ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンの装備『チャージド・パーティクル・キャンセラー(オリジナル)』はセシリアのレーザー攻撃を無効化できるのと噛み合わなくなってしまうので、エネルギー系の攻撃を無効化する『ダイレクティド・エナジー・キャンセラー(オリジナル)』に変更。
箒の紅椿のビームの斬撃を、原作通りエネルギー刃という表現に変更。
1
作戦開始五分前。
一夏はバッテリチャージャを使い、できる限りの稼動エネルギーを充電している。
ISの稼動エネルギーの正体は電気である。ISには固体高分子形燃料電池が積まれており、最大で四八時間の連続稼動が可能なのだが、一夏のISのワンオフ・アビリティーである零落白夜の仕様上、それだけの稼動は不可能である。
現状、先ほどの
その他の五人はISの点検を必死に行っていた。
一度失敗しているこの作戦。
この作戦に失敗は許されない。
残りのチャンスは恐らくこの出撃一回だろう。
稼動エネルギーを充電するしかない一夏は、必死に点検を行っているみんなを見ながら呟く。
「残り五分……。この作戦、必ず成功しなくちゃな……」
作戦開始時間は刻一刻と迫ってくる。もっとこの整備時間を取りたいというのが正直な気持ちなのだが、
結局、不完全な状態で出撃しなくてはいけない事実は、この現状からいくら足掻こうと変わらない。本当に最低限の事をするしかない時間である。
「よし、点検はその辺にしておけ。織斑を除く四人はISを装備しろ。織斑はギリギリまで稼動エネルギーを充電しておけ」
生徒たちは力強い声で返事をする。
各々がISを装備していく中、一夏は
いきなり渡された自分の専用機である
今となったら、この一体感が当たり前すぎて忘れかけていた感覚だが、よく思い出してみると初めて装備した時の違和感が懐かしく思えてくる。まるで良き友人となるかのように、その親近感が増していた。
そんな、つい三ヶ月前の事を思い出して微笑む一夏。
今となっては仲間と言えるような友達がいる。
だが、そこにはISもいたのだ。
それは一夏に限った話ではない。
篠ノ之箒。
セシリア・オルコット。
凰鈴音。
シャルル・デュノア。
ラウラ・ボーデヴィッヒ。
そして、葵春樹。
みんなが同じように自分のISと深く関わり、そしてその結果、自分たちの周りには最愛の仲間ができたのだ。この出会いはISがあったからこそ起きた事であり、それがなかったのならみんなには出会う事すら叶わなかったわけである。
だから、ISがあって本当に良かった、と一夏は改めて思う。
作戦開始まであと一分を切った。一夏はISとバッテリーの接続を切る。
完全に充電が終わったわけではない。だが、作戦開始時間が来てしまったのだから、これで作戦に参加するしかないのだ。
一夏の役目は零落白夜での一撃必殺攻撃を
たった一振りだけでいい。
春樹にそう言われた。もちろん一夏はその気でいる。自分の尊敬する姉が、静かなる一振りで敵を仕留める。それで決着はついてしまう。そのカッコよさに憧れた一夏は、自分の姉と同じようにやるだけだと、彼はそう考えている。
一夏はISを装備し、雪片弐型を握り締め、千冬の方を見る。
実の姉がそこにいる。なぜだか春樹と交代するようにこの作戦に参加してきた。いま、春樹は何をしているのか分からない。
だけど、今はそんなことを気にしている場合ではなかった。作戦開始まで三〇秒。六人はお互いに顔を見合わせて、そして何かを感じ取ったかのように頷く。
千冬も含め、みんなの願いは一つだ。
誰一人として傷つくことなく、
網膜投影されたモニタを確認すると、刻一刻と作戦開始の時間がカウントされていく。
残り一〇秒。
一夏の額には汗があった。失敗を恐れずに、ただ成功することだけを考えてやるしかない、と思っていても中々恐怖だけは取り払うことができない。
「みんな、恐怖する事は決して駄目な事ではない。それがあるからこそ、生きて帰ろうと思うんだ。行くぞ、みんな。作戦開始だ!!」
タイマーが残り〇秒を示した。作戦開始の合図である。
六人のIS乗りは一斉に空へと飛び立つ。
六機とももの凄いスピードで空を翔るが、一夏の白式は最高速度とは程遠い速度だった。もっとスピードが出るはずなのだが、機体の状態も不完全なだけあってこれ以上の無理は機体に深刻な悪影響があると一夏は感じているのだ。だからこそ、このスピード程度に抑えている。これも一夏と白式の一体感が増したからこそできた芸当だ。
目的地まで一直線に飛ぶ六人らはセシリアの超感度ハイパー・センサーにIS一機の反応があった。しかも、そのISは動く気配が全くない。
「いましたわ! これより五キロメートル前方にISの反応。これは……間違いありません。
セシリアの報告に千冬は指示を飛ばす。
「よし、オルコットを除く四名は私について来い。福音に接近する。オルコット、私たちと福音との距離が一〇〇〇になったら、お前のスターライトmkⅢで福音を狙撃しろ」
「了解いたしました。みなさま、お気をつけて」
五人は静かに頷き、セシリアとは一旦分かれる。
一夏はラウラの後ろへと着く。この作戦の各々のポジションは、近距離は千冬、中距離が鈴音とラウラ、遠距離はセシリア、そして全体的なサポート役となるのがシャルルである。
一夏はこの作戦において、特別な立ち位置にいる。零落白夜での一撃必殺の攻撃を
これは、
距離が丁度一〇〇〇メートルになったところで、
(キッチリ距離一〇〇〇で撃ったな……、流石は代表候補生だ!!)
