ZOIDS学園   作:影狐

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後編ですよ~♪

 

 

 ステーキハウスのよく見える位置

『隊長!! じゃなかった、SPコマンド! こちらSP3!!

 まずいですよ、喧嘩で野良ゾイドバトルです!!』

『うろたえるな!! 学生の青春時代だぞ!! このぐらいの一つや二つは起こる!!』

 何もいない場所で、怒号が飛び交う。

『しかし、護衛対象……イオナフェルト氏はあのム――――――』

『待て!! 始まるぞ!!

 

 って、何だとぉ!?!?!』

 

『げぇ!?! じょ、冗談だろ!?!?!』

 

 と、驚きに満ちた声を上げる、見えない何かの視線の先には――――

         ***

 湖を見下ろすステーキハウス。

 その下、大体ゴドスの身長程の崖に面した、広い砂浜。

 ステーキハウスから、いやその脇の駐車場から、

 いやいや、その周りの道路から、まるで祭り騒ぎのような人だかりができている。

 その視線の先は何か?

 片や、何とも言えない構成の3体。

『大きな老竜』ビガザウロ。そのMk‐Ⅱ。

『赤いご神体』キラードーム。

『歩けることが奇跡の弾薬庫』ライガーゼロ・パンツァー(競技用装甲型)。

 こちらは、さほど注目されるものではない。

 完全野生体も今では、相当の数を取り戻している。ゼロはもう見慣れたゾイドだ。

 

 問題は、相手。

 

 そいつらは、見た目からして『異質』だった。

 両脇でうなり声を上げる2体。

 それは、4足歩行ながらも、奇妙な形だった。

 カエルのような、しかしぎらつく歯はそんな野生体ベースではないことを物語る。

 長く太い尻尾、扁平な印象を与える手足、カエルともいえる一体成型めいた大きなクリアキャノピーのような頭部。

 そして、その背にそびえる、ビーム砲―――その名も、『ロングレンジアサルトビーム砲』。

 

「ヘルディガンナー……! 可愛い……じゃなかった、以外だなぁ……!」

 

 静かに、ビガザウロの中でそう心情を漏らすイオナ。

 ヘルディガンナー。

 見た目がどこか間抜けで、他のゾイドにない異質な印象を持つ、イグアナ型旧ガイロス帝国軍主力の一体。

 実際、砂漠や湿地帯など、起伏こそ少ない物の、歩きにくいこの地形においては今でも強いゾイドであり、水中もある程度なら適性がある。

 つまり、この場所はホームグラウンドと言えるだろう。

 

『でも、もっと意外なお相手がいますね?』

 

 通信機から聞こえるオラージュの声の通り。

 驚いたのは、そこではない。

 

 その、3匹のヘルディガンナーを従える、3体目。

 その体形は、アロサウルス、というよりはその型のゾイド『アロザウラー』に似ている。

 

 だが、そのゾイドもあまりに、既存のゾイドと見比べて異常なほど異質だった。

 

 全身に伸びるチューブ。不気味に光る眼。

 頭部をクリアキャノピーのようなもので覆うそのゾイドは、毒々しい、あるいは不気味な配色の、蛍光グリーンと漆黒のカラー。

 このゾイド、知っている物は悲鳴を上げる。

 知らないものは、異質さを強く感じる、特殊なゾイド。

『なんで……!』

 グルル、とうなるライガーゼロことクロムウェルをなだめつつ、隣のリナがつぶやく。

 

『なんで、『デッドボーダー』なんかがこんなところに……っ!!』

 

 その黒いゾイド――――ガイロス帝国製タルボサウルス型ゾイド『デッドボーダー』は、不気味に吠える。

 

『どーよ、ビビっちゃったかしらぁ?』

『ふひひ、こっちはこれでも、ゾイドも腕も一級品なんでござるよぉ~?』

『オタクらも珍しいゾイドっすけど、なんか役不足な奴らばっかりじゃないッスか~??』

 ゲラゲラと余裕の笑い声を上げて挑発する相手。

 余裕の声音も、しかし当然だ。

 

『……暗黒軍の恐怖、ここグラム湖に現る。

 ゾイド史を語るにおいて外せない『バトルストーリー』の初代作者様が生きてこの光景を見たら、なんていうでしょうかね?』

『今、情報を入手しました。

 2体のヘルディガンナーの右側面の型番から、Mk‐2G型と判明。

 まずいですね、限定OS搭載の戦後型です』

「デッドボーダーはあの色から察するに『人工ディオハリコン』搭載型ですね。

 パイプから察するに戦後復活型初期でしょう。初期でも強敵ですね」

 藪をつついてデッドボーダーとは、ステルスドラゴンの方がマシと思える状況ではある。

 一瞬、平謝りする選択肢もよぎるが………

 

「……―――ア家が、そしてへリック共和国が戦うときは、完璧な勝利を目指せ。

 …………ひいお祖父ちゃんの言葉だったな………」

 

 静かに、自分を奮い立たせる言葉をつぶやき、通信を入れる。

 

「役不足ですか。

 うーんまぁ、ガイロスみたいな超兵器思想が売りな中、堅実で地味で花のなーい、できるのに人口ディオリハルコンが装備されないかわいそうなヘルディガンナー君や、

 ……あれ、そこの黒いゾイド、名前なんでしたっけ?

