ガンダムビルドファイターズ Re:Spelled 作:セルフィア
第1話〜後輩は護るもの〜
「せんぱ〜い、私と次の地区予選ペアで出ません?」
部活動開始直後にとんだ問題発言をしているのは、この春新しく入部してくれた双子の片割れの姉で[井上 響歌]妹が出来た気分だ。
「響歌...いい加減、沙希に喧嘩を売るのやめてくれ...」
「響さんそう言いながら響歌さんの何処を薄めで見てるんです?」
響の目線が右左と泳ぎ自然と足がドアへと向く。
↓
だが察されていた沙希によって阻止される。
↓
響歌が響の腕に抱きつく。
↓
おかしいな...春の日差しが差してるはずなのに部屋の温度が下がった気がするぞ?
「斗真、よく見ておけ。あれが泥沼ってやつだ。」
「勉強になりますね、その内の1人が自分の姉って事を除けば。」
その様子をソファに座りながら拓哉と見ているのは響歌の弟で[井上 斗真]姉とは性格が真逆で冷静沈着、拓哉と気が合うらしい。
4月の新人戦を終え2ヶ月後に地区予選を控えた響たち新生ガンプラバトル部の普段の日常は突如開かれたドアから変化していった。
「やっほー!みんな元気にしてた?」
「あ、木乃香さんお久しぶりです!取り敢えずこの状況を打破してもらえます?」
「それは良いんだけど響くん、またなの?」
「「また??」」
ガンプラバトル部前部長の木乃香との久しぶりの再会だったのだが今の響にとっては環境を変えてくれる優いつの可能性を秘めていたのだが、新たな火種が投下されてしまう...
「あれ、この話はしちゃダメなんだっけ?新人戦直後にゲーセンで会ってペア対戦してたら逆ナンされたって...」
「あぁ〜そういえばそんな事あったなぁ。木乃香さんも知ってたんだな。」
「木乃香さん⁉︎拓哉ぁ!!!」
拓哉がそのことを思い出し響たちの修羅場を横目に斗真と自機の改修を始めようとしたところで木乃香が手を叩きながら提案をした。
「じゃぁ、私と沙希ちゃん、響くんと貴女でバトルしましょうよ。それで勝った方が正しいって事で!」
「なんだろう...俺だけ異常に難度が高い気が。」
「「やりましょう。」」
「2人が乗り気⁉︎まぁやるからには全力を尽くす!拓哉と斗真は、ってポテチとコーラを展開すんな!」
「いやぁ、この感じ懐かしいなって。」
「僕は前部長の戦い方を見てみたいって言うのと次こそ姉さんに勝てるように観察してます。」
拓哉だけ後で個人的にしばこうと思いながらも筐体を真ん中に挟みGPベースをセットし読み取りにガンプラを置いた。
≪ Damage level set to B≫
《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard1,space》
《Please set your GUNPLA》
音声に従ってガンプラを置く
《BATTLE START!》
「小川 沙希、ファントムスローター。い、行きます!」
「城戸 響、AGE-2不知火。推して参る!」
「今井 木乃香、ガンダムアリス!殲滅を始めましょうか!」
「FAアトラスガンダムは井上 響歌で行きます!」
レバーを動かし機体を発進させる。
「響歌、いっきにステージ中央まで行くぞ。」
「はい!あぁこれが共同さ...」
「言わせねぇよ⁉︎」
ゲートから飛び出してAGE-2不知火の牽引用ワイヤーにFAアトラスガンダムを捕まらせると追加ブースターを点火し加速していく。
「お、もう来てるな。って、マジかよ...」
「小川先輩の機体新調してます?」
「いやあの機体はホントに怒ってる時のやつだ、後木乃香さんの機体は全くの新型だ。」
周辺を警戒しつつ、小惑星に降り立つと正面の木乃香は器用に肩など一部が金色の装飾が施されたウーンドウォートの改修機[ガンダムアリス]の手を[ようこそ]していた。
「そういえば自己紹介がまだだったわね!私は今井 木乃香、この部の前部長よ!」
「ご丁寧にありがとうございます。私はこの4月から入部しました井上 響歌って言います!響さんの...愛人です♪」
「んな訳あるか!俺の彼女は沙希だけだって何回も...」
「響さんがそうやって完璧に否定しきれないからっ!」
沙希の言葉と共に振り下ろされた2機分のビームサーベルを横にいたFAアトラスの手を引いて後ろに下がらせ自身はビームサーベルを2本抜いて受け止め、両肩のアンカーを射出しビームサーベルを奪い取る。
「響歌!右下の隕石目掛けてレールガンを撃て!」
「え、何もないですよ⁉︎」
「いいから!」
「知りませんからね!」
「速度調整、投擲準備...これが俺のゲイボルグ!」
奪い取ったビームサーベルをレールガンよりも早く隕石にめり込ませるとタイミングよく放たれたレールガンが命中しあたり一面に細かくなったビームが迸る!