千冬がそう思うと、
これで勝敗に決着がつくと思いたいのだが、
一方、ラウラは常に一夏の前に立ち、ビーム攻撃が飛んでくることを警戒し、いつでも
鈴音は今回のテストで送られてきた強化パーツ、崩山を装備。
これは見えない弾丸を放つ龍砲を四門に増強したもので、それを使い
セシリアは遠距離で支援砲撃を続けており、ビット攻撃で敵の動きを制限。
近くにいた千冬と鈴音は、シャルルのシールド装備で無傷だ。
そのシールド装備というのが、今回のテストで送られてきた防御パッケージ、ガーデン・カーテンだ。実体盾が二枚にビームシールドが二枚という防御に特化させたパッケージである。
一夏の方ももラウラの
「やっぱり、人数でのゴリ押しは駄目みたいね」
鈴音は肩を落としながら言った。それにシャルルは答える。
「うん、やっぱりちゃんと連携を組まないと、奴を倒せない」
「そうね……。織斑先生!!」
「なんだ?」
「もう一度接近しましょう。一夏か織斑先生、そのどちらかが零落白夜で福音を斬らなくちゃいけない。だから、そのチャンスを作らないと!」
千冬と鈴音の二人はお互いに頷くと、
ラウラは少々危険な賭けになるのだが、レールガンであるパンツァー・カノニーアを使用し、二人が接近できるまで
ラウラは
「一夏、こちらへ攻撃が来る。注意しろ!!」
「ああ、分かってる。大丈夫だ」
一夏も攻撃をかわすことに関してはセシリアとの練習で高い技術を手に入れている。逆にセシリアもその練習のおかげで高い射撃能力を手に入れたわけだ。
福音はこちらに大量のビームを放ってくる。
ラウラ
セシリアのビットが
「セシリア、支援感謝する!」
ラウラはセシリアに通信で感謝のメッセージを伝える。
『いえ、お構いなく。こんな事など出来て当たり前ですわ』
ラウラと一夏はセシリアの返事に微笑んでいた。彼女らしいな、と思いながらラウラと一夏は
千冬が雪片で
この瞬間、隙が生まれた。
「一夏、今よ!」
鈴音は叫ぶと、既に一夏はこちらへ突っ込んできていた。
「千冬姉! 鈴! どけろおおおおおおおおおおおお!!」
一夏は叫びながら、
一夏は零落白夜を発動させて、
零落白夜はシールドエネルギーを切り裂く特殊な攻撃。その効果で機体に直接ダメージを負わせて強制的に絶対防御を誘発させ、一気にシールドエネルギーを奪い去る一撃必殺の攻撃。しかし、その強力な攻撃である故に大きなリスクを伴う。IS自体の稼動エネルギーを大量に消費してしまうのだ。
だが、強力な攻撃であることには変わりない。
まさに逆転の一撃必殺攻撃。
一夏は
――しかし、
謎の光に包まれる
そう、
予想もしていなかった状況。まさか、一夏の一撃でこのような事を誘発させてしまうとは、一体誰が考えれただろうか。
この一撃にかけていたこの作戦は失敗に終わってしまう。
だが、諦める者など誰もいなかった。
一夏の白式の稼動エネルギーはまだ残っている。零落白夜も後一回は発動できるほどの量だし、もし仮に一夏が動けなくなったとしても千冬がいる。彼女も零落白夜を使える。利用できるものは利用するのみだ。
「まさか、ここで諦めている奴はいないよなぁ!? さぁ、行くぜ。アイツを倒す為にもう一度!!」
一夏はそう大声で言うと、
『了解!!』
セシリア、鈴音、シャルル、ラウラの四人が一斉に返事を返した。
千冬も微笑んで、一夏と目を合わせた後頷いた。
目の前には青く光る翼を生やしたISがいる。これは
ここにいる六人は誓う。絶対に、生きて帰るのだと。絶対に、
この戦いはどんどん危険なステージに突入していく。
2
篠ノ之箒は夢を見ていた。
それは、彼女の幼少期――小学校四年生の頃の記憶だ。
思い出がフラッシュバックの様に甦っていく中、まず最初に見たのは、ある日、教室の掃除中起こったことだった。一緒の掃除の班にいたとある男子児童達が箒をいじめていた。その時に使われていた言葉が――。
男女。
剣道をやっていて、尚且つ気が強い彼女は、小学校のときにそういう悪意のあるあだ名で呼ばれたことがあった。
そして、掃除の時間。先生がいなかった教室で、そのいじめはよりひどいものになっていた。
男子児童が複数人で箒に対していじめを行う。言葉の暴力を振る舞い、箒を精神的に追い込んでいく。そこに現れたのは、先生に呼ばれていて掃除に遅れてやってきた一夏であった。
