これでストックはなくなったので次はちょっと間が空く可能性があります。
『さぁやって参りました!この天空闘技場では珍しい女性…いや、少女と言うべきか絹旗選手!その可愛らしい外見とは裏腹に凄まじいパワーで屈強な闘技者達を一撃で仕留めて来ましたぁ!』
軽く伸びをしながらアップをしている絹旗。
対戦者は俺との試合でのダメージから回復したらしいリールベルトだ。
試合が始まりオーラで強化した脚力で相手へ肉薄する絹旗。
そのまま接近し、リールベルトへと拳を振り下ろすが、オーラを推進力にギリギリの所で躱している。
「超ちょこまか逃げないでください!」
「クソっ、馬鹿力が…!」
絹旗の攻撃を寸での所で躱していくリールベルト、その度に破壊音と共にリングが砕けていく。
「中々粘りますわね…」
「あの高速移動自体はそこそこの速さだしな、一番は絹旗の攻撃が単調過ぎる所為だが」
しかし、あのオーラを使った移動はオーラの消費が激しい事が見ていれば分かる。ずっとは回避していられないだろう。
「そもそも既に高速移動を使える状態じゃないけどな」
絹旗の攻撃で破壊され、リングの彼方此方が砕けている為細かな軌道修正が出来ない為高速移動を使えば転倒は免れない。
それに気づいただろうリールベルトも回避を諦め二対の鞭を取り出した。
「勝負あり、ですわね」
鞭を振り回すリールベルトを眺めながら黒子が呟いた。
「んー、流石に私じゃ見切れないですね…。ま、超関係ないんですけど」
相手へ突っ込んでいく絹旗。
そして、リールベルトの振るう鞭が絹旗に当たった。次いで轟音が響き渡る。
『なんとぉ!リールベルト選手の振るう鞭が当たった筈の絹旗選手!そのまま相手選手を殴り倒しノックダウンだぁ!
一体何が起きたのでしょうか!?』
歓声のなかリングを降りていく絹旗。
「鞭を出した時点でこうなる事は分かっておりましたからね」
「実際問題何も起きてないからなァ」
単純に窒素装甲とオーラによる防御力でゴリ押ししただけだ。
そもそも絹旗の防御を抜ける攻撃手段を持っていなかったリールベルトにはヒットアンドアウェイでのポイント勝利くらいしか勝ち筋はなかった…それもかなり難しい話だが。
あの程度の破壊力では絹旗の体勢を崩す事すら不可能なのでポイントを奪うのも至難だろう。
「次はお前だが相手はギドか…、絹旗の場合は窒素装甲の防御力があるからこのレベルの奴らの攻撃は何ともねェが、お前の場合は一撃貰えばもしもがありえるからなァ。一応気を付けろよ」
空間移動により機動力は高いが、やはり防御に関しては具現化系という事もありどうしても不足感が否めない。
発も未だに完成していない為、俺達の中では戦闘面では一番不安が残ってしまう。
「問題ありませんの。速攻で終わらせてしまいますから」
「ま、それが無難だな」
————————————
「今度は黒子の番ですね」
「わざわざ戦いに付き合ってやる必要もないからな。速攻で倒して終わりだろ」
「では…始め!」
審判の合図と共にギドが独楽を打ち出す。
予想していた黒子は空間移動でギドの背後へ移動するが、黒子の能力自体は見ていたらしく回転する事で防御している。
「確かにお前の瞬間移動は速い!だがオレには関係のない事だ!この竜巻独楽がある限りオレに触れる事は出来ん!」
俺との戦いで学習したのか足元にもいくつかの独楽を配置している。
一定以上の力量か強化系が得意な念能力者相手にはそんな事した所でそもそも独楽自体を無視して足を払えるが黒子に関しては独楽を無傷で受けきる事は出来ない。
「そもそも近づく必要すらないンだがな」
「武器の持ち込みOKの時点で攻撃力自体は私よりも超上ですからねー」
確かに鉄芯を打ち込んでの攻撃は誰に対しても問答無用で致命傷を与える事の出来る攻撃方法だが逆に言えば致命傷しか与える事が出来ない攻撃方法だ。