「一旦引くぞ。」
「させません...!」
「くっ...!」
撤退しようと可変形態を取ってあと少しでセンサー外へ行けるという直前、シールドを足場に直撃を防いでいた沙希のビルドストライクをベースに砲撃仕様へ改修した[ファントムスローター]のロングレンジライフルのビームがAGE-2不知火の右アンテナを吹き飛ばしていた。
響歌も近づかせまいとカートリッジを交換したレールガンを再び撃ち放すが木乃香のガンダムアリスには当たらずむしろビームライフルの数撃がFAアトラスの装甲を焦がしていた。
「条件は同じ筈なのに!」
「同じ?積んできた経験が違うっての!」
近くの隕石を足場に思いがけない挙動で近づかれたことによりガンダムアリスの急速接近を許してしまいFAアトラスの腹部を思いっきり殴りつけられる。
「木乃香さん!」
「響くん!」
不知火の機首となっているドッズトリアイナがガンダムアリスの咄嗟に掲げたシールドに衝突し先程まで撃ち合っていたFAアトラスから遠ざかっていくが、体制を立て直した木乃香によって不知火の脇腹を蹴り上げられ横回転しながら可変を解く。
「よくもまぁ、その細い足で蹴ろうと思いましたね!」
「これがハルートとかならやらなかったけど、AGE-2って胴体細いじゃない?だからよ!」
「そういうもんか?って木乃香さんがビット⁉︎」
「私はね、常に進化してるの!」
「だったら俺はその先をいく!ガンダム!」
そう言いながらお互いにビームサーベルを抜き機体正面でバチバチ音を立ててぶつかり合いそのままの勢いで振り抜き弾かれた不知火に向けガンダムアリスのスカートから多数の粒子ビットが放たれ不知火は可変形態を取り隕石が集まってる地帯を器用にすり抜け大体の粒子ビットを消滅させると残りを左バインダーのアンカー を回転させて誘爆させていく。
「どうですか!俺はあれから...」
「たしかに成長してると思うけど、試合中によそ見は駄目よ?」
「ところがぎっちょんってな!」
「拓哉くんじゃないんだから!」
ビットが消滅した際の爆風に紛れて接近していたガンダムアリスの分割式大剣[アメノハザネ]によって近くを航行中の戦艦に叩きつけられ胸部を刺されまいと身を捩った結果、胸部装甲を剥がされてしまう。
続く追撃を隠し玉として用意していたビームバルカンを連射し怯ませ隙に横に転がり
「響歌にこういう手は見せないようにしたかったけど...!」
「閃光⁉︎」
再び視線をこちらに向けた木乃香へ胸部ブロックから照明弾に近い閃光を放ちつつ可変形態をとり片腕だけ変形を解いてガンダムアリスの頭を鷲掴み一気に加速しながら隕石に叩きつけた。
「まさかこういう手を使ってくるなんて前回戦った時から何が起きたのかしらね?」
「俺にも部長として守らなければならないものが出来たんでね、独りよがりの戦い方はもう出来ないですよ。」
「さっきもちゃんと指示出来てたものね、お姉ちゃん嬉しいわ!」
「姉はもう琴音さんと紫織ねぇでいっぱいですよ!」
ドッズトリアイナを構えてブーストを噴かすがガンダムアリスに最小限の動きで躱され逆に拳で右頬を殴られ体勢がよろけるがドッズトリアイナからビームを連射し即席のブースターとして後方へ下がる事で蹴りを躱す。
「トリアイナだけはドッズライフル仕様にしても変わらないのね。」
「そりゃ思い入れのある槍ですから!それと...このままバトルも続けたいですけどこの不知火が試作段階で関節とか未調整っていうのもあってそろそろ稼働限界迎えそうなので...」
「あら、それは残念。ならもう終わりにしましょうか!」
ガンダムアリスはシールドとビームライフルを投げ捨てアメノハザネを構え、AGE-2不知火は追加ブースターをパージしドッズトリアイナを両手で掴みお互いにブーストを噴かしながらそれぞれの獲物で鍔迫り合う。
「「片腕ぐらいくれてやる(あげようじゃない)!」」
何度か鍔迫り合い一度距離をとってAGE-2不知火がドッズトリアイナを投擲、アメノハザネで弾くが正面を向くと姿が消えており次の瞬間振り上げられたビームサーベルによってアメノハザネを持っていた左腕が綺麗に飛んでいくがAGE-2不知火のビームサーベルを持っていた手がいつの間にか射出されていたビットに貫かれ肘から先が落ちていく。
「響くん、私あるものは何でも使えって言わなかったっけ?」
「言われた事はありますけど、今この場で言います?」
