裏想郷、されど理想郷に非ず。   作:青ずきん

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更新に際して1年もかけてしまったこと、大変申し訳なく思っております。
また、本編の内容としてもかなり薄く、文字数が少なくなってしまったことも重ねてお詫び申し上げます。

今後もこのようにひどく更新が滞る可能性は高いですが、最終回までお付き合いいただければ幸甚に存じます。

誠に恐縮ですが、今後ともよろしくお願い致します。


ep.for(int e=1; e<=6; e++) 「敵で味方.mid」

「ちゅうもーく!」

 

「なんだー!」

 

 光一つない曇天。まるで魔の手に侵されたように暗い昼下がり、博麗神社にはギッハとメイユールを含めた6人が一堂に介していた。裏想郷組の他に、霊夢、魔理沙、妖夢、アリスが円卓を囲んでいる。

 集めたのは、裏想郷での事案を知ったギッハだ。先日の心神達の話を盗み聞きしていたようで、その後毬華が見知らぬ男に連れ去られる様子までバッチリ押さえていたという。只事でないことを悟り、急遽招集を掛けた次第だ。

 

 裏想郷組と関わりのなかった妖夢への説明を済ませてから、こほんと空咳(からせき)をした後にギッハは本題に入った。

 

「なんと! なななんと!」

 

「なんとー?」

 

「……ねぇ魔理沙。私この子達のテンションに着いていけそうにないんだけど、どうすればいいと思う?」

「どうもしなくていいよ。考えるだけ無駄だ」

「……それもそれでどうかと思うけど……」

 

「はいお静かにー! 大事な話だからねー! ななななんとー! 裏想郷での魔理沙にあたる『夕立毬華』ちゃんが、我々のよく知らない人に連れて行かれちゃいましたー! わー!」

 

「わーわー!」

 

「えっ……これ、はしゃぐ所なの……?」

「諦めなさい妖夢、あんたもいつか慣れるわ」

「慣れたいような……慣れたくないような……」

 

「まあそんな冗談は置いときまして。心神ちゃんとかから盗み聞きした限りだと、私たちの世界は『最高神』って人に管理されてて、その人が悪い人かもーって感じだったんだよ!」

「最高神が私達の世界を創造したってのは割と周知の事実な筈なんだけどなぁ……なんでギッハちゃんは知らないのやら」

「私、どうでもいいことはすぐ忘れる性質(タチ)なので!」

「そもそも知っていたのかどうかすら怪しいんだが……」

 

「私がその人を知ってるかどうかはどうでもいいんだよ。それよりも、さ。利用するだけ利用してるような虫のいい話にはなるんだけど……皆に、毬華を連れ戻す手伝いをしてもらいたいんだ。毬華が連れ去られてから、禮ちゃんの様子も暗くなってて……」

 

 それまで明るい表情で場を取り仕切っていた様子からは想像もつかないような暗い顔で、ギッハは声低く絞り出した。俯き加減な体勢は陰鬱な空気を呼び、さながら囚われの姫(DID)のような悲劇のヒロイン的演出を助長している。

 

 その空気感を感じ取った一同は改めて姿勢を正し、真面目な表情で耳を(そばだ)てた。

 

「なんというか、その……いっぱい迷惑掛けてて、本当に烏滸がましいんだけど……」

 

「迷惑……って程のことされた覚えは無いけどね。あんたらんとこのいざこざ以上の面倒事が毎日起きるのが幻想郷だからね。そうじゃないにしろ、異変とそう変わらないし」

「……えっ?」

「霊夢の言う通りだ。割とレベル高そうな戦いにはなるだろうけど、どのみち私や霊夢たちも異変解決者として動かざるを得なかっただろうし、お前に頼まれるまでのことじゃねえよ。安心しな」

「またそうやってすぐ安請け合いする。それでホントに痛い目見ても知らないわよ?」

 

 ギッハが思っていた程、幻想郷の住人の心の器は狭くなかったようだ。魔理沙の安請け合いを責めているアリスも、心の底から嫌がっているような素振りはなく、寧ろ「あんたじゃ力不足よ。ここは私が出る」と言わんばかりの顔をしている。

 

「……みんな、ありがとう。それじゃあ、早速なんだけど、作戦を説明するね」

 

 

 

 

 

 

