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『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁあ!? 死ぬ、死にます! 死んじゃいますぅ!?』
『死なばもろともぉ!! 撃って撃って撃って撃ちまくれぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!』
ミューズ学園1年C組名物『本当にランダム戦』は、ここエウロペ大陸全土に流れた。
寄りにもよってゴールデンタイム放送である。
『いやいや、コレ学校じゃないでしょ!?』
『カリンちゃん、部族体験どころか、とうとう軍隊に入隊しちゃった、これ!?』
番組の司会者の人気芸人たちが心底驚く中、カリンが恥ずかしそうにはにかんだ笑顔を見せる。
『ほ、本当ですよぉ……でも、すごくいい経験になりました!
みなさん、本当にゾイドで戦ってるんだな、って!
それに、みんな意外と親切で、チームワークがあって……
あ、さっき撃ちまくれって言ってた人、クレーエさんって言ってですね?』
と、カリンのコメントにふーん、やどこで撮ったのかクレーエの写真、そして彼女の乗るレッドホーンが映し出され……と番組が進んでいく。
『へー、強いんだねー、まだ1年なのにー』
『そうなんです、本当に強くて、私も強くなれそうです!』
『ちなみに、司会者的には、ここにいる先生の方がものすごく気になっていると言うか…』
と、言って芸人があのフィリア先生の写真を見て言う。
『……え、でもすごく怖い先生、ですよ…?』
実際、フィリア先生の喋るシーンは全カットである。放送禁止用語を連発したため。
『まぁ、でも、色々な意味で当たり引いたかもねー、カリンちゃんは。
俺、これでもゾイドバトルマニアだけど、このクラスは強いよ~? ゾイド選びも通って感じで』
などと、バラエティー特有の雰囲気の中番組が進行していき、
そして、そこでテレビが切られる。
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「はっはっはっは! 面白い学校があるものだな!
我々以外にここまで的確にゾイド雲燿ができる者どもがいるとは!」
そのテレビを見ていた『彼女』は、そう声を上げて笑う。
「ミューズ学園は、あれでも大陸最古の部類に入る由緒正しいゾイド乗り育成所と聞いております。
まだ、1年生とはいえ、かなり『ゾイド偏差値』も高いと聞いています」
脇にいたもう一人の少女の言葉に、『彼女』はより喜んだように口の端を曲げて笑う。
「よぉし、決めたぞ!!」
バン、と机を叩き、立ち上がる。
「我が『シュバルツ高等育成学校』、『黒の竜巻(シュバルツェス・シュトルム)』が直接、彼らに勝負を申しこもうではないか」
そういって、彼女は夜の空に笑っていた。