黒子の性格からして余程の事がない限りそんな事はしないだろうし、だからこそ念能力も
まだ完成していないのでこの試合では使えないが。
「ご丁寧に足元まで独楽で守られてしまえば確かに私自身ではどうにもする事が出来ませんの。しかし残念ながらこれでおしまいですわ」
そう言った黒子は足のホルスターから1本だけ鉄芯を手に取りそのまま空間移動させた。
移動先はギドの義足。空間移動で転移させた物は移動先に何があろうと移動させた物が優先され、移動先にある物を結果的に破壊する。
「…っ!?義足が!?」
突然壊れた義足に意表を突かれ、転倒するギド。その足元には鉄芯が転がっている。
『おぉっと!?ギド選手の義足が突然壊れてしまったぞぉ!黒子選手、どうやら持ち込んだ鉄芯で破壊した様ですが投げる様な素振りはまったく見えませんでしたぁ!目にも止まらぬ投擲速度です!』
「ずっと思ってたがあの実況の女、明らかに念能力者なのに然も念を知らないみたいに実況してやがンな」
実力云々は判断出来ないが、明らかに念を使える奴のオーラの整い方だ。
「まー、観戦客は一般人もいるとは思いますが職員はともかく審判と実況は念能力者じゃねーんですか?じゃないと危険すぎますし」
「どっちにしたってどうでもいいンだがよ。良くあンなめんどクセェ真似出来ンなァ」
それが出来るから実況に就いているのだろうが。
試合は義足が破壊された事によりギドの試合続行不可能とされ黒子の勝ちで終わった。
「後は残す所一方通行だけですね。大丈夫だとは思いますけどヒソカ相手なんで超気を付けてくださいよー」
「気は抜かねェが反射を突破される事はないだろォしな、漸くまともな実力者との戦いだ。突っ立って反射で終わらせる様な真似はしねェよ」
席を立ち控室へ向かう。
戦闘を好んでいる訳ではないが雑魚相手ばかりで消化不良気味だったのでやる気も出るという物だ
『やって来ました本日のメインイベント!ヒソカ対一方通行!試合に出れば負けなしのヒソカ選手と同じく無敗の一方通行選手!今日どちらかの無敗伝説に終止符が打たれます!』
ステージ上でヒソカと対峙する。
「待っていたよ♥君と戦えるのを♠」
ヒソカから禍々しいオーラが立ち上る。
「そォか」
一言だけ返し、オーラを練り上げる。
反射で気にする必要はないだろうが、一応伸縮自在の愛を視認する為の凝も。
そんな俺を見て笑みを深めるヒソカ。
「~時間無制限1本勝負、始め!」
開始の合図と共に爆発的にオーラを開放。一息でヒソカに肉薄する。
右腕にオーラを、腕を振るうが仰け反る様な体勢で回避された。躱した体勢のまま放たれたアッパーを軽い動作で右に弾く。
俺の軽い動作からは考えられない程にヒソカの腕が弾かれた。
ヒソカの顔色が僅かに歪む。
反射は適用させたままだ。その為、僅かな接触だけでもこれだけの結果を生む。下からの攻撃を右に弾いた為ヒソカに大してダメージはいかなかったがこれでいい。
体勢が崩れたヒソカに硬での蹴りを叩き込む。回避は不可能と判断したのか腕をクロスさせて防御したヒソカ、能力での増強はしなかったので完全には防御を抜けなかった。
『早速息もつかせぬ攻防だぁー!一方通行選手これまでの試合であれば既に決着が着いているが流石はヒソカ選手!一方通行選手の猛攻を凌いでいます!』
手応えはあったが折れたりはしてないな…。
吹っ飛ぶヒソカ、俺は追撃をする為に踏み込んだ。
————————————
「イイ…イイよ♥凄くイイ♥」
未だに痺れる腕。追撃をするだろう為に接近してくる白髪の少年。
凄まじいオーラ操作技術だ。
これまでに数々の強者、達人達と戦ってきたがこれ程の流は見た事がない。
だが、不可解な点があるとすれば…
(うーん、どうにもチグハグだね♠オーラ操作技術には目を見張るモノがあるけど体術は素人同然だ♦それにさっきの弾かれた時…あれが念能力かな?)