「ねぇ禮ちゃぁ〜ん、起きてるぅ〜? 寝過ぎは良くないわよ〜?」

 

「…………」

 

「あんもう、反応してくれなきゃ寂しいわ。私泣いちゃう。ぐすんぐすん」

 

 幻想郷とは異なり、裏想郷の空はいやに晴れていた。燦々と照りつける太陽と相反するように、魄零禮は神社の一室で深く項垂れていた。

 一方で、無反応の禮に絡んでいるハンプ・フラワーラビットは、気味が悪くなるほどいつも通りだ。禮の顔を覗き込んでは、自分に構うよう催促している。

 

「ねーえー、反応してよー。(しとね)を共にした仲じゃなーい」

「……したことない」

「あ、やっと反応してくれたー。もうお昼よ? 境内のお掃除ちゃんとした?」

「……うるさい」

「んもー…………そんなにあの子が大事だったの?」

「うるさい」

「じゃあ耳元でこっそり囁いてあげる♡」

「帰って」

 

 ハンプが繰り出す言葉の数々に、禮は一切表情を動かさず答える。今の禮には、不満げなハンプを気にする余裕はない。呼吸すらも億劫に感じる程だ。

 何とか禮と会話をしようと、ハンプは禮に顔を近づける。鼻が当たってしまいそうになるほど距離が縮まったその時、轟音が鳴り響くと同時に神社に大穴が開いた。

 犯人は禮だ。魔女に対する嫌悪感か、それとも単にウザかったのか。何れにせよ、禮の怒りが頂点に達していたのは間違いない。

 

 無表情のまま腕を動かして自らの神社を破壊した禮に興ざめしたのだろうか。長い溜息をつきながら、ハンプは禮の元からそっと離れる。数歩歩いてから帰還用の魔法陣を自身の眼前に出現させると、ハンプは後ろに振り返って一言だけ残し、そのまま神社を後にした。

 

「……塞ぎこんでちゃ、助けられるものも助けられないわよ」

 

 

 

 

 

「ここが……裏想郷……」

 

 ギッハの禁術で裏想郷へと飛んできた一行の中で、一番早く物々しい雰囲気を感じ取った妖夢がそっと溢す。

 飛んできた場所は蒼魔館。ここから、六人の作戦が始まる。

 

「はいじゃあ作戦のおさらいねー! まず、とりあえず全員で突撃! 天使軍の邪魔が入ったら基本的には各々で対処! 難しそうなら私かメイちゃんと一緒に対処! 大丈夫だよね?」

 

「『憶えてるか』っていう意味の質問なら答えはイエスね。尤も、その作戦自体は大丈夫とは言いづらいと思うのだけれど……」

 

「まあここまで来たんならやるしかないだろ。天使のとこ目掛けて全速前進! 邪魔が入ったら全力でぶっとばす! 分かりやすくていいじゃないか」

 

「……もう。魔理沙はいっつもそうなんだから……」

 

「よっし! じゃあ行こう! ひとまずの目的地は『離信城(りしんじょう)』! 最短ルートでいくよ!」

 

「ごーごー!」

 

「……なんか心配になってきた……」

 

 

 

 

「おっ、見えてきた。あれが離信城だね」

 

 六人が暫く森を飛んでいると、前方に巨大な逆さ城が現れた。灰色の雲を纏った、不気味な紫色の城だ。本来一階にあたる部分は上空に広がる雲と繋がっており、天界に近い場所なのだと分かる。

 目的地に近づいたためギッハ達は速度を上げたが、そこには行く手を阻む少女が一人居た。

 

 どこか蔑むような瞳でギッハ達を見据えながら、その牙を剝いた。

 

 

「『java(ジャバ) StrikebackMain(ストライクバックメイン)』」

 

『コード:』

 

「『1』」

 

『斬撃プログラム 実行』

 

 

「……! 避けてッ!」

 

 機械的な音声が響き渡る。

 ギッハが後ろを振り返る頃には、既に目の前まで細い衝撃波のようなものが迫っていた。ギッハと霊夢を除き完全に避けきることはできなかったが、それでもダメージを最小限に抑えられるように対処ができていた。流石異変解決者たち、というところだろうか。

 

「……へぇ、死なないのね。あれでやられてくれたら楽に終われたのに」

 

「……あんた、もしかしなくても裏想郷の『九十九弁々(つくもべんべん)』ね?」

 

