ガンダムビルドファイターズ Re:Spelled 作:セルフィア
6月も中旬に差し掛かり響たちの地域も梅雨入りを果たして雨が降り頻る中、傘を刺しながら拓哉は1人街中を歩いていた。
「響の奴...赤点なんか取ってんじゃねぇよ...しかも俺が教えてた内容8割出てたじゃん...」
今思い返すと教えてる時にノートの右端にパラパラ漫画を描いていたのでいつの時代だよ!って突っ込んだなぁと遠い目をしながら
(そりゃ赤点とるわ...)
心の中で今頃補修受けてるであろう響に手を合わせつつふらっと行きつけのゲームセンターの奥にあるガンプラバトルブースへ足を運ぶと雨が降っているにもかかわらず学校帰りの高校生や休みの日らしい社会人などが世代の垣根を超えてバトルを繰り広げていた。
「おー賑わってるねぇ。フリスペあたりで誰かってありゃ?」
「ん、君は確か...天ヶ崎の...」
「安藤 拓哉です。今井妹の先輩ですよね!」
「元、だけどね。君たちのとこの今井木乃香と同じ学年だったからもう卒業して今は普通の大学生だよ。」
「そういやそうですよね。ここにいるって事はガンプラバトルは続けてるんですか?」
「こんな楽しい物辞められるわけないよ。そんな事よりここであったのも何かの縁だ、一つどうかな?」
「喜んで!んじゃ、早速...」
そして、ちょうどバトルが終わったらしく空いた筐体を真ん中に挟んだ2人はGPベースを取り出し、そして愛機を読み取り台に置いた。
≪ Damage level set to B≫
《Beginning[Plavesky particle]dispersal.Fiard1,space》
《Please set your GUNPLA》
音声に従ってガンプラを置く
《BATTLE START!》
「安藤 拓哉、ガンダムアストレアtypeMS。飛び立つ!」
「矢野 佑樹、ビームブラスター。出る!」
レバーを動かし機体を発進させる。
今回のステージは、ガンダムf91に登場したコロニー[フロンティアI]を眼下に捉えた宇宙だった。
「よくよく考えたら舞姫とバトルは何回かあるけど先輩とは初めてか。」
「確かにそうだね。お手柔に頼むよ。」
「はい、先輩の胸をお借りします!」
確かこの人が以前使っていた機体はジムIIIをベースにしていたものだったが、今回の機体はジムスナイパーⅡがベースだろうか?
そんな事を思いながらもGNスナイパーライフルで狙い撃とうとするがそれよりも早く正面のビームブラスターがチェンジリングライフルの増設ユニットからビームジュッテが振り下ろされる。
「おぉ?硬すぎやしませんかね⁉︎」
「ジムとはいえ装甲には力をいれているからな!」
振り下ろされたビームジュッテに合わせこちらも逆手で抜いたGNビームサーベルをぶつけ空いた左手腕のGNビームバルカンを至近距離で連射するが装甲が思っていたよりも硬く大したダメージにはなっていなかった。
「それにしてもかったいなぁ!」
「その程度の爆発では落とせん。」
持っていたビームサーベルを思いっきり振り払う事で鍔迫り合いを諦め、増設していたブースターを切り離してビームブラスターへと投げつけると到達する直前にGNビームバルカンを乱れ打ちわざと爆発を起こし一度距離を取る。
「こうなったら、typeMSのMはミサイルのMだ!」
バックパックや脚部、そして両肩に増設したミサイルコンテナから勢いよく飛び出した大小さまざまなミサイルが正面にいるビームブラスターに向けてGN粒子を噴き出しながら迫る。
何発かはビームライフルの直撃により爆発してしまったが数が数だけに撃ち漏らしたミサイルが突如Uターンしビームブラスターの背部に直撃していく。
「そんな短調な攻撃⁉︎直撃だとぉ⁉︎」
「驚いただろ!数発に一つはGN誘導ミサイルだからある程度進んだら方向転換して返ってくるんだよ!」
「だが...タダではやられん!」
「スナイパーライフルが⁉︎」
多数のミサイルによって体制の崩れていたビームブラスターに向けハロによる弾道予測が完了し引き金を引こうとした瞬間、ダメージを受けながらも爆発を免れていたビームブラスターの右脚に付いていたヴェスパーによってGNスナイパーライフルが撃ち抜かれていた。
「一旦下がるか...」
「コロニーに逃げ込むだと?」
爆発を囮に内部の風景が見えていたガラスを叩き割ってフロンティアI内部へ突入しようとするが空気が外へ漏れ出した衝撃は思っていたよりも強かったらしく吐き出されそうになるのを推力を上げ無理矢理に突入を果たし高層ビルを盾に地面に砂煙を立て降り立つ。
「さて、どうすっか...⁉︎」
「普段と違う装備なら全体像を把握しておけ!」
「左コンテナが⁉︎はみ出てたか...」
ビームブラスターが自身と同じ侵入口から突入して来るまでにラグがあるかと思いGNビームライフルを両手で構え射撃ポジションに入った瞬間、熱源アラートと共に左肩のミサイルコンテナが撃ち抜かれており誘爆を防ぐため急いでパージしてGNフィールドを展開して爆発から身を守らざるを得なかった。
「このまま畳み掛けさせてもらう。」
「やられてばかりでいるかっての!」
[HADES System standby!]
