ISを改変して別の物語を作ってみた。   作:加藤あきら

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第二章『青か赤の海 -Romance-』《因子の力》

  1

 

 七月六日、今から始まるのは臨海学校研修。目の前には青い海に白い砂浜。そして、一日目は自由行動、つまり――海で泳ぐも良し、ビーチバレーをするも良し、日光浴をするのも良し、部屋で涼んでいるのも良し。だけど、ほぼ全ての女子は水着を持ってきているらしく、ここにいるみんな海を堪能する気満々である。

 ということで、一夏は更衣室にて水着に着替えていた。ここにはシャルロットもいる。シャルロットは女の子だが、男の子の設定でこのIS学園にいるので、しょうがなくここで着替えているのだ。

 一夏はシャルロットが女の子だという事は知っているので、彼女に気を使ってロッカー越しに着替えているし、誰かが来てもいいように彼女には外からは見えない位置で着替えてもらっている。

 シャルロットは膨らんでいる胸を特製のコルセットで締め付けて隠している。

 そして、着替え終わった彼女は一夏に確認を取った。

 

「一夏、もういいかな? こっちはもう大丈夫だよ」

「そうか、こっちももう大丈夫だ、じゃあ行くか」

「うん」

 

 二人は更衣室を後にして外へと出る。そこには白い砂浜と青い海が広がっており、そして周りには――女の子しかいなかった。

 それもそのはず、IS 学園はISの事を教える場所、基本ISは女性にしか動かせないのだから当然である。

 しかし、例外というものがある、一夏もその一人だがもう一人……。葵春樹はこの場にはいなかった。周りを見渡して本当にいないかどうか一夏は確認するもやはりいない。

 

「あ、織斑君とデュノア君だ!」

 

 とある女子がそう言った瞬間、周りの女子が一斉に一夏とシャルロットの下へと走ってくる。

 

「あのさ、春樹こっちに来てない?」

 

 一夏は尋ねるが、周りの女子は首を横に振るだけである。一夏は何かあるのだろうか、とも思いながら、とりあえず今は海水浴を楽しむ事にした。

 

「おりむー凄い筋肉だねぇ……カッコいい」

 

 IS学園生徒会所属、布仏(のほとけ)本音(ほんね)。通称、のほほんさんが一夏の腹筋にタッチしながらそう言った。

 

「まぁ……今まで春樹と鍛えてきたからな」

「へぇ~、じゃあ葵君もこんな筋肉なんだぁ」

「まぁな……」

 

 一夏の筋肉はやはり凄かった。これも今まで毎日春樹とトレーニングを続けた成果であろう。

 

「つーか、のほほんさんってそういうの好きだよなぁ」

 

 布仏本音は着ぐるみの様な水着を身に着けている。というか、水着なのかも怪しい代物だ。黄色いそのデザインは、とあるゲーム会社の電気を発する黄色いネズミを連想させる。

 

「いーちーかー!!」

 

 後ろからそう叫んできたのは凰鈴音である。彼女はそう叫んだ後、ピョンと飛び跳ねて一夏の肩に乗っかる。

 

「っておい! 危ねえからいきなり飛びつくのはやめろよ。……はぁ、お前も変わってねぇな、いつもこういう事して俺と春樹を困らせるのは」

「いいじゃない、楽しければ」

 

 鈴音はそう言って一夏の頭に抱きつく。

 

「俺や春樹は楽しいとは限らねえよ……」

 

 周りの女の子達は驚いた後、「いいなぁ」という視線をぶつけてくる。困った一夏を助けてくれたのはシャルロットだった。

 

「ほら鈴音下りて。早くみんなで遊ぼうよ」

 

 シャルロットは“みんな”を強調して言うと、鈴音は反省したようで、小さな声で言葉を吐いた。

 

「……そうね。ごめんね一夏」

「大丈夫だって、もう慣れてるからな」

 