 ギッハ達の前に現れたのは、九十九弁々と呼ばれる付喪神によく似た少女だった。だが、随所に差異が見られる。

 一番目を引くのは、深緑の髪と紺のフレームの眼鏡だ。次いで、紺色に染まったビワの花飾りと衣服だ。左腕に繋がれた金色の鎖の先には、緑色の光が弦として走る青い琵琶が浮遊している。琵琶の周りには「0」と「1」の文字が輪となったものが二つゆっくり回転しており、×の字のように交差している。

 

「知らないわよ、そんな奴。……まあ何でもいいけど、あんた達、これから私の後ろにある城に行くつもりなんでしょ? 私は、それを諦めてもらいに来た」

 

「それ、人違いじゃないか? 私たちは、向こうの城じゃなくて、その上にある天使たちのとこに用があるんだ」

 

「なるほどね、そうやって私を丸め込もうとしていると」

 

「ち、ちがいます! 私たちは、ギッハさんのお友達を助けに……」

 

「……はあ。やっぱり、人間って碌なのがいないのね」

 

「違うの『カラム』お姉ちゃん、この人たちは……」

 

「危険分子なのには変わらないし、ここで始末することにするわ。裏想郷のIPSは常に人手不足だから、困るったらありゃしない」

 

 ギッハの話もそこそこに、カラムと呼ばれた少女は音符を模した弾幕を高速で放った。間一髪で防いだものの、このままでは素直に通してはくれないだろう。その雰囲気を感じ取ったメイユールは、ギッハ達の前に躍り出て顔だけを振り返らせ、いつもの笑顔でギッハ達を急かした。

 

「ここは私が何とかしとくよ。そのうちに、皆は先に行ってて」

 

「無茶よ! あんたが実際どのくらい強いのかは知らないけど、全員でやった方がいいでしょ!?」

 

「……じゃあ、私も残ります。絶対勝ってみせるので、霊夢さんたちは一足先に行っておいてください」

 

「妖夢っ!?」

 

「……霊夢。ここは妖夢とこの子に任せて先を急ぎましょう」

 

「……! ……わかった」

 

 妖夢までもが足止めに参加したことに心を乱された霊夢だったが、軽く肩を叩きながらアリスはそれを諫め、4人は更に上空へと昇っていった。

 

「ちょっ、あんたら待ちなさい!」

 

「待ちなさいはこっちの台詞だよ!」

 

「貴女の相手は私たちです。……ここからは、私たちのステージだっ!」

 

「……まぁいいか。あんたらを潰して、さっさと追いかければいい話だし」

 

「それが出来ればいいですねっ!」

 

 一瞬でカラムの懐に潜り込むと、妖夢は白楼剣を首元目掛けて振るった。一撃で決着をつけるつもりなのだろう。しかし、カラムの方もものの数秒で撃沈するタマではない。上半身を軽く反らし、すんでの所で回避してみせる。

 腕を振り切ったことで前方への防備が薄くなった妖夢に対し、カラムはすかさず小型の弾幕を粗雑に放つ。慌てながらも妖夢はそれを白楼剣一本で対処してみせ、同じように小さな弾幕を放ってから大きく後ろに下がった。

 

「うーん……やっぱり、そう簡単にはやられてくれませんか」

 

「だねー。さて……どうしよっか」

 

「『java StrikebackMain』」

 

『コード:』

 

「『5』」

 

『レーザープログラム 実行』

 

「……やば」

 

 命令が実行され、無数のレーザーが妖夢とメイを囲むように四方八方から襲い来る。数えるのも億劫になるほどの数だったが、メイはその攻撃の全てを軽々と対処して見せた。

 ……彼女自身の禁術を使って。

 

「九系禁術『音解』、はつどーう!」

 

 元気の良い声が響くと同時に、蒸発したかのような音を立てて全てのレーザーが消え去った。あらゆる物体を『音』に変換し、またあらゆる『音』を物体に変換させるこの禁術は、相手の能力によって生成された攻撃も変換対象の例外ではなかった。

 

 得意げに胸を張るメイ、窮地を脱したものの未だ緊張の解れない妖夢、予想以上に手間の掛かる相手にイラつくカラム。三者三様の感情が交錯するこの場には、どこか暗雲が立ち込めているような空気が流れている。

 

「……何、今の……」

 

