王子系ヤンデレ女子大生に愛されるのでどうにか生き残る話 作:2.36α金属リン
「明日は何の日でしょう」
「安倍晴明の死亡した日だな」
あくまで現在の太陽暦に合わせたらの話で当時の数え方だと「寛弘2年9月26日」だがな。
「違ぇよ。いや俺が知らねぇから違うとは言いづらいけど俺が言いたいのはそうじゃねぇよ」
「じゃあ"
「待って今のルビ何???」
どうでもいいだろ。
「ハロウィンだよ!トリックオアトリート!」
「……で?」
「お菓子くれなきゃイタズラするぞ」
明日学校休みだから今日強請るってか。
「だってお前の菓子美味いんだもん」
「グーパンでも喰らわせてやろうか」
菓子目当てやめろや。……渚さんあたりは明日普通に強請って来そうだな。
「っつーか事前に言われてもないのに前日に菓子を学校に持ってくると思ってるのか?」
「あ」
「馬鹿め」
葵依姉ちゃんの家に突撃。インターホンを押す。普段なら普通に入ってるが両手が塞がっているのでインターホンを押して開けてもらうしかない。というのも………
左手には岡持。右手には大鉈。ここまで来るのに通行人からめっちゃ二度見された。何人かは発狂してたしな。
『はーい』
緋彩さんの声がスピーカーから聞こえ──────た瞬間切られた。え、どうして。
「緋彩?どうしたんだ?」
インターホンが鳴って、取り付けられたカメラから送られてくる映像を見た瞬間緋彩が頭抱えだした。なんかやべぇのでも居たのか?
「渚ちゃん……いや、何故か玄関先に訳わかんないのが居て」
「どういうことだよ」
不審者だったら追っ払ってやる。そう意気込んで玄関扉を開ける。そこには──────
「──────」
マジで怖いのがいた。え、何こいつ。
「あ、渚さん」
「いや
……なんか気ィ抜けた。とりあえず
「緋彩ー。変なの戒矢だったー」
「どうも、俺です」
本当に情報量が強い。
「どもっス」
「インターホンのカメラに三角頭が映ってるの結構怖かったわよ」
「すんません」
岡持と大鉈持った異形だからな。結構怖い。
「で、緋彩さんのコスプレは……なるほど、魔女ですか」
とんがり帽子に黒いローブ、藁箒。これで魔女じゃなけりゃ何だってレベル。
「そして渚さんは……」
若干露出の多い水着のような服に先の尖った尻尾、山羊の角……なるほど。
「
「
まあロリ体型だから難しいよな。
「殺されたいのかお前」
はははは。
「あら、戒矢。こんにち─────────え?」
「椿、どうしたの─────────ん?」
キッチンから出てきた椿さんと葵依姉ちゃんがフリーズした。どうしたんだろう。
「どうしたんスか」
「あ、戒矢」
「分かり辛っ」
失礼な(三角頭の格好しながら)
「椿さんは……
獣耳に顔のペイント、手の鋭い爪……間違いなく獣人系だな。
「葵依姉ちゃんは
黒いマントに尖った牙と耳。ハァァァァァァンくっそ可愛い。無限に抱きしめたい。
「で、戒矢…………………………それ何?」
「サイレントヒルの三角頭」
間違いなくこいつ相手に勝てるやつは居ない。……いや、頑張れば行けるか?でもジェイムズの方の三角頭はともかくシャロン守ってた方だとキツそうだな。
「ホラーもののクリーチャーの中で一番好きなんだよ」
その次がバイオの寄生型
「そんじゃあまあハッピーハロウィーンってことで」
岡持から取り出したカブを飾る。
「かぼちゃじゃないのかよ」
「知らないのかよ。今でこそジャック・オー・ランタンと言えばかぼちゃだが、元となったケルトの祭りではカブをくり抜いてたんだよ」
確か悪魔を騙したせいで天国にも地獄にも行けなくなった男に与えられた明かりが元ネタだったはず。
「今日はかぼちゃ料理のオンパレードよ、戒矢クン、手伝ってね」
