【完結】空の記憶   作:西条

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 ……こんにちは。

 今この文章を読んでいるということは、彼らの選択を選べずに次の話へ飛んじゃったパターンですかね?

 もしくは、セリフのリンクに気付かずに、飛んできちゃった手合いと見た。

 

 ……全く。

 ここは臨場感を出すために、ちゃんとセブルスの言葉を選ぶべき場所でしょ?

 なぁに、ぼうっとしてるんですか。

 ここまで読んできたのは貴方です。

 ここまで、彼らの物語を見守ってきたのは貴方です。

 貴方の手で、彼らの物語に決着をつけてあげてくださいよ。

 

 ……まぁ、お気持ちは、分かりますけれど。

 残酷な二択を迫った自覚はね、あるんですよ。

 

 でも、それでも、選んであげてください。

 二人の望みを、叶えてあげてください。

 どちらを選んだとしても、彼らはその選択を受け入れます。

 

 ……でも、まぁ。

 こんなとこまで読んじゃったのは、仕方ありません。

 罪滅ぼしも兼ねて、ちょっとしたSSを置いておきます。

 

 本当に短い短い、ほんの一部分の切り取りめいたお話ですが。

 それでも、どちらも選べなかった貴方には、ふさわしい話だと思うから。

 

 いいですか。

 このSSを読んだら、1話前にお戻りくださいね?

 そして、どちらかをちゃんと『選択』してあげてくださいね。

 

 どちらも選べずに、選ばずにいた彼らは、一体どんな未来を歩むのか。

 その未来はきっと、生温い優しさと悔恨に満ちた、なんともやさしいものでしょう。

 ゆるい幸せが、ずっと続いて行くのでしょう。

 

 心残りを、全員がずっとずっと抱えたままに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 幣原とアキは、結局人格統合の道を選びませんでしたが、実はその道も書き掛けはしました。

 書き掛けて、なんか違うと思い眠らせた、超短いSS。

 黒髪の少年と、アリスがただ喋るだけ。

 

 

 

 ◇ ◆ ◇

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「幣原、秋」

 

 名前を呼ばれて、彼は振り返った。

 

「アリスじゃないか」

 

 そう言うと、目を細めて笑う。

 

「結局、そっちの名前にしたんだな」

「うん。ぼくはポッター家の血を引いていないからね。ジェームズとリリーの息子として墓に入るより、本来の、幣原家の息子として墓に入りたいと思って」

「そのへんは、よく分からない感覚だが……」

「日本人独特の感覚なのかもね、ひょっとしたら」

 

 そう言って、彼は言葉を切った。風に、短い髪の毛が舞う。

 

「……切っちまったんだな」

「うん。……えへへ、似合うかな?」

「似合わねぇな」

「酷いっ! 昔はアリス、ぼくに やれ『髪切れー』だの『丸刈りにしろー』だのよく言ってたくせに!」

「よく覚えてんな、そんな昔のこと……」

 

 呆れて嘆息した。

 

「……なぁ」

「ん?」

「お前はさ……結局、どっちな訳?」

 

 彼は、ひどく透き通った微笑みを浮かべた。とても純粋な笑顔だと思った。

 

「……どっちだと思う?」

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