「カラムんの禁術のことかな? なんか『じゃば』とか言ってたけど、あれ私もよく分かんないんだよねー。外の世界の言葉らしいけど」

 

「対処法とかってご存知ないですか?」

 

「さあ。色々考える暇がなくなるくらい攻撃すればいいんじゃない? 攻撃は最大の防御って言うし」

 

「……成る程。分かりやすくていいですね」

 

 その空気を斬るように、妖夢は真っ直ぐカラムの方へと飛んでいく。一見単純な特攻にも思えるが、ただ無策で突っ込んでいる訳では当然ない。

 

「…… 『java StrikebackMain』」

 

『コード:』

 

「『1』」

 

『斬撃プログラム 実行』

 

 真正面から迫る妖夢に、カラムは容赦なく斬撃の雨を横殴りに降らせる。対する妖夢はというと、二本の剣で対応することなく急降下を始めた。かなりのスピードではあったが、カラムはおおよその位置を掴むことは出来ている。

 少しだけ後ろに下がり、カラムは上空からオレンジ色に光るネオン管のような物体を四本呼んだ。四本が等間隔に離れたそれは直線という形で降りており、地面を鋭く刺している。

 

 これで剣士は串刺しになっただろう。

 

 カラムがそう慢心した時、メイが動いた。

 

「はい隙あり!」

 

「『java GuardOhMain(ガードワンハンドレッドメイン)』」

 

『使用枚数:』

 

『2』

 

『2枚使用

残り98枚

使用枚数:』

 

 メイは火の玉を模したような弾幕を幾つか放ち、その中に音符を象った弾幕も混ぜてカラムの首を狙った。だが、如何せん弾速が遅すぎた。カラムはハニカム構造のバリアを張ると、メイの攻撃を全て無効化しつつ返す弾幕でメイを襲う。着弾前に禁術を使用することで事なきを得たメイだが、攻撃はあまり意味を為していなかった。

 

 完璧に対処してみせたカラムであったが、彼女は一つ、あるミスを犯していた。それは───

 

 

「スペルカード発動! 獄界剣『二百由旬の一閃』!」

 

 半人半霊の二刀剣士/魂魄妖夢の存在を意識の外に追いやっていたことだ。

 後ろからした声に振り返ると、妖夢は既に剣を振り抜く構えを取っていた。先程までの余裕を失ったのか、カラムは慌てて命令を下す。

 

「『5』!!」

 

『5枚使用

残り93枚

使用枚数:』

 

 しかし、もう全てが手遅れだった。妖夢はバリアが張られるよりも速くカラムの懐へと潜り、その二本の剣を振るった。

 斬撃はカラムの身体を×(バツ)字に切り裂き、衣服の残骸を地上へと散らした。意識を失いかけるもすんでの所でとどまったカラムは、若干の羞恥心を抱えながらも即座に頭を冷やして口を開く。

 

「……最悪。この服どうしてくれるの?」

 

「あっ……勢い余ってつい…………てへ」

 

「……はあ、もう何も言葉が出ない」

 

 わざとらしく舌を出して見せる妖夢に対し、カラムの口調は呆れ気味だった。しかし、先程までの緊迫した状況が嘘のように感じるほど、その場は静謐に包まれていた。

 辺りを吹き抜ける風の音だけが響いている。ほんのり暖かく感じる風は、カラムの放っていた敵意が和らいだことの現れかもしれない。

 

「うんうん、やっと落ち着いてきたね。それじゃあこれ!」

 

 メイが懐から取り出したのはクラッカーだった。以前使用したように、自身の禁術を用いてカラムの衣服をものの数秒で修繕して見せる。

 カラムは一瞬だけ動揺を見せるも、瞬時に何が起こったかを理解した様子だ。

 

「……本当に便利な術だこと」

 

「それほどでも〜」

 

「褒めてない。今のは嫌味」

 

 まだ完全に緊張が解けたわけではないが、二人のやり取りに些少の安堵が戻った妖夢は一人空を見上げていた。

 まだ高い位置にある太陽は、強すぎるくらいに輝いていた。

 

 

 

 ほぼ同時刻、ギッハ達は逆さまに浮かぶ城・離信城を抜け、更に高度を上げた先に鎮座する世界『天界』に辿り着いた。豪奢な神殿が立ち並ぶ白と水色の世界は清々しいほど神秘的で、息を飲むような神々しさがある。