「お任せあれー」
「……人狼と吸血鬼と小悪魔と魔女と三角頭が並んで食卓囲んでる絵面強過ぎないか?」
否定はしない。実際強いし。
「それにしてもよく出来てるよな。今度その三角頭被らせて」
「別にいいけど塗装で色味出すのめんどくさかったから全部金属だぞ。重さ十数キロどころじゃないから首やるかもしれんけど」
「やめとくわ」
賢明。
「それじゃあ」
「「「「「いただきまーす」」」」」
うん、美味い。
「あ、戒矢」
「何」
「
「ほい」
岡持から取り出したパンプキンパイを3等分。その一切れを渡す。
「残りは緋彩さんと椿さんの分っすね」
「葵依忘れ去られてて笑う」
「いや、葵依姉ちゃんのは別に作ってある」
なんか葵依姉ちゃんが落ち込み出した。いやなんで。
「んじゃお返しに、トリックオアトリート」
「ほらよ」
ちゃんと飴渡された。え、もらう側に徹すると思ってたんだけど。
「念の為聞くけどもしないって言ってたらどんなイタズラしてた?」
「歩く時苦しむように両足の小指の爪割ってましたね」
「クソかこいつ」
ひでぇ。……俺か。
その後、椿さんや緋彩さんともお菓子を交換し終えて解散の流れに。
3人を見送った後、リビングに戻れば俺と葵依姉ちゃんの二人きり。
「戒矢」
「ん?」
「Trick or Treat」
「ほい」
岡持に入れておいた特別仕様のパンプキンパイを差し出す。めっちゃ苦労したよ──────表面に特殊な仕込みをして焼き目が燐舞曲のロゴになるようにするのは。
「うわすっごい」
「頑張ったわ」
過去一で疲れた。
「さて、じゃあお返しのTrick or Treatだ。お菓子くれなきゃイタズラするぞーってな」
「あ、ちょっと待っててね」
そう言って葵依姉ちゃんは冷蔵庫を開けて中を探り出す。……数秒後、妙に焦り出した。
「……あれ?」
「どしたよ」
「ない……作っておいたお菓子がない」
「多分渚さんの犯行だろ」
「渚……」
まあ─────────さっき葵依姉ちゃんにイタズラがしてみたくて隠しておいたんだがな(ガチクズ)。
「……さて、兎にも角にも
「何……かな?」
「仮に俺がお菓子を持ってなかったら、どんなイタズラをするつもりだったんだ?」
「えっと………………………とか…………を………」
「ん?もっと大きな声で」
気分は紅渡に「名護さんは最高です!」って言わせる時の妖怪ボタンむしり。気分良き。
「……………抱き締めたり……………キスしたり……………」
顔を赤らめ、目を逸らしながらそう言う葵依姉ちゃん。あ〜^くっそかわいい。
「そんじゃまあ、今からイタズラタイムだ。葵依姉ちゃんが俺にやろうと思ってたこと、やってやるから覚悟しろよ?」
「え、ちょ……」
俺はそう言って、
ハロウィンの存在を当日まで忘れててこれ1日で書き上げた馬鹿がいるってマジ?
鉤野戒矢
今回のハロウィンのコスプレ内容は「
三宅葵依
ハロウィンのコスプレ内容は「
大切な人が何をとち狂ったのか三角頭になっててちょっと怖かった。ハロウィンパーティーも終えた後、普段なら抱き締める側なのに抱き締められたのでかなり満足。
青柳椿
ハロウィンのコスプレ内容は「
良く話す後輩が異形になってて内心死ぬほどビビっていた。パーティー中も視界に入り込む度にビクついていた。今回の最大の被害者。
矢野緋彩
ハロウィンのコスプレ内容は「
インターホンが鳴る→カメラに玄関先の映像が映る→岡持を持った三角頭とかいう謎映像に脳が停止するという謎コンボが勝手に決まった人。
月見山渚
ハロウィンのコスプレ内容は「
緋彩がビビり散らかしてたから代わりに出たら処刑人と相対してしまった。死ぬかと思ったらしい。