そのいじめ現場を見て彼はこう言ったのだ。
――おい、何やってんだよ。掃除する気がないなら帰れよ、邪魔だから。
そう言った一夏。すると、いじめの対象が彼へと移っていく。
元々姉同士が仲が良いことから、一夏と箒も幼稚園からの仲だ。お互いにとても大事な友達だし、とても仲が良いのは当たり前の事だ。
だが、いじめグループの男子児童はそれを“夫婦”だ“カップル”だと馬鹿にしていく。
やはり、小学生はそういうことには過剰に反応するし、それを馬鹿にする傾向がある。箒もこの夢を夢だ、昔の記憶だと自覚しながら、気分が悪くなる。
だけど、これは一夏が好きになるキッカケだった。
一夏はそのいじめをする男子児童を殴ったのだ。その後は当たり前のように先生にバレることになり、親から言われるように言われていた。
そして、箒は質問をしたのだ。
――ああなることはわかっていたのに、なんでわざわざ殴るような事をするの?
すると彼はこう答えた。
――だって、箒がいじめられてたんだぜ? それに、言葉の暴力を振るっていた。だからその分殴らせてもらっただけ。許せなかったんだよ、俺の大切な友達の箒をいじめてるあいつらがな。
この言葉を聞いた瞬間に箒は一夏に対する想いが強くなったのを感じていた。その想いが恋だと気付くまではそう時間はかからなかった。
それからというもの、彼に対する気持ちは日に日に強くなっていった。
次に聞こえてきた言葉は――
――はい、箒。これ誕生日プレゼント! 似合うと思うぜ。
これも、一夏の声だ。彼の声が聞こええてくる。
この情景は確か、箒が一〇歳の誕生日を迎えたときの誕生日パーティー。このときに側にいてくれたのは、一夏と箒の両親だ。
いま、箒がつけている髪を結ぶリボンは、このときにプレゼントしてもらったものだ。このプレゼントを箒はいまでも大切に使っている。だって、大好きな人からプレゼントだ。それで髪を結んでいつものポニーテールにすると、彼はとても似合うと言ってくれた。それからこのリボンをいつだって使っていた。
だけどその時、束と千冬はそこにはいなかった。
確か、このときはISの開発で二人とも忙しかったはずだ。その時の言葉を箒は覚えていた。
――宇宙開発が一気に進展する発明をするからね。待っててね箒ちゃん。大金持ちになってお父さんとお母さん。そして箒ちゃんにも、楽させてあげるから!
彼女が夢みていたもの。それは、インフィニット・ストラトスによって宇宙開発が進み、人類を更なるステージへと道しるべになって欲しい、という願いだった。
そんな純粋な気持ちで束はインフィニット・ストラトスを製作したのだが、そんな願いも叶う事はなかった。
その原因はISが軍事的に使われるキッカケになったあの事件。
『白騎士事件』である。
それは、世界中の軍事施設のシステムがエラーを起こし、全百数発のミサイルが日本に向けて放たれた。それをある一機のISが全て斬り落としたのだ。
それこそ、世界で第一号のインフィニット・ストラトス『白騎士』であった。その開発者の篠ノ之束は思いもしなかったISの性能に驚いてしまう。
――そんな……。こんなものを私は作ってしまったの……? こんな危険なものを!?
箒はその時、姉である束の側にいた。そして、モニタリングしていた姉がそう叫んだのを思い出し、とても悲しそうだったことも箒は思い出した。
当時はなぜそんな悲しい顔をしているのか分からなかったけれども、今では理解できる。あの時、姉は世界を大きく変えてしまうようなとてつもない『兵器』を作ってしまったと、絶望していたのだ。
それからというもの、世界は大きく揺れた。ISのテクノロジーを知ろうと各国の政府が一斉に動き出してしまった。
このままでは篠ノ之束の親族までも危険に及ぶ可能性がある。そう言われた家族一同はバラバラになってしまった。
もちろん、一夏ともお別れすることになってしまう。今度の剣道大会で優勝したら、一夏に告白しようと決心したこのタイミングでだ。
結局、一夏には何も言えないまま引っ越してしまい、絶叫に近いほど泣いてしまったのを覚えている。実の姉だって恨んだ。アイツさえいなかったらこんな事にはならなかった、とも思ったこともある。
――あれ?