 

 しばらく歩き回っていると、一つの影を見つけた。その正体は夕立毬華その人であり、ギッハ達が訪れることを知っていたかのように待ち呆けていた。

 

「毬華っ!」

 

 慌てて駆け寄るギッハだが、近付いてみるとある事に気が付いた。

 それは、毬華の背に生えた翼だ。明るい世界のせいで遠目では分かりにくかったが、白く雄大な翼が広げられている。

 

「おお、お前らか。ここまで来るのは大変だったろ? ゆっくりしていけよ」

 

「……その羽……どうしたの……?」

 

「ああ、これか? 実は私、権天使(プリンシパリティ)に選んでもらってな。お前らに伝えるのが遅れたな、すまん」

 

「……」

 

 ギッハ含め、毬華以外の全員が愕然としていた。

 対する毬華は、慈しむような、それでいてどこか冷たい眼をしていた。

 

「まあそんなわけで、これからはお前たちに会う機会も少なくなってくると思うけど……私は変わらず元気だから、安心してくれ」

 

「何も安心できないよ! きっと、連れ去られた時に洗脳────」

 

「ギッハ」

 

 毬華の声が響く。

 その響きには、これまでにあったはずの優しさがない。

 

「……悪いが、私は忙しいんだ。これ以上世間話はできない」

 

「そんな! 待ってよ!」

 

「じゃあな」

 

 ギッハの叫びも虚しく、毬華は天に召されるようにその場から消えた。

 その代わりとして、夥しい数の下級天使がギッハたちを相手取る。

 虚な瞳はあまり焦点が合っておらず、神聖な存在であるにも関わらず不気味な雰囲気を醸し出している。

 

「今からこの子たち全員と戦うの……!?」

 

「流石に厳しいな……ギッハ、どうする?」

 

 アリスの動揺に続く魔理沙の問いかけに、ギッハはすぐに答えを出せずにいた。

 毬華は助けたいが、更に調査するには大量の天使たちを捌ききらなければならない。

 迷いからくる焦りにほんの僅かに後退りしたところで、ギッハにとって馴染みのある声が響いた。

 

「さ、もう満足でしょう。今日はここまでですよ」

 

「……! その声────」

 

 言い切る前に、ギッハたちは一瞬にして地上へと帰されてしまった。

 連れ去られたことさえ気付けないようなほどの一瞬の出来事。

 このような芸当ができるのは、天軍九隊の中でも一体だけ。

 神の王座を運ぶ戦車───────座天使(ソロネ)だけだ。

 

 

 

 漸く陽が傾きかけてきた頃、裏想郷の端に位置する魄零神社では魄零禮が座り呆けていた。

 理由はもちろん、親友・毬華のことだ。

 自身の目の前で、一番の親友が神を自称する男に連れ去られた。

 その事実が、禮の頭の中をかき乱している。

 あの男は、本当に裏想郷を創造した神なのだろうか。

 仮にそうだとして、なぜよりにもよって毬華を選び連れ去るのか。

 どうして、神の意向はこうも自分に都合が悪いのだろうか。

 

「……はあ」

 

 無意識のうちにため息が出てくる。

 その理由の全てが毬華にあること、そして彼女に依存すらしているような自分に対し、禮は胸を締め付けられている。

 

 しかしそんなことは露知らず、禮の元に一体の天使が現れた。

 白い長髪と帽子、水色の瞳、白い服装に白いブーツという、正しくこの世界の天使の見本のような色合いの風貌だ。

 

「……あなたは……」

 

 

「魄零禮だな。最高神・イアグタス様からのご命令だ。我々が進めている『幻想郷征服計画』に手を貸せ」

   




十六の目 白傘(しらかさ)カラム
自ら音を発して演奏できる程度の能力










import java.util.Scanner;
class StrikebackMain{
public static void main(String[] args){
Scanner sc=new Scanner(System.in);
String[] list={"    ","斬撃","刺突","降槍","加重","レーザー","爆破","コピー&ペースト","カット&ペースト"};

System.out.print("コード:");
int code=sc.nextInt();
while(code<0 || list.length-1<code){
System.out.println("コードエラー");
System.out.print("コード:");
code=sc.nextInt();
}
System.out.printf("%sプログラム 実行",list[code]);
sc.close();
}
}
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