「スカウター隊発進!!」
リナの駆るライガーゼロ・クロムウェル以下、ライジャーアサルトとステルスバイパーが走り出す。
「『イグアン・デサンド』お願いします!!」
『『了解!!』』
と、途中、軽やかな動きで、2機のイグアンがクロムウェルに乗る。
―――グォォォォォ!!
「おっと、ちょっと重かったですかね?」
『おっと、わりわり、相棒が重くってよ!!』
『ちょっと、聞こえてるわよリンクス!?』
一方は、リング・リンクスの愛機、イグアン軽量突撃戦カスタム「イグストライカー」。
一方は、レーザー兵器ガン積み(C組談)カスタム「レザアン」。
乗っているのは「メリッサ・タカオ」。地球移民クォーター神族のゼネバス帝国人である。
「気にしないでください、クロムウェルに文句は言わせません♪」
『へへっ、ライガーに文句を言わせないだなんて、レオマスターの言葉は違うねぇ!』
『それで、参謀? 言われた通り『アレ』をガン積みしているけど、本当にやるの?』
「勝つために手段選びますか?」
『『選ぶわけない!!』』
「じゃあやりましょう♪ 斥候は全部つぶすつもりでお願いします」
2体のゾイドを乗せたライガーゼロが、この砂漠地帯を駆け抜ける。
***
「こちらライジャー。絶好のスナイプポイントを見つけた。
敵方面を向いてE‐3の場所だ、カノントータスでは無理だが、ハンマーロックならおそらくは足場を気にしなくて済む」
『こちらアーチャー隊。了解、E‐3ね? 見つからないように行くわ』
「了解。到着まで場所の監視をする」
砂漠地帯の巨大な岩、そのくぼみ部分に隠れたライジャーが、わずかに顔をのぞかせてあたりの様子に気を配る。
「……レーダーには反応なし……だが、この砂丘が厄介だな……」
この、元校庭だったこの場所、今現在ミューズ学園1年D組の劇的ビフォーアフターにより、砂漠地帯と化している。
砂漠。
流砂もまれに起きるほどの設置性の悪さ、そして砂丘による視界のわるさとレーダーの攪乱が恐ろしい。
地表の砂丘は、絶好の隠れ蓑。
飛行ゾイドがいない限り、視界の確保は難しいのだ。
「………ライジャー、上にあげてくれ」
と、ヒルダはライジャーに岩の上へとコックピットを上げ、急いで岩の上に乗る。
「……地味とはいえ大役、戦わずにしろ戦場。
念には念を入れるべきだな……」
地面を這うような姿勢となり、岩の端すれすれまで来て双眼鏡を取り出す。
「…………………」
砂丘の影、そこに、今敵が来ているかもしれない。
ここは戦場。借りとはいえそれを模している。
「………!」
予感は的中した。
遠く、役2キロ先、その一団が見える。
「あの足………成程、グランチュラか…!」
そこには、黒い配色に雷のエンブレムを持つ、共和国旧型ゾイドながら決して侮れない存在、
RMZ‐04「グランチュラ」が、いた。
「不整地では確かにグランチュラが……!?!」
そして、一瞬、再びとんでもない影を見かける。
「……偵察にそんなゾイドとは、ずいぶんと金をかけているようだな…!」
一瞬見えた黒い影。
ガイロス帝国産、高速戦ゾイドにして、隠れたステルスゾイド。
「やはり……ライトニングサイクス…!」
A組相手では何度も合いまみえているとはいえ、
以外にも正しい使い方のゾイドが、グランチュラを引き連れていたのだった。
***
「オアシス発見…!」
砂丘に隠れ移動していたライガーゼロが、砂漠の中のオアシスを見つける。
『いや、参謀、川だ! 川が流れてる、かすかだけど!』
と、真上で顔を砂丘からのぞかせたリンクスの駆るイグストライカーから、そんな通信が入る。
「こちらスカウター1、D‐5地点で河川を発見。地盤が安定している以上、ここがバトルフィールドに最適と判断」
『こちらアーチャー1、了解。スナイプポイントにつき次第確認するわ』
『ヴォルケーノ隊、第2スナイプポイントより確認。広い川だ』
『こちらスカウター2、第1スナイプポイントより入電。
C‐5直情から敵斥候舞台と思われる影を確認。
グランチュラ2、ライトニングサイクス1、計3機』
わお、と0リナはつぶやく。
『3機編成? 分散させないのか?』
「おそらく、バトルフィールド確認組でしょうね。
そこで主力と鉢合わせた場合、逃げ切れる編成でしょう。
私なら左右に斥候を1つずつ置いてまんべんなく、マッピングしているのでしょう」
たぶん、と付け加え、リナは考える。
(でも他に理由もあるかもしれない………だけど、そんなことを考えるよりも……)
ちら、とイグアン2体を見る。
「……わかりました。フォートレス、パンツァー両隊をここへ集結させてください。
私が、相手を誘い出します」
『了解。予定通りだな』
「ええ、ここまでは、おそらくお互いに」
さて、とリナは緊張をほぐすよう軽くストレッチする。
「お二人は予定通り、設置を優先させてください」
『相手に見えるかもしれないけど、言いの?』
「報告させるつもりはないので」
瞬間、クロムウェルが飛出し、高速で走り回り始める。
***
『いたぞ、敵だ!!』
『ライガーゼロ!? だが、負けるわけには!』
瞬間、3機のゾイドが一斉に射撃をはじめ、その青いライガーゼロを追いかけはじめる。
『急げ! グランチュラなら機動力が上だ!!』
『斥候より本体! 我会敵セリ!』
敵が本体へと通信をした瞬間、ライガーゼロの背後から長大なキャノンが展開。
敵の真上の砂丘に放たれる。
『しま――――』
直後、大量の砂がグランチュラとライトニングサイクスの上へとなだれ込む。
『くっそぉぉぉぉ…!!』
だが、一機のグランチュラが砂に巻き込まれる直前で飛び出し、ライガーゼロへと飛びかかり、足で拘束する。
『この距離では対応できまい、大型ァ!!』
大型ゾイドは、この至近距離の対応に弱い。
グランチュラは小型かつ旧型だが、戦術次第ではライガーゼロでも屠れる。
だが―――それでも相手はライガーゼロ。
グォォォォォォン!!!
直後、拘束し足で攻撃を繰り返すグランチュラごと回転し、地面にグランチュラを叩きつけた。
『ぐわぁぁぁぁぁぁ!?!?』
直後、グランチュラのコンバットシステムはフリーズ。
一度に3機のゾイドを行動不能にした。
「よし、斥候戦は制しました!!
間もなく主力がこちらに来るはずです、用意を整えて!!」
リナは指示を飛ばし、続いて方向を変えて走り出す。
「スカウター隊は引き続き敵の動きを把握!!
攻め込む準備をします!!」
戦いの火ぶたは、切って落とされた。
***