 どこの国のゾイドですか?」

 

『『『んなぁ!?!』』』

 

 見事な暴言を、イオナは内心謝りつつも披露する。

 

「まぁ、そんなヘルディガンナー君と謎のゾイド君に比べたら、まぁ確かに役不足ですね♪」

『ぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ!!!!

 この中で一番旧型でオンボロなゾイド乗ってる癖にぃぃぃぃぃぃ!!!!』

『なんでじゃぁぁあぁぁぁあぁ!?!? OSあるのにディオハリコンいらんやろぉ!?!?』

『カナっち、それクロエちゃんのデッドボーダーディスってるッス』

『うるせー!!!! ヘルディガンナーのどこが地味だ!!!

 どこが地味なんだァァァァ!!!!!!どこがどう、どういう風に地味なのか小一時間んんんんんんんッッ!!!!』

 左側のヘルディガンナーがひときわ興奮気味に吠える。主の影響か。

『……ぶ……ぶ、ぶ……!!』

 そして、名前すら言われなかったこのデッドボーダーの中で、クロエ、と呼ばれたツインテールの少女が、キッと正面をにらむ。

 

『全員ぶっ殺してやろうじゃないのよぉ!?!?!』

 

 瞬間、戦いの火ぶたが切って落とされる。

 デスザウラーすら沈めた背部の重力砲が、その強大な重力を解き放つ。

 

「リナさん、ここはお願いします!!」

『ちぇっ……』

 瞬間、パンツァーの重い機体を無理やり斜め前へ跳躍させ、自ら重力砲に当たりに行く。

 一瞬、空間がゆがみ、どんよりとした力がクロムウェルを包み込む。

『つぶれなさいよぉ!?!』

『……生憎、重力砲はどんなに強くても、ある一定の重圧以上は条約で出せないんですよねぇ』

 しかし、その重力で腹ばいになったクロムウェルは、しかしその足を起用に曲げて、伏せの体勢で耐える。

『オラオラァ!!! 先につぶれろライガーさんよぉ!?!』

『卑怯というか!? 勘違いするなでござる!!

 喧嘩にルールもクソッタレもなぁぁぁぁい!!!』

 ズドンズドン、とビーム砲もやってくる。

 それを、リナのクロムウェルはただ耐える。

 

(先に一体の敵を火砲で囲んでつぶしますか……セオリー通りでA組より『やる』じゃないですか……!)

 密かに、相手へ評価を送りつつ、リナは味方を見る。

 ―――気が付けば、2体とも、ひたすら湖を目指し、ただただ移動している。

 

『って、どこ行くんでござぁぁる!?!?』

『あいつら、味方をほっぽっておいて何してんスか!?!』

 

 酷い言われようだが、確かにこの所業は酷い。

 ―――と、相手も思ってくれている。予想通りだ。

 ところで、ここにいる3人、広域周波数帯に思考を垂れ流しだがいいのだろうか?

『こちらキラードーム。予定の位置まで……2分ぐらいでしょうか?』

「了解。

 うーん……抵抗もしておいた方が無難でしょうね」

 ガンガン、とビーム砲やら小さな重力の塊が当たるパンツァーユニット。

 だが、重い鋼鉄とその他でできた合金は、案外びくともしていない。

「よしよし……アンカー、セット」

 まずは、少々つらいが立ち上がる。腹ばいだと、余計なダメージが出てしまう。

 次に、両足を少し広げ、爪を広げた状態で接地する。

 そして、背部の武器を起動させる。

「よしよし、」

 ウィーンと背部座席から伸びてきた『アイマウントレティクル』で片眼を隠す。

 その片目で照準を付け、エネルギー路を開放。チャージを開始。

 

『こいつ、アレ撃つ気!?』

『撃たせるかぁぁぁぁ!! 弾幕薄いぞ、何やってんの!?』

『嫌、だから撃ってるッス!!!』

 

 ここまで、撃たれ続けているが、案外深刻な場所は外れているため事実ノーダメージだ。

 硬いって良い。

 当たらなければどうという事もないも事実で、もちろん速度も大事だが、

 硬さも安心する要素の一つだ。

 硬いって、素晴らしい。

 

「―――なにせ、こうやって照準がしっかりできますしねぇ?」

 

 目標は、左のヘルディガンナー。

「ハイブリッドキャノン!!」

 ギュゥゥウン!