 一夏は笑いながら答えるとそれにつられるように鈴音とシャルルもクスクスと笑う。

 するとそこへセシリアとラウラも登場。セシリアはブルー・ティアーズと同じカラーである青い水着に腰にはパレオを巻いている。やはり彼女には青が似合っている。

 そしてラウラは黒いビキニであり、更には髪はいつもと違ってツインテールにしてあり、小柄な彼女の可愛さを更に引き立ててくれている。

 

「一夏さん、もういらしていらっしゃったの? あの……春樹さんはまだいらしていませんの?」

「ああ、春樹はまだいないみたいだな」

「僕達もさっき来たばっかりなんだ」

「そうなんですか……」

 

 セシリアが残念そうにしている最中、ラウラはなんだか一安心したような仕草。彼女はこういった格好は初めてなのだろう。しかも、これを春樹に見られるとなるとなんだか恥かしいし、ここにまだいないと分かってほっとしたんだろう。

 

(本当に、春樹の奴何してるんだろう。一応、買い物に行ったときの男の事は話したけど……そのことで何かあったのか?)

 

 四日前、シャルルと一緒に水着を買いに行ったあの日、一夏は謎の男に話しかけられた。その男は春樹の事を知っていたようだったし、春樹を探していた。そのことをIS学園に帰ってきたときに話すと春樹は顔色を変えてどこかへと行ってしまった。恐らく束さんにでも連絡しに行ったのだろうが、そのときの顔色は芳しくなかった。

 言うなれば――驚愕。本当にヤバイ感じの表情であったのは一夏の目に焼き付けるように残っている。

 

(春樹……お前はいったいどんなことに首を突っ込んでいるんだ?)

 

 すると、鈴音から一緒に泳ごうというお誘いが来た。一夏は正直考え事に浸りたかったが、わざわざこんな青い海を目の前に考え事で時間をつぶすのもなんだと思って今は楽しむ事を優先させた。

 一夏は鈴音の下へと走って海へ入る。

 

(束さんの組織か……)

 

 あのシャルルとラウラが編入してきた直後だったか。あの時に春樹と千冬から話された篠ノ之束の組織、その勧誘。束さんの命は狙われており、そして、今までIS学園で起こった事件。春樹はその事件に関与して謎の無人機を倒し、ラウラのISの暴走を止めた。

 これが束さんの命を狙う奴らに関係があるのなら……。

 

(本当に、真剣に考えなくちゃいけないみたいだな)

 

 一夏は海へと飛び込んだ。

 

 

  2

 

 

 葵春樹は篠ノ之束と一緒に学園のみんなが遊んでいる海から少し外れた場所にいた。

 今回、篠ノ之束は春樹の熾天使(セラフィム)、一夏の白式(びゃくしき)、箒の紅椿(あかつばき)の専属メカニックとしてここに来ている。

 今回の臨海学校の宿泊研修の目的は広々としたところでのIS操縦訓練。専用機持ちは新しいパーツのテスト及び、ISのチューンアップが目的である。

 

 篠ノ之束はISの仕様が他とは違う白式、熾天使(セラフィム)、紅椿の新パーツとチューンアップの為に来た……というのは表の事情であり、本当の目的は、暗部組織が動き出したという情報を少し前に手に入れた為、ここまで篠ノ之束は訪れたのだ。

 

 その情報とは、アメリカとイスラエルが協同して作られたISが明日、テスト運転をするというもの。そして、それに合わせて暗部が動き出したというものであった。

 暗部の奴らはそのISを悪用する可能性が高い事と、今までIS学園で起こった事件からして、今回もIS学園が来ているこの臨海学校がターゲットにされる可能性が非常に高いと予想、そのため篠ノ之束がここに訪れたというわけである。

 

「束さん、なぜ危険を冒してまでここに来たんですか? 本来なら安全な場所で待機して俺に指示を送ればいいのに」

「そうもいかないんだよね~、今回ばかりは。そのアメリカとイスラエルが協同して開発したっていうIS 、銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)はスペック的に今の熾天使(セラフィム)と白式、紅椿じゃあちょっとヤバイんだよね……。たとえ因子の力を行使しても……」

