ーーーーーー
いやぁ、どうしてこうなった。
「ーー、ーーーー!(族長、この先に美味い肉が獲れるとこがあるんですよ!)」
「ーーーー、ーーーーーー!(馬鹿野郎、族長はきっと果物が食べたいんだよ!)」
「ーー(族長!)」
「ーー(族長!)」
いやぁもう、ホントどうしてこうなったのよ…。
盾を背負う後ろに横目を向けると、何十人と顔やらを腫らしたアダリスク人が俺の後をついて来ている。奴等がその視線に気付けば、大歓声が上がる。サルゴン語で。
いくら外国語に疎くたって流石に分かる。…こいつらは俺を新しい頭に挿げたらしい。
あの後、出て来たアダリスク人達はそれまで相手していた二人と同じく俺の身振りをまるっきり無視して吶喊して来た。仕方なくそれを迎え撃っていたら、いつの間にか周りのアダリスク人は俺に頭を垂れていたのだ。正直今でも何でなのかは分からない。
……いや、嘘だ。理由は分かってる。ぶっ飛ばしたうちの一人が何か他のより身体の装飾が多かったから、恐らくそいつが『元』族長かなんかだったんだろう。
んで、俺がそいつを倒したから次は俺が頭と。…どんだけ…どんだけ実力社会だよ…!蛮族此処に極まれりってか…!?
「はぁ…。」
「ーーーーーー!(どうされました族長!)」
「ーーーーーーーー!!(腹でも減りましたか族長!!)」
「ーーーー!ーーー、ーーーーー!(違えねぇ!野郎ども、メシ狩ってきて族長に元気出してもらうぞ!)」
「「「ーーーーーー!(うおおおおおっ!)」」」
「うおぃちょ待て待て待て待て!なんか知らんが兎に角違う!違うから!!」
よく分からん会話の後、掛け声っぽい雄叫びと共にバラバラに散ろうとしたアダリスク人どもを制止させる。
留まってくれて何よりだが、ただでさえ今の状態を処理し切れてないってのに散開なんかさせたら、もう仕切りきれる気がしない。
もうやだ龍門帰りたい。
らしくもなく弱音を吐きかけたが、ぐっと飲み込む。どうせ吐いたってこいつらには通じないし、助けも来ないのだ。泣きたくなってきたわ。
これが仕事ならまだ精神を落ち着かせられるだろうが、生憎休暇の不慮の事故。多少取り乱してるのはご愛嬌と割り切って貰うしかあるまい。…誰が?
「…はぁ。」
「ーーーー、ーーーーーー?(族長、さっきから吸ってるそれは何ですか?)」
自分でも訳の分からん自問自答をしていると、俺のすぐ近くにいた元族長のアダリスク人が俺のタバコを指差してきた。
嗜好品が珍しいのだろうか。これだけ草が鬱蒼と生えていれば、タバコ葉くらいそこらを探せば見つかりそうなものだが。
まぁ折角興味を持ってくれたのだ。その期待に応えてやるくらいはいいだろう。
ポケットの箱から新しい一本を取り出して、元族長に手渡す。彼はタバコを受け取ると、興味深そうに丹念に触ったり、色んな角度からしげしげと見つめ始めた。
初めての物で好奇心をくすぐられるのは良く分かるが、埒が明かなそうなので今俺が銜えているタバコを指差す。
意図を理解したのか、元族長もタバコを銜えたのでライターで火を着けてやる。すると、予想通りフィルターから出て来る煙をどうするかアタフタし始めたので、吸い方を実演する。
口の構造からして吸えるのか疑問だったが、杞憂に終わった。上手いこと煙を口の中に溜めて、肺の中に外気と一緒に流し込む。初めてなら咽せるかと思っていたが、そういう事もなく紫煙を一気に吐き出し、元族長は今までになくキラキラした目でこっちを見て来た。こっちみんな。
「ーーーーーー!ーーーーーーーー!!(コレ何ですか族長!めっちゃ美味いですね!!)」
言葉はわかんないけど気に入りましたか、そうですか。なんか雰囲気でそう感じたので、ぎこちない笑い顔を返しておく。すると、何度かタバコを吸った後元族長は他のアダリスク人の元へと駆けて行った。…まぁ、どうでも良いや。
…さて、この後の身の振り方はどうするべきかね?このままコイツらのねぐらで世話になんのもまぁ…いやいや、それだと龍門の救助がいつ来るか分かったもんじゃないし。やっぱ、ドクターやガヴィル女史と合流するのが最優先と見ておいた方が良いな。どっか人が集まるとこで待ってるのが得策か。
んじゃあ、そこに案内し…て…。
会合所とかそんな感じの所がないか聞こうと後ろを向くと、アダリスク人達が元族長と同じく目を輝かせて列を作っていた。…え?
「ーーーー!ーーーーー、ーーーー!(族長!是非我々にも、その美味い煙を!)」
え、え…えぇー…。
バトルパートと重要なとこ、後筆が乗ったとこ以外は短めを目指してます。
あ、エイヤ来ました。早速昇進2、特化2まで育てました。育成計画大幅にズレましたが私は元気です。
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