 背中の2器―――『AZ216ミリレールガン』『AZ108ミリビームガン』が並列する2つの『ハイブリットキャノン』がチャージされ、唸りを上げる。

「Shooooooooooooooooooot!!!!!!」

 ファイア、と言わないのは遠い先祖の故郷の血か、

 ともかく、自身と同じ身長分後退するほどの衝撃を立て、

 ビームと、電磁加速された弾丸が、

 光の筋を伴って放たれる。

 

「よ、避け、」

 直後、「うきゃぁ!?」と奇妙な悲鳴を上げたパイロットともども、ヘルディガンナーがビームで貫かれ、オーバーキルその物の実体弾が大きく浮かんだヘルディガンナーをぶっ飛ばす。

「い――や―――――――――――――………!!」

 数秒遅れて、ドシィン、とその方向の砂浜に着弾する音が聞こえる。

 まぁ、ゾイドバトル用だ。死ぬことはありえない。

 

「カナァ――――――――――――ッッ!?!?」

『カナっちぃ―――――――――――――ッッ!!!!!』

 

 相手の、広域通信越しの悲鳴を聞きながら、はぁ、と疲れたようなため息を漏らすリナ。

「……熱ぅい……」

 もう駄目だ、と夏服の胸元のボタンを外す。

 手で仰いでも暑苦しい空気は変わらない。

 なにせ、外にいるクロムウェルの足から、上手になにか焼けそうな煙と熱が出ていた。

 そして背後のハイブリットキャノンの強制廃熱機構が作動する。

「黒プリンじゃなくてカヴェナンターって呼んでやりましょうか、この何やっても乗員を焼き殺す悪夢のメカニズム」

 パタパタ、と豊満な胸の谷間を仰ぎ、そう言葉を漏らす。

 

『この、よくもカナをやってくれたわねぇ!?!』

『もう射撃戦はやめッス!!

 格闘でボコるッス!!!』

 

 と、油断した隙に相手が一気に近づく。

 片や、ヘルディガンナーは、型式で言うなら尾に実体ブレード装備型のはず。

 なにより、もう片方は全盛期にウルトラザウルスをジャイアントスィングした化け物だ。

「っ、」

 ハイブリッドキャノンを背後へ向ける。

 直後、レールガンを後ろへ放ち、反動のすさまじい勢いでデッドボーダーに体当たりする。

「くっ…!?」

『うぎゃわぁッ!?!?!』

 無理な一撃は、確かに相手をひるませる効果はあった。

 しかし、勢いの乗ったこの鉄塊がうまくコントロールできるはずもなく、あえなく転倒したまま一回転し、、砂浜をえぐってようやく止まる。

「とと………あー、ダメですねこれぇ……」

 やはり、競技用パンツァーで格闘戦はやめるべきだ。

 今は無事だが、最悪フレームに深刻なダメージが起こる。

『こぉんのぉ!?!』

 ズドン、と背後からすさまじい重圧が襲い、この重い機体がさらに砂浜にうずもれる。

「うぉ、立ち直り早い…!」

 もうこちらに重力砲を撃てるのか。余裕だ。

(まずいなぁ……他の二人の『準備』はまだですかぁ…!?)

 こちらは、この重いライガーをケツを向けた状態にしたままだ。

 もう相手は何かわめきながら向かってきている。

 内容は聞き流すが、だから広域無線でそんな核心を突く話をするな、と言いたいリナだった。

 それはいいとして、つまりだ。

 

 囮はやっておいた。

 罠の完成は、まだか?

 

 その時、パンツァーのセンサーが高速で向かってくる飛翔物体を感知する。

 おまけに、自分を含めたゾイドへの『レーダー照射』も確認。

(―――――作戦第二段階開始合図を確認、っと)

 すぐさま、左脇のコンソールを操作する。

 いわゆる、お尻と言って差し支えない、腰より下ともいえる位置に並ぶミサイルポッド。

 そのハッチが開く。しかし、ミサイルを放つわけではない。

 カシュン、という音と共に、最後尾にあったミサイルににたつつが、長く伸びる。

『何!?』

『なんか伸びた!?』

 言う暇あったら、これを折るのが正解だ、と思いつつも、通信機は使わない。

 代わりに―――真上にある『その装置』のスイッチを入れる。

 ぴー、と音が鳴り延びた部分の先端が、赤く点滅し始める。

『!? クロエちゃん、ミサイル!?』

『え?