「因子の力を使っても……ヤバイだって……!?」

 

 『因子の力』――それは、男性でもISを動かせる原因と見られているものであり、そしてその『因子』を持っているものがISを動かし『因子の力』を行使したとき、ISのコアは通常より遥に強く操縦者と同調し、ISもといコアの本来の力を使うことが出来る。というのが篠ノ之束の見解であり、一つの仮説である。

 

「だから、こうやってこの束さんが来たってことなんだよね。だから用意してあるよ、熾天使(セラフィム)のバージョンアップパーツと白式のバージョンアップパーツ。そして紅椿はリミッターを外さないとね」

 

 紅椿にかかっているリミッターはそのISの本来の力をIS学園に知らされないようにするために、基本スペックを落としているのだ。なぜなら、紅椿は第四世代のISなのだから。

 この第三世代でさえ、実験機の域を出ないこの現在に、第四世代のIS――装備の換装無しでの全領域、全局面展開運用能力の獲得を目指した世代である。

 そして、何を隠そうその第四世代IS、紅椿のパイロット篠ノ之箒は春樹と同じその『因子』持っている者である。

 白式のパイロットである織斑一夏も同様に、その『因子』を持っている。つまり、暗部に立ち向かえる事ができる者、ということになる。だから、その二人を束の組織に呼んだのだ。

 

「後それからもう一つ目的があってね。箒ちゃんと一夏の私の組織への勧誘は直々にやりたかったから。やっぱりこういうときは当本人がいないと駄目だと思うんだ」

「そうですか……。分かりました。とりあえず、何かあったときは俺が束さんを守りますよ。そのために俺はいるんですから」

 

 純粋な笑顔で春樹がそう言うと束はぎゅっと春樹の身体を抱きしめた。束は春樹の耳元で、本当に小さな声で「ありがと」とそう言って離れる。

 そして束は焦るように春樹にこう言った。

 

「じゃあ春にゃん、海に行こうか!」

「海って……水着は持ってきてるんですか?」

「もち!」

 

 束は笑顔でそう言うと海の方へと走っていってしまった。だけど、束はあんまり運動が得意ではないのか走る速度は遅かった。

 春樹はそんな束を見て笑うと、四日前の一夏の言葉を思い出す。

 

(俺の事を知っていた謎の男か……。もし、束さんを狙う暗部の人間ならば早めに始末しなくちゃならない。もし仲間になれる余地があるのなら、そのときは仲間に入れたいし、全く関係のない人間ならほっとけばいい。ま、今は目の前の事だけを考えよう)

 

 春樹はそう思うと束の事を追いかけた。

 

 

  3

 

 

 織斑一夏は凰鈴音と一緒に泳いで遊んでいた。シャルルは海岸でビーチパラソルの下でクラスの女子とお話をしながら涼んでいる。

 

「一夏、競争よ!」

「あ、ちょっと待て!」

 

 一夏と鈴音は競争だ何だと無邪気に遊んでいた。が、このとき鈴音の身に危険が忍び寄る。

 

「!?」

 

 なんと、鈴音の足がつってしまったのだ。足が思うように動かせない、そしていま彼女がいるところは足が底につかないような海だ。

 当然、溺れかけてしまう鈴音だったが、このときの一夏の対応が早かった。

 一夏は鈴音の違和感を感じ取り、すぐさま溺れていると判断し、鈴音の下へと急いで泳いだ。

 じゃばじゃばと必死にもがいて水上へと上がろうとしている鈴音を一夏は背負うように背中に乗せてあげた。

 

「い、一夏……ありがとう……」

「どうしたんだよ……鈴」

「ちょっと足がつっちゃって……あはは……」

「ったく、笑い事じゃねぇだろ、溺れてたじゃねえか」

「大丈夫、ギリギリのところで一夏が助けてくれたから」

「そうか。とりあえず沖まで行くぞ、しっかり掴まってろ」

 

