とある狩人の一方通行   作:爪楊G

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忘れた頃での投稿なので初投稿です。


3話

 

 

 

 

 

「お前ら本当に俺に着いて来るつもりかァ?」

 

 転生者との邂逅から数日後。

販売店で携帯を契約しながら着いて来た黒子と絹旗に問いかける。

 

「当たり前ですの……あ、私はこの機種で」

 

「私達だっていつまでもこんな所にいたくないですからねー、

私はこの最新のやつでお願いします」

 

 そして、然も当然の様に俺に強請って来る二人。

何なら俺が今住んでいるホテルの部屋にもあれから居座っている。

 

「誰も買ってやるなンて言ってねェが……」

 

「いいじゃねーですか、第一位の財力で超養って下さいよ」

 

「美少女二人を養えるのですから、男冥利に尽きるでしょう?」

 

 仮にも養って貰おうとしている人間には見えない態度だ。

原作そのままの容姿なので美少女なのは否定しない。

 

「ガキが何言ってやがンだ」

 

 二人共14歳らしいので現時点で凡そ原作と同じ年齢だと思われる。

絹旗は詳しい年齢を明かされてなかったので不明だが。

 

「お待ちなさい!一方通行に近い精神性という事は私達の年頃がドストライクな筈ですの!

もしや、中学生はもうババアと言う事ですの……?」

 

「ブッ飛ばされてェか」

 

「まぁ、声は超おばさんですよね黒子は」

 

 絹旗に掴みかかる黒子を横目に代金をカードで支払い、店を出る。

それに気づいて店から出て来た二人に携帯を渡す。

 

「ありがとうございまーす」

 

「感謝しますの」

 

 それぞれ初期設定を終え、連絡先を交換した後に昼食を取りながらこれからの事を話す事にした。

 

 

 

「まァ、この際着いて来るのは別にいいンだけどよ、何処に行くのかはまだ決めてねェぞ」

 

「はいはーい!天空闘技場とか超どうですか?

お金は必要ないかもですけど私と黒子は圧倒的に実戦経験が足りてないんで天空闘技場なら適度に弱い相手もそれなりに居るでしょうし」

 

 確かに天空闘技場なら疑似的に実戦経験を積めるし、原作でも登場した場所なので行ってみようと思っていた場所だ。

 

「いいんじゃないですの?闘技場なら念能力者もいるでしょうから指南を受けられる可能性もありますの」

 

「確かになァ、つってもオーラに関してはもうほとんど解析済みだから俺はあンま覚える気もないンだがよ」

 

「「は?」」

 

「あン?」

 

 二人が信じられないような目でこっちを見ながら捲し立てて来た。

 

「お待ちなさい!私達はそんな事聞いてないですわよ!」

 

「そうですよ!」

 

 詰め寄って来る二人を適当に流しながら、運ばれてきたステーキセットに手を付ける。

 

「そりゃあンだけ好き放題殴られながらオーラに触れてればな、オーラ自体は特別複雑な構成でもない純粋なエネルギーだしよ」

 

 解析方法が殴られながらだったのは気に入らないが、過ぎた事は気にしても仕方がない。

ちなみに自分の身体を観測して精孔があるのは確認してある。

 

「えぇ…何ですかそれ」

 

 微妙な顔をする絹旗と…。

 

「考えてみれば一方通行の能力の本質は事象の観測、逆算ですから十分に可能ですわね」

 

 素直に納得している黒子とで反応が分かれているがスルーして手早く食事を済ませる。

 

 食後のコーヒーを飲みながら二人も食べ終えた所である提案をする。

念の話を聞いた時点で考えていた事だ。

 

「それで、どうする?念を覚えたいなら精孔開いてやるけど」

 

 俺の提案を聞いてフリーズした二人だが、再起動は早かった。

 

「可能なんですの?いや、ベクトル操作を考慮すると可能な気がしますけども…」

 

「ほんと、何でもありですねー」

 

「つっても開き方自体はウイングがゴンとかキルアにやった様な無理矢理開く方法だがな。

ベクトル操作でオーラを強制的に体外へ放出させるだけだ。

違う点はオーラの操作が成功しなくても能力でまた絶状態に持っていくから倒れる様な事はまずないと思っていい」

 

 木原君のオーラは操作出来たのでその辺りは問題ない筈だ。

拳は反射出来なかったが…。

 

「考えてもしょうがないんで一回やってみればいいんじゃないですか?意外と超簡単に出来ちゃうかもですよ?」

 

 その絹旗の一言で一度試してみる事にした俺達は一度ホテルに戻る事にした。

 

「後、悩むのも時間の無駄だからとりあえず最初は天空闘技場に行くぞ。飛行船予約しとくからなァ」

 

 俺はともかくこの二人は実戦経験を積んだ方が良いのは事実だし、一度は行ってみたいと思っていた場所だから丁度良い。

 

 

   ——————

 

 

