「木ィィィ原くゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥん!」
「一方通行ァァァァァァァァァァ!」
油断して何発か貰った所為で頭が上手く働かないが今ここでこの男を仕留めなければ
今後安心してこの世界で過ごす事は出来ないだろう。
触れればその瞬間に血流操作で瞬殺、それが不可能でも態々接近戦などせずに中距離から
嬲り殺しにすれば良いと思っていたがこの有様だ。
原作の木原数多ならそれで対処可能だったかもしれないがこの世界に何故か存在する
こいつには余計な要素が加わっている。
「大した事ねぇと思ってたが便利だなぁこの念って奴はよぉ!
おかげでクソ生意気な一方通行ちゃんをこんなにボコボコに出来るんだからなぁ!」
能力を使って引き起こした烈風を物ともせずに突っ込んで来る。
手の届く距離に近づかれた事に舌打ちし離れようとしたが向こうの方が速かった。
「遅ぇんだよ!モヤシ野郎がぁ!」
「ごッ、がァァァァァァ!」
距離を取るのは不可能だと判断し、楽しそうに顔を歪める木原に手を伸ばすが軽く振り払われる。
「態々やられに来るなんて随分といい子ちゃんになったじゃねぇかぁ!
マゾヒストくぅぅぅん!?」
そのままもう一度殴られて吹っ飛ばされた。
「クソ……ッ、野郎がァ」
身体が重い。
「馬鹿みてぇに強い能力持ってるからって調子に乗り過ぎだぜ?一方通行君よぉ
誰がその能力をそこまで安定させてやったと思ってんだ?あぁ?」
今までにない程蓄積されたダメージに戦意が削がれていく。
何故このような事態になっているのか、この世界に転生してきてからの今までが頭に過る。
——————
前世で死んだ俺は転生する機会を与えられた。
転生先の世界は教えて貰えず、特典である能力も何故かとある魔術の禁書目録に登場するキャラの
誰かと言う謎の制限はあったがそれなりに好きな作品だった為不満はなかった。
魂の密度云々で指定できるキャラに制限が発生するらしかったが
俺の好きだった一方さんには問題なく転生できるらしかったので時間も掛からず
転生手続きを終え、俺は転生した。
前の世界とは変わらない程度の文明レベルのジャポンと言うほぼ日本な国に生まれ
この世界に存在するらしい一つの職業を知り俺は此処が何の世界なのか理解した。
ハンター。
財宝や賞金首、美食に遺跡などの希少な物を追及する事を信条とした者達の総称。
過酷な試験に合格した者のみ、プロとしてライセンスを取得し様々な恩恵を受ける事が出来るが
その倍率は数百万分の一と超高倍率だ。
この世界がハンターハンターの世界だと理解した俺は
だからと言って何かをすると言うつもりはなかった。
モブが吹けば飛ぶように死んでいく。(何なら主要キャラも割と容赦なく死ぬ)
この世界、念能力にマフィア、果てはキメラアント等、彼方此方に死亡フラグが転がっている。
だがそれらの脅威は物理的な物が主…と言うか基本物理だ。
分かりやすい最強の一角である王などは物理一等辺であるし、初見殺しが多い
操作系の念能力も制約に何かしらの接触が課されているパターンが多い。
一方さんの能力、即ちベクトル操作による反射が存在する限り俺を害する事が出来る物はほぼ存在しないだろう。
産まれた時から一方通行の能力を使えた俺は余計な事に巻き込まれない為に幼少期は
大人しくしておこうと思った。
そう、……思った、だ。
10歳の時に能力の制御が突如効かなくなり周囲に害を及ぼし始めてしまった。
原作の様に軍に追い掛け回されるような事はなかったが俺に宿った(元々使えはした)
能力に恐怖した親は俺を研究所に入れた。
そして俺はそこでいる筈のない男に出会う。
顔に入れ墨を入れた、どう見ても研究者に…と言うか堅気には見えないその男。
木原数多
原作において一方通行の能力開発に関わり、同時に生身で反射を突破すると言う
トンデモ技を披露した研究者(?)だ。
その本性は邪悪そのもので文字通り羽虫を殺すような感覚で平然と殺人を行ったり研究の為に
人を使い捨てる様な人間。
さっさと殺した方がこの世界の為になるのではと思っていたが
流石は原作で一方通行を創った男、この男の手腕で俺の能力は見る見るうちに安定していった。
違う世界故に人格が違うか俺と同じ転生者かと思いはしたが、
こんな男を特典に選ぶ奴がいるとも思えないし
何度かカマをかけたりしたが何の反応もしなかったので転生者ではなかった、
その人間性も原作同様真性の屑っぷりを発揮していたので正真正銘その男は木原数多であった。
俺が研究所に来て5年が経ち研究所のクソ研究者達と木原くんへの
ストレスが天元突破した事でそれは起きた。
能力も完全に制御出来るようになり研究所にいる意味が感じられなくなった
俺は責任者に出て行く旨と今までの研究の協力費を脅し取r……要求した。
その話し合いの最中に木原君が現れて…
——————
そして今に繋がる。
「良い殴り心地じゃねぇか、一方通行ぁ…最高のサンドバッグだぜお前、
その能力も念なんて言う人間の限界を越えられねぇつまらない物とは大違いだしよぉ」
身体がいう事を効かない。
木原数多と言う男を完全に見誤った、原作で一方通行を追いつめたのは伊達ではなかった。
「そんなお前を俺が手放すなんて思うか?ん?
