「天才ゲーマーはラスボスかなんかなんですかね?」
〈2014年3月3日 PM 18:45、ボーダー本部 太刀川隊作戦室〉
「
太刀川隊の作戦室に容赦なく侵入する二宮。
だらしなく散らかった作戦室を見て舌打ちしながら、隊員全員がソファに仲良く座ってゲームをしているのを確認。
一方、突然の二宮の訪問に太刀川隊の面々は仰天する。
「え?
「あ、
「ひっ!? に、
「おう、
入ってきた二宮から見て左のソファの手前から時計回りの順に
「どうした?じゃねぇ……さっき、スプラトゥーン2してただろ」
すると、太刀川は妙に納得したようにへらへらと笑いだした。
「あぁ、じゃあやっぱり〝ニノミヤ〟はお前だったのか。なんか動きが4人の中で違うから思わず、集中攻撃しちまった」
「あれが
二宮の訪問の理由に全く興味がなさそうな太刀川は目の前のテーブルの上に置いてあった〝マリ○カート8DX〟のカセットケースを手に取る。
「なあ、次はマ○オカート8DXやらね?」
「いいねぇ〜。あ、
国近がノリノリでいるのを意に返さず、二宮は親指を立てて後ろを指差し、「ちょっと表出ろよ」と言わんばかりの勢いで詰め寄る。
「次は撃ち落としてやるからもう一回バトルしろ」
まさかの二宮からの誘いに国近は乗ったようで
「おっ、いいね〜〜。そしたら
と、コントローラを握り直すが、当の太刀川はやる気の無さそうにケースからカセットを取り出す。
「俺の心はもうキングテレサで1位を取ることに決めてるんだが?」
(〝餅〟繋がりか……あぁ、テレサ見てたら腹減ってきたな。備蓄の餅でも食べるか)
出水がソファから立ち上がって給湯室へと向かおうとする。
「知るか、こっちも暇じゃない。早く準備しろ」
(暇じゃないなら、スプラできねぇと思うだけど……まぁ、こんな天然な
などと出水が心の中で合掌してると、
太刀川もようやく乗り気になったらしく、
「しょうがねぇな、
「おお〜〜」
太刀川・国近ペア、準備完了。
両者共にコントローラを握りしめて気合十分とドヤ顔になる。
「ならこっちは
と、二宮は給湯室へと向かおうとしていた出水の肩を無理やり抱き寄せて強制的にコンビを組んでしまった。となるとつまり……
(あ、
「あのぉ、ボクはどうすれば……?」
すると、太刀川は少し悩む素振りを見せてから、指を立てて「そうだ」と提案する。
「じゃあ、唯我。焼きそばパン買ってこいよ。もちろん、お前の金でな」
「残酷すぎる序列関係!!」
(ひでえ……)
◆◆◆◆◆
「さて、
出水は今しがた唯我が座っていたソファに二宮を促すが、二宮は手近にあった椅子を引き寄せて足を組んで座る。
「お前、仮にも本当に隊長か?人の心なさすぎるだろ」
「まぁ正直、やってるところ見てるだけだと
唯我の件は一旦、置いておいて
気合の入った太刀川が、先程の雪辱に燃える二宮に戦線布告する。
「それもそうだな。
「大学の単位を犠牲にして得た〝力〟はさぞ気持ちが良いようだな。全てにおいてNo. 1なら、2度とお前のレポートは手伝わないからな」
「あ、ごめんなさい。それだけはちょっと……次、提出漏れがあったら本当に
急に日和った太刀川を尻目に国近がバトルの開始を宣言する。
「
プライベートマッチの2対2。
これがリアルの模擬戦なら
序盤は、二宮VS太刀川の射撃対決となった。
二宮の使う〝クラッシュブラスターネオ〟は爆発のダメージは比較的高いものの、射程にはあまり恵まれているとは言い難い。
早速、太刀川との撃ち合いに劣勢となってしまう。
(ちっ、この
チッ、と舌打ちばかり繰り返す二宮。
そんな彼とペアを組まされた出水だが、正直勝負自体はどっちが勝っても負けてもどうでも良いのだが、ここで二宮が手酷く負けてしまうとただでさえプライドの高い二宮が今よりも更に荒れてしまう。
(ああ、ニノミヤさんがすげぇイラついてるんだよな……
出水は出水で少し引き目に戦いながら、戦場の状況を見ながら、太刀川と国近を
(
マルチミサイル自体は移動し続けることで回避する事は可能で仕留めるにはそれなりのタイミングと敵を足止めできる連携が求められるが、それでも連続して狙われるとその場から離れないといけない為、厄介な事この上なく、あと一歩のところで二宮を仕留められそうな太刀川も一度退却の姿勢を見せる。
(おっ?
太刀川が二宮と撃ち合う最中、自陣の塗りに徹底した国近が今度は最短距離で出水に接近を試みる。対する出水はようやく敵陣の塗りに入り始めようとしたその時だった。
出水の側面から〝イカ状態で潜伏〟していた国近が飛び出して愛用ブキである〝ヒーローマニューバーレプリカ〟で出水をあっという間に撃破してしまう。
「はあ!?
あまりの早業に思わず、出水が叫んでしまう。
「〝テクニック〟って呼びたまえ〜〜」
出水が一度倒された事で一気に太刀川・国近ペアが敵陣に侵入。そのまま殆どの陣地を塗り潰してしまい、結果的にスタート地点付近を除く全ての陣地を塗り尽くされた結果となった。
「おっし、
(
そして負けた二宮に ふふっ、と不敵な笑みを浮かべながら太刀川が近づく。
「よし、
「何ふざけたこと言ってやがる そんな条件飲んだ覚えはねぇ」
「まぁ、聞けよ。大事なことなんだ」
すぅ、と息を吸って、
膝を折る。背中を丸めて、両の手を地面に置いた。
そう、〝土下座〟である。
「次のレポート間に合いそうにないんで手伝ってくださいお願いします」
「………断る
「だって、あいつのとこの〝
「知るか なら
「俺 まだ死にたくないんだけど」
話にならないと、二宮は椅子から立ちがり、さっさと作戦室から出て行こうとする。
そんな二宮を逃すまいと、太刀川は〝土下座〟の姿勢のまま、二宮の足に縋り付く。
「頼む!俺 まだ死にたくねぇんだよ!」
「もし3枚に卸される時は言え 嗤ってやるくらいはしてやる」
「そうだ!次は俺とお前で組んで
「頭の悪いお前と組むのなんて御免だ そんなことしてる暇があるならさっさとレポート書け」
太刀川の腕を振り払い、二宮は作戦室から出て行ってしまう。そんな彼の後ろ姿に太刀川は泣き目になりながら、叫んだ。
「悪かったって!調子乗りすぎたから!次からはちゃんと1人でやるからさ!」
(こんな太刀川さん 見たくなかった……)
出水はコントローラを置いて、少し泣いた。
to be continued…
第2話閲覧ありがとうございます!
2021/03/29にありました誤字報告を適用させていただきました!
気をつけてはいるつもりなのですが、自分でも投稿してから頻繁に誤字に気づくことがありますので、
また誤字等ございましたらご連絡いただけたら幸いです。