 あ、あぁ、レーダーに何か!?』

 電子線性能低いな、と思いつつ、ライガーのシュッとしたお尻の上のミサイルポッドから伸びたそれを高く向ける。

 

 こちらにやってきたミサイルは、6つ。

 それが、こちらのすぐ近くで急激に上昇し、大空高く昇ったと思えば、外装が剥離する。

 展開したのは、大量の細長いミサイルたち。

 

『た、』

『多弾頭ミサイル!?!』

 

 気づいたころには、それらが、こちらに向かって降り注いでいた。

『『にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!』』

 通信機をそろそろ切ろうかとも思っているリナの耳にも届く悲鳴。

 あまりにおかしくって、そして振り向けばコミカルな動きであたふたし、拡散したミサイルたちが降り注げば恥も外聞もなく動き回り、避けまくる姿を見ただけで大満足だった。

『『ぴぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!?!?!』』

 そのミサイルというのが、爆発しない弾芯のようなもので、降り注いだ各所で突き刺さり、まるで槍が降ってきたような状態になっている。

「……この悲鳴だけで、数日思い出し笑いできますよ……ぷくくっ…!!」

 密かに、リナはこの哀れな二人を笑っていた。

 しかし、これほど無差別な攻撃の中、リナは一歩もクロムウェルを動かさないのはなぜか?

 装甲が厚い、とはいう物の、当たればただじゃすまなそうな攻撃のはず……

 いや、それは不自然に、クロムウェルを避けて、地面に突き刺さっていく。

 正確には、突き出したお尻の、アンテナのようなそれを避けて。

 

 やがて、槍の雨が収まると、その砂浜は針刺しやハリネズミ、あるいはガンブラスターの頭のような状態になっていた。

 

『あ、せ、せ……セェェェェェェェェッフ……!

 ぜ、全部よけきってやったッスよぉ~…!?』

『た、魂が抜けたみたいな声出すなぁ!!!

 こ、こんなの、ビビる程のものではないじゃないのよッ!』

 と、デッドボーダーとヘルディガンナーのパイロットたちは、そんな声を上げる。

「ビビってんじゃないですかぁ~?

 声がチワワみたいに震えてますよぉ~?」

『なッ……!?』

『何だとコラァ!?!』

 すかさず煽るリナに、面白いように反応する。

『ビビってるわけないじゃないのよぉ!?!』

『震え声って言った奴が震え声ッス!!!

 ほらほら、チビってんのはそっちじゃないんスか!?

 チビってんじゃないんスか!? チビってるって、絶対!!

 チビってるっすよ、そっち『も』!!! チビらないほうがおかしいッス!!!』

『……ちょっと、ペッパー? あんた、まさか……?』

 どんなに相手がすごんで見せても、酷い新事実を暴露しても、今のリナの感想は一つ。

(チョロイ!!)

 その一言に尽きていた。

 

 さて、と仕込みは上場、と後ろのポッドから生えたそれをしまう。

 周りの棒状のパーツはきれいに円形を描きすべてが外れている。

 さぁて、とゆっくりした足取りで、重たい機体を反転させていく。

「頑張ってくださいよ、クロムウェル…?

 これが、今日最後の苦労です…!」

 クロムウェルは、何も言わない。

 何も言わず、静かに、回頭していく。

 

『待ったァァァァァァァァァァァァァッッ!!』

 

 と、その時、

 そんな声と共に、何かが砂煙を上げて砂浜を走ってくる。

『あれは!?』

『あ、カナ!!』

 

 ガシャガシャとせわしなくは知ってくるのは、あのヘルディガンナー。

『我健在なりぃぃぃぃぃ!!!!

 まだだ! まだ終わりではないでござぁぁぁぁぁぁぁぁ』

 

 瞬間、横からそのヘルディガンナーにむかって、二筋の光が横切るように放たれる。

 

『るッ!?』

 

 一瞬で脇が爆発し、真横へ吹っ飛ばされる。

 この間も、(マクサー20ミリビーム砲Mk‐65型、やっぱり強力だなぁ)と冷静にリナは思っていた。

『だれどぅあぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?!

 ここからが俺のステージだったところをををををををををッッ!!!』

『カナちゃん、いつものごとく怒りでキャラがぶっ飛んでるッスけど!!

 そんなことを言ってる場合じゃないッスよね!?』

 言われるとおりだ。先ほどから、大量のビーム砲を浴び、装甲があちこち焼け焦げている。

 それも、かなり一方的に。

『ぐぉぉぉぉ、ど、』

 そして何よりも、問題なのは、

『どんな距離から撃ってきているんでござるぅぅぅぅぅ!?!?!』

 相手は、こちらをロックオンできない距離から撃っていた。

 