春樹は……どこだろう。
引越しの直前に……何か……あった?
記憶が無い!?
どこに行ってしまったんだ、私の春樹との記憶は?
なぜ、一夏との記憶しかない!? 何故!?
一夏たちとの出会いから、引越しまでの記憶に春樹も居たはずなのに、なぜこの記憶の夢の中には登場しないんだ!? どうして……一夏だけじゃなく、春樹との思いでもとても大事なものなのに、なぜこの夢の中で思い出せない!?
思い出せ。思い出すんだ。春樹との記憶を……。
――ッ!?
その瞬間、夢の中だというのに強い頭痛に襲われた。頭が割れるように痛む。吐き気まで出てくる。なんだ、これは……なんなんだ!?
その瞬間、彼女は目を覚ました。
頭痛と吐き気は現実の身体でも同じ症状が出ていた。額は汗でびっしょりだ。
呼吸を整えて、傍らを見ると、心配そうに山田先生が箒を見ていた。
「あの……篠ノ之さん、大丈夫ですか? 凄くうなされてとても辛そうでした。嫌な夢でも見ていたんですか?」
「いえ……そんなものではありません。ご心配なく、大丈夫ですから」
嫌な夢などではない。しかし、疑問がいくつも生まれた夢であった。春樹の事の記憶はいま確かに存在している。誕生日パーティーでも一夏と一緒に祝ってくれたし、学校でも仲良くしてくれた。一夏と一緒に三人でよく遊んだのも覚えている。
しっかりと春樹との記憶も存在しているのに、あの夢はなんだったのか、ただ単に夢であるからその空想の世界では思い出せなかったのか。
しかし、やけに鮮明な夢であった。まるで、実際に過去に起こった事を辿っていくかのように感じる。まるで、それが現実のように。
だが、いまはそんな夢の事はどうでもいい。現状を把握しなくてはいけない。
「山田先生。今は……どうなっているのですか?」
山田先生は真剣な表情になった後に答える。
「篠ノ之さんが織斑君と
たった一時間で箒の体は回復していた。いや、元々そんなに怪我はしていない。これも、束が作った紅椿のおかげだろう。流石は第四世代のISで、攻撃力、防御力、機動力、どれをとっても高性能だ。そんな高性能なISのおかげで箒は軽傷で済んだんだろう。流石は天才篠ノ之束、といったところか。
「それで……一夏と春樹は?」
「はい……それは……」
突然口ごもってしまう山田先生。なにやら言いづらそうな顔をしている。
「言ってください。お願いします」
山田先生は落ち着いて聞いてください、と注意してから話し出す。
「織斑君は現在、
「え…………?」
箒は信じられなかった。なぜ、
「な、なぜ、みんなが参加してるんですか、その作戦に!」
「これは……葵君からの提案です。現在の戦力、つまり専用機をフルに使わないと、勝つのは難しいそうで……」
「そんな……勝手な事を……ッ!」
「ですが……葵君も沢山悩んで……それで悔やみながらもこの決断をしたはずです。彼の事をあまり責めないであげてください」
「なら、私も行きます!」
箒は布団から起き上がろうとすると、何故か自分の身体から力が抜けていくのを感じる。そのまま彼女は再び布団に横になってしまう。
「篠ノ之さん……、あまり無理をしないでください!! みなさんは、あなたの為に頑張っているんですよ? だから、篠ノ之さんは安静にしていてください」
「ですが!! 私も……みんなが頑張っているのに、ここでのうのうと休んでいるのは、我慢なりません。私も行きます」
「篠ノ之さん……」
「みんなが、私の大切な友達が、私の為に頑張ってくれているなら、私だって友達の為に頑張りたいんです。だから、行かせてください!!」
山田先生はふと目を閉じて微笑むと、金と銀の鈴がついた紐を箒に渡した。これは紅椿の待機形態である。
「え……なぜこれを山田先生が?」
「束さんから預かってました。修理も完璧に終わったから、安心していいよ。だそうです」
「姉さんが……」
「篠ノ之さんのお姉さんはとても妹想いの良い人ですね。なんだか憧れちゃいます。私は一人っ子でしたから。あと、これ……束さんからの手紙です」
箒はその手紙を手に取り、そして中身をみる。そっけない便箋の中には紙が一枚。それを取り出すと、そこにはこんなことが書いてあった。
箒ちゃんへ
さっき急遽書いた手紙だから、たいしたことは書けないけど最後まで読んでください。
箒ちゃんはきっと私のことを恨んでいると思います。お姉ちゃんには分かるよ。だって、どことなく避けているからね、私のこと。理由は多分、私がISを開発して世界問題になって、そして家族が日本政府に保護されて、一夏や春樹と離れ離れにしてしまった事だと思います。
箒ちゃんは一夏のこと好きだからね。箒ちゃんが一夏に告白しようとしていたのも知ってるよ。だって、私の妹だからね。実の妹の事ぐらいなんでも知ってるよ。