「ベースはジムじゃなくてペイルライダーか!」
「ご名答!見た目をペイルのままにするとHADESを積んでると読まれてしまうからな、よくあるGN機体だからトランザムを積んでいるだろうみたいにね。」
ビームブラスターのバイザーが赤くなった所、先程まで空いていた距離がグッと縮まっていて至近距離でビームブラスターのアサルトキャノンが放たれ咄嗟にNGNスモールシールドを掲げるが出力の上がっていた一撃を簡単に防げる筈なくシールドごと右腕が溶解し大きく体制が崩れてしまう。
「貰った!」
「先輩の言った通りここで使わせてもらう、トランザム!」
トランザムにより粒子放出量が3倍となり期待性能を高めてくれるが終了した時急激な性能低下に見舞われる諸刃の剣のシステムを起動したガンダムアストレアtypeMSがビームブラスターの頭部に向けて失った右腕から噴き出るGN粒子を浴びせて怯んだ所を蹴り飛ばす。
「反撃開始と行こうぜ!ハロ!」
[ハンゲキ!ハンゲキ!カマシタレ!]
増設していたミサイルコンテナを全てパージ、拓哉自身が左利きのため左利き仕様にしたGNソードを持ち直しブーストを噴かして突撃をかけガンダムアストレアtypeMSの動きに反応したビームブラスターのチェンジリングライフルのビームジュッテが頭部を貫通するがこちらも負けじとGNソードを滑り込ませビームブラスターの右腕を斬り飛ばす。
[ヤッテミセロ!ヤッテミセロ!]
「やれない事はないはずだ!」
「ビームダガーだと⁉︎」
鍔迫り合いの最中、GNソードのシールド部分で振り下ろされたチェンジリングライフルを防ぐと右脚の蹴り上げと同時に踵に仕込んでいたGNビームダガーを射出しそれが頭部に突き刺さると煙を立てながらHADESが強制的に終了し膝をついてしまう。
「まさか最後の最後でこんな隠し球が...」
「貰ったぁぁぁ!」
GNソードの刀身がビームブラスターの掲げていたチェンジリングライフルを本体ごと袈裟斬りに切り裂いた。
[YOU WIN!!!]
スクリーンが解け機体を回収した拓哉たちは場所を移しコンポタを片手に一息ついていた。
「いやぁ、響から聞いてた通り先輩強いっすね!」
「ほぅ?彼が俺の事を持ち上げてくれてるとは知らなかったな...」
「持ち上げるとかじゃなくて、一向に近づけなかったって言ってましたよ。」
「あぁ...それは彼がファンネルどころかミサイルも搭載してなかったから砲撃メインで戦ってたんだよね。」
「あいつの戦闘スタイルが[ミサイル?それより俺が斬り込んだ方が早い]ですからね...」
「そう考えると今井の方がオールラウンダーだった。」
「確かに、トリッキーなら舞姫でしたね。それより先輩まだ時間ありますか?」
「空いてるよ。ちょうど俺も同じ事を聞こうとしていたからな。」
「「それじゃ、戻りましょうか!(ろうか)」」
2人は飲み干したコンポタの缶をゴミ箱に放り込んだ。
皆様お久しぶりです!約4ヶ月ぶりの更新となりましたが今回第3話です!
今回のお話にちょいちょい名前が出ていた[今井 舞姫]は1話に登場した木乃香の妹ですので、もし気になられた方がいましたら前作のBeginning Taleを読んで頂けると嬉しいです。
今回のガンプラ紹介!
ガンダムアストレアtypeMS
武装:GNスナイパーライフル、GNビームライフル、GNビームダガー×2、NGNスモールシールド、GNソード、ミサイルコンテナ×6
SP:トランザム
戦闘に応じて装備を換装出来る様にパックごとにローマ字を振った拓哉オリジナルのストライカーパック仕様。今回のMSとはM=ミサイル、S=シューターの略。
元は近接特化の響を支援する目的で作成した物だが少し前に言い争いになった末、この装備を用いて近づく事を許さずノーダメージで圧勝したらしい。