 ―――グラム湖は、かなり広い。

 その広いグラム湖の中央付近に、にゅ、と頭を上げるゾイドが一体。

「オラージュさん、スポッティングをそのままお願いします。

 ここまでくるとヘルディガンナーが虫みたいな小ささで、レーダーもうまく掛かりません」

 それは、ビガザウロMk‐Ⅱ。

 ―――『海戦・沿岸戦闘仕様改修駆逐艦型』のそれに乗るイオナは、腰から尻尾にかけての『VLS』を起動して言う。

『はい、もちろんです生徒会長』

 おそらく、沿岸のどこか水の中で相手を見ているオラージュのキラードームから送られる情報を元に、ミサイルの誘導を切り替える。

 座標指定型半無線誘導後に、セミアクティブ。

 弾頭は、『エルパポップコーン』。

 VLSは6番から12番まで。

『データリンク』

「データリンク確認。

 6番から12番まで、行きます!」

 途端、ビガザウロの尾の付け根あたりから順に、ミサイルが空へ向けて放たれる。

 ある程度の高度で相手へ向きが変わり、まっすぐと飛んでいく。

 

『またミサイル!!』

『撃ち落とせぇッ!』

 ヘルディガンナーたちのアサルトビーム砲がミサイルを打ち落とすべく放たれていく。

 しかし、ミサイルは多弾頭タイプだったのか、うち漏らしたミサイルが分裂し、大量のミサイルが3機を襲う。

『多すぎィ!?!』

『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!?』

 半狂乱に撃ち落とそうと努力する中、それをあざ笑うように、さらにミサイルが割れ、何か丸い物が大量に降り注ぐ。

 高性能爆弾の雨だ。

『『『うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!??!』』』

 あたり一面が、爆炎に包まれる。

 それは、リナのライガーゼロパンツァーも例外ではない。

 

『味方ごと殺す兵器かよぉ!?!』

『うわぁぁぁぁ、ま、ママー!!!』

『ぐぅ……こんなのでぇ!?』

 

 しかし、3機の悲鳴を聞くリナは、涼しい顔で3機を見ていた。

 なにせ、ここには爆弾の雨が降らない。

 いや……よく見れば、当たらないはずの位置に堕ちる爆弾が、あの筒のお近くに着た瞬間不自然な力が働いたように、3機に吸い寄せられていく。

「電磁誘導システム、相変わらず強力ですね」

 そう感想を漏らしながら、胸部のグレネードランチャーをおもむろに放つ。

 狙いはつけていない、だがそのグレネードは不自然な曲線を描き、この棒たちの合間をすいすいと進みデッドボーダーに当たる。

『きゃぁぁぁぁぁぁぁ!?!』

『一方的じゃないッスかこんなの!?』

『卑怯とかそういう次元超えてるでござるぅ!?!?』

 一方的過ぎる展開に、そんな声を上げる相手。

 言うと思った、そんな感想と共に意地の悪い笑みが浮かんでしまう。

『―――こんな格言を知っていますかしら?』

 と、右側面から突然の弾幕と共に、そんな通信が入る。

『何!?』

 キュラキュラと音を立てて、赤いレドームがやってくる。

『恋と戦争において、あらゆる手段は許されます。

 あなた達は喧嘩に卑怯も何もあるかと言いましたが、それは違います。

 喧嘩は仲裁が入ればそこで終わり。決して相手を滅ぼすまではしない』

 キラードームから、余裕のある声音でオラージュは言う。

『我々ミューズ学園に戦いを挑むのは、喧嘩として成立は絶対にしませんのよ?

 常在戦場。

 売られた喧嘩は戦争まで昇華させる。

 我々は勝負なんてする気はありません。

 

 目指すは、圧倒的勝利。

 後に残るのは、我々の旗だけです』

 

 先ほどの会話の『勝負にならない』という意味、

 オラージュは、その言葉に込められた意味を、すがすがしいまでに分かりやすく、ある種の傲慢を同然のように説明する。

『な…!?

 何よそれ、意味わかんないわよ!!!』

「言葉通りですよ~?

 喧嘩を売ったのはこちらですが、まぁ、

 戦う以上は、圧倒的勝利か、戦略的勝利以外に認めるつもりはないんですよね」

 ボロボロながらも戦意だけは立派な相手に、そう軽く言い返す。

『ふざけんじゃないわよ!! そんな簡単にできると思うの!?』

『―――ええと、まぁ、難しかったかな~、とは思います』

 と、さらに通信に、困ったかのような声が聞こえる。

 気が付けば、イオナのビガザウロが、目視できる距離から顔をのぞかせていた。

『正直、デッドボーダーにヘルディガンナー、両者ともにいいゾイドですし、

 何より、案外使い方もうまいので、リナちゃん、ああそこのライガーゼロに乗ってる子が、やられちゃう可能性も大きかったんですけど、

 ギリギリで間に合ってよかったです。

 強敵でしたよ、あなた達は』

 お気づきだろうか。

 すでに過去形で話を進めている。

『その言い方ァ!?』

『既にやられてるみたいじゃないッスかぁ!?』

 先にキレたヘルディガンナーが、ビーム砲を放つ。

 瞬間、そのビームが不自然な機動を描き、撃ったはずのヘルディガンナーに命中する。

『『ぎゃわぁ!?!』』

『ああ、言い忘れましたが、もう重力砲以外まともに当てられる兵器はありませんよ?