そこで、私は箒ちゃんに謝ろうと思います。
本当にごめんなさい。
本当は実際箒ちゃんを目の前にして面と向かって謝らなくちゃいけないのだろうけど、それができるかも分からない状況になってしまったので、せめて手紙で伝えられたら、と思って筆を取ってこの手紙を書いた次第です。
許してもらえなくても構いません。
ですが、私が箒ちゃんにしてしまったことは、取り返しのつかない事であることはしっかりと理解しています。そこだけはどうか分かってください。
もう時間が無いので、ここで筆を置かせていただきます。
紅椿はしっかりと修理したので安心して使ってください。
では、がんばって。
篠ノ之束より
箒はその手紙を読んで、歯を噛み締めた。
(許してもらえなくても構いません、か……。私はとっくに姉さんを許していたのにな。確かに殺したくなるほど恨んだこともあったが……、姉さんの作ったISのおかげで私の周りにはとても大切な友達が、仲間が出来た。逆に姉さんにお礼を言いたいぐらいだ。だから私は……)
「先生、私は行きます。先生がなんと言おうと、私は行きます」
すると、山田先生は微笑んで、ちょうど終わった点滴の針を丁寧に抜いてあげた。止血用のガーゼを当ててあげて、
「はい、これでよし。……篠ノ之さん、絶対にみんなと一緒に帰ってきてくださいね、それがあなたを行かせる条件です」
「……はい」
箒は静かに返事をすると、ゆっくりと立ち上がり部屋から出て行く。
不思議と身体がさっきと比べてはるかに楽になっていた。精神的なものなのか、それとも他に何かがあるのか……。だが、箒は分かっていた。
自分の中にある力の事が、春樹が教えてくれた『因子の力』というものが。
箒はその力が何の為にあるのか、その意義を決めていた。
それは仲間の為に、また、自分の大切な人の為に使うものなのだと。そう箒は決めた。これがこの力の本当の使い方なのかは彼女には分からない。だが、この使い方が正しい使い方なのだと、箒は思っている。そう信じているのだ。
(みんな、待っていてくれ……、今行くからな)
箒は廊下を走り出す。今すぐにでもみんなを助けに行くために、彼女は全速力で走る。
3
葵春樹は車で移動していた。しかも、ドライバーは葵春樹である。
彼はこんな時の為に様々な乗り物の運転の仕方を覚えていた。一般常用車にトラック、ヘリコプターに、一応飛行機の運転方法まで身につけていた。何故なら、任務先でいったい何があるか分からないからだ。だから乗りものは一通り乗れるようにしている。
「束さん、いいですね? 多分、あの旅館には帰れない可能性が高いですよ」
「うん。だからお手紙を書いといたよ、箒ちゃんにね。一応、私の気持ちは伝えておいたから」
「そうですか……。すみません……。俺が力不足なばっかりに……」
「ううん。春樹はちゃんと仕事をしてくれたよ。元はといえば、私がここに来た事が間違いだったね……」
春樹は黙り込んでしまう。ここでなんて言い返してあげればいいのか分からなくなったからだ。
ここで、何を言ってあげるのが正解なのか、と春樹は悩んでしまう。否定するのが正解なのか、それとも肯定した上で仕方がないことだったと言ってあげるのが正解なのか。
すると、春樹よりも先に束が続けて話し出してしまった。
「ごめん。そんなこと言っても、もう遅いよね……あははは……」
束は落ち込んだように笑い出す。空気が重いが、それはしょうがない事だろう。この状況で笑い話をする気にもならないし、そんな笑い話はこんな状況で話せるわけもなかった。
だけども、ここで何か話さないと何も進まないし、精神的につらい。だから春樹は何か話そうと必死だ。
「あー、あの……束さん。昨日の夜のこと……なんですけど」
「え……!?」
束は驚き、昨日の事を思い出した。
あのとき、束は周りの事を考えないで行動してしまい、春樹のみならずおそらく周りのみんなまで不快な思いをさせてしまったことだ。そのときに春樹に説教されてしまった。
「あの……、束さんに怒ったこと、なんか気にしてるなら謝ります。もう俺は気にしてませんから……あははは……」
春樹はあの後、束がどうしていたのかを聞いた。
あの後、一夏は束と出くわして一緒に話をしたそうだ。一夏は全てを話してはくれていないだろうが、でも、俺に怒られた事で深く反省して、泣いていたそうだ。
その事について、まだ話が出来ていない。一夏から聞いて、旅館を飛び出したはいいが、そのときには会うことは叶わなかった。
次の日には無事会うことが出来たのだが、そのことについて話すことは出来ず、ここまで先延ばしにしてしまった。だから、このタイミングで話す。