思考しながら少年の攻撃を避ける。
流の技術から見て受けるのは下策。動きにも無駄は多く避けるのは難しくない。
(攻撃を直接防げないのは厄介だけど…♠)
左の大振りを避け、隙だらけの横っ腹に一撃を加える。
ステージ上に鈍い音が響いた。
自らの手から
「…何が起きたのかな?」
ズキズキと痛む右手に数舜目をやる。
完全に折れている骨を無理矢理真っ直ぐにして伸縮自在の愛で補強した。
「く、クリーンヒット!1ポイント!一方通行!」
『決まったと思われたヒソカ選手の一撃!しかしダメージを負ったのはヒソカ選手だぁ!一体何が起こったのかー!?』
「…チッ、やっぱ体術じゃ流石に分が悪ィか」
呟く少年を観察する。
不自然な弾かれ方と挙動すら見られなかった謎のカウンター。
(最初は自分が発生させた衝撃か何かを増幅するような能力かと思ったけど…♣)
再度接近してきた少年の攻撃を避けながら今度は軽く当てる様に左手を無防備な背に触れさせた。
折れる様な事はなかったが軽く押し返される感覚と共に腕が弾かれた。
(能力はカウンタータイプで確定かな♥今とさっきで威力が違ったからカウンターの威力は攻撃側に依存してると見てイイ♠相手の攻撃を威力そのままに反射するって所だろうね)
強力な能力だ。それこそ何かしらの制約がある事が考えられる程に。
試しに伸縮自在の愛を飛ばしてみるが、相手は気にした様子もなく突っ込んで来る。伸縮自在の愛は彼に当たると思われた瞬間反射されて返って来た。
(能力での接触も反射可能か♦そうだとは予想していたけどかなり厄介だな♥後考えられるのは…♣)
攻撃の隙をついて砕けたステージの破片を蹴り上げる。
顔目掛けて飛んだそれをは鬱陶しそうに手で払うが、破片に続けて飛ばした薄く広げた伸縮自在の愛で視界を奪う。
二段構えの目くらましを振り払った少年の後頭部に破片が吸い込まれた行くがそれすらも弾かれた。
自身の伸縮自在の愛に気を取られていた少年は後方から飛んでくる破片には完全に気が付いていなかった筈。
「認識外からの攻撃も対象か…♠いよいよ不味いかな?」
「あン?無駄に考えてる所悪ィが俺のコレはオートだよクソッたれ」
そう言った少年が今度はステージに勢い良く足を叩きつけた。
衝撃で砕けた破片と衝撃がヒソカに襲い掛かる。
正面に伸縮自在の愛を展開し破片を絡め取りながら衝撃を回避する。
「厄介だなァ!その能力よォ!」
「君が言うかい?それ♥」
距離が離れているにも関わらず腕を振りかぶった少年の腕から暴風が発生する。
突然の暴風に体勢が大きく崩れ宙に放り出される。
(衝撃波に風…カウンターとは別口かな♥出来る事が多彩…っ!?)