 電磁誘導システムは優秀ですから』

 ずぅん、と自分の攻撃の重さに、うずくまるヘルディガンナー。

 ぐ、とデッドボーダーのパイロットがたじろぐ。

『さて。

 さすがにそろそろ可哀そうですから、お開きにしましょうか』

『「了解」』

 と、イオナの指示と共に、リナはこのCAS最大の必殺技を起動する。

 後ろ足のアンカーを下し、全身に配置された、信じられないカズのミサイルポッドすべてをあけ放ち、コックピット内のFCSがそれらの照準を相手一か所につけていく。

 おそらく、キラードームも、ビガザウロも、ほとんどの火器を相手に向けている。

『ぐっ、この、』

『おっと』

 瞬間、重力砲を撃とうとした瞬間、そこにビームが叩き込まれ、火器を沈黙させる。

 あの距離で、とリナは相変わらずの『生徒会長閣下』の腕前を驚きと共に見ていた。

『重力砲が…!?』

『これで、チェックメイトです』

 すでに、準備は終わっている。

『う、う、』

『まだやりますか?』

『な、何よ!!

 こっちにはまだ、爪と牙もあるのよぉ!!!』

 まだやるようだ……と、近くで見ていたリナは、こちらに飛び掛かる相手を見て鼻を鳴らす。

「その気概は嫌いじゃないです」

 なら、と引き金に指をかける。

「バーニング、ビッグバ―――――――」

 その、デスザウラーですら行動不能にする攻撃を、一体のゾイドにぶち当てようとした、

 

 瞬間、

 そう、その瞬間、すこし高い位置から、バルカンのように何かが斉射され、さえぎられる。

『!?!』

 その場だれもが、突然のことに驚いていた瞬間、

 

『双方其処まで!!

 喧嘩で投入する火力をすでに超えているぞ!!』

 

 と、大音量の通信と共に、ひゅん、と真上の道路に何かが突然現れる。

 空間から湧きだしたように、黒と金色の、犬に似たゾイドが、背後に装備したバルカンのような武器を向けている。

「シャドーフォックス!?」

『わぁ……!』

『シャドーフォックス、だと…!?』

『シャドーフォックスって、何?』

『なんだっけ……コマンドウルフっぽいけど……』

『……オコーネル少尉……?』

 それぞれ違った驚きの声を上げる中、そのシャドーフォックスから再び声が放たれる。

『そこの3人、君らの負けは確定している!!

 続けるだけ止めるべきだ、ゾイドのためにもな!!

 そしてそちらのミス・イオナフェルト含め3人!!

 やり過ぎだ!!』

 そうして、謎のゾイドたちによって、この喧嘩は止められた。

          ***

 RZ‐046 シャドーフォックス

 共和国、ステルス高速戦中型ゾイドであるこのゾイドから出てきたのは、なんと全員が共和国軍の制服を着たもの達だった。

 

「まず、ミス・イオナフェルト! あなたにはご自分の立場の自覚があるのですか?」

「……はぁ、えっと……ごめんなさい中尉」

 その中でも、指揮官らしき若い男性に、イオナは怒られていた。

「まったく……護衛する身にもなってください!!

 現在、共和国は、キダ藩主国連邦の内戦干渉で、ただでさえテロ行為の懸念があるというのに、まったく」

「あうあう……」

 ガミガミと言う彼のお叱りに、何を返していいのかわからない顔で困り果てるイオナ。

 

「……どゆこと?」

 と、それをとお目に見ていたあのクロエというデッドボーダーのパイロットが、リナたちに尋ねる。

「いや、その……」

「うーん、言っていいのか悪いのか……」

 しかし、リナたちは、その事実を言っていいのかわからなかった。

 それだけの案件なのだ。

「いやいや、これはどういうことか説明すべきでござるよなぁ…?」

「別にいいじゃないッスか~、なんスか? 負けた相手に言葉もないんスか?」

 と、やたらにらみつける他の二人も相まって、なんて言っていいのかいよいよわからなくなる。

「「うーん……」」

 

「というか、オコーネル少尉さん、ずっといたんですね?」

「当たり前です、任務ですから!」

 と、向こうの声がこちらまで聞こえてくる。

「私は大丈夫ですよ~、お姉ちゃんとかの方が優先で」

「そういうわけにはいきません!

 なにせ、」

 と、次の瞬間、聞こえた内容にほぼ全員固まる。

 

「あなたは!!

 へリック共和国初代大統領『へリック・ムーロア』直系の子孫であり!!