すると、束が恥かしそうに春樹を見てこう言った。
「あのね、春樹。私……アナタに怒られてしまったとき、とても辛かったんだ。なぜかは分からないけど、胸が絞めつかられるように痛くなって……。でも、そのとき決意したんだ」
「何を……ですか?」
春樹が聞き返す。すると、束はより一層顔を赤くして春樹を見つめながら、
「こんなところで言うのもおかしいけど、今しかないから言うね。私、アナタの――」
そのとき、車は急ブレーキをかけた。路面とタイヤが擦れて、ゴム臭い匂いで周りが包み込まれた。
そして、その目の前に、道路のど真ん中には黒いISが立っていた。
「レイブリック……!!」
春樹はそう呟いて車から降りた。そして、束にここでじっとしてる様に指示をすると、束は一言、うん、と頷いた。
春樹はレイブリックを目の前にして、話しかける。
「お前……やはり束さんの命を奪わないと気が済まないみたいだな」
春樹は
「ああ、そうだな。それが俺たちの任務だからな。失敗なんてしてたまるか」
「任務か……お前らの組織は反束派ってやつか?」
すると、レイブリックは鼻で笑い、
「一部ではそう言うらしいな。確かにその言い方は間違っちゃいない」
「で、IS学園を襲ったのはお前らではないと……それは別の組織なんだな?」
「恐らくそうだろうな。まぁ、俺たちにとっちゃそんなことは関係ない。篠ノ之束さえ、殺せば俺たちの目的は達成される」
そんな発言に春樹は手をキツク握り締めて、
「おい、レイブリック。束さんを殺すんだったら、いかなる犠牲もしょうがないもの……、そう言いたいのか?」
レイブリックは高笑いをして、
「とんだ甘ちゃんだな、葵春樹。そんなことでは束を守り切れないぞ。全てを守れると思うなよ、俺は……、いや、やめとこう。まぁ、そういうことだ。犠牲なしでは守りたいものも守れないんだよ!!」
春樹は唇を噛み締めた。
確かにそうだった。あのドイツ軍基地でのこと……。春樹は束を守るべく動いていた。その目的は達成されたのだが、そのときの同じ部隊だった人たちは数人死んだ。それを犠牲と言わずなんと言うだろう。そう、犠牲である事は紛れも無い事実。春樹はそのことから目を背けていた。
良い所だけを見て、悪いところからは目を背けて。それで犠牲なしで束を守りきっていたつもりでいたのだ。
今まで何人の犠牲を出してきたのだろうか、束と共に行動するようになってから……、改めて思い返して、その事実を見つめると数え切れないほどの犠牲があった。
「くそッ!! ああ、確かにそうだな。犠牲なしでは何も守れないかもしれない。でもな、それでも出来る限りの犠牲は減らしたいだろう!? もっと言うなら、犠牲となるものが無い方がずっと良いだろう? だから、俺はもがき続けるさ、犠牲を誰一人出さないようにするために」
「それが出来たら、今この状況にはなっていないんだよ! だからお前は甘いと言っているんだよ、葵春樹!」
しばらくの沈黙。
そして、レイブリックなる男が先に口を開く。
「……どうやら、俺たちはここで戦わなくちゃいけないみたいだな」
「どうやらそのようだ。さぁ、かかって来いよ、レイブリック!!」
二つのISの剣が交差する。オレンジ色の火花を撒き散らし、この二人はお互いの思想をもかけた戦いを開始する。
4
「一夏、そっちへ行ったぞ!!」
千冬がそう叫ぶ。
金属で出来ていた翼の形をしたスラスターは青白く輝き、前の形態とは比にならない程のビームを発射できるようになっている。
一夏はこちらに向かってくる福音から逃げる。まともに目の前から立ち向かっても今の状態の白式では太刀打ちできないからだ。
(くそっ!! 白式が完全ならこんな無様に逃げ回らなくても済んだのに!!)
絶対に零落白夜でケリをつけられると判断するまで一夏は動けない。そのため、ドッグファイトは一夏の代わりに千冬と鈴音が引き受けている。
だが、
しかし、そのビームはシャルルのビームシールドとラウラのビームを無効化する装備である
「すまねぇ、シャルル、ラウラ」
一夏が二人にそう言うと、二人とも微笑んで返してくれた。一夏はこういう信頼できる仲間が出来て本当に良かったと思っている。本当はここに春樹も居て欲しかったのだが、彼には彼の仕事があるので仕方が無い。なんたって、篠ノ之束の命がかかっているのだから。
しかし、こうまでも零落白夜を与えるチャンスが出来ないと不安になってくる。本当にこの進化した
だが、倒さなければここの近くに居る旅館の皆に危険が及ぶかも分からないので、ここで倒す他に選択肢は無いのだ。
(このままだとジリ貧だ……。早くアイツを倒さなくちゃならない……。もうこの際、俺の零落白夜にこだわらなくてもいいんじゃないのか?)