んな訳ねぇよなぁ!?っつー訳でお前は一生俺の玩具って事だよクソガキぃ!」
足蹴にされて転がる俺を心底楽しそうに見る木原君。
「ふざけンじゃねェ…」
俺が玩具だと…?
二度目の人生を生きる機会を得て、しかも一方通行の能力と言う破格の特典を持って。
この世界においてほぼ最強と言える力を持つ俺がこんな所で、こんな奴の玩具で
二度目の生を終える?
そんな思考が脳内を支配する。
そして、それは煮え滾る様な怒りに変換されて行く。
「ふざけた事抜かしてんじゃねェぞォ!三下ァァァアアアアアア!!」
脳が熱い、今までにないレベルの演算が頭を駆け巡っているのに思考が定まらない。
そしてそれは現れた。
「kqnkwoksixk認iosqnefnbisi否bquefsd」
背からドス黒い何かで形作られた翼の様な物が噴き出した。
「あ?……おいおい……おいおいおい
んだそりゃあ?さらに先があんのかぁ?おいおいどうしてくれんだよお前ぇ!
ますます弄り甲斐があるじゃねぇかよおい!」
木原君が何かを言っているが良く聞こえない。
今の俺は唯々目の前の男を殺す事だけを考えていた。
「nxouiwcj殺xbuqhx糞diqbxouebdxsx」
「そんなもん見せられちゃ、もう念能力なんてガキの玩具にしか見えねぇよ…
やっぱお前だ、お前しかいねぇよ一方通行ぁ!」
駆け出して来たそいつに手を翳す。
それだけで変化は現れた。
自分でも何を操っているのか分からないが確かに俺は何らかの力を操作していた。
「がぉ……っ……!?」
地面に叩きつけられた木原君にゆっくりと近づく。
「なん…っだ、その力はよぉ!?」
常人では耐えきれない程の圧力をかけられている筈だがその顔は楽しそうに歪んでいた。
こんな状況でも笑っていられるその精神はある意味賞賛に値するが只のマゾヒストの可能性もある。
「okhviu原ahonmoiqjppuvcm同ikms」
這いつくばる木原君の顔面を掴み持ち上げる、
意識した訳ではないが偶然にも原作と同じ構図だ。
ならばこの後の展開もそれに沿って行動する事にしよう。
俺の意思に反応して黒い翼が唸りを上げる。
逃れようともがいていた木原君は何かに気づいた様に突然動きを止めた。
「…そう言う…、事かよおい!気づいてやがったな?
だから”一方通行”なんて名前を付けやがったんだな?あぁ!?
最後の最後にトンデモナイもんかましやがってクソガキがよぉ!
やっぱ気に要らねぇわお前、一方通行よぉおおおおおおおおお!!」
「mzohdcs死hqiubihv糞oakoa星ojkkqqk」
最後まで喜色に富んだ顔で何かを吠え続けていた木原君に翼を叩きつける。
それは木原君を蹂躙しながら天井を突き破り輝く星空へと延びていった……。
翼が役目を終えたと言わんばかりに拡散して消えていく。
俺は体中を支配する疲労感と蓄積していた戦闘のダメージにより意識を手放した。
ラ ス ボ ス 撃 破
ちなみに木原君は強化系でした。
強化系のパンチで殴られたら一方さん逝くでしょ、と思うかもしれませんが
この木原君は能力を安定させただけなので原作に比べて一方通行への理解度が
低いです。その為木原神拳も不完全で威力全てではなく一部だけ一方さんに
伝わってる感じです。
原作において生身であんなトンデモ神拳を繰り出してるんだから
絶対強化系でしょ(偏見)