・ドクター この物語の主人公 毎日理性を消費して職務に励むコーヒー大好きな社畜
・アズリウス ロドスの射撃オペレーター 自ら調合した毒薬を使い戦う為彼女に触れると何かあるのでは思われ周囲より距離を置かれがち。彼女も自らを「毒物」と呼ぶが本当は心の優しい女の子
・アーミヤ ロドスの代表にて我らがヒロイン 天使の様な笑顔で休ませてくれない。「ドクター、終わってない仕事がたくさんありますから、まだ休んじゃだめですよ」
・テキサス みんな大好きペンギン急便のまとめ役
・エクシア アップルパイ!!
ある日のロドスにて
「あら、ごきげんよう、ドクター。今日もお元気そうでなによりですわね」
コーヒーを淹れに食堂に行くと、1人ケーキの前で座っているアズリウスがこちらに気づき挨拶をする。
「ドクター自らここに来られるなんて珍しいですわね、アーミヤさんはお忙しいのかしら」
普段は秘書のアーミヤが身の回りの事から雑務までサポートしてくれているのだが今日は朝からケルシー先生に呼び出されているので久しぶりに食堂まで足を運んだのだ。
それはそうと
「どうしてケーキを見てボーっとしているのか、ですか?私が皆様に焼いたケーキなんですが誰も食べてくださらないのです......もしかして、ドクターが食べてくださると?」
そう言いながら彼女は少し寂しそうに笑う
「私は毒物なので誰も近づこうとしません。そんな私が作った物を食べてくださる方はいません。仕方ありませんわ、誰だって毒物などに苦しんで殺されたくないですもの」
確かに彼女が使う毒薬の威力は絶大だ、今まで数多くの戦場で何度彼女の毒薬に助けられた事かわからない。
ただ同時に絶大が故にその毒薬への恐怖もまた絶大なものになっていく。
誰もアズリウスが毒物だとは思っていない。それは前線での仕事を終え、何も言わずに負傷者の治療をする彼女を見れば個性的な能力のかげに隠された真摯で穏やかな心の持ち主である事がわかるからだ。
ただし思いと感情は必ずしも一致しない。彼女のケーキを食べても毒物に侵される事はないとわかっていても
彼女が使う毒薬の威力を目の当たりにすると"もしかして"という感情が出てしまうのは否定出来ない事なのかもしれない。
「ドクター、私の事をじっとお見つめになって、どうかなさいましたか?」
アズリウスの言葉にハッと我に返ると彼女は微笑みながらケーキを片付け始めた。
「このケーキをどうするか...ですか?私1人ではとても食べきれませんしもったいないですけど処分するしかないですわね...」
そう言いつつ片付け始めた彼女からケーキを1つ取り頬張る。
「えっ......」
突然の事に戸惑う彼女を傍目にケーキを頬張り続ける。
「ド、ドクター、私のことはお気になさらずとも良いのですよ?」
そう言う彼女に持ってきたコーヒーカップを渡す。
「ドクター、ありがとうございます。コーヒーでよろしかったですのよね」
差し出されたカップにコーヒーを淹れながら彼女は嬉しそうに微笑む。
「あっ、ドクターこちらにいらしたのですね」
彼女が淹れてくれたコーヒーを飲もうとした時不意に後ろから聞きなれた声がする。
「あら、アーミヤさんごきげんよう」
「アズリウスさんお疲れ様です。ご一緒に何か食べているんですか?」
「いえ、私が焼いたケーキをドクターが食べて下さっているの」
「なるほど、疲れた時には甘い物が一番ですからね!私も頂いてよろしいですか?」
そう言うとアーミヤはアズリウスからケーキを受け取りドクターの横に座る。
「うん!とっても甘くて美味しいですねドクター。アズリウスさんは料理も上手で凄いです。私にも今度料理教えて下さい。」
「ええ、私でよろしければいつでもお教えいたしますわ」
「ありがとうございます。ドクター楽しみにしていて下さいね」
そんな話をしていると今度は
「ドクター食堂にいるなんて珍しいな」
「リーダーなにか美味しそうな物食べてるね、私にも食べさせてちょ」
「テキサスさんエクシアさんお疲れ様です。今アズリウスさんが作って下さったケーキを食べてるんですがとっても美味しいんですよ、お二人もいかがですか?」
ペンギン急便のトランスポーターのテキサスとエクシアがやって来た。
「ふむ、エネルギーの定期接種は必要だからな、頂こうか」
「ならエクシア特製アップルパイも一緒にいかが!?」
「それはもういい」
「えーテキサスつーめーたーいー」
そんな2人の騒ぎを聞き沢山のオペレーターが食堂に集まってきた。
「ふふっ、なんだか大騒ぎになってきましたね。アズリウスさんもしよかったらみんなと一緒にケーキ作りしませんか?
みんなで作ればきっともっと楽しいです。ね?ドクター」
ドクターはアーミヤとアズリウスを見ながら頷く。
「わかりましたわ、ありがとうございますアーミヤさんそしてドクター。私は今とても嬉しいですわ」
「ではまず材料を確認しないとですね、テキサスさんエクシアさんお手伝いしていただけますか?アズリウスさんは調理器具の準備をお願いします」
慌ただしく動くみんなを見ているとアーミヤから一枚の紙を渡される
「本当は甘い物が苦手なドクターの為に後で濃いめのコーヒーをお持ちしますね。それまでは終わってない仕事がたくさんありますから、まだ休んじゃだめですよ」
どうやらまだ休んではダメらしい。