そう思った一夏は山田先生に連絡を取る。
「織斑一夏から山田先生へ、山田先生、ちょっといいですか?」
すると、網膜投影されているモニタに山田先生が現れた。
『なんですか? 織斑君』
「福音は、俺の零落白夜に頼らなくちゃいけないんですか? なんなんだったら、みんなの一斉攻撃で――」
しかし、一夏の言葉は山田先生の言葉で遮られる。
『織斑君、残念ですがそれは出来ません。今の我々の装備は所詮競技用の物。軍用のISである
「……すみません、山田先生。俺、この戦いに本当に勝てるのか不安でしょうがないんですよ……」
『安心してください。アナタたちに素敵な人をそちらに送りましたから』
素敵な人とは誰なのかと思う。この現状からして春樹なのだろうか、それとも――
一夏はそんな期待をしてしまうが、そんな過度な期待はしない方がいいと思い、その考えを振り払う。
『それでは、織斑君。戦いに集中してください。素敵な人が必ず織斑君たちを助けに来てくれますから』
そう言って、山田先生は通信を切った。
「素敵な人、か……。いったい誰なんだろう。もしかして……」
一夏はとある人物を思い浮かべて、激しい戦いの中へと再び戻る。だが、一夏には今すぐに出来る事はなかった。チャンスを見逃さないように注意を払うだけしか出来ない。
(今の俺って……、どれだけ役立たずなんだろうな……)
零落白夜で
(こんなとき、春樹なら簡単に
一夏は自分自身と葵春樹のことを比較してしまう。誰よりも強くて周りを圧倒するそんな姿が思い出されていく。
今まで、共に身体を鍛えてきたこの二人。まるで兄弟のように育ってきた彼らはお互いに競い合って、それによって自分を磨いていく。それが一つの生きがいのようなものだった。
だが、気がつけば春樹は自分の届かないところにいたのだ。
ドイツ軍から帰ってきた春樹はとてつもなく心身ともに鍛えられていたのだ。だから、それに自分も負けないように、春樹に追いつけるように一夏も頑張っていた。
身体的には確かに追いつけた。追いつく為に努力を沢山してきた。
だが、追いつけないものもある。それがISだった。
一夏の知らないところで、ISの操縦を学んできたのだろう。だから、春樹は物凄く強かったのだ。だから、一夏もそれに追いつこうと努力した。
春樹が考えてくれた練習プログラム。それで確かにISの操縦は初めて乗ったときよりも格段にISの操縦は上達していた。
だけど、それでも追いつけない。
だから、春樹が居る組織でISの操縦について学んで鍛えていけば、いずれ春樹に追いつけるだろうと思ったから束の組織に入った。もちろん、理由はそれだけではないが、それが理由の一つであることには変わりはなかった。
(ああ、そうだよ。俺は春樹に憧れを抱いていた。そして、アイツに追いつきたいって思っていた。けどよ……)
そう――
「俺は、春樹を超えるんだ!! アイツに追いつくだけじゃない。追い越して……みせんだよォォォ!!」
その時、一夏は目の色を変えた。
自分の中で何かが弾けたようなものを感じた。
すると、視界がさっきよりも明瞭になり、さらに白式との一体感も増している。本当に白式と一つになったように一夏は感じている。
(なんだこれ……。これが……春樹たちが言っていた『因子の力』ってやつなのか……?)