 ホテルの一室で並び立つ二人と正面に立ち、二人の手を取る俺。

中々シュールな光景だがオーラを開放するには触れていなければならないので仕方ない。

 

「ンじゃ、準備はいいな?お前らのバイタルは常に観測しとくがきつくなったらすぐ言え」

 

 頷く二人を確認し、ベクトル操作で二人の内に眠るオーラを体外へ操作する。

 

「おお…!これが超オーラですか!」

 

「うひょぉおお!念願のオーラですの!やっと私のハンターハンターが始まったんですのおおお!」

 

 片方変なテンションの上がり方をしているが能力でオーラが問題なく放出されているのは確認している。

 

「後は自力でオーラの操作を試してみろ、バイタル観測の為に手は握っとくからな」

 

 ちなみに、二人には自らの身体から放出されるオーラが見えているが

俺には見えていない。能力で観測しているだけだ。感じ取るくらいは出来るけどな。

 

 

 …これは俺も基本技能ぐらいは使えといた方が良さそうだな。

 

 

 二人がへばった後に俺も自身のオーラを開放してみる事にしよう。

そんな事を考えながら徐々に苦し気な表情になって行く二人を眺める。

 

 

 

 バイタルはまだ問題ないが無理をする必要はない。

1時間経ったが未だオーラの放出量が変化していない事からオーラ操作はやはり困難を極めるらしい。

 

「そろそろ精孔を一旦閉じるぞ」

 

「…確かに、疲れはありますがまだ行けますわよ?」

 

 そう告げる黒子だが、顔色も悪くなってきているし

顔を伝う汗の量も増えてきている。これ以上は身体機能に異常が出る恐れがある。

 

 集中しているのか黙っている絹旗も同様だ。

 

「明らかに辛そうな顔して何言ってンだ。いいから閉じるぞ」

 

 そう言って二人の精孔を強制的に閉じる。

突如オーラを打ち切られた二人はそのまま座り込んでしまったが仕方ないだろう。始めてのオーラ放出で相当消耗している筈だ。

 

「ま、こンなもンだろ…主人公二人の才能が常軌を逸してるだけで本来は一日で習得出来るようなモノじゃねェって事だ」

 

 大量の汗を浮かべながら乱れた息を整えようとする二人とその傍に佇む俺…、傍から見れば事案だ。

 

「これは…超…キツイ、ですね」

 

「やはり……、一筋縄では、いかないと言う訳ですの…」

 

 用意した水を渡して、自分の精孔を開いて見る事にする。

 

「ほォ…、目視だとこういう感じか」

 

 自身の身体から霧の様に溢れるエネルギー。

一定以上身体から離れると拡散して解ける様に消えていく。

 

 性質としては熱エネルギーに近い。

発であればまた違った性質になるのかもしれないがオーラの状態では特筆する事のない純エネルギーだ。

 

 能力を使って操作してもいいがまずは自力で試してみる。

目を閉じオーラに意識を集中…感覚器官が広がった様な錯覚を受ける。

能力での観測とはまた違った感覚だ。

 

 能力で操作するかそうでないかの違いだけでやる事はいつもと同じ。

力の向きを操る事だ、一方通行として生を受けてから当たり前の様に行ってきた事をすればいい。

 

 オーラ自体は俺の身体から放出されているので、自身の身体の延長と捉えていいだろう。

無秩序に体外へ広がるオーラを掌握、拳を握る様な感覚でオーラの向きを内側へと…。

 

 体表面を覆う膜の様に形成されたオーラをそのまま維持、波の様に揺らいでいたオーラが

徐々に均されていく、やがて体を覆うオーラの膜…その揺らぎが完全に収まった。

 

「…こンな所か」

 

 大きく深呼吸しながらリラックスする。

消耗はほぼないと言って良い、力の流れを操る事はいつも行っている事だ、大した苦労もなくオーラを掌握出来た。

 

「何が一日で習得出来ない、ですかぁ…超簡単にオーラ操作マスターしてるじゃないですかー…」

 

 いつの間にかベッドに寝転んでいた絹旗が口を尖らせながら呟く。

 

「力の流れを操る事は一方通行の専売特許ですの、薄々そんな予感はしてましたわ…」

 

 悟った様に言った黒子もベッドに飛び込んだ。

 

「俺のはズルしてる様なもンだから気にするな。能力でオーラ操作は体験してたンだ、寧ろ出来ない方がおかしい」

 

 意識せずにオーラを維持できるようになったので、椅子に座って一息つく。

 

「こればっかりは修行あるのみだろうよ。とりあえず今日の所はしっかり休め、それに明後日には飛行船で天空闘技場に向かうンだからな」

 

「「はーい」」

 

 気だるげな返事に溜息を吐き、新しい缶コーヒーのプルタブに手を掛けた。

 

 

 

 

 




ベクトル操作による精孔開閉トレーニング()
多分出来るんじゃないかと



三人の系統は決めていますがそれはまた後程。
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