 一夏は上手く鈴音が水面より上になるような形で泳いでいく、岸が近づく最中、鈴音は強く一夏の背中を強く握り締めていた。多分、物凄く怖かったのだろう。

 しかし、それもそうだ。死ぬか否かの瀬戸際だったのだから。

 岸までつくとシャルロットが出向いてくれた。鈴音は大丈夫だから、とは言うものの、しばらくは安静にしてクールダウンした方が良いと説得して、ビーチパラソルの下で休ませた。

 

「はい、鈴音」

 

 シャルロットは鈴音に冷たい飲み物を渡した。鈴音はありがとうと感謝をしてそれを受け取ると一口飲んだ。

 鈴音は海をぼけーっと見ていると、一夏が鈴音の下へと来てくれた。

 

「どうだ、鈴。落ち着いたか?」

「うん、まあね」

「俺も少し休憩だ」

「あ、飲み物飲む? 一夏の分もあるよ」

「すまないな、シャルル」

 

 一夏はシャルルから飲み物を受け取るなりゴクゴクと音を立てながら飲んでいく。

 するとそこに織斑千冬と山田真耶が水着姿で登場。山田先生はその豊満な胸で、男の子を悩殺。そして千冬はそのスタイルの良さと、黒いビキニでこれまた男の子を悩殺できるだろう。

 と言ってもここに男子は一人しか居ないのだが……。

 一夏は無駄に無反応、逆にクラスの女子の方がスタイルが良いだの何だのって盛り上がっている。やっぱりそういう事は女の子の方が盛り上がりやすいのだろう。男の子がそういうことで盛り上がれないのは、精神年齢的にやっぱり幼い部分があるからなのだろうか?

 

「先生達も泳ぎに来たんですか?」

 

 シャルロットがそう尋ねると、

 

「まぁな。せっかく水着も買ったんだ。少しぐらい泳がないとな」

 

 千冬がそう答える。

 そして、一夏はその千冬の黒いビキニをつけた千冬を見てしみじみと思った。俺と春樹の目に狂いはなかった……と。

 

「そうだ、先生。ビーチバレーやりません?」

 

 とある女子が提案すると、みんなは大盛り上がり。クラスのみんなでやりましょうやりましょうと先生達を急かしてくる。クラスの生徒たちの勧めで千冬は山田先生と話した結果、二人ともやるという事に。

 

「おりむーも一緒にやろ~」

 

 布仏本音が一夏を誘う。もちろん断る理由もないし、むしろやりたい気持ちはあったので、シャルルと鈴音、セシリアとラウラも誘ってバレーボールをする事にした。

 だが、ここにまだいない人物がいる、春樹と箒だ。

 

(そういえば、春樹はともかく箒まで……どうしたんだろう?)

 

 海で遊んで良い時間になってから随分と時間が経っている。

 すると、更衣室の方から新たに二人が現れる。一人はみんなが見慣れている人物である葵春樹に、もう一人はほとんどの人が知らないであろう篠ノ之束であった。

 

「やっほ~、ちーちゃ~ん!」

 と、砂浜を走って千冬の下へと行こうとしたが、砂に足を取られてその場に倒れてしまう。春樹はクスッと笑って、束の下へと行き、「大丈夫ですか?」と声をかけると、

 

「アイテテテ……。あははは……私って本当に運動音痴だよね」

「その分、頭は誰よりも良いでしょう?」

 

 春樹はそう言うと、

 

「そうだなぁ……。恐らくこの世でもトップクラスの頭の持ち主だろうな」

 

 と、千冬は束の近くまで来てそう言った。

 今、この海にいる人たちの内、この運動音痴が誰なのか正しく認識できている人は何人いるだろうか。いや、たとえ分かっても信じられないだろう。ISの生みの親で、現在行方不明とされている篠ノ之束が目の前にいるのだから。

