今回は原作のお話。そして、最後の原作の話となります。
色々と物語が進展しますので、是非最後まで読んで下さいね。
では、どうぞ。
【あらすじ】
海! それは夏の一大イベントであろう!
入院していた鈴音も復帰し、晴れて仲間が全員そろう。
この一夏の海は、様々な恋模様を作り出していく。
さて、一夏たちは――。
序 章『平和な日々 -Discharge -』
七月一日、土曜日。今日の授業は休みである。
いま、一夏と春樹と箒の三人は
主に箒と鈴音が衣類。一夏と春樹が荷物運搬といったところだ。彼女達がまとめた荷物を男二人が運ぶのである。
外には山田先生が車でスタンバイしており、鈴音の荷物を学園の寮まで運んでくれるそうだ。一夏と春樹はそこまで運ぶのが仕事になっている。
「今まで色々とありがとね」
「何、気にする事はない。鈴は親友だからな。当然の事だ」
「じゃあ箒、今度リハビリも兼ねてわたしと模擬戦ね!」
「ああ、分かった」
鈴音は今まで何度もお見舞いに来てくれた三人には本当に感謝していた。
そんな三人から色々とこれまでのIS学園での話を聞いた。
転校生のシャルルとラウラの事や先日に起こった事件の事。
そして、箒が専用機を持つことになった事。
このことは鈴音にとって聞き捨てならないことであった。親友が専用機を持ったことによってそれはライバルと化す。なぜなら、専用機を持つということはそれでけ実力が認められたということ。いい加減な気持ちで専用機を扱うのはご法度である。だからこそ箒は鈴音にとって競い合う相手となった。
「よし、これで全部片付いたみたいね。三人ともありがとう」
「おう、じゃあ看護師の人たちに挨拶するとしますか!」
一夏はそう言って、鈴音がお世話になった看護師の人たちの下へと向かい、そして三人でご挨拶をした。今までありがとうございました、とご挨拶をして、それから山田先生の車へと向かう。せっかくだから学園まで車で送ってくれるそうだ。
病院の階段を下りながら、春樹はシャルルやラウラの事について話した。
「学園に着いたらまずはシャルルとラウラに挨拶だな」
「そうね、みんなから話は聞いてたけどまだ会ってないし、会うのが楽しみだわ。でも、まさかISを動かせる男がもう一人居たとはねぇ……」
その言葉にビクッと身体を強張らせてしまう一夏。
シャルル・デュノアは父親の命令で男のフリをしてIS学園に通っている。なぜかというと、一夏や春樹のデータを収拾したく、それをしやすくする為に男のフリをしているのである。
だが、ある日一夏は偶然にもシャルルの裸を見てしまい、そしてそのせいでシャルルが女である事がバレてしまったが、一夏の優しさもあり、シャルル、もといシャルロット・デュノアはこのIS学園で平穏に過ごすことができる。
しかし、一夏以外の人物にその真実を知らせるわけにはいかない。学園中の噂になってしまえばシャルルの人生はそこで終わってしまう。一夏はこの秘密だけはなんとしてでも隠し通さなければならなかった。
「どうしたんだ一夏?」
春樹は急に身体を強張らせた一夏にその疑問を問いかけた。
「な、なんでもねえよ。早く行くぞ、山田先生も待ってるだろうしな」
そう言って、彼は一人で先に行ってしまった。
「なんなのよ、どうしちゃったわけ? 箒知ってる?」
「いや、知らないな。どうしたんだろうか?」
箒は知らないのは当たり前である。一夏以外はシャルルが女だという事実は知っていることはないはずだ。仮に知っていたとしたら、それはとんでもない事実であり、早急に何とかしないといけない事項となってしまう。
「春樹、アンタは何か知ってる?」
「残念ながら知らないな」
春樹は淡々と答えた。
その答え方に違和感を感じた鈴音だったが、どうせ問いただしてみても適当にあしらわれてしまうだろうしあまり気にしない事にした。
とりあえず山田先生が外で待っているそうなのでその場に残った三人は先に行った一夏を追いかける。
一階まで下りた三人はそのまま病院の入り口へ向かうとそこには山田先生と一夏が待っていてくれた。
春樹、箒、鈴音の三人は山田先生の下へと駆け寄り、挨拶をした後、山田先生の車へ乗り込んだ。そして、みんなで山田先生に「よろしくお願いします」と挨拶をすると、山田先生は「はい」と返事をしてそのまま車を発進させた。
IS学園に着くまで鈴音は山田先生に色々と詳しく聞いておきたいことがあった。
授業の進み具合や、転校生の事。
そして、いままで起こった事件の事である。
「ちょっといいですか、山田先生」
「なんですか、
「IS学園で起こった事件……詳しく聞かせてくれますか?」
「凰さんに話せる事は限られていますけど――」
山田先生は今まで起こった事件を話した。
まずは鈴音も巻き込まれた謎のIS事件。あの事件に鈴音は直接関わっているのだが、謎のISの攻撃を受け、そのまま大怪我を負って病院へ運ばれた為、その後のことは全く分からない。一夏たちに聞いてみたのだが、話していいのか危ういラインだというので鈴音は直接先生に聞くことにした。
そして、今がそのときである。山田先生の話によると、あのISは無人機であり、今までとは全く違った概念で作られている、ということだけであり、それ以上のことは分からなかったらしい。
何のためにIS学園に送り込んだのか、攻撃をしてきた理由、そもそも無人機というものはISの性質上ありえないことである。ISコアは人間と同調して初めて起動する。それを人を介すことなく動かすことなどありえなかった。
「無人機……? そんなことがあるはずが――」
「ですが事実です。これ以上の話は出来ませんが、どうか理解してください凰さん」
「分かりました……」
鈴音は納得は出来ていないが、話せないことなら仕方が無いと思ってこれ以上聞くのを諦めた。
すると一夏は、暗い雰囲気なこの空気を打開するべく、話の方向性をシフトする話をふった。
「山田先生。鈴にシャルルとラウラの事、先生から見てどんな人か教えてあげてくれませんか?」
「デュノア君とボーデヴィッヒさんですか……。そうですねぇ、デュノアさんは本当にいい子だと思いますよ。とても紳士的で、優しくて、落ち着きがあって。優等生気質な子ですね。そしてボーデヴィッヒさんは、最近なんか変わりましたよね。最初は誰も近づくなって感じがしてましたけど……なんか自分をするべきことが見つかったのでしょうかね? 彼女はとても努力家ですよ」
「へ~、会うのが楽しみだわ」
鈴音はちょっと楽しそうな表情をしながら言った。
そして、三人が乗った車はIS学園の近くまでやってきた。