「はい、公安特捜班、えっ、新幹線「のぞみ6号」で男性の死体。」
「えっ。」
「よしっ、高山、鶴岡、小海、すぐ行ってくれ。」
「了解。」
12時24分、定刻通り、「のぞみ6号」は東京駅に到着した。
「どうも、京都公安の岩城です。」
「同じく中里です。」
「ご苦労様です。」
「それで、死因は。」
「恐らく青酸系の毒で殺害したと考えられます。」
「青酸系。」
「ええ。」
そこへ、新幹線ホームへ向かう南と公安隊員は。
「どこだ、死体が見つかったのは。」
「24分に着いた「のぞみ6号」の車内に。」
「死んでるのは、会社員のようです。」
現場には、京都公安も到着していた。
「300系で、事件に会うのはこれで2度目だ。」
「ああ、新大阪発の「のぞみ304号」ですね。」
「被害者は、東京の会社員ですね。」
と、高山は名刺を取り出した。
「ん、高木昭、北星地所株式会社・経理課課長補佐。」
「主任、被害者の身元がわかりました。」
「本当か、高山。」
「被害者は、北星地所の高木昭 42歳です。」
「うん、しかしどうして身元が分かったのか。」
「それが、新大阪から乗って来たそうです。」
「何、新大阪から。」
「ええ、鹿児島から来たそうです。」
「鹿児島、何で。」
「出張だそうです。」
「帰りは、鹿児島から夜行列車に乗って新大阪で「のぞみ」に乗った。」
「なるほど、夜に鹿児島へ出発して新大阪で下車した。」
「考えられるな。」
「それで、発見者は。」
「この女性です。」
「あなたが、第1発見者ですね。」
「はい。」
「あのー、名前は。」
40代の女性の名前と住所を聞くと、一緒に座っていた時に亡くなっていたと言った。
「どの辺りです。」
「えーと、苦しみだしたのは新大阪を発して京都辺りでした。」
「という事は、京都付近で高木が苦しみだした。」
「ええ、間違いありませんわ。」
「わかりました。」
と、言って、女性は帰した。
「被害者の高木の旅行トランクの中に缶ケースが発見された。」
中身を調べると。
「糖衣錠とカプセル、顆粒剤がありますね。」
「顆粒は、胃腸薬ですね。」
「ええ。」
しばらくして、警視庁の警察官が到着した。
東京公安室・公安特捜班
「殺害された高杉は、新大阪から新幹線で帰京の途中だったのか。」
「ええ。」
「発見者は女性と車掌だそうです。」
「という事は、帰りは西鹿児島からは寝台特急に乗ったのか。」
「詳しいことは、調べて見ないとわかりません。」
「よし、高山と鶴岡はその線で捜査してくれ。」
「わかりました。」
問題は、鹿児島まではどうやって新大阪へ行ったのか。
謎は深まるままだ。