 しかも白いビキニの水着で。

 そして春樹がとその篠ノ之束が一緒来た。いろんな意味で怪しいと思う生徒一同。ただ一人の生徒を除いて。

 

「なぜお前がここにいる?」

 

 千冬は質問をするが、束はその質問を無視して千冬に質問をした。

 

「ねえねえ、箒ちゃんは?」

「質問をしているのはこっちなのだがな……」

 

 そう呟いて周りを見渡すが、肝心の箒がいなかった。

 

「織斑、篠ノ之を知らないか?」

 

 一夏は千冬の質問に頭を横に振って否定した。

 

「いいえ、俺もさっきいないのかな、と思って周りを見渡していました」

「だそうだ。どうする束?」

「大丈夫、そのうち来るだろうし。たとえ来なくても急ぎの用事じゃないから」

 

 と束は言いながら一夏の方を見てニヤニヤと笑い始めた。やはり、自分の実の妹の好きな人ぐらいちゃんと把握しているようである。

 しかしその可愛らしい顔が台無しになるぐらいにニヤけている為、それを指摘するべく春樹は言った。

 

「束さん、ニヤけ過ぎですよ。せっかくの可愛い顔が台無しだ」

 

 すると束は顔を赤らめて、急に春樹の事を直視できなくなってしまう。

 春樹はそんな束を見て、どうしたのだろうかと疑問に思いながら、彼女に近づいてどうしたのか聞こうとしたそのとき束は春樹の腕に抱きついた。春樹はどうしたのかわけが分からなくなる。

 しかも今の格好は水着だ。肌を覆っている布はそれはもう薄く、そして束の豊満な胸も春樹の腕にしっかりと押し付けられていた。

 

「もう春にゃんったら、そんな事言ったらこの束さんでも照れてしまうのですよ~」

「た、束さん……。み、みんなが見てますよ……」

 

 春樹は周りのみんなの反応を見て顔を青ざめた。みんなは大きな衝撃のせいで口をあけて唖然とし、黙り込んでしまっている。一夏も、千冬も春樹と束のその状況を見て驚愕してしまった。

 束は生徒達の方を見て、何やら勝ち誇ったかのような笑み。

 そして、ラウラはなぜだか春樹の事が遠ざかったかのような感覚に襲われてしまう。ただ、あのときの……ドイツ軍基地の襲撃のときのターゲットになったISの開発者である女性が春樹に好意を向けているだけだというのに。

 

 彼女が春樹を好きになってしまうのは自然だ。なのに、ラウラはなぜだか空虚感に襲われる。

 そして、セシリアもラウラと同じような感覚に襲われていた。自分の好きな男性が他の女性と仲良くしている。しかもその女性が春樹の腕に抱きついている。この事によるショックはとても大きく、そして自分の気持ちがどこへ向かえばいいのかが分からなかった。

 一夏は久し振りに束さんに会ったと思ったらいきなりこれで唖然としたし、千冬も同様な理由で唖然としている。

 シャルルは……密かにあんな風に積極的になりたいと思っていた。

 

「とりあえず、バレーやろうよ。みんなもやろうとしてたんでしょ?」

 

 束はそう言うと、生徒たちも「じゃあ、みんなでやろう」と言い出した。せっかく春樹も来たし、ISの開発者さんが来てくれたから、ということでここにいる全員ででバレーをする事に。

 ジャンケンでチームを作った結果、一夏のチームはシャルル、鈴音、千冬で、春樹のチームはセシリア、ラウラ、山田先生である。

 束は春樹を応援する、と言っていたので見学している。

 この四対四の戦いが切っておろされる。

 

 

  4

 

 

 などという楽しい海水浴はこれで幕を閉じた。

 結局最後まで海水浴場に来なかった箒は何をしていたのだろうか、疑問に思った一夏と春樹、そして束であったが、それはこの後の夕食で理由を聞くことにした。

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