 現在の西方大陸共和国領の統括知事である『マリーナ・ムーロア』のご息女であらせられる、

 イオナフェルト・ムーロア、その人なのですよ!?』

 

 一瞬、横の3人がすごい顔で固まった。

 ああ、と二人は、さすがにその有名な名前に、と理解をする。

 

 へリック・ムーロア、共和国初代大統領。

 その人柄や、戦歴、政治家としての手腕も高く、なおかつ覚えやすい歴史上の人物として有名すぎる程有名である。

 その上、事実上へリック王国時代の王家の血筋でもあり、現ネオゼネバスの皇帝家とも遠縁であるがつながっている。

 

 何が言いたいかというとつまり、

「「「ええええええええええええええええええええええ!?!?!?!?!」」」

 

 まず一般人が出くわせばそんな反応するのが当然の人なのだ。

「……あはは……」

「む、むむ、ムーロアって、え? 大統領? え?」

「それひいお祖父ちゃんです」

「ち、ちちちち、知事の娘?」

「まぁ、放蕩娘ですけれども……」

 とてもそうは見えない。

 加えて、容姿も整っている方とはいえ、普通な顔立ちのイオナ。

 まさか、誰もそんな家計の人間とは思わないだろう。

 どうでもいいが、彼女のひいおじいさんにあたる大統領は、

 実は容姿から名前を当てる問題最難関と言われるぐらい普通の顔である。

 

「「「……す、」」」

 そして、3人は突然、

 

「「「すみませんでしたァ――――――――――――ッッッ!!!」」」

 

 そう言って、土下座したのだった。

          ***

 結局、3人は離れた席に言ってしまった。

 なんだか謝りまくっていたが、イオナのある種毒のない笑顔と柔らかい対応で、遺恨は残らなかった。

 まぁ、きっちり当初の約束は守らせたが。

 

「はい、3ポンドステーキ「ウルトラザウルス」お待たせーっ!!」

 どぉんと、信じられない分厚さのステーキがやってくる。

「やった~! これです、これ♪」

 イオナは、それを目を輝かせて、上に載ったチーズと東方大陸風ソースに味付けされた肉塊を切っていく。

「はむ、はむ……んんん~、幸せ~♪」

 まるでハムスターのようにほほを膨らませて食べる姿は……

 可愛いのだが、かの共和国初代大統領直系、つまりは旧へリック王家の血筋とは思えない。

「ああ~、他人のお金で食べるステーキ美味しいですよ~♪」

「うーん、3人に悪いと思うからこそのこの…♪」

 そして、少々問題のある言葉と共に、やや上品にステーキを食べるリナとオラージュ。

 この3人、いまの状態こそまさに、『勝者の余裕』だ。

「しかしまぁ、我らがムーロア生徒会長殿も、すごいことしますよね~?」

「あー、リナちゃーん! 苗字言うの禁止ですー、生徒会長権限でー」

「職権乱用気味ですね、それ」

「それはともかくとして、これでも生徒会長なりの考えがあるのです」

 と、イオナは若干むくれた顔で、そう言葉を紡ぐ。

「というと?」

「まず一つは……明日の為。

 実は、離れている隙に、E組の放ったブルーデビルを全部破壊していたんです。

 オラージュさんにハッキングしてもらって、一か所に集めて」

 おぉ、とあの短い間によくやると感心する。

 知らせなかったのは集中してもらうためか、という配慮も含め。

「もう一つが、今後の為に」

 す、と人差し指を立て、不敵な笑みを浮かべながら語る。

「今後…?」

「我々の噂を、もうちょっと広めたくはないですか?

 C組のカリンさんの活躍や、この前のシュバルツ高等学校相手の勝利だけじゃ薄いです」

 と、たくらみをを隠さない鋭い目で、そう語るイオナ。

 しかし、その言葉に、リナは苦い顔を見せる。

「う……完璧な勝利ができないからって責めないでくださいよ……」

「あらあら、やっぱり気にしてましたか」

「リナちゃん、あの勝利方法は確かにひどいよね~。

 陣地占領もあったはずなのに、なんであの方法を?」

「私も気になります。何でですか?」

 と、意地の悪そうな笑みで聞くイオナと、横でやはり柔和だか意地の悪い笑みで迫るオラージュに、自分の汚点の理由を尋ねられる。

 知ってる癖に、とは思うが……

「……陣地占領は言うほど簡単じゃないですよ。

 私なら、あの濃硫酸の川の先に地雷原を敷いたうえで、陣地の周りに大型自動砲台を2門、そこも地雷原を敷いて、余裕があれば小型砲台を取り付けておきます」

「……え、えぇ……??」

 と、イオナは、もはや困惑、と言った顔をする。

「……相手の陣地も、そうだと?」

「もちろん、違いますよ!