「いや、右肩のアンカー取られてる事に気付かないかなって!」
「今さっき⁉︎うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ...」
右手で掴んだアンカーをAGE-2不知火の頭部に突き立て背中を蹴り付けて無重力に放り出しその場で回り出すとくるくる響の悲鳴とともに最後の抵抗としてAGE-2不知火もビームバルカンを乱射するが当たらずそのまま振り回されまたも航行中の戦艦に叩き付けられてビットが戦艦の動力炉を貫通しもろとも爆発を起こす。
「沙希先輩、後輩相手にもうちょっと手加減してくれません?」
「[やるからには全力を尽くす]が心情なので...」
「そのフレーズって響先輩がよく言ってるやつじゃないですか!」
響が木乃香のガンダムアリスをドッズトリアイナで突きながら連れ去った直後、沙希のファントムスローター目掛けFAアトラスのレールガンが火花を散らしながら放たれ
一発目は回避、二発目はなんとメガキャノンによって撃ち抜かれ砲撃の余波でFAアトラスのシールドが小刻みに揺れていた。
「ホント射撃にかけて天才レベルに上手いですよね!」
「褒められるのは未だに慣れないですね...けど、私乱れ撃ちも出来るんです...」
FAアトラスの前面に掲げたシールドの隙間から6連ミサイルが煙を立てながらファントムスローターに向かうが沙希は逃げる素振りを見せずシールドのビーム砲・ビームガンを用いて一つ一つ撃ち抜いていく。
「それどうやってるんですか⁉︎前に響先輩も衝撃波でミサイルぶった斬ってましたけど!」
「ちなみに安藤くんもミサイルをNGNサブマシンガンで撃ち落としてます...」
「先輩たちどうなってんの...」
残弾が空になったレールガンを投げ捨てシールドブースターに足を装着し漂っている隕石をコンテナから取り出したビームマシンガンで蹴散らしながら急速に近づき、範囲内に入ったの確認するとヒュドラの毒を撒き散らす。
「まさかヒュドラの毒を搭載してるとは思いませんでした...今度はこちらの番です。」
「今までも沙希先輩の番でしたけど⁉︎」
沙希は腐食したロングレンジライフルを捨てて代わりに左手にビームガン・右ボックスサーベルを構えビームコーティングされているFAアトラスのシールドブースターの押し付け徐々に金属の溶ける音が聞こえ始め次の瞬間、頭部をボックスサーベルが貫いていた。
「ファントムスローター、目標を駆逐します...」
「...私だってまだ頭部を壊されただけなんだから!」
片方だけ損傷したシールドブースターをパージし、両手にビームサーベルを持つと響がよくやっている構えで残ったブースターを噴かして切り刻もうとするが対する沙希は構えていた武装を一度下ろし呼吸を整えると再びビームガンをサーベルモードで振り上げ右腕を、続く振り下げで左腕を斬り飛ばし最後に横一線に胴体を切り飛ばす。
[YOU WIN!!!]
スクリーンが溶け響に泣きつく響歌、慰める響、目からハイライトの消える沙希、満足そうな顔で立っている木乃香と言った見る人がみたら何事かと思うぐらいの光景だった。
「さて!痴話喧嘩はこの辺りで終わりとして次はそこの2人も一緒にやりましょうよ!」
「喜んで!斗真も行こうぜ。」
「はい、こんな機会滅多にないですから。」
しれっと逃げるように木乃香の隣に響が立っており木乃香・響VS拓哉・とうまの対戦カードが出来ていてGPベースをセットする。
ここから暗くなるまでサプライズ木乃香のバトルは続き、後日談だがバトルから数日後響と沙希はディズニーに行ったそうな。
みなさまお久しぶりです!
響たちが3年生になって帰ってきました!
これからまた更新頻度は落ちると思いますが引き続きお付き合い頂けると嬉しいです。
今回のガンプラ紹介!
AGE-2不知火
武装:ドッズトリアイナ、ビームサーベル×2、アンカー×2、ビームバルカン、内部閃光弾
SP:擬似Xラウンダー
ストライクガンダムファランクスV3を乗りこなせるようになった響が可変形態を惜しむ事なく活かせるよう作成した機体。
この1年間の間に制作技術の向上した響自身が作成した機体のため自分の癖に合わせて武装のバランスなどを調整し、以前だったら使わないであろう閃光弾なども搭載している。
響曰く後輩を守るのも部長としての役目だからというが、思い返すと前部長である木乃香に守ってもらえた記憶があまりないと思うのだった。