一夏は感じている。
白式の気持ちを。
白式の思いを。
白式の願いを。
ISには意識と似たようなものがある、と山田先生は言っていた。もちろん、このことは教科書にも載っている。
ISとここまで意識を通わせているIS操縦者というのはそういない。こうまでも白式の気持ちを理解している人物は世界を探しても織斑一夏ただ一人だろう。
(白式……お前……。そうか……お前も、もっと強くなりたいのか……)
現在の織斑一夏と白式のコアとのシンクロ率を見れば95%オーバーで、現実的に見てありえない数値を叩き出している。
一般のIS操縦者のISのコアとのシンクロ率を見ても、訓練を二年続けた代表候補生で50%程度。各国代表選手さえ、70%台に入ればそれだけで賞賛に値するほどのものだ。
それなのに、ISとふれあって四ヶ月程度の一般の生徒が、ISとのシンクロ率が90%を超える事など、普通に考えてありえないのだ。
そう、
つまり、織斑一夏は普通の人ではない。または、
だから、一夏は立ち上がり、みんなを助けるために
さっきまでの役立たずだ、と思っている一夏はもうここにはいない。これで、後ろで構えているだけではなく、みんなと一緒に戦える。そう思えてくるからだ。
ただ、白式の修復が完全に終わっていないことはしっかりと意識しなくてはならないが、一夏と白式はもはや一心同体と同じような状態に居るのだ。
どこまでが限界なのか、それは一夏自身が一番よく分かっている。
「織斑先生、鈴、俺も参加する!」
一夏は福音と近距離戦闘を行っている二人の下へと向かう。
「な、何言ってんのよ、アンタは!? 一夏、アンタは一回でも攻撃を喰らったら――」
「そんなことは分かってる。だけど、いまの俺なら大丈夫……だと思うんだ。この、白式も頑張ってくれる……」
「一夏、アンタ何言って――」
すると、
「織斑先生、俺たちどちらかの零落白夜を当てれば勝ちなんです。だから、一緒に――」
「それに、私も混ぜてくれないか?」
後ろから聞こえてきた声。
それは、本来ならここにいないはずの声。
そして、聞きなれた声だ。
ここに居る六人は声のした方向へと視点を持っていくと、そこにはどこまでも真っ赤なISが宙を舞っていた。
その名も、紅椿。
そう、彼女が来てくれたのだ。篠ノ之箒が。
「箒!!」
一夏は思わず叫んでしまう。先ほど、山田先生に言われた助けに来る“素敵な人”に一夏は箒の事を当てはめていた。
こんなときに、箒が来てくれれば、という願いが少なからずあったのだ。彼女は倒れて寝ている。そんな事実を前にその願いを振り捨てたのだが、来てくれたのだ。一夏が望む大切な人が。
「一夏!!」
箒も一夏につられて思わず叫んでしまった。
しかし、二人の感動の再会のようなものをしてる暇は無く、目の前に
「一夏、倒すぞ。福音を止めるんだ」
「ああ! お前が来てくれて本当に嬉しいぞ!!」
「へ……? そうか……。うん……」
箒は突然の言葉に少し戸惑ってしまうが、一夏はそんなことを気にもせずに言葉を続ける。
「箒、いくぞ。俺たちみんなでアイツを止めるんだ」
「ああ。そうだな。織斑先生、鈴!!」
千冬と鈴音は頷く。
「セシリア、シャルル、ラウラ、お前たちも援護頼む!!」
一夏は遠くに居る三人に通信で伝えると、各人から返事か返ってくる。
『よし、いくぞみんな!』
一夏と箒が叫ぶと、各々は改めて自分のポジションに付き、作戦を再スタートする。
懐に入りやすいのは箒と鈴音だ。だが、この二人では決定的な打点は入れられない。何とかして、一夏か千冬の二人を
それは、箒や鈴音。そして、援護射撃をするセシリアとラウラ。そして、二人を守るシャルルの活躍にかかっている。
一夏はひたすら
一撃でもくらったらアウトな状態の白式だが、それでビビッて後ろで待機していても本領を発揮できない。何故なら、白式は元々接近戦に特化しており、そのために全IS中トップクラスのスピードを持たせているのだから、敵に近づいて、逃げて、というヒット・アンド・アウェイを繰り返すのが白式というISなのだから。
二度目だが、一夏と白式のシンクロ率は95%を超えている。
だからこそ、躊躇なくこういった大胆な行動を取れるのであって、
一夏は左腕に取り付けられているビームガンで
それに千冬と箒も加わり、三人でランダムに攻撃をする。そして、鈴音が見えない弾丸で
それは言うなれば弾幕を張るのような攻撃の嵐だ。一度、
これが起爆剤となり、この任務に参加した全員が
攻撃に移れなくなった
急加速で上昇し、この戦線から抜けるかのごとく一直線に逃げていったのだ。
一体どうしたのか、一夏はそう思う。
一夏は不安に駆られる。とても、まずいことになっているような気がする。
その不安は見事的中してしまった。セシリアの通信によって。
『みなさん聞いてください!! 福音は……そんな!? わたくしたちが泊まっている旅館の方向へと向かっています!!』
そう、
本来の目標は……IS学園の生徒そのもの。
「くそっ!! アイツは、最初っから旅館を狙ってたんだ!!」
一夏は叫ぶ。このままではいけない。こうなれば、絶対にアイツが旅館を攻撃する前に無力化しなくてはいけない。
「旅館には……この状況を何も知らない生徒しかいない……。急ぐぞみんな!! アイツを止めるんだ」
千冬が叫び、一夏と箒に指示を送る。
「一夏、箒、アイツに追いつくには、全IS中で一位二位を争うお前らの機体でないと駄目だ。だから、わたしたちに気にせず先に行ってくれ、いいな?」
一夏と箒の二人は真剣な眼差しで、はい、と返事をする。
「よし、行け!! 一夏! 箒!」
二人は限界まで加速して