突っ込んできた少年。空中かつ崩れた体勢…回避は出来ない、普通なら。
即座に伸縮自在の愛を後方のステージに張り付ける。
「吹っ飛べクソがァ!」
少年の攻撃と同時に伸縮自在の愛を最速で縮めた。
少年の拳が胴体に叩き込まれる瞬間にヒソカの身体が後ろへ引っ張られる。
(これは間に合わな…♦)
身体を襲う特大の衝撃。今までの攻撃を上回るその威力に吹き飛ばされるヒソカだが確かにソレを見た。
何故か一方的に攻撃を叩き込んだ少年の方も体勢を崩していた、まるで何かに押し返された様に。
「クリーンヒット&ダウン!3ポイント!一方通行!4-0!」
口から溢れる血を吐き出しながら思考する。
(何故あのタイミングで体勢が崩れたのか…♠ボクが何かした訳でもないのに♣原因はどう考えてもさっきの一撃だよねぇ♥)
不機嫌そうに舌打ちをする一方通行。
(彼の能力は反射♦向かってくる攻撃を相手にそのまま返すカウンター♠…じゃあもし相手が離れていってる時にその能力が発動したら?)
先程の少年の「オート」と言う言葉を思い出す。
(攻略の糸口は掴めたかな♥)
右手は折れ、あばらもいくつか折れている現状。パフォーマンスはどうしても落ちてしまう。
(伸縮自在の愛で補うしかないかな♥問題はタイミングだけど…♣)
未だに傷一つ付いていない少年を見て、ヒソカは至極楽しそうに笑った。
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さっきは俺の攻撃とヒソカの伸縮自在の愛による回避が運悪く嚙み合ってしまい若干押し返されてしまった。
ダメージは問題なく入っている筈だ。
イカれた様に笑みを浮かべるヒソカ。状況は絶望的な筈だが、やはり木原君と同じ手合いの様だ。
試合展開的には圧倒しているが体術では遥かに敵わない、分かっていた事だが。
あれからも俺が一方的に攻め、ヒソカはその攻撃を凌ぎ続けている。
足をステージに叩きつけ、衝撃をヒソカの足元へ伝達させる。
突如足元で発生した衝撃によろけるヒソカに腕を叩きつけた。
「クリーンヒット!2ポイント!一方通行!9-0!」
倒れこそしなかったが明らかにボロボロのヒソカ、動きも明らかに精彩を欠いている。
伸縮自在の愛も問題なく反射出来た為、攻撃も完全な硬に切り替えている。
途中からは能力によるブーストもかけて攻撃しているにも関わらず未だに倒れないヒソカ。
「まァいい、どの道次で終わりだ」
「そうだね♠次で終わりにするよ♥」
踏み込みヒソカに接近する。
右手に硬…、しかし何故かヒソカは動かない。気持ちの悪い笑みを浮かべているだけだ。
諦めたか?あのヒソカが?何か考えがあっての事か?
思考が頭を駆け巡る。が、それらを追い出して腕を振り抜く。
「何しようが関係ねェ!これでしまいだ!」
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迫る少年の手。
身体はボロボロだが神経は研ぎ澄まされていた。
伸縮自在の愛の仕込みは済んだ。
まだ比較的無事な左腕から伸びる複数の伸縮自在の愛、それらは後方のステージに繋がっている。
避けるつもりはない、この一撃に全てを掛ける。
少年の攻撃に合わせてカウンター、左腕の一撃は少年へと向かっていく。
ほぼ同時に着弾する両者の一撃、その直前…。
(
腕とステージを繋ぐ伸縮自在の愛が急速に縮むのに合わせて全力で腕を引き戻す…引き戻そうとした。
(あぁ♥……次は勝つ♥)
そして、確かな手応えと共にヒソカの意識は飛んだ。
試合後
ヒソカ「負けちゃった♠でも、能力の絡繰りは分かった♣…次は勝つ♥」
一方通行「反射突破するとかどうなってんだクソが…、しょうがねェ、次からヒソカクラスとやる時は面倒だが反射の設定変えながら戦うか…」
ヒソカクラスなら木原神拳も再現出来そうだからワンチャンありそうだよねって事で
なお、反射の設定を変えられたらノーチャン