(クエスト)ですか?」

 

ノクスが受ける気満々で尋ねると.............

 

「いえ、そう言うわけではありません。ただ、どうか怪我にはお気を付けください。私も貴方が傷つくのは嫌ですから」

 

ただ純粋に怪我に気を付けて欲しいとそう言われたのだ

 

なら、彼女に言うべき言葉は...........

 

「はい!気を付けます。それじゃあ行ってきます!」

 

明るく、元気にそう告げることがノクスがとるべきだと感じたことだった

 

「い、いってらっしゃい.........」

 

アミッドは若干恥じらいと戸惑いが混じった声音でノクスに返す。

 

ノクスはそれを聞いてからフィンと共に店を出るのであった

 

 

************

 

 

ノクスが店を出た後彼女は鏡に映る自分を見る

 

『アミッドさんの笑顔綺麗だなぁ............』

 

彼が無意識にこぼしたその言葉を鏡に映される自分自身を見て思い出していた。言われた時は驚いたがこうして思い返してみればやはり存外悪くないと感じていた

 

「こう.........でしょうか?」

 

アミッドは手を使い口角を吊り上げ無理やり笑みを浮かべるようにする

 

「...........これは酷いですね......」

 

だが、結果はまるで変顔をしているようで笑顔が綺麗などと言われるのが不思議になるほどだった

 

(...........もう少し笑えるようになったほうがいいのでしょうか?)

 

今まで治療や新薬のことを考えることがほとんどの彼女が外見に気を遣うようなことを考えるのは珍しいだろう。そんな心境の変化をもたらしたのは間違いなくノクスの一言。

 

最も今はまだ彼女のそれは興味本位程度のものだった

 

だが、それからすぐにファミリア内で彼女がよく鏡と睨めっこしているという噂が流れるようになるのであった

 

 

 

 




今回はソードオラトリアのアニメで言うところの4話の入る前のところです。今回は聖女アミッドの初登場とノクスとの初めての出会いと言う話です。前回アミッドのヒロイン加入について聞かれたのですが自分は基本的にアニメしか見ておらずアミッドの容姿くらいしか知りませんでした。ですのでまずは調べてみようと思い、Youtubeでダンメモのキャラシナリオ等を見ていたら滅茶苦茶ヒロインにしたいと思いました!ほろ酔いしたところとか目覚ましボイスやなんやらすべてがとても刺さりました。ですのでヒロインはアルテミス、レフィーヤ、リュ―の三人に新たにアミッドさんを追加しようと思います。

アイズに関してはまだ悩んでますが恐らくは追加すると思います。6人目以降は追加することは今のところないと考えています。ただ、調べてみて自分が入れたいとか思ったら変わるかもしれませんがヒロインは5人までと考えているのでそこはよろしくお願いします


それでは今回もここまで読んでくださりありがとうございます。また、コメントやお気に入り登録に評価をしてくださりありがとうございます!

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