 相手なら、この2倍は用意しているはず!」

「……石橋をたたき割って新築して通っているみたいです……」

「気持ちはわかるけど、リナちゃんフルモンティだなぁ……」

「全裸みたいに言わないでくださいよ。バーナード・モントゴメリー閣下、地球の偉大な軍人の中では優秀な砲じゃないですか!」

 自分のファンである地球の偉人をたとえに出され、軽く頭にくるリナ。

「まぁまぁ。

 でも、虎穴に入らずんば虎児を得ず、も地球の格言だよ?」

 と、イオナは語る。

「私ね、今年の内にエウロペカップに出ようと思うんだ。

 学校のみんなで、優勝を目指すの」

 その、ある種途方もないセリフに、思わず二人は目を見開く。

「言うのは簡単だけど、難しいのも分かるよ?

 でも、今年の活躍はまだ来年にも生かせる。3年に一回の募集校だからだけど、そこも武器にできる。

 だからまずは、周りにどんどん練習試合なりなんなり挑まなきゃ。

 さっきの人たちには申し訳ないけど、そのための下準備に使わせてもらったんだ。

 まずは北エウロペ大陸最強を目指そう?

 そして、西方大陸1のゾイド乗り高校に、そして次は全大陸制覇!

 大丈夫。今年は一クラス規模でも、強豪校相手にぎりぎり勝てる程、優秀な子たちが集まってます。

 ………欲を出せるときに出さないと、後でする後悔がより深くなる。

 でしょう?」

 と、屈託のない笑みで問う。

 ふむ、と思わず、問われた二人は考え、顔を見合わせ、笑う。

「じゃあ、まずはその素材を生かす準備でしょうね。

 来るお買い物解禁から、備蓄する弾薬やパーツ、各々の能力とそのクラスやチームの運用にあったゾイドを選んで、早めに完熟訓練を済まさないと」

「各クラスの連携も強化しないといけませんね。

 役割が違っても、お互いカバーしあえるように」

 二人の言葉に、何か核心を突いたような感触をつかむような笑みを見せる。

「そこは、私に任せてください。

 ひいおじいちゃん程、とまではいかないけど、

 少なくとも、一つの学校をまとめ上げるだけの自信、あるんですよ?」

 にこ、と笑うイオナ。

 嘘は言っていない。そして慢心もない、そんな言葉だ。

「そのまま卒業後は、政治家の道に行ってまた大統領になっちゃえばいいんじゃないですか~?」

「それは、また別の人のお仕事♪

 私は、その別の人が安心して大統領ができるような国防大臣クラスの役職か、

 じゃなかったら、パン屋さんになりたいな~♪」

「「落差が激しいです!」」

 ははは、と笑う3人。

 

 と、

「なら、まだまだゾイド乗りとしては問題があると言わせてもらおうか、3人とも?」

 そんな声と共に、あのオコーネルという軍人が歩いてくる。

 

「オコーネル少尉さん! 護衛でここに?」

「ついでに、誰かさんの吹っ掛けた喧嘩のせいで披露した部下たち含めての慰労ですよ、護衛対象殿」

 す、と軽く敬礼し、オコーネルは語る。

「3人とも頭はいいようだ。だが、まだまだと言っておこうか。

 明日は、実技テストと記憶している。

 ミス・イオナフェルトも、そこの2人も、戦術や戦略は及第点だが、明日のテストでこの動きならば、苦戦は必須だろうな」

「……ズバズバ貴重な意見言ってくれますね~……」

「しかも、間違いではないんですよね……」

「オコーネル少尉は固い人ですし」

「そういう家系の人間でしてね。生粋の共和国軍人。

 祖父の代からゾイドを駆り共和国要人を守ってきた。

 まぁ、だからまだまだ青い子らを見ると、口出ししたくなるのさ」

 さて、とオコーネルは3人を見渡す。

「おそらく、我々が唯一の観客となるだろう。

 相手側も今の君らと同じレベルなら、君らがどう戦うかを楽しみに見ているよ。

 それだけが言いたかった」

 きざったらしー、と漏らしても、はは、と笑うだけで、大人な対応だった。

「では、護衛任務を継続します!!

 失礼」

 そうして、オコーネルは踵を返すように振り向き、足早にその場を去る。

「……こりゃ、」

 と、リナはつぶやく。

「明日は波乱の日になりそうですね~……」

 その言葉は、

 しかし、どこか楽しそうな感情を含み、周りも其れをくみ取って笑みをこぼす。

「……さて、どうなる事やら」

 イオナは、そう言ってステーキをほおばる。

 明日の為に、精を付ける。

           ***

 

 さて、結果だけを言うのであれば、

 次の日の『春の終わり砲火後作戦』は、白組の勝